GM
キャラ紹介から入りましょう。まずはPC1から。
GM
GM
*PC1 ノラの紹介
ノラ
ノラ。
ノラ
チェシャ猫の末裔……ということにしている。
ノラ
娼婦をやってる。
ノラ
他に紹介すること……とか、別にない。
ノラ
*心の疵について
ノラ
『黒猫』
ノラ
毎日前を通っていたペットショップで、買い手のつかないまま大きくなっていった黒猫。
ノラ
あの子とあたしは似ていると思った。
ノラ
誰にも求められない。
ノラ
『優越感』
ノラ
嫌いだ。この世界も、救世主も、末裔も。
ノラ
グズで役立たずで無力なあたしが、嫌いなこの世界に少しでも傷をつけられたら。
ノラ
世界が救われる可能性を、一人分でも消してやれたら。
ノラ
それは生まれてはじめて、胸のすく出来事になるかもしれない。
ノラ
以上。
GM
GM
ありがとうございます。
GM
それではPC2。
アレクセイ
*PC0 アレクセイの紹介
アレクセイ
アレクセイ。
アレクセイ
僕は正真正銘の、唯一の救世主だ。
アレクセイ
この堕落の国は腐りきっている。価値のないものばかりが打ち捨てられた場所だ。
アレクセイ
だが、この僕が救ってやる。
アレクセイ
有象無象の取るに足らない奴らを蹂躙し、この世界を征服してやるのだ。
アレクセイ
*心の疵について
アレクセイ
『父』
アレクセイ
偉大なる父を持つ。歴史に名を刻むほどの成功者だ。
アレクセイ
彼の父はアレクセイをその後継者に相応しいものにするべく、厳しい教育をした。
アレクセイ
父がアレクセイの世界であり、基準であり、正しさであり、地獄だった。
アレクセイ
『母』
アレクセイ
父に歯向かうものなどいなかった。圧倒的な成功を納め、そしてその苛烈さに誰もが恐れた。征服者であり、決して優しい為政者ではなかった。
アレクセイ
唯一、アレクセイの母だけが父に歯向かった。
アレクセイ
アレクセイは母を愚かな女だと思っている。
アレクセイ
以上。
GM
GM
GM
GM
Dead or AliCe
GM
In The Dark, Small And Wet Room
GM
――二人だけの親密な行為。
GM
GM
GM
GM
ノラ、あなたは救世主であるにも関わらず、末裔のふりをして娼館にいます。
GM
その理由は、その経緯は、どうして6ペンスコインを持っていないのか。
GM
それを教えてください。
ノラ
あたしは家族のはずれものだった。
ノラ
父はいなかった。母の愛は、優秀な兄と、素直で美しい妹にだけ向けられていた。
ノラ
『どうして、あんたは』。そう言って、母はよくあたしをぶった。
ノラ
毎日前を通るペットショップ。
ノラ
一匹だけ買い手のつかないまま大きくなる黒猫に、勝手に自分を重ねた。
ノラ
いつしかその黒猫の顔を見ることが、小さな楽しみになっていた。
ノラ
だけどある日、いつものケースの中から黒猫は消えていた。
ノラ
ついに誰かに買われていったのだろうか。
ノラ
それとも。
ノラ
ノラ
堕落の国。救済を求める世界。
ノラ
この世界で、あたしを救世主と呼ぶ人たちのために、あたしは何者かになれるのだろうか。
ノラ
そんな希望を抱いて、ちょっと頑張ってみたりなんかして。
ノラ
でも結局うまくいかなかった。
ノラ
より強い救世主が来たら、末裔たちは役立たずよりもそちらを持ち上げた。
ノラ
結局、他の救世主に飼われるように従って命を繋いだ。
ノラ
だけど、それも長くは続かない。
ノラ
そいつに全てのコインを奪われて、村を追い出された。
ノラ
この場で殺さないのは慈悲だと思え、とかなんとか。恩着せがましいセリフを吐かれて。
ノラ
荒野を渡って違う村にたどり着けたのは、あたしには珍しく幸運なことだった。
ノラ
拾われたのが娼館だったのも、多分。
ノラ
救世主を縛る30日のルール。それを真っ当に果たす力はあたしにはない。
ノラ
ならば、不意を突くしかない。
ノラ
この世界のルールに、かつては恐れて、手を汚すことをためらっていた。
ノラ
でも今は、そうじゃない。
ノラ
価値のない世界。救いを待つばかりの無力な末裔。狂った救世主たち。
ノラ
殺そう。救世主を。
ノラ
できるだけ、世界を救う意思と素質のあるやつがいい。
ノラ
一人でも。
ノラ
こんな世界滅んじまえと思うあたしが、世界を救おうと思っているやつを殺してしまおう。
ノラ
そうして、あたしはこの薄暗く汚い部屋で待っている。
ノラ
救世主がここを訪れるのを。
ノラ
GM
あなた――ノラは6ペンスコインを失った救世主だ。それでも科される救世主の責務を果たすために、どうにかして他の救世主を殺し、あわよくば6ペンスコインを得なければない。その手立てはすくない。あなたは末裔のふりをして娼館で働き、客として訪れる救世主――アレクセイを殺すことを選ぶ。
GM
GM
お茶会に入りましょう。
GM
このシナリオには6つのクエストがあります。
GM
そのうちクエスト1,6はPC1のみが、2,3,4,5はPC2のみが行うことができます。
ノラ
はい。
GM
クエストNo.1(PC1のみ) 心を奪う

概要 :魅了し、引きつけ、意のままに動かす
条件 :PC1であること・PC2を舐める行動にのみ組み合わせられる
目標値 :7
消滅条件 :お茶会終了と同時に消滅
成功 :PC2の次の行動のクエストを指示することができる
失敗 :PC1の心の疵を回復するか悪化することで、行動とクエストの両方を成功したことにしてよい。この決定はPC1が行い、PC2が内容を指示する
※その際、心の疵についてPC1自ら相手に明かすこと
GM
クエストNo.6(PC1のみ) すべてを明かす

概要 :すべてを明かし、救世主であることを認め、許しを得る
条件 :PC1であること
(このクエストを行う場合に限り、PC1はお茶会終了時に追加の手番を得てもよい。
 GMはお茶会終了時に確認すること)
目標値 :PC2が成否を判断する
消滅条件 :成功するか、お茶会終了と同時に消滅
成功 :No.2を除くすべてのクエストで得た効果、心の疵MOD『逆棘』、裁判MOD『不意を突く(PC1)』を破棄し、裁判の相手を変更する
(PC2は6ペンスコインを3枚か6枚を融通し、能力値の合計が2、1の救世主としてそれぞれ作り直しても良い。GMの判断により、裁判を省略してもよい)
失敗 :No.2を除くすべてのクエストで得た効果、裁判MOD『不意を突く(PC1)』を破棄する
GM
クエストNo.2(PC2のみ) 心付けを渡す

概要 :あなたは相手に気に入られたい。だから、贈り物をする。
条件 :PC2であること
目標値 :自動的に成功
消滅条件 :お茶会終了と同時に消滅
成功 :PC2は凶器以外の宝物を全て破棄し、PC1は合計価値10以下の衣装か小道具を獲得する。PC1が内容を指示する。
GM
クエストNo.3(PC2のみ) 心を開く

概要 :あなたは相手をもっと内側に招きたい。だから、心の鍵を渡す。
条件 :PC2であること
目標値 :自動的に成功
消滅条件 :お茶会終了と同時に消滅
成功 :PC2はPC1に対し、技能による同意や許可を求められたときに拒否できなくなる。
(主に調律について。他には伝授、貢物、愛染など)
GM
クエストNo.4(PC2のみ) 心を染める

概要 :あなたは相手を心から望む。だから、相手の望むままになりたい。
条件 :PC2であること
目標値 :自動的に成功
消滅条件 :お茶会終了と同時に消滅
成功 :自身のデッキから技能を一つ入れ替える。その際、PC1が内容を指示する。
GM
クエストNo.5(PC2のみ) 心を解く

概要 :あなたは相手を信じ切っている。だから、装備を遠ざけても気づかない。
条件 :PC2であること
目標値 :自動的に成功
消滅条件 :お茶会終了と同時に消滅
成功 :凶器を『素手』に変更する
GM
以上です。
GM
ノラ、あなたは救世主の心を奪い、命を、6ペンスコインを奪ってください。
GM
生きるのならば。
ノラ
勿論、そのつもり。
GM
また、このシナリオには客シーン表というものがあります。
GM
ノラ、1d12を。
ノラ
1d12 (1D12) > 8
GM
8:眠り鼠の末裔だ。あなたには添い寝を求める。しかし、夢が休む場所でないことを知ることになる。
GM
これが昨晩のあなたがとった客です。
ノラ
待てど暮せど救世主が訪れないまま、あたしは醜い亡者と化す。
ノラ
そんな夢を見た。
GM
そう、その眠り鼠の性癖は嗜虐的だった。
GM
娼婦と悪夢を共有し、苦しむ様に性的興奮を抱く客。
GM
眠り鼠の夢に作用する力で、あなたは眠りながらもほとんど休むことができなかった。
GM
そして、翌日。
GM
この部屋には暗く、窓がない。
GM
ノラ、あなたは昼と夜の感覚も曖昧なまま、その声を聞く。
ノラ
ぴん、と耳が立つ。寝不足気味の目を擦る。
アレクセイ
『ちっ、しけた娼館だな、もっとマシな店はないのか』
アレクセイ
若い男の声。
アレクセイ
『すみません、この村には娼館はうちにしかありませんで――』
アレクセイ
店主の白兎の声。
アレクセイ
硬い足音が近づいてくる。
ノラ
耳を澄ませる。
アレクセイ
『それではこちらのお部屋でございます。ご要望のチェシャ猫の末裔です。どうか存分にくつろぎください――』
アレクセイ
ドアが開く。
ノラ
ベッドの上、けだるげに座る女の姿。
ノラ
「チェシャ猫をお望みなんて、物好きなお客様ですね」
ノラ
挨拶もせずに、そう言って笑う。
アレクセイ
「は、やはりこんな店だ、ロクに礼儀もなっていない」
アレクセイ
硬い足音を立てて、歩みいる。
ノラ
座ったまま、じっと客の姿を見る。
ノラ
「礼儀知らずで申し訳ありませんね~」
ノラ
「白兎にでも変更なさいます~? お金はその分かかりますけど~」
アレクセイ
「いや、構わない」
アレクセイ
あなたの髪を掴み、ベッドに力ずくで押し付ける。
ノラ
「っ、」
ノラ
痛みに眉を寄せる。
アレクセイ
「挨拶だ。挨拶を言え。雌猫め」
ノラ
ベッドに押し付けられ、男を見上げながら口を開く。
ノラ
「…………ノラ」
ノラ
「一晩、お相手させていただきます」
ノラ
「どうぞ、よろしくお願いします」
アレクセイ
ぱっと手を離し、
アレクセイ
「よい。ちゃんと出来るじゃないか、雌猫」
アレクセイ
「僕は見ての通り救世主だ。頭の悪いお前でもわかるだろう?」
ノラ
「ええ……」
ノラ
目を細める。
ノラ
救世主。その言葉に胸が高鳴る。
アレクセイ
「服従しろ。僕が機嫌を損ねたら、うっかりお前を殺してしまうかもしれない」
アレクセイ
アレクセイはあなたが救世主であることに気づかない。
ノラ
「あら。こわ~い」
アレクセイ
頬を叩く。
アレクセイ
「ただの脅しだと思うか?」
ノラ
乾いた音が狭い部屋に響く。
ノラ
「…………いえ」
アレクセイ
「僕は愚かな女が嫌いだ」
アレクセイ
「賢く振る舞え」
ノラ
「……失礼、いたしました」
アレクセイ
「僕の名前はアレクセイだ」
アレクセイ
「どう呼べばいいかわかるな?」
ノラ
「はい」
ノラ
「アレクセイ様」
アレクセイ
「良い。ちゃあんと出来るじゃないか、雌猫」
アレクセイ
あなたの頭を撫でる。
ノラ
目を伏せる。
ノラ
知らない相手に気安く触れられる不快には慣れたつもりだが、それでも、ぞわ、と肌の粟立つような感覚がある。
GM
GM
*お茶会 ラウンド1 ノラ
ノラ
行動としては、クエスト1を組み合わせてアレクセイの疵を舐めます。
ノラ
どちらに行くかは……流れで!
GM
承知しました。ありがとうございます。
アレクセイ
「じゃあ、そうだな……」
アレクセイ
「まずは服を脱げ」
ノラ
「……はぁい」
ノラ
上半身を起こして背中に手を回す。紐を解く。
ノラ
しゅるしゅる、と紐と布の擦れる音。
アレクセイ
対するアレクセイの装いは華美。レースの施された上着を脱ぐことすらしない。
アレクセイ
腰に帯びた細い剣を外すことすらも。
ノラ
編み上げの紐を解くだけで簡単に服は緩み、肌を滑り落ちていく。
ノラ
紫色の、安っぽい薄い下着があらわになる。
アレクセイ
品定めをするように、目を細めて体を見る。
ノラ
薄布の向こうに、裸体が透けて見える。
アレクセイ
「末裔のわりにはまともな体つきをしているじゃないか、淫売」
ノラ
「これだけが取り柄で」
アレクセイ
「さぞ多くの男達を誑し込んできたんだろうなあ?」
ノラ
「どうぞ、身体に尋ねていただければよろしいかと」
アレクセイ
「気の利いた答えだ」
ノラ
実際のところ、身体ばかりはよく求められてきた。
アレクセイ
「自分で自分を悦ばせろ、淫売」
ノラ
「…………っ」
ノラ
ぴ、と耳が立つ。
ノラ
救世主たちとともにいた頃も、思えば今とそう変わらない。
アレクセイ
「いいか、僕はお前を楽しませたりはしない」
ノラ
そう思っていたが……こういうことを求められるのは、初めてだ。
アレクセイ
「自分で準備をしろ」
アレクセイ
「浅ましいものは浅ましいように」
ノラ
擦り切れたはずの羞恥が、熱をもって襲いかかる。
ノラ
「…………」
ノラ
「仰せのとおりに」
ノラ
指先を口に含む。
ノラ
男のモノをそうするように音を立てて舐り、唾液を絡ませる。
ノラ
堕落の国では、ローションなんて便利なものは……少なくとも知る範囲では、存在しない。
アレクセイ
「……」
ノラ
ローションの代わりに唾液でたっぷり濡らした指を、下着の下に潜らせる。
ノラ
反対の手は胸に。
アレクセイ
じっとそれを注視している。
ノラ
その視線をできるだけ感じないように、目を閉じる。
ノラ
指を動かす。小さく水音が立つ。
ノラ
……クソ。
ノラ
クソ、クソ、クソ!
ノラ
人に見せるのは初めてなだけで、行為自体には経験がある。
ノラ
どこをどう触れば自分が気持ちよくなるのか、あたしは知っている。
ノラ
身体が熱い。息が上がる。
アレクセイ
女とは浅ましいものだ。
ノラ
薄い布の向こうで、指が動いているのが見える。
アレクセイ
娼婦がもっとも相応しい職業だ。
ノラ
中に指を挿入して、擦る。
ノラ
一本、二本。数を増やす。慣らしておかないとあとで痛い。
アレクセイ
ぎし、とベッドが軋む。
アレクセイ
ノラを注視しながら、アレクセイはベッドに膝立ちで乗った。
ノラ
指を動かす度に、くちくちと水音が立つ。
アレクセイ
「どうだ。僕を楽しませる準備はできたか?」
ノラ
「ん……」
ノラ
ぬるりと指を引き抜く。
ノラ
本当は……もうちょっと濡れてる方が楽だけど。
ノラ
「はい……」
アレクセイ
「よく出来た雌猫だ」
ノラ
媚びて、笑ってみせる。
アレクセイ
アレクセイはズボンのフロントにあるボタンを外し、自分の一物だけを出す。
アレクセイ
あなたの振る舞いに満足し、すでに興奮を湛えている。
アレクセイ
服を着たまま、手袋も外さぬまま、許可を求めることもせず、それを押し入れる。
ノラ
「……っ、」
ノラ
息を詰める。
アレクセイ
やや華奢な体つき通りの一物。
アレクセイ
あるいは未成熟の。
ノラ
慣らし足りないそこは、十分な締め付けを以てあなたを迎え入れる。
アレクセイ
押し付けるように体を重ねる。傷つけないようにという慮りはない。
ノラ
引き攣れる痛みに、断続的に声が漏れる。
アレクセイ
僕はお前を楽しませたりはしない。
アレクセイ
奪うだけだ。征服するだけだ。
アレクセイ
手首を、体を押さえつけ、引くことも許さない。
ノラ
蹂躙される。
アレクセイ
腰を振る。
アレクセイ
互いに表情は見えない。
アレクセイ
一方的な性交。
ノラ
それを受け入れている。
アレクセイ
しばらくして中に精を放ち、突き入れるのをやめる。
アレクセイ
あなたに体を重ねたまま、のしかかったまま、そのまま息をつく。
ノラ
汗ばんだ肌と肌が重なる。
アレクセイ
熱く乱れた呼気が、ゆっくりと落ち着いていく。
ノラ
重い。早くどいてほしい。
ノラ
シャワーしたいなあ。そんなものないけど……。
ノラ
ノラから身体を離すことはない。やわらかなぬくもりが男の下にある。
アレクセイ
「……」
アレクセイ
そのまま何も言わず、重ねたまま。
アレクセイ
あなたの手首を強くつかんでいた手も、今は手首にかかったまま、緩んでいる。
アレクセイ
レースの施された華美な衣装が、種々様々な体液に浸されていくのを気にもとめない。
ノラ
終わったらさっさと後始末したいタイプに見えたので、少し意外に思う。
ノラ
「……お洋服が、汚れませんか?」
アレクセイ
「ふん、後で店主にでも洗わせるさ」
アレクセイ
言葉をかけられて、ようやく意識がどこからか帰ってきたかのようだった。
ノラ
そんなサービスしてたっけ。してなくても救世主サマに言われたらするしかないか。
アレクセイ
ただ体を預けていたばかりだったアレクセイは、手をベッドについて体を起こす。
ノラ
「……アレクセイ様は、こちらにはいつまで滞在されるのですか?」
ノラ
自身も身体を起こしながら尋ねる。
アレクセイ
「しばらくいる。責務は果たしたばかりだ。二週間ばかりか……」
ノラ
「……そうですか」
ノラ
「それでは、よろしければまたノラをご贔屓にお願いします」
ノラ
「救世主のお客様なんて滅多にいらっしゃらないもの。ええ」
ノラ
「またご指名いただけたら光栄です」
アレクセイ
「自分を売るのに必死か、淫売らしい」
アレクセイ
「だが具合は悪くなかった」
ノラ
「あら。どのお客様にもこうなわけじゃないんですのよ」
ノラ
「悦んでいただけたのなら何よりです」
ノラ
そっと身体を寄せる。
ノラ
先程まで重ねていた体温が、再びあなたに触れる。
アレクセイ
「賢い女は嫌いじゃない――」
ノラ
ならば、そのように振る舞う。
アレクセイ
そう言いかけて、体温に言葉がほつれる。
アレクセイ
目を細める。
ノラ
そのつもりだったけれど。
ノラ
手を伸ばし、やわらかく抱きしめる。
アレクセイ
「なんだ、足りなかったのか? 浅ましい雌猫め」
アレクセイ
悪態をつきながら、しかし抱きしめられるのを拒んだりはしない。
ノラ
「……」
ノラ
あなたは本当に、従順な『賢い女』が好きなのかしら?
ノラ
なぜ、一夜の相手に他の従順な末裔ではなく、チェシャ猫を選んだの?
ノラ
どうしてこの腕を振りほどかないの?
アレクセイ
がり、と口の中を噛む。
アレクセイ
血の味がする。
ノラ
分を弁えない愚かな女を、なぜ咎めないのかしら?
ノラ
*クエスト1を組み合わせて、アレクセイの『母』を舐めます。
ノラ
能力値は……うーん……愛で……
ノラ
ティーセットも使います。
[ ノラ ] ティーセット : 3 → 2
GM
どうぞ……。
ノラ
2d6+2=>7 ティーセット使用 (2D6+2>=7) > 6[1,5]+2 > 8 > 成功
[ アレクセイ ] 母 : 0 → 1
ノラ
アレクセイに指定するクエストは5。
GM
了解しました。
アレクセイ
放った悪態は応えられることもなく、続くこともなく、そのまま床に転がって落ちている。
アレクセイ
とうに忘れてしまったみたいに、アレクセイはあなたの腕の中でその体温に浸っている。
ノラ
強大な能力を振りかざすその裏に、救世主はそれぞれが抗えない心の疵を持つ。
ノラ
このぬくもりが、彼の心を侵す劇毒になればいいと思う。
アレクセイ
あなたにはわかるだろう。交わる折にすら僅かにも脱がなかったその服はアレクセイの鎧なのだと。
アレクセイ
直接触れ合わずとも、その毒は布地を越えて及び、心を浸す。
ノラ
長い沈黙の後、身体を離す。
ノラ
今日はここまで。
ノラ
ほしくなったら、またあたしを買いに来て。
アレクセイ
一度に全てを与えない。単純な商売の秘訣。
アレクセイ
賢い雌猫だ、とアレクセイは言うことはできない。
アレクセイ
それを求めていると認めることができない。
アレクセイ
ただ細めた目であなたを見返すばかりだった。
GM
GM
客シーン表を振りましょうか。1d12をお願いします。
ノラ
1d12 (1D12) > 12
GM
12:前と同じ客だ。すっかりあなたをお気に入りにしている。
GM
再び、眠り鼠の末裔。
GM
今度は悪夢の中で、眠り鼠はあなたを抱いた。
ノラ
夢だというのに、しっかり感覚がある。
GM
夢の中では眠り鼠は無力な末裔などではなく、救世主のように強い力で以てあなたを意のままにした。
GM
GM
*お茶会 ラウンド1 アレクセイ
GM
あなたの毒に狂わされて、救世主はノラを指名する。
ノラ
扉越しに聞こえた男の声に、足音に、ほくそ笑む。
アレクセイ
硬い足音はあなたの部屋の前で止まり、ドアが開いた。
アレクセイ
「また来てやったぞ、雌猫」
ノラ
「まぁ」
ノラ
「嬉しいです、アレクセイ様」
ノラ
溢れる笑みは、本心からのもの。
アレクセイ
「僕はやがて唯一の救世主になる男だ」
アレクセイ
「光栄に思え」
ノラ
「……それは」
ノラ
目を細める。
ノラ
「ええ、もちろん。光栄に思います」
アレクセイ
「すべての救世主を殺し、頂点に立つ」
アレクセイ
「この堕落の国は掃き溜めでしかないが、有象無象が支配者ヅラしているのは見過ごせん」
ノラ
「…………」
ノラ
笑みを浮かべながら聞いている。
アレクセイ
「その頃にはお前のような薄汚い女を傍に置くことなどありえないが……」
アレクセイ
「僕に買われたことを喜びにして生きるとよい」
ノラ
「……ええ」
ノラ
「このひととき、買っていただけるだけで十分です」
アレクセイ
言葉を重ねながら、アレクセイは以前は腰に帯びていたままでいた剣を外し、部屋の片隅に立てかける。
ノラ
それに気づいて、目を細めた。
アレクセイ
装飾の施された、細く鋭い剣。
アレクセイ
あなたに心を解いている。
ノラ
どうやら、毒に効果はあったらしい。
アレクセイ
剣の傍らに、脱いだ手袋を置く。
ノラ
ベッドの上からそれを眺める。
アレクセイ
ベッドに乗り、今度はアレクセイからあなたに触れる。
アレクセイ
素手であなたの肩に手を添え、押し倒す。
ノラ
ぎし、と音を立てて、薄く硬いベッドに倒れる。
アレクセイ
一方の手で胸をまさぐる。
アレクセイ
鎧うことのない素手からは、効率的にあなたの毒がアレクセイに及ぶ。
ノラ
肌と肌が、体温と体温が触れる。
アレクセイ
「女はなんでこんなだらしのないものをぶら下げているんだ?」
ノラ
「さぁて……考えたこともありませんでした」
アレクセイ
「男を誘う以外に何にもならないだろう」
ノラ
保健体育の授業してやろうか……?
ノラ
「そうかもしれませんね……」
アレクセイ
「まったく……愚かで弱い生き物だ……」
ノラ
お子様だからおっぱいがお好きなんじゃないでちゅか~? と思ったが、黙った。
アレクセイ
言葉とは裏腹に、ノラの柔肌に指を沈めては滑らせている。
ノラ
触れられて、時折くすぐったそうに身を捩る。
アレクセイ
「娼婦がもっとも相応しい……」
ノラ
女の胸が発達するのは、子供を育てるためだ。
ノラ
子供のための場所を、無遠慮にまさぐられている。
アレクセイ
手が止まり、顔を持ち上げ、些細な沈黙。
アレクセイ
ノラの胸の先端を噛む。
ノラ
びくり。身体が跳ねる。
ノラ
眼下に視線をやる。
アレクセイ
あなたの視線からは、アレクセイが胸に顔を埋めているように見えるだろう。
アレクセイ
緑髪の小さな頭。顔はわからない。
アレクセイ
*クエスト5を組み合わせて、ノラの『優越感』を猟奇で舐めます。
ノラ
*横槍
ノラ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ノラ
ティーセットを使用。
[ ノラ ] ティーセット : 2 → 1
[ ノラ ] HP : 15 → 14
ノラ
2d6+0+2=>7 判定(+愛+ティーセット) (2D6+0+2>=7) > 6[2,4]+0+2 > 8 > 成功
ノラ
1d6 効果量 (1D6) > 4
アレクセイ
2d6+3-4=>7 判定(+猟奇) (2D6+3-4>=7) > 9[4,5]+3-4 > 8 > 成功
[ ノラ ] 優越感 : 0 → 1
ノラ
声には出さずに、小さく笑う。
アレクセイ
『僕はお前を楽しませたりはしない』とアレクセイは言った。
アレクセイ
その言葉を忘れているのか、あるいはまだ覚えているのか。
ノラ
どちらにしろ、滑稽なことだ。
アレクセイ
口、唇でもってあなたの胸を慰撫する。
アレクセイ
湿り気のある音と熱い呼吸。
アレクセイ
言葉はなく、あなたの毒に溺れるようにただ。
ノラ
これ撮ってあとで見せてやったらどんな顔するんだろうとか、意味のないことを思う。
ノラ
幼い子供のように胸に顔を埋める救世主サマの姿に、少しだけ溜飲の下がる思いをした。
アレクセイ
アレクセイ
性交の後。
アレクセイ
半身はベッドに、半身はあなたにかかるように横たわっている。
ノラ
熱を帯びたやわらかな肢体が、ベッドの上に投げ出されている。
アレクセイ
「……ノラ」
アレクセイ
呟くように名前を呼ぶ。
ノラ
驚いたように耳を揺らして、顔をアレクセイの方に向ける。
アレクセイ
「お前はこの暮らしが楽しいのか」
ノラ
それは今度こそ、考えたことのなかった問いだった。
ノラ
別に好き好んで娼婦をやっているわけではない。
ノラ
かと言って、以前の暮らしが楽しかったかと思うと。
ノラ
「……毎日、今日を生きるのに精一杯、ですから」
ノラ
「楽しいとか、楽しくないとかは、あまり……」
アレクセイ
「獣と変わらないな……」
アレクセイ
「お前の母も淫売だったのか」
ノラ
「いいえ」
ノラ
「あたしは……アレです。口減らし」
ノラ
家族ともどもこの世界に生まれついていたら、実際にそうなっていただろう。
アレクセイ
「そうか……そういうこともあるな」
ノラ
「よくある話です」
アレクセイ
「ああ」
アレクセイ
「……僕がより力を手に入れたときには、お前を買い上げてやってもいい」
ノラ
「……」
ノラ
「よろしいんですか……?」
アレクセイ
「どうせこの世界のものはすべて僕のものになる」
アレクセイ
「早いか遅いかの違いだ」
アレクセイ
「親に捨てられた憐れな猫に情けをくれてやるだけだ」
ノラ
「まぁ……」
ノラ
「……ありがとうございます、アレクセイ様」
ノラ
感激する。フリをする。
ノラ
その時は来ないことを、あたしだけが知っている。
GM
二人は救世主だ。
GM
アレクセイとノラ、二人が天秤の同じ片側に乗ることはない。
GM
GM
1d12をお願いします。
ノラ
1d12 (1D12) > 2
GM
2:あなたは誰も客に取らなかった。代わりに店主の白兎の末裔が不機嫌そうに、あなたを抱く。
GM
その日は誰もあなたを買わなかった。
GM
売上を出さないあなたを、店主は強引に抱いた。
ノラ
そういう日もある。
ノラ
次に彼が来るのはいつだろうか。
ノラ
そんなことを思いながら抱かれた。
GM
GM
*お茶会 ラウンド2 ノラ
ノラ
待つことしかできないというのは、どうにもよろしくない。
ノラ
期限は日々迫ってくる。
アレクセイ
再び、硬い足音があなたの部屋を訪う。
ノラ
ぴん、と耳が立つ。
アレクセイ
ドアが開くと、あなたが待ち望んだ男が立っている。
ノラ
ゆらり、尻尾が揺れる。
アレクセイ
今日はなにか小包を持っている。
アレクセイ
それをあなたに寄越す。
アレクセイ
「土産だ」
ノラ
目を見開いて、それを受け取る。
ノラ
「……ありがとうございます、アレクセイ様」
アレクセイ
「蜂蜜だ。茶にでもいれるようなものだが……」
アレクセイ
「まあお前達末裔はそんな上等な嗜み方はしないか」
アレクセイ
茶も蜂蜜も高級品だ。容易くは手に入らない。
ノラ
「お茶は……そうですね、自分ではなかなか……」
アレクセイ
「瓶から直接舐めるなよ」
アレクセイ
「お前の毛がベタベタになりそうだ」
ノラ
「それは困りますね……」
ノラ
「気をつけます」
アレクセイ
「土産の一つも寄越さないケチな救世主だと思われたら心外だからな」
アレクセイ
「感謝して食え」
ノラ
「はい。ありがたくいただきます」
アレクセイ
今日も同じように剣と手袋を部屋の片隅に置く。
ノラ
サイドテーブルの引き出しに、包みをしまう。
ノラ
アレクセイを殺してコインを奪ったあと。そのお祝いにあの包みを開けよう。
アレクセイ
その思惑には未だ気づかない。
アレクセイ
ぬくもりという毒に侵されて、触れ、それを舐め取ったのはアレクセイ自身。
アレクセイ
ベッドに腰掛ける。
ノラ
毒婦は微笑んでそれを迎え入れる。
アレクセイ
「今日は隣の街に出た亡者を倒したんだ」
アレクセイ
「土産はその報酬で買ったものだ」
ノラ
「まぁ」
ノラ
さすが、と手を合わせる。
アレクセイ
見れば、どことなく消耗している。
ノラ
あたしに殺される前に誰かに殺されかねないことするのはやめてほしい……。
ノラ
「お勤めお疲れ様です。アレクセイ様」
アレクセイ
「まったく、末裔どもは世話が焼ける」
ノラ
「来てくださったのは嬉しいですが……お怪我とかは大丈夫なんですか?」
アレクセイ
「僕の手を煩わせないほどに訓練する必要が――」
アレクセイ
「ああ」
アレクセイ
「大丈夫だ」
アレクセイ
そう答えるが、アレクセイの呼吸は普段よりも浅い。
アレクセイ
深く息をすれば、胸に何か痛むものがあるかのような。
ノラ
「……」
ノラ
痛みを押して、こんなところに来たのか。
ノラ
安くない手土産まで用意して……。
ノラ
「……ご無事でしたら、何よりです」
アレクセイ
「ああ」
ノラ
プライドから来る強がりを、言葉で暴くことはしない。
ノラ
「アレクセイ様に限って、そんなことはないとは思いますが……」
ノラ
「どうぞ、無理はなさらないでくださいね」
ノラ
「アレクセイ様に何かあったら、ノラは悲しいですから……」
アレクセイ
「は……」
アレクセイ
「はは、そうだろうな」
アレクセイ
「君は僕の贔屓だ」
アレクセイ
「上客を失うのは惜しかろう」
ノラ
「……それだけでは、ありませんよ」
ノラ
痛みを与えないように、そっと身体を寄せる。
アレクセイ
「……」
ノラ
ぬくもりがある。
アレクセイ
「なら……」
アレクセイ
「なんだって言うんだ」
ノラ
ふふ、と微笑む。
ノラ
「なんでしょうね?」
アレクセイ
「お前は……賢い雌猫だ」
アレクセイ
「まったく……賢い……」
ノラ
「お褒めにあずかり光栄です」
アレクセイ
腰掛けたまま横になる。天井を見上げる。
アレクセイ
飾り気のない、梁がそのまま露わになった天井。
ノラ
ころん、とその隣に寝転ぶ。
アレクセイ
息を吸って吐くたびに、胸が上下する。
アレクセイ
並んで横になっている。
アレクセイ
「無理をするな、というが……僕は救世主だ」
ノラ
「ええ」
アレクセイ
「僕には力がある。責任がある」
ノラ
「アレクセイ様が、この世界を救ってくださるのですものね」
アレクセイ
「そうだ」
アレクセイ
「力を持ちながらそれを持て余しているような惰弱ではない」
ノラ
「アレクセイ様は、心も強くていらっしゃるんですね」
アレクセイ
「でなければ救世主は務まらない」
アレクセイ
「こんな世界だ。弱い救世主は生き長らえるよりも死んだほうがいい」
ノラ
「……えぇ」
ノラ
「たくさんいます。弱い救世主も、怠惰な救世主も、悪辣な救世主も」
ノラ
「だけど、アレクセイ様は違う」
ノラ
「あなたは、唯一の救世主になる人」
アレクセイ
「そうだ」
アレクセイ
「僕だけが責任を果たしている」
アレクセイ
「大いなる責任だ」
ノラ
「あなたを失うことがあれば、世界にとって大きな損失になる」
ノラ
「あたしはそれを、憂いているのですよ……」
ノラ
*クエスト1を組み合わせて、『父』を舐めます。
ノラ
判定は愛。ティーセットを使用。
[ ノラ ] ティーセット : 1 → 0
ノラ
2d6+0+2=>7 判定(+愛+ティーセット) (2D6+0+2>=7) > 7[2,5]+0+2 > 9 > 成功
[ アレクセイ ] 父 : 0 → 1
ノラ
アレクセイにクエスト4を指定。入れ替える技能は……もうちょっと考えていいですか!?
ノラ
RPのことしか考えてなく、忘れていた。
GM
アレクセイの手番で大丈夫です。
ノラ
ありがとうございます。
アレクセイ
「……」
ノラ
「それに。あたしを買ってくださるのでしょう?」
ノラ
「あたしはそれを、日々の希望にさせていただいているんです」
アレクセイ
「そうだろう」
アレクセイ
「そうだ」
アレクセイ
「すべて、勝ち取ってきたものだ、僕が――」
ノラ
「ええ」
ノラ
「アレクセイ様が、あたしの希望です」
ノラ
そう。あなたはあたしの希望。
ノラ
「あたしは、アレクセイ様が世界を救ってくださる方だと、心から信じています……」
ノラ
信じている。
アレクセイ
「……」
ノラ
そういう救世主をこそ、殺す意味がある。
アレクセイ
「もし……」
アレクセイ
「もし、だ」
ノラ
「はい」
アレクセイ
「僕が世界を救世することを諦めたらどうする」
ノラ
「…………」
ノラ
それは、あたしの望む言葉じゃない。
ノラ
「ノラは……」
ノラ
「アレクセイ様を、信じています」
ノラ
「あなたのなさる決断を、信じますよ」
アレクセイ
「……」
アレクセイ
「今の話は、忘れてくれ」
ノラ
「はい」
アレクセイ
「今日は、いい」
アレクセイ
「少し寝る」
ノラ
「はい」
ノラ
「アレクセイ様といえど、お疲れでしょう」
ノラ
「どうぞ、お休みになってください」
アレクセイ
目を閉じる。
アレクセイ
眠りに落ちるのは早かった。意識を手放すと、何度か深く息を吸った際に咳き込んだ。
ノラ
「…………」
ノラ
隣に寝転んだまま。
ノラ
ぬるま湯のようなあたたかさは、目を覚ますまであなたの隣にあった。
GM
GM
1d12をお願いします。
ノラ
1d12 (1D12) > 10
GM
10:紳士的な救世主だ。あなたを丁寧に扱うが、客と娼婦、救世主と末裔の一線を越えない。
GM
アレクセイではない、別の救世主の客だ。
GM
救世主とはいえ、娼館ですることといえば性交。
GM
特別言葉を交わさなかったり、暴力がなければ、ただの客でしかない。
ノラ
ひどいことは一つもされなかった。ただ、抱かれた。
ノラ
この客とアレクセイがどこかで鉢合わせて、殺し合いになりはしないだろうか。
ノラ
そのことが気がかりだった。
ノラ
あるいは、もしかしたら、既に。
GM
GM
*お茶会 ラウンド2 アレクセイ
GM
あなたの気がかりは杞憂だった。
GM
翌日、またアレクセイはあなたの部屋を訪れる。
ノラ
娼館の床を叩く硬い足音。
アレクセイ
「ノラ」
ノラ
「アレクセイ様」
ノラ
「いらしてくださったんですね」
アレクセイ
「ああ」
アレクセイ
「来たよ」
ノラ
「嬉しい」微笑む。
アレクセイ
「相変わらず」
アレクセイ
「商売が上手いな」
ノラ
「そういうことに……しておきましょうか」
アレクセイ
不意に肩を掴み、
アレクセイ
抱き寄せ、
アレクセイ
口づけする。
ノラ
目を見開く。
ノラ
わずかに身じろいで、だけど抵抗はしない。
アレクセイ
そのままもつれ込むように、ベッドへ押し倒す。
ノラ
自身に覆いかぶさる背中に腕を回す。
アレクセイ
髪が垂れて、顔が近いまま。
アレクセイ
「僕は、わからない」
アレクセイ
「僕の名前を呼んでくれ、ノラ」
ノラ
「アレクセイ様……」
アレクセイ
アレクセイは興奮している。
ノラ
吐息のかかる距離。
アレクセイ
その発端が何処にあるのかはわからない。
アレクセイ
何かが起きたのか、あるいは、何が起きずともそうなっているのか。
ノラ
あたしを好きになっちゃったんだね。
アレクセイ
「ノラ……」
ノラ
愚かだと、淫売だと罵った女を、あなたは。
ノラ
愚かな人。
ノラ
「アレクセイ様……」
アレクセイ
「……気が狂いそうだ」
アレクセイ
「わからない……」
アレクセイ
あなたの首に手をかける。
ノラ
「……ぁ、」
アレクセイ
力は込めないが、込めればそのまま殺されてしまうだろう。
アレクセイ
「君と会ってからだ」
アレクセイ
「バラバラになりそうだ」
ノラ
「…………」
アレクセイ
「僕は……」
アレクセイ
「僕は、なんだ……?」
ノラ
「アレクセイ様は、アレクセイ様でしょう……」
ノラ
「救世主」
ノラ
「あたしのお客様」
ノラ
あたしの獲物。
アレクセイ
「……」
アレクセイ
手を離し、ごろりと横に転がる。
アレクセイ
「ノラ」
アレクセイ
「服を」
ノラ
「はい」
アレクセイ
「僕の服を脱がしてくれ」
ノラ
「仰せのとおりに」
アレクセイ
また手袋も、帯刀もしたままだ。
ノラ
細い指で、彼の鎧を解いてゆく。
アレクセイ
一つ一つ、暴かれていく。ボタンの多い服。高価な布地をいくつも重ねられた衣装。
ノラ
それらを丁寧に剥がす。
アレクセイ
露わになる。
ノラ
露わにさせる。
アレクセイ
傷だらけの華奢な身体。
アレクセイ
無防備にさらされている。
ノラ
何も、隠さなくていい。あたしの前では。
ノラ
武装している必要なんてない。
アレクセイ
「僕を、」
アレクセイ
「僕を、抱きしめてくれ」
ノラ
傷だらけの身体に腕を回す。
ノラ
肌と肌が、ぬくもりとぬくもりが重なる。
アレクセイ
そうしてようやくアレクセイの興奮が静まっていく。
アレクセイ
深く、ゆっくりと息を吸って吐いた。胸腔が膨らみ、しぼんだ。
アレクセイ
「ノラ……」
ノラ
呼吸するごとの胸の上下が、心臓の鼓動が伝わる。
ノラ
「……アレクセイ様」
アレクセイ
「……酷い傷だろ」
ノラ
「……痛くはありませんか」
アレクセイ
「この世界に来る前のものだ。今は痛んだりしない」
ノラ
「そうですか……」
ノラ
指先が傷痕に触れる。そのままそっとなぞる。
アレクセイ
「父にされたんだ」
ノラ
「お父様に……?」
アレクセイ
「僕は偉大な父の後継者だ。誰よりも強くならなければいけなかった」
アレクセイ
「……強くあること。君臨し、統治すること」
アレクセイ
「征服すること」
アレクセイ
「それが僕に課された宿命だ」
ノラ
「あたしのような庶民には、雲の上のことのような話ですね……」
ノラ
「……アレクセイ様は、そのために」
ノラ
傷痕を辿る。
ノラ
「頑張ってこられたのですね」
アレクセイ
「……」
アレクセイ
「そのために……」
アレクセイ
「そのための……」
アレクセイ
「そのための、はずだった」
アレクセイ
「僕が、僕が世界に君臨する、支配する、全てを手に入れて、全てを僕のものにすれば、もう何も奪われたりせずに済む、僕の存在が認められる――」
アレクセイ
「そう……思っていた」
ノラ
「……」
ノラ
「今は、違うのですか」
アレクセイ
「わからない」
アレクセイ
「君のせいだ――」
アレクセイ
「君のせいで、僕は」
アレクセイ
「わからなくなってしまったんだ」
ノラ
滑るように指先で背中に触れていたのが、いつの間にか手のひらで触れている。
アレクセイ
「父さんは、僕に力だけを求めた。僕が優秀でなければ、見向きもしなかった」
ノラ
あなたの身の上話に、静かに耳を傾ける。
アレクセイ
「父さんは僕を見ていたわけじゃない」
アレクセイ
「自分の子供が君臨するということだけを見ていた」
アレクセイ
「僕のことなんか、どうでも良かったんだ」
ノラ
背中を撫でる。
アレクセイ
「ノラ……」
ノラ
「寂しかったでしょうね……」
ノラ
「悲しかったでしょう」
アレクセイ
「ノラ、ノラ……」
ノラ
親に、愛されぬことは。
ノラ
愚かで、かわいそうな人。
ノラ
娼婦なんかに慰めを求めて。
アレクセイ
「僕が欲しいのは君だけだ――」
アレクセイ
*クエスト4を組み合わせて、『黒猫』を舐めます。
ノラ
クエスト4の指定。兇刃を貢物に入れ替えてください。
ノラ
*横槍
ノラ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ノラ
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 7[4,3]+0 > 7 > 成功
ノラ
1d6 効果量 (1D6) > 3
[ ノラ ] HP : 14 → 13
アレクセイ
2d6+3-3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3-3>=7) > 7[5,2]+3-3 > 7 > 成功
[ ノラ ] 黒猫 : 0 → 1
アレクセイ
*兇刃 → 貢物
ノラ
愚かな人。愚かな人。愚かな人。
ノラ
金で買ったぬくもりよ。優しさよ。愛よ。
アレクセイ
「君だけだ」
アレクセイ
「世界なんて、本当は、どうでもよかったんだ」
ノラ
それは、あたしの望んでいる言葉じゃない。
ノラ
……本当に?
アレクセイ
「ノラ、君だけだ」
アレクセイ
「僕が手に入れたいのは、欲しいのは、君だけだ」
ノラ
愚かな人。
ノラ
手を伸ばす。
ノラ
頬に手を添えて、口づける。
アレクセイ
受け入れる。
ノラ
「あたしも……」
ノラ
「あなたが、欲しい……」
ノラ
あなたの欲しい物をあげる。
ノラ
あたしも、あたしの欲しい物をもらうよ。
アレクセイ
「ノラ……」
アレクセイ
「なんだってくれてやる」
アレクセイ
「手に入れる」
アレクセイ
「君を守る」
アレクセイ
「そうだ、旅に出よう。こんな娼館なんかやめて」
ノラ
なんてありきたりなセリフを吐くのだろう。
アレクセイ
「6ペンスコインを手に入れれば、君にも力を与えられる」
ノラ
すっかり毒に侵されてしまったんだね。
アレクセイ
「そうしたら、ずっと一緒にいられる」
アレクセイ
「君は別に戦わなくたっていいよ、傍にいてくれればいい」
ノラ
バカなことを言っているとは思わないの?
ノラ
甘い言葉を吐く口を、再び唇で塞ぐ。
アレクセイ
「……――」
ノラ
聞きたくない。
ノラ
それ以上。
ノラ
何も。
ノラ
こんな茶番は、もう終幕にしよう。
ノラ
*裁判をしましょう
GM
PC1のノラにより、裁判の開始が宣言。
GM
*心の疵MOD『逆棘』
[ アレクセイ ] 父 : 1 → -1
[ アレクセイ ] 母 : 1 → -1
[ ノラ ] 黒猫 : 1 → -1
[ ノラ ] 優越感 : 1 → -1
GM
*アレクセイ、発狂。
GM
*ノラ、発狂。
GM
*裁判開廷
GM
*裁判MOD『不意を突く(PC1)』より、ノラが行動順を決定してください。
ノラ
先手をいただきます。
GM
了解しました。それでは手札を15枚、どうぞ。
ノラ
*Jo,h2,d5,c8,cA
アレクセイ
*s6 d7 c10 sJ dJ
GM
*裁判 ラウンド1 ノラ
ノラ
*cA終幕>アレクセイ
ノラ
*h2精確
ノラ
1d6 精確 (1D6) > 6
ノラ
2d6+0+6=>7 判定(+猟奇) (2D6+0+6>=7) > 10[5,5]+0+6 > 16 > 成功
ノラ
1d6+2+2+1+3 素手+看破+発狂+逆鱗 (1D6+2+2+1+3) > 1[1]+2+2+1+3 > 9
[ アレクセイ ] HP : 18 → 9
ノラ
唇を重ねながら、アレクセイの上にやわらかくのしかかる。
ノラ
この人は、これ以上ないほどにあたしを信じ切っている。
ノラ
あたしの期限も、限りなく迫っている。
ノラ
今夜、やろう。
ノラ
今更全てを明かせやしない。
ノラ
最初から騙していたあたしを、この人は許さないだろう。
ノラ
そのあとは命を奪われるか、置いていかれて死を待つばかりか。
ノラ
舌を絡め、左手で素肌をまさぐる。
アレクセイ
何も疑いはない。
アレクセイ
今この瞬間、彼にとってのすべてがあるのだから。
アレクセイ
君が全てだと信じている。
ノラ
ベッドフレームとマットレスの隙間に手を差し入れ、ナイフを取り出す。
ノラ
愚かな夢の中で死ね。
ノラ
首筋に、それを突き立てる。
アレクセイ
鮮血。
アレクセイ
吹き上がる、夥しい流血が全てを赤く染める。
アレクセイ
寝具を、壁を、アレクセイを、ノラを。
ノラ
あたたかな血を浴びる。
アレクセイ
何が起きたかわからないというように、アレクセイは首を押さえる。
ノラ
「……やっぱ、これくらいじゃダメか」
アレクセイ
「あああっ、ぐううう」
アレクセイ
なんだ、何が起きた?
ノラ
「ふつ~、人は首刺されたら死ぬもんなのにね」
アレクセイ
「ノ、ラ……?」
ノラ
「馬鹿な人。お坊ちゃん」
ノラ
グリグリと、ナイフで傷口を抉る。
アレクセイ
呻きながら突き飛ばす。
アレクセイ
首を押さえる。ぬるぬるする。生暖かい血。
ノラ
「あん」
アレクセイ
「何故だ、どうしてだ……」
アレクセイ
「どうして……」
ノラ
「なんでだと思う? どうしてだと思う?」
ノラ
「救世主を殺したい人は誰?」
アレクセイ
「何を言っている……」
アレクセイ
何を言っているんだ。
アレクセイ
僕を殺そうとしてきたやつらはたくさんいた。父には敵が多かったから、同様に僕も憎まれた。僕の周りには敵しかいなかった。味方なんて誰一人もいなかった。母さん以外――
アレクセイ
いや、ここは、堕落の国。
ノラ
チェシャ猫じみた笑いを、未だに顔に貼り付けている。
アレクセイ
僕は、救世主で、
アレクセイ
君、は。
アレクセイ
「君、は……」
ノラ
ああ、もう少し哀れなフリでもしてみせたらよかっただろうか。
ノラ
騙されてとか、脅されてとか。
ノラ
まあいいや。
ノラ
「や~っとお分かりですか?」
アレクセイ
「君は、」
アレクセイ
「救世主」
アレクセイ
「だったのか……」
アレクセイ
救世主は救世主を殺す。それを責務として課されている。
ノラ
「バカみたいな名前だよね、それ」
ノラ
「実際のとこ、救世主らしくいようとしてるヤツなんて全然いないし……」
アレクセイ
話している間にも、首から血がだくだくと溢れている。救世主じゃなければ死んでいた。
ノラ
「あなたは少しは気概があるのかと思ったら、娼婦にガチ恋しちゃうし……」
アレクセイ
「くそ、ふざけるな、クソッ、クソクソクソクソッッ!」
ノラ
血に濡れて顔に貼りついた髪をかき上げる。
アレクセイ
「騙したな、僕をッ!!」
アレクセイ
「僕は、僕は君を、信じていたのにッ!!」
ノラ
「だからやったんだよ」
ノラ
「最初からウソなの。分かったか馬鹿ボンボン」
ノラ
「ガチ恋キモ客」
アレクセイ
「ぐ、ううううううッッッ!!!」
ノラ
この日、この瞬間をずっと思い描いてきた。
アレクセイ
「殺す……」
アレクセイ
「殺してやるよ……」
ノラ
お坊ちゃんの悔しがる顔を見るだけでも、さぞや溜飲の下がることだろうと思ってきた。
アレクセイ
「雌猫ッッッ!!」
ノラ
胸に甘えさせていた時の方が、よほど気分がよかったな。
アレクセイ
*c10>ノラ
アレクセイ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 5[2,3]+3 > 8 > 成功
[ ノラ ] HP : 13 → 5
アレクセイ
c2+2+1+3 看破+発狂+逆鱗 c(2+2+1+3) > 8
アレクセイ
殴る。
ノラ
深手を負っていても、コインを持つ救世主の拳は速く、重い。
ノラ
鈍い音がする。
アレクセイ
素手。何も鎧わず、武器も持たず、肌と肌が触れ合い、めり込み、そして離れる。
ノラ
頬が痛む。口の中に血の味が広がる。
アレクセイ
聞き覚えのある音だった。
アレクセイ
父が母を殴りつけたときの音。
アレクセイ
「ふーッ、ふーッ」
アレクセイ
荒く息をしている。
ノラ
殴られた。よく。母に。
アレクセイ
気持ちよくなんてなかった。
ノラ
どうしてあんたは、そんなに。
ノラ
続く言葉は、その時々で、色々。
アレクセイ
こんなに許せないのに、大切なものを壊している手触りがする。
アレクセイ
「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな……ッ」
アレクセイ
「ノラ……」
ノラ
「…………」
アレクセイ
「嘘だと言ってくれ……」
アレクセイ
「嘘だと言えッッ!!」
ノラ
「そんで明日か明後日には、あたし亡者になるけど、いい?」
ノラ
「あたしだった化物に縋って同じこと言うの?」
アレクセイ
「ううっ、ぐっ、クソッ……」
アレクセイ
首を切りつけられた痛みよりも、拳が痛い。胸が痛い。
ノラ
「夢を見ながら死ぬ方がいいなら、優しくしてあげてもいいけどね……」
ノラ
「あたし、あなたの欲しい言葉をかけてあげられてたでしょう?」
アレクセイ
「もっと早く……」
アレクセイ
「もっと早く言ってくれれば、どうにかなったはずだ」
ノラ
「…………」
アレクセイ
「僕は、君を、信じていた……」
GM
*裁判 ラウンド1 終了
アレクセイ
*s6 d7 dJ sJ破棄
ノラ
*d5 c8破棄
GM
*裁判 ラウンド2
ノラ
*d3 s4 c4 dQ(Jo)
アレクセイ
*h4 d8 d10 cJ dK
GM
*裁判 ラウンド2 ノラ
ノラ
*Jo終幕>アレクセイ
ノラ
*d3精確
ノラ
1d6 (1D6) > 6
ノラ
2d6+0+6=>7 判定(+猟奇) (2D6+0+6>=7) > 8[2,6]+0+6 > 14 > 成功
ノラ
1d6+2+2+1+3 素手+看破+発狂+逆鱗 (1D6+2+2+1+3) > 4[4]+2+2+1+3 > 12
[ アレクセイ ] HP : 9 → 0
GM
*アレクセイのHP0! 判決表!
アレクセイ
2d6+0-0-2 判決表 (2D6+0-0-2) > 2[1,1]+0-0-2 > 0
GM
*1ゾロ:死刑!キャラクターは〈死亡〉する。
ノラ
「どうにかなったのかな……」
ノラ
「あたしは、そうは思わないけど」
ノラ
「どうにもならなかった」
ノラ
「こうするしかなかった」
ノラ
こうするしか、なかった。
ノラ
こうするしかなかった。
ノラ
自分に言い聞かせるように、頭の中で繰り返す。
アレクセイ
「……」
アレクセイ
「ふざけるな……」
アレクセイ
「ふざけるな……くそ……」
アレクセイ
「こんな世界……クソくらえだ……」
ノラ
「それは、同感」
ノラ
「……」
アレクセイ
僕がもっと強かったなら、こうはならなかったのか。
アレクセイ
僕がもっと強かったなら、母さんを守れたのか。
アレクセイ
僕がもっと強かったなら、ノラは僕を頼れたのか。
アレクセイ
僕が――。
ノラ
距離を詰める。血に濡れたマットレスが軋む。
ノラ
「アレクセイ」
ノラ
「好きだよ」
ノラ
「愛してる」
ノラ
「ごめんね」
ノラ
ナイフを振るう。
アレクセイ
ただ立ち尽くしている。退くことも、退けることもせず。
ノラ
不意を打つでもない、真正面からの攻撃。
アレクセイ
その刃を受ける。
ノラ
最後まで、馬鹿な人だ。
ノラ
……馬鹿な、人。
アレクセイ
無数の傷跡の上に、真新しい傷が一つ増える。
ノラ
胸にナイフが突き立っている。
アレクセイ
「ノラ……」
アレクセイ
「痛いよ……」
アレクセイ
足が崩れ、その場に倒れる。
アレクセイ
あなたに手を伸ばして。
ノラ
「……」
ノラ
「………………」
ノラ
震える手を重ねる。
GM
*アレクセイ、死亡。
アレクセイ
その手は握り返すことはない。
ノラ
冷たい。
ノラ
動かない。
ノラ
殺した。あたしが。
ノラ
うまく、やったんだ、今度こそ、はじめて、あたしは。
ノラ
あたしは…………。
ノラ
「うまく……」
ノラ
「…………」
ノラ
「………………」
ノラ
こうするしかなかった。
ノラ
手遅れだったんだ。もう。全てを明かすには。
ノラ
こうするしかなかった。
ノラ
こうするしか。こうするしか。こうするしか。
ノラ
ぬくもりの失せてゆく手を未だ握っている。
GM
*裁判閉廷
GM
ノラは発狂しているため、亡者化の可能性があります。
GM
能力値を決定してください。
ノラ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
GM
それでは、判定を。
ノラ
2d6+0=>7 判定(+才覚) (2D6+0>=7) > 5[1,4]+0 > 5 > 失敗
GM
*ノラ、亡者化。
ノラ
……あ。
ノラ
そうだ。簡単だったのに。
ノラ
この世界が嫌いだ。救世主が、末裔が。
ノラ
それを傷つけるだけなら、もっと簡単なことだったんだ。
ノラ
血に塗れた肌が、黒い獣の毛に覆われてゆく。
ノラ
簡単だった。
ノラ
そうしていれば出会うこともなかった。
ノラ
馬鹿なのは、あたしの方だった。
ノラ
結局、あたしは、何も。
ノラ
うまくできないまま。
ノラ
GM
GM
GM
GM
Dead or AliCe
GM
In The Dark, Small And Wet Room
GM
The End
GM
GM