エピローグ
GM
透子の手に握られた黒いナイフへその身を預けるようにして。
GM
誰がとどめを穿ったわけでもなく、その瞬間が過ぎ去った。
GM
雲間に穿たれた青い窓がひらけてゆくのが見える。
GM
亡者はいつも通りのどこか斜に構えた声音──間違いなくラタスの声で尋ねます。
フィルズ
「……今のお前にだけは、言われたくないな」
軽口を、返す。
ブラッドスクーパー
亡者に心はない。──はずだ。
この声が、疵が連れてきた思い出の一欠けらなのか。
フィルズ
それが、ラタスの言葉なのか。名残なのかは分からない。
フィルズ
…けれど、あいつなら…こんなこともあるか…と誇らしげに笑い、伝える。
透子
「…………さよなら、ラタス。今でも、愛してる」
ルルキス
「……いやだっ、いやです、行かないで!」
ルルキス
「私たちのことを、置いて、行っちゃうんですか!」
ルルキス
「……なに、最後までかっこつけてんですかっ……」
ブラッドスクーパー
亡者は赤く濡れたナイフの指で空を指す。
ブラッドスクーパー
黒い毛皮が煙のように散って亡者の身体はただの煙に変わってゆく。
ブラッドスクーパー
どこまでも続く青い空に。
あんまりすぎるほどの晴天に。
ブラッドスクーパー
「お前たちはあれを越えていくんだ」
ブラッドスクーパー
黒煙になる身体の隙間から6ペンスコインがこぼれ落ち、散らばる音。
ルルキス
……本当は、彼の願いの成就など、あまり願っていなかった。
ルルキス
行ってほしくなかった。引き留めたかった。
ルルキス
たとえ共に亡者に堕ちたとて、この旅が少しでも長く続けばよかった。
ルルキス
しかし取り残されて、彼は先に行ってしまう。
GM
ただ風が髪を、服を揺らす。
煤が残す言葉の代わりに黒く痕をつけてゆく。
ルルキス
指を絡める。強く握る。繋がりへと執着するように。残ったものへとすがりつくように。
透子
手を伸ばす。残るフィルズに。
繋がりを求めるように。子供が子供にせがむように。
フィルズ
「……っ…」
涙を零すルルキスを見て、自らも…ラタスに伝えたい思いを、口にしそうになる。
フィルズ
けれど、それはしない。彼女たちの想いが手向けとなるならば…自分が渡すべきは違うものだから。
GM
手の中にある黒いナイフが最後、散るように消えて。
GM
ただ、海の音のような風の音だけが響いている。
フィルズ
幾度となく交わしたやり取り。些細なことでも勝負をしてきた。…そうして、それは”まだ”続いていく。…そう言うように。
フィルズ
「……果たしてみせるさ。お前との、勝負なのだから」
GM
空がどこまでも青く続いている。
こんな堕落の国の世界の果てで。
ルルキス
けれど、親しい人を殺すのは、初めての経験だった。
GM
手を繋ぐ3人の子供たちが、手を繋ぐ4人になって。
いつしか、思い出づくりの旅になった。
GM
やきつくような空の青が。
馬鹿な男の、しょうがない男の胸の内を語るように。
GM
Dead or AliCe
青い窓を見上げて
GM
Special Thanks 見学者のみなさん