GM
キャラ紹介から入りましょう。まずはPC1から。
ノラ
毎日前を通っていたペットショップで、買い手のつかないまま大きくなっていった黒猫。
ノラ
グズで役立たずで無力なあたしが、嫌いなこの世界に少しでも傷をつけられたら。
ノラ
世界が救われる可能性を、一人分でも消してやれたら。
ノラ
それは生まれてはじめて、胸のすく出来事になるかもしれない。
アレクセイ
この堕落の国は腐りきっている。価値のないものばかりが打ち捨てられた場所だ。
アレクセイ
有象無象の取るに足らない奴らを蹂躙し、この世界を征服してやるのだ。
アレクセイ
偉大なる父を持つ。歴史に名を刻むほどの成功者だ。
アレクセイ
彼の父はアレクセイをその後継者に相応しいものにするべく、厳しい教育をした。
アレクセイ
父がアレクセイの世界であり、基準であり、正しさであり、地獄だった。
アレクセイ
父に歯向かうものなどいなかった。圧倒的な成功を納め、そしてその苛烈さに誰もが恐れた。征服者であり、決して優しい為政者ではなかった。
アレクセイ
唯一、アレクセイの母だけが父に歯向かった。
アレクセイ
アレクセイは母を愚かな女だと思っている。
GM
In The Dark, Small And Wet Room
GM
ノラ、あなたは救世主であるにも関わらず、末裔のふりをして娼館にいます。
GM
その理由は、その経緯は、どうして6ペンスコインを持っていないのか。
ノラ
父はいなかった。母の愛は、優秀な兄と、素直で美しい妹にだけ向けられていた。
ノラ
『どうして、あんたは』。そう言って、母はよくあたしをぶった。
ノラ
一匹だけ買い手のつかないまま大きくなる黒猫に、勝手に自分を重ねた。
ノラ
いつしかその黒猫の顔を見ることが、小さな楽しみになっていた。
ノラ
だけどある日、いつものケースの中から黒猫は消えていた。
ノラ
この世界で、あたしを救世主と呼ぶ人たちのために、あたしは何者かになれるのだろうか。
ノラ
そんな希望を抱いて、ちょっと頑張ってみたりなんかして。
ノラ
より強い救世主が来たら、末裔たちは役立たずよりもそちらを持ち上げた。
ノラ
結局、他の救世主に飼われるように従って命を繋いだ。
ノラ
そいつに全てのコインを奪われて、村を追い出された。
ノラ
この場で殺さないのは慈悲だと思え、とかなんとか。恩着せがましいセリフを吐かれて。
ノラ
荒野を渡って違う村にたどり着けたのは、あたしには珍しく幸運なことだった。
ノラ
救世主を縛る30日のルール。それを真っ当に果たす力はあたしにはない。
ノラ
この世界のルールに、かつては恐れて、手を汚すことをためらっていた。
ノラ
価値のない世界。救いを待つばかりの無力な末裔。狂った救世主たち。
ノラ
できるだけ、世界を救う意思と素質のあるやつがいい。
ノラ
こんな世界滅んじまえと思うあたしが、世界を救おうと思っているやつを殺してしまおう。
ノラ
そうして、あたしはこの薄暗く汚い部屋で待っている。
GM
あなた――ノラは6ペンスコインを失った救世主だ。それでも科される救世主の責務を果たすために、どうにかして他の救世主を殺し、あわよくば6ペンスコインを得なければない。その手立てはすくない。あなたは末裔のふりをして娼館で働き、客として訪れる救世主――アレクセイを殺すことを選ぶ。
GM
そのうちクエスト1,6はPC1のみが、2,3,4,5はPC2のみが行うことができます。
GM
クエストNo.1(PC1のみ) 心を奪う
概要 :魅了し、引きつけ、意のままに動かす
条件 :PC1であること・PC2を舐める行動にのみ組み合わせられる
目標値 :7
消滅条件
:お茶会終了と同時に消滅
成功 :PC2の次の行動のクエストを指示することができる
失敗
:PC1の心の疵を回復するか悪化することで、行動とクエストの両方を成功したことにしてよい。この決定はPC1が行い、PC2が内容を指示する
※その際、心の疵についてPC1自ら相手に明かすこと
GM
クエストNo.6(PC1のみ) すべてを明かす
概要 :すべてを明かし、救世主であることを認め、許しを得る
条件
:PC1であること
(このクエストを行う場合に限り、PC1はお茶会終了時に追加の手番を得てもよい。
GMはお茶会終了時に確認すること)
目標値 :PC2が成否を判断する
消滅条件
:成功するか、お茶会終了と同時に消滅
成功
:No.2を除くすべてのクエストで得た効果、心の疵MOD『逆棘』、裁判MOD『不意を突く(PC1)』を破棄し、裁判の相手を変更する
(PC2は6ペンスコインを3枚か6枚を融通し、能力値の合計が2、1の救世主としてそれぞれ作り直しても良い。GMの判断により、裁判を省略してもよい)
失敗
:No.2を除くすべてのクエストで得た効果、裁判MOD『不意を突く(PC1)』を破棄する
GM
クエストNo.2(PC2のみ) 心付けを渡す
概要 :あなたは相手に気に入られたい。だから、贈り物をする。
条件 :PC2であること
目標値 :自動的に成功
消滅条件
:お茶会終了と同時に消滅
成功 :PC2は凶器以外の宝物を全て破棄し、PC1は合計価値10以下の衣装か小道具を獲得する。PC1が内容を指示する。
GM
クエストNo.3(PC2のみ) 心を開く
概要 :あなたは相手をもっと内側に招きたい。だから、心の鍵を渡す。
条件 :PC2であること
目標値 :自動的に成功
消滅条件
:お茶会終了と同時に消滅
成功 :PC2はPC1に対し、技能による同意や許可を求められたときに拒否できなくなる。
(主に調律について。他には伝授、貢物、愛染など)
GM
クエストNo.4(PC2のみ) 心を染める
概要 :あなたは相手を心から望む。だから、相手の望むままになりたい。
条件 :PC2であること
目標値 :自動的に成功
消滅条件
:お茶会終了と同時に消滅
成功 :自身のデッキから技能を一つ入れ替える。その際、PC1が内容を指示する。
GM
クエストNo.5(PC2のみ) 心を解く
概要 :あなたは相手を信じ切っている。だから、装備を遠ざけても気づかない。
条件 :PC2であること
目標値 :自動的に成功
消滅条件
:お茶会終了と同時に消滅
成功 :凶器を『素手』に変更する
GM
ノラ、あなたは救世主の心を奪い、命を、6ペンスコインを奪ってください。
GM
また、このシナリオには客シーン表というものがあります。
GM
8:眠り鼠の末裔だ。あなたには添い寝を求める。しかし、夢が休む場所でないことを知ることになる。
ノラ
待てど暮せど救世主が訪れないまま、あたしは醜い亡者と化す。
GM
娼婦と悪夢を共有し、苦しむ様に性的興奮を抱く客。
GM
眠り鼠の夢に作用する力で、あなたは眠りながらもほとんど休むことができなかった。
GM
ノラ、あなたは昼と夜の感覚も曖昧なまま、その声を聞く。
アレクセイ
『ちっ、しけた娼館だな、もっとマシな店はないのか』
アレクセイ
『すみません、この村には娼館はうちにしかありませんで――』
アレクセイ
『それではこちらのお部屋でございます。ご要望のチェシャ猫の末裔です。どうか存分にくつろぎください――』
ノラ
「チェシャ猫をお望みなんて、物好きなお客様ですね」
アレクセイ
「は、やはりこんな店だ、ロクに礼儀もなっていない」
ノラ
「白兎にでも変更なさいます~? お金はその分かかりますけど~」
アレクセイ
あなたの髪を掴み、ベッドに力ずくで押し付ける。
ノラ
ベッドに押し付けられ、男を見上げながら口を開く。
アレクセイ
「よい。ちゃんと出来るじゃないか、雌猫」
アレクセイ
「僕は見ての通り救世主だ。頭の悪いお前でもわかるだろう?」
アレクセイ
「服従しろ。僕が機嫌を損ねたら、うっかりお前を殺してしまうかもしれない」
アレクセイ
アレクセイはあなたが救世主であることに気づかない。
アレクセイ
「良い。ちゃあんと出来るじゃないか、雌猫」
ノラ
知らない相手に気安く触れられる不快には慣れたつもりだが、それでも、ぞわ、と肌の粟立つような感覚がある。
ノラ
行動としては、クエスト1を組み合わせてアレクセイの疵を舐めます。
アレクセイ
対するアレクセイの装いは華美。レースの施された上着を脱ぐことすらしない。
ノラ
編み上げの紐を解くだけで簡単に服は緩み、肌を滑り落ちていく。
アレクセイ
品定めをするように、目を細めて体を見る。
アレクセイ
「末裔のわりにはまともな体つきをしているじゃないか、淫売」
アレクセイ
「さぞ多くの男達を誑し込んできたんだろうなあ?」
ノラ
「どうぞ、身体に尋ねていただければよろしいかと」
ノラ
実際のところ、身体ばかりはよく求められてきた。
ノラ
救世主たちとともにいた頃も、思えば今とそう変わらない。
アレクセイ
「いいか、僕はお前を楽しませたりはしない」
ノラ
そう思っていたが……こういうことを求められるのは、初めてだ。
ノラ
擦り切れたはずの羞恥が、熱をもって襲いかかる。
ノラ
男のモノをそうするように音を立てて舐り、唾液を絡ませる。
ノラ
堕落の国では、ローションなんて便利なものは……少なくとも知る範囲では、存在しない。
ノラ
ローションの代わりに唾液でたっぷり濡らした指を、下着の下に潜らせる。
ノラ
その視線をできるだけ感じないように、目を閉じる。
ノラ
人に見せるのは初めてなだけで、行為自体には経験がある。
ノラ
どこをどう触れば自分が気持ちよくなるのか、あたしは知っている。
ノラ
薄い布の向こうで、指が動いているのが見える。
ノラ
一本、二本。数を増やす。慣らしておかないとあとで痛い。
アレクセイ
ノラを注視しながら、アレクセイはベッドに膝立ちで乗った。
アレクセイ
「どうだ。僕を楽しませる準備はできたか?」
ノラ
本当は……もうちょっと濡れてる方が楽だけど。
アレクセイ
アレクセイはズボンのフロントにあるボタンを外し、自分の一物だけを出す。
アレクセイ
あなたの振る舞いに満足し、すでに興奮を湛えている。
アレクセイ
服を着たまま、手袋も外さぬまま、許可を求めることもせず、それを押し入れる。
ノラ
慣らし足りないそこは、十分な締め付けを以てあなたを迎え入れる。
アレクセイ
押し付けるように体を重ねる。傷つけないようにという慮りはない。
アレクセイ
手首を、体を押さえつけ、引くことも許さない。
アレクセイ
しばらくして中に精を放ち、突き入れるのをやめる。
アレクセイ
あなたに体を重ねたまま、のしかかったまま、そのまま息をつく。
アレクセイ
熱く乱れた呼気が、ゆっくりと落ち着いていく。
ノラ
シャワーしたいなあ。そんなものないけど……。
ノラ
ノラから身体を離すことはない。やわらかなぬくもりが男の下にある。
アレクセイ
あなたの手首を強くつかんでいた手も、今は手首にかかったまま、緩んでいる。
アレクセイ
レースの施された華美な衣装が、種々様々な体液に浸されていくのを気にもとめない。
ノラ
終わったらさっさと後始末したいタイプに見えたので、少し意外に思う。
アレクセイ
言葉をかけられて、ようやく意識がどこからか帰ってきたかのようだった。
ノラ
そんなサービスしてたっけ。してなくても救世主サマに言われたらするしかないか。
アレクセイ
ただ体を預けていたばかりだったアレクセイは、手をベッドについて体を起こす。
ノラ
「……アレクセイ様は、こちらにはいつまで滞在されるのですか?」
アレクセイ
「しばらくいる。責務は果たしたばかりだ。二週間ばかりか……」
ノラ
「それでは、よろしければまたノラをご贔屓にお願いします」
ノラ
「救世主のお客様なんて滅多にいらっしゃらないもの。ええ」
ノラ
「あら。どのお客様にもこうなわけじゃないんですのよ」
ノラ
先程まで重ねていた体温が、再びあなたに触れる。
アレクセイ
そう言いかけて、体温に言葉がほつれる。
アレクセイ
「なんだ、足りなかったのか? 浅ましい雌猫め」
アレクセイ
悪態をつきながら、しかし抱きしめられるのを拒んだりはしない。
ノラ
あなたは本当に、従順な『賢い女』が好きなのかしら?
ノラ
なぜ、一夜の相手に他の従順な末裔ではなく、チェシャ猫を選んだの?
ノラ
分を弁えない愚かな女を、なぜ咎めないのかしら?
ノラ
*クエスト1を組み合わせて、アレクセイの『母』を舐めます。
[ ノラ ] ティーセット : 3 → 2
ノラ
2d6+2=>7 ティーセット使用 (2D6+2>=7) > 6[1,5]+2 > 8 > 成功
[ アレクセイ ] 母 : 0 → 1
アレクセイ
放った悪態は応えられることもなく、続くこともなく、そのまま床に転がって落ちている。
アレクセイ
とうに忘れてしまったみたいに、アレクセイはあなたの腕の中でその体温に浸っている。
ノラ
強大な能力を振りかざすその裏に、救世主はそれぞれが抗えない心の疵を持つ。
ノラ
このぬくもりが、彼の心を侵す劇毒になればいいと思う。
アレクセイ
あなたにはわかるだろう。交わる折にすら僅かにも脱がなかったその服はアレクセイの鎧なのだと。
アレクセイ
直接触れ合わずとも、その毒は布地を越えて及び、心を浸す。
アレクセイ
一度に全てを与えない。単純な商売の秘訣。
アレクセイ
賢い雌猫だ、とアレクセイは言うことはできない。
アレクセイ
それを求めていると認めることができない。
アレクセイ
ただ細めた目であなたを見返すばかりだった。
GM
客シーン表を振りましょうか。1d12をお願いします。
GM
12:前と同じ客だ。すっかりあなたをお気に入りにしている。
GM
夢の中では眠り鼠は無力な末裔などではなく、救世主のように強い力で以てあなたを意のままにした。
GM
あなたの毒に狂わされて、救世主はノラを指名する。
ノラ
扉越しに聞こえた男の声に、足音に、ほくそ笑む。
アレクセイ
硬い足音はあなたの部屋の前で止まり、ドアが開いた。
アレクセイ
「この堕落の国は掃き溜めでしかないが、有象無象が支配者ヅラしているのは見過ごせん」
アレクセイ
「その頃にはお前のような薄汚い女を傍に置くことなどありえないが……」
アレクセイ
「僕に買われたことを喜びにして生きるとよい」
ノラ
「このひととき、買っていただけるだけで十分です」
アレクセイ
言葉を重ねながら、アレクセイは以前は腰に帯びていたままでいた剣を外し、部屋の片隅に立てかける。
アレクセイ
ベッドに乗り、今度はアレクセイからあなたに触れる。
アレクセイ
素手であなたの肩に手を添え、押し倒す。
ノラ
ぎし、と音を立てて、薄く硬いベッドに倒れる。
アレクセイ
鎧うことのない素手からは、効率的にあなたの毒がアレクセイに及ぶ。
アレクセイ
「女はなんでこんなだらしのないものをぶら下げているんだ?」
アレクセイ
「男を誘う以外に何にもならないだろう」
アレクセイ
「まったく……愚かで弱い生き物だ……」
ノラ
お子様だからおっぱいがお好きなんじゃないでちゅか~? と思ったが、黙った。
アレクセイ
言葉とは裏腹に、ノラの柔肌に指を沈めては滑らせている。
ノラ
子供のための場所を、無遠慮にまさぐられている。
アレクセイ
手が止まり、顔を持ち上げ、些細な沈黙。
アレクセイ
あなたの視線からは、アレクセイが胸に顔を埋めているように見えるだろう。
アレクセイ
*クエスト5を組み合わせて、ノラの『優越感』を猟奇で舐めます。
ノラ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛])
> 愛
[ ノラ ] ティーセット : 2 → 1
[ ノラ ] HP : 15 → 14
ノラ
2d6+0+2=>7 判定(+愛+ティーセット) (2D6+0+2>=7) > 6[2,4]+0+2 > 8 > 成功
アレクセイ
2d6+3-4=>7 判定(+猟奇) (2D6+3-4>=7) > 9[4,5]+3-4 > 8 > 成功
[ ノラ ] 優越感 : 0 → 1
アレクセイ
『僕はお前を楽しませたりはしない』とアレクセイは言った。
アレクセイ
その言葉を忘れているのか、あるいはまだ覚えているのか。
アレクセイ
言葉はなく、あなたの毒に溺れるようにただ。
ノラ
これ撮ってあとで見せてやったらどんな顔するんだろうとか、意味のないことを思う。
ノラ
幼い子供のように胸に顔を埋める救世主サマの姿に、少しだけ溜飲の下がる思いをした。
アレクセイ
半身はベッドに、半身はあなたにかかるように横たわっている。
ノラ
熱を帯びたやわらかな肢体が、ベッドの上に投げ出されている。
ノラ
驚いたように耳を揺らして、顔をアレクセイの方に向ける。
ノラ
それは今度こそ、考えたことのなかった問いだった。
ノラ
別に好き好んで娼婦をやっているわけではない。
ノラ
かと言って、以前の暮らしが楽しかったかと思うと。
ノラ
「……毎日、今日を生きるのに精一杯、ですから」
ノラ
「楽しいとか、楽しくないとかは、あまり……」
ノラ
家族ともどもこの世界に生まれついていたら、実際にそうなっていただろう。
アレクセイ
「……僕がより力を手に入れたときには、お前を買い上げてやってもいい」
アレクセイ
「どうせこの世界のものはすべて僕のものになる」
アレクセイ
「親に捨てられた憐れな猫に情けをくれてやるだけだ」
ノラ
その時は来ないことを、あたしだけが知っている。
GM
アレクセイとノラ、二人が天秤の同じ片側に乗ることはない。
GM
2:あなたは誰も客に取らなかった。代わりに店主の白兎の末裔が不機嫌そうに、あなたを抱く。
GM
売上を出さないあなたを、店主は強引に抱いた。
ノラ
待つことしかできないというのは、どうにもよろしくない。
アレクセイ
ドアが開くと、あなたが待ち望んだ男が立っている。
アレクセイ
「蜂蜜だ。茶にでもいれるようなものだが……」
アレクセイ
「まあお前達末裔はそんな上等な嗜み方はしないか」
アレクセイ
茶も蜂蜜も高級品だ。容易くは手に入らない。
ノラ
「お茶は……そうですね、自分ではなかなか……」
アレクセイ
「土産の一つも寄越さないケチな救世主だと思われたら心外だからな」
アレクセイ
今日も同じように剣と手袋を部屋の片隅に置く。
ノラ
アレクセイを殺してコインを奪ったあと。そのお祝いにあの包みを開けよう。
アレクセイ
ぬくもりという毒に侵されて、触れ、それを舐め取ったのはアレクセイ自身。
アレクセイ
「今日は隣の街に出た亡者を倒したんだ」
ノラ
あたしに殺される前に誰かに殺されかねないことするのはやめてほしい……。
ノラ
「来てくださったのは嬉しいですが……お怪我とかは大丈夫なんですか?」
アレクセイ
「僕の手を煩わせないほどに訓練する必要が――」
アレクセイ
そう答えるが、アレクセイの呼吸は普段よりも浅い。
アレクセイ
深く息をすれば、胸に何か痛むものがあるかのような。
ノラ
プライドから来る強がりを、言葉で暴くことはしない。
ノラ
「アレクセイ様に限って、そんなことはないとは思いますが……」
ノラ
「アレクセイ様に何かあったら、ノラは悲しいですから……」
アレクセイ
腰掛けたまま横になる。天井を見上げる。
アレクセイ
飾り気のない、梁がそのまま露わになった天井。
アレクセイ
「無理をするな、というが……僕は救世主だ」
ノラ
「アレクセイ様が、この世界を救ってくださるのですものね」
アレクセイ
「力を持ちながらそれを持て余しているような惰弱ではない」
ノラ
「アレクセイ様は、心も強くていらっしゃるんですね」
アレクセイ
「こんな世界だ。弱い救世主は生き長らえるよりも死んだほうがいい」
ノラ
「たくさんいます。弱い救世主も、怠惰な救世主も、悪辣な救世主も」
ノラ
「あなたを失うことがあれば、世界にとって大きな損失になる」
ノラ
*クエスト1を組み合わせて、『父』を舐めます。
[ ノラ ] ティーセット : 1 → 0
ノラ
2d6+0+2=>7 判定(+愛+ティーセット) (2D6+0+2>=7) > 7[2,5]+0+2 > 9 > 成功
[ アレクセイ ] 父 : 0 → 1
ノラ
アレクセイにクエスト4を指定。入れ替える技能は……もうちょっと考えていいですか!?
ノラ
「それに。あたしを買ってくださるのでしょう?」
ノラ
「あたしはそれを、日々の希望にさせていただいているんです」
アレクセイ
「すべて、勝ち取ってきたものだ、僕が――」
ノラ
「あたしは、アレクセイ様が世界を救ってくださる方だと、心から信じています……」
アレクセイ
「僕が世界を救世することを諦めたらどうする」
アレクセイ
眠りに落ちるのは早かった。意識を手放すと、何度か深く息を吸った際に咳き込んだ。
ノラ
ぬるま湯のようなあたたかさは、目を覚ますまであなたの隣にあった。
GM
10:紳士的な救世主だ。あなたを丁寧に扱うが、客と娼婦、救世主と末裔の一線を越えない。
GM
救世主とはいえ、娼館ですることといえば性交。
GM
特別言葉を交わさなかったり、暴力がなければ、ただの客でしかない。
ノラ
ひどいことは一つもされなかった。ただ、抱かれた。
ノラ
この客とアレクセイがどこかで鉢合わせて、殺し合いになりはしないだろうか。
GM
翌日、またアレクセイはあなたの部屋を訪れる。
アレクセイ
そのままもつれ込むように、ベッドへ押し倒す。
アレクセイ
その発端が何処にあるのかはわからない。
アレクセイ
何かが起きたのか、あるいは、何が起きずともそうなっているのか。
アレクセイ
力は込めないが、込めればそのまま殺されてしまうだろう。
ノラ
「アレクセイ様は、アレクセイ様でしょう……」
アレクセイ
一つ一つ、暴かれていく。ボタンの多い服。高価な布地をいくつも重ねられた衣装。
アレクセイ
そうしてようやくアレクセイの興奮が静まっていく。
アレクセイ
深く、ゆっくりと息を吸って吐いた。胸腔が膨らみ、しぼんだ。
ノラ
呼吸するごとの胸の上下が、心臓の鼓動が伝わる。
アレクセイ
「この世界に来る前のものだ。今は痛んだりしない」
アレクセイ
「僕は偉大な父の後継者だ。誰よりも強くならなければいけなかった」
アレクセイ
「……強くあること。君臨し、統治すること」
ノラ
「あたしのような庶民には、雲の上のことのような話ですね……」
アレクセイ
「僕が、僕が世界に君臨する、支配する、全てを手に入れて、全てを僕のものにすれば、もう何も奪われたりせずに済む、僕の存在が認められる――」
ノラ
滑るように指先で背中に触れていたのが、いつの間にか手のひらで触れている。
アレクセイ
「父さんは、僕に力だけを求めた。僕が優秀でなければ、見向きもしなかった」
アレクセイ
「自分の子供が君臨するということだけを見ていた」
アレクセイ
「僕のことなんか、どうでも良かったんだ」
アレクセイ
*クエスト4を組み合わせて、『黒猫』を舐めます。
ノラ
クエスト4の指定。兇刃を貢物に入れ替えてください。
ノラ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛])
> 愛
ノラ
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 7[4,3]+0 > 7 > 成功
[ ノラ ] HP : 14 → 13
アレクセイ
2d6+3-3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3-3>=7) > 7[5,2]+3-3 > 7 > 成功
[ ノラ ] 黒猫 : 0 → 1
アレクセイ
「世界なんて、本当は、どうでもよかったんだ」
アレクセイ
「僕が手に入れたいのは、欲しいのは、君だけだ」
アレクセイ
「そうだ、旅に出よう。こんな娼館なんかやめて」
アレクセイ
「6ペンスコインを手に入れれば、君にも力を与えられる」
アレクセイ
「君は別に戦わなくたっていいよ、傍にいてくれればいい」
[ アレクセイ ] 父 : 1 → -1
[ アレクセイ ] 母 : 1 → -1
[ ノラ ] 黒猫 : 1 → -1
[ ノラ ] 優越感 : 1 → -1
GM
*裁判MOD『不意を突く(PC1)』より、ノラが行動順を決定してください。
GM
了解しました。それでは手札を15枚、どうぞ。
ノラ
2d6+0+6=>7 判定(+猟奇) (2D6+0+6>=7) > 10[5,5]+0+6 > 16 > 成功
ノラ
1d6+2+2+1+3 素手+看破+発狂+逆鱗 (1D6+2+2+1+3)
> 1[1]+2+2+1+3 > 9
[ アレクセイ ] HP : 18 → 9
ノラ
唇を重ねながら、アレクセイの上にやわらかくのしかかる。
ノラ
この人は、これ以上ないほどにあたしを信じ切っている。
ノラ
最初から騙していたあたしを、この人は許さないだろう。
ノラ
そのあとは命を奪われるか、置いていかれて死を待つばかりか。
アレクセイ
今この瞬間、彼にとってのすべてがあるのだから。
ノラ
ベッドフレームとマットレスの隙間に手を差し入れ、ナイフを取り出す。
アレクセイ
吹き上がる、夥しい流血が全てを赤く染める。
アレクセイ
何が起きたかわからないというように、アレクセイは首を押さえる。
ノラ
「ふつ~、人は首刺されたら死ぬもんなのにね」
アレクセイ
首を押さえる。ぬるぬるする。生暖かい血。
アレクセイ
僕を殺そうとしてきたやつらはたくさんいた。父には敵が多かったから、同様に僕も憎まれた。僕の周りには敵しかいなかった。味方なんて誰一人もいなかった。母さん以外――
ノラ
チェシャ猫じみた笑いを、未だに顔に貼り付けている。
ノラ
ああ、もう少し哀れなフリでもしてみせたらよかっただろうか。
アレクセイ
救世主は救世主を殺す。それを責務として課されている。
ノラ
「実際のとこ、救世主らしくいようとしてるヤツなんて全然いないし……」
アレクセイ
話している間にも、首から血がだくだくと溢れている。救世主じゃなければ死んでいた。
ノラ
「あなたは少しは気概があるのかと思ったら、娼婦にガチ恋しちゃうし……」
アレクセイ
「くそ、ふざけるな、クソッ、クソクソクソクソッッ!」
アレクセイ
「僕は、僕は君を、信じていたのにッ!!」
ノラ
「最初からウソなの。分かったか馬鹿ボンボン」
ノラ
お坊ちゃんの悔しがる顔を見るだけでも、さぞや溜飲の下がることだろうと思ってきた。
ノラ
胸に甘えさせていた時の方が、よほど気分がよかったな。
アレクセイ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 5[2,3]+3 > 8 > 成功
[ ノラ ] HP : 13 → 5
アレクセイ
c2+2+1+3 看破+発狂+逆鱗 c(2+2+1+3) >
8
ノラ
深手を負っていても、コインを持つ救世主の拳は速く、重い。
アレクセイ
素手。何も鎧わず、武器も持たず、肌と肌が触れ合い、めり込み、そして離れる。
アレクセイ
こんなに許せないのに、大切なものを壊している手触りがする。
アレクセイ
「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな……ッ」
ノラ
「そんで明日か明後日には、あたし亡者になるけど、いい?」
ノラ
「あたしだった化物に縋って同じこと言うの?」
アレクセイ
首を切りつけられた痛みよりも、拳が痛い。胸が痛い。
ノラ
「夢を見ながら死ぬ方がいいなら、優しくしてあげてもいいけどね……」
ノラ
「あたし、あなたの欲しい言葉をかけてあげられてたでしょう?」
アレクセイ
「もっと早く言ってくれれば、どうにかなったはずだ」
ノラ
2d6+0+6=>7 判定(+猟奇) (2D6+0+6>=7) > 8[2,6]+0+6 > 14 > 成功
ノラ
1d6+2+2+1+3 素手+看破+発狂+逆鱗 (1D6+2+2+1+3)
> 4[4]+2+2+1+3 > 12
[ アレクセイ ] HP : 9 → 0
アレクセイ
2d6+0-0-2 判決表 (2D6+0-0-2) >
2[1,1]+0-0-2 > 0
GM
*1ゾロ:死刑!キャラクターは〈死亡〉する。
ノラ
自分に言い聞かせるように、頭の中で繰り返す。
アレクセイ
僕がもっと強かったなら、こうはならなかったのか。
アレクセイ
僕がもっと強かったなら、母さんを守れたのか。
アレクセイ
僕がもっと強かったなら、ノラは僕を頼れたのか。
アレクセイ
ただ立ち尽くしている。退くことも、退けることもせず。
アレクセイ
無数の傷跡の上に、真新しい傷が一つ増える。
ノラ
うまく、やったんだ、今度こそ、はじめて、あたしは。
GM
ノラは発狂しているため、亡者化の可能性があります。
ノラ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛])
> 才覚
ノラ
2d6+0=>7 判定(+才覚) (2D6+0>=7) > 5[1,4]+0 > 5 > 失敗
ノラ
それを傷つけるだけなら、もっと簡単なことだったんだ。
GM
In The Dark, Small And Wet Room