キャラ紹介
GM
さて……ざっくりとキャラ紹介から入りましょうか。
GM
それぞれどういう立ち位置だったり、流れで加入したかみたいなのも含めて、ざっくり紹介していただければ嬉しいです。
リリオ
僕がこの世界に来たばかりのとき、たまたまラタスに会ったんだ。
故郷で見覚えのある……格好をしていたから、同郷だってすぐに分かったよ。
リリオ
その時に協力して他の救世主を倒して、それ以来の付き合いかな。
リリオ
結構男友達みたいな感じで付き合えていると思うよ。
ユキ
て言っても、この世界じゃ全然伝わらないんだけど……。
ユキ
何にも分かんないまま亡者に襲われてたところをラタスとリリオが拾ってくれたわ。
こよみ
長いから、だからね、ユキちゃんがね、こよみってね、
こよみ
でもこよみうれしかったからね、こよみはこよみなのね
こよみ
さいしょはね、こよみは他の救世主さんたちといたんだけどね……
こよみ
いろいろあってね、その救世主さんたちがリリオちゃんたちともめてね
こよみ
あのひとたちこわかったけど、リリオちゃんたちこわくないよ
こよみ
末裔のひとたちにこよみをいじめさせたりしないし……
こよみ
でもユキちゃんもリリオちゃんもいっぱい手伝ってくれてね
こよみ
だから失敗しないようにがんばってね、がんばって、それでね
こよみ
こよみはね、ラタス、ラタスのことね、ラタスはね……
リリオ
僕も皆大好きだし、ずっとこの4人でいたいな。
こよみ
こよみね、みんなといてこよみでね、こよみになったからね
こよみ
いっしょにいられるためならね、こよみなんでも下手だけどがんばるからね……
導入
0日目
GM
絶叫。救世主の少女は血に濡れた大きな斧を振りかぶる。
ラタス
うずくまった少女の背には、黒く塗り込まれたナイフが突き立てられている。
こよみ
「こよみだいじょうぶだよ、こよみ、こよみはね」
ユキ
「……楽にしてあげるから、もう諦めなさい!」
こよみ
こよみに攻撃を援護する力はない。ただ無力に祈るばかり。
リリオ
先端にフックの付いたワイヤーを射出する。
救世主の少女に刺さり、動きを縛る。
ユキ
鍔迫合っていた斧が止まり、ユキのハサミが自由になる。
GM
もがく。荒野の砂を掻くように脚をよじらせる。
リリオ
リリオが背負う機械から射出されたワイヤーは、少女を逃さない。
GM
黒い煙――ラタスの撒いた煙幕が風に流されて消えていく。
リリオ
「僕はちょっとすりむいたかも。治してくれる?」
こよみ
その中央にいることも忘れて仲間の三人を気遣っている。
こよみ
リリオに、大きく頷いて大きな図体でどたどたと駆け寄る。
GM
悪さをする救世主を倒すよう依頼されたあなたがたは、見事彼女を打ちのめした。
ユキ
ラタスを見て、ラタスの視線の先の少女を見る。
GM
血で濡れた身体に乾いた砂がまとわりついて、黒く汚れている。
こよみ
汚れも気にせず、嬉しそうにリリオのその傷を舐める。
ラタス
しゃがみ込み、少女の胸にナイフを突き立てた。
リリオ
少女のほうに、ちらと一度だけ視線を向けた。
こよみ
「こよみもね、こよみもだいじょうぶだよ、こよみね」
こよみ
「こよみ頑丈だから、なんともなかったから」
こよみ
「ラタス助けてくれたし、みんなつよかったから」
こよみ
「だからだいじょうぶだよ、こよみ、こよみはだいじょうぶなの」
こよみ
人を殺したばかりのラタスのその手で触れられ、
こよみ
先程は竦んでいたが、今度は別の意味で固まる。
ラタス
「よっしゃ飯だ!! ごちそうしてくれよ!!」
ラタス
そんなこよみのリアクションに省みず、村人に呼びかける。
ラタス
小さな祝宴の準備が成される間、救世主の荷物を漁る。
こよみ
「こよみ手伝えなくてね、手伝えなくてごめんね」
こよみ
「自分で探せなくてね、探せないから、こよみね」
ラタス
全員に渡す。こよみにはポケットに直接ねじこむ。
ユキ
死者の荷物を漁る行為に、はじめは随分反発したものだった。
リリオ
ラタスとは別に救世主の荷物を漁る。
小さな化粧ポーチを見つけて黙っている。
こよみ
「リリオちゃん、リリオちゃんもなにかあった?」
リリオ
「……ありがと」
差し出されたコインはありがたく受け取った。
こよみ
自分が何も出来ないぶんやたらに目ざといところがある。
ユキ
だけどこの世界ではこれが普通で、生きていくためには正しいこと。
リリオ
「ん……、身だしなみの品とかそのくらいかな」
リリオ
「そうだね、元の世界から持ってきたものかも」
ユキ
随分時間がかかったけど、今ではそういうものとして飲み込んでいる。
こよみ
そのように思いを馳せたりする割に、あまり罪悪感に思い悩んでいる様子はない。
こよみ
落とされたポーチを拾う手もない。それを見ている。
リリオ
「こよみやユキには、色が似合わないかもね」
ラタス
「好事家が買い取ってくれるかもしんねーし」
こよみ
持っていった方が売れたり使えるのかも……とは思うものの、
リリオ
ポーチの中身の化粧品は、趣味が統一されていなかった。おそらくは全て、贈り物。
そして、その全てを大切に使っていたようだ。
こよみ
自分では持ち運べないため反論しづらくなっています。
リリオ
だからどうという訳ではない。
この少女は死んだし、日銭は必要だ。
GM
30日ルール。それがある以上、救世主は殺し合わなければならない。
リリオ
「買ってくれそうな人がいたら見てもらおう」
こよみ
「リリオちゃんがそうするなら、それがきっとね、合ってるよ」
こよみ
「リリオちゃんとラタスはね、いっぱい、いっぱいあたまいいから」
こよみ
「きっとね、ふたりが決めたらそれが正しいの」
GM
いかに想い想われていようとも、殺し合いのもとで死に切断される。それが堕落の国の摂理。生きていくためには金がいる。それが人間の条理。
リリオ
買ってくれそうな人が、この街にいなければ。
荷物になるから置いていってもいい。
そう思うが、口には出さない。
こよみ
ユキの心情も知らずにユキに同意を求めます。
リリオ
悪いようにはしない。本当に高値で買う物好きがいれば売るし、いなければ死者と共に葬る。
リリオ
この街には、そこまで資産を持った物好きはいなかったように記憶している。多分、大丈夫。
ラタス
「あんまり思い詰めんなよー適当がいいんだ適当が」
リリオ
「そうそう。適当でも僕がなんとかするから~」
こよみ
かげんがむずかしい……みたいな顔をしています。
こよみ
「違うけどみんな、やさしくしてくれるもんね」
リリオ
「なぁラタス、もしかしてユキって僕達のこと好きじゃないのかな?ショックだな~」
こよみ
「みんながみんな好きでね、こよみね、こよみはうれしいの」
リリオ
目ざといこよみの様子に、こちらも気が付く。
こよみ
「リリオちゃん、ユキちゃんなんもないって」
ユキ
なんもないから!と言い捨ててラタスを小走りに追いかける。
リリオ
「なんもないのか~。じゃあ、何か言いたいけど言うのが恥ずかしいとかかな?」
ユキ
八つ当たりのようにラタスの背中に小さくパンチした。
リリオ
小走りな二人の背中を見ながら、ゆっくり追いかけた。
こよみ
動作そのものはどんくさいんだけど、一歩一歩が大きいのでそう遅れずには済む。
こよみ
「リリオちゃんリリオちゃん、ユキちゃん、ユキちゃんおこってる?」
リリオ
「怒ってないない。あれは好き好きパンチだから」
ラタス
小走りでそれから逃れながら村人の方へ行く。
リリオ
「むしろそっちの方が、痛くなくていいかもしれない」
リリオ
「こよみも痛くないように、ラタスがくすぐったいように、ね」
こよみ
「こんど、えっと、うん、こんど、こんどね」
リリオ
「はは、そうだね。人がいないところがいいかも」
リリオ
そう言いつつも、あまり焦った様子もなく、やる気のない小走りで向かう。
GM
ひさしぶりにお腹いっぱい食べれるし、ふかふかのベッドにもありつけることでしょう。
GM
ささやかながらも心のこもった料理、それからお酒。
GM
しかし、いつもはお酒を浴びるようにして飲むラタスでしたが、その日は一杯しか口にしませんでした。
GM
戦いと宴のあとであなたがたはぐっすりと眠りました。
GM
日差しはいつも通りの曇りですが、わりとマシなほうでしょうか。
リリオ
「やぁ、今日はやや晴れ。まぁまぁ気持ちのいい日になりそうだ」
GM
ベッドがいくつも並んでる大部屋を、救世主が貸し切りにしてもらいました。
GM
普段ならいつも一番最後まで寝ているラタスですが、ベッドは既に空になっています。
ユキ
固まったままリリオがこよみを起こすのを眺めていましたが、
リリオ
「ラタスはもう朝食かな?珍しいこともあるもんだ」
リリオ
なんとはなしに、ラタスが使っていたベッドに触れる。まだ暖かいだろうか?
リリオ
「……結構な早起きを、したみたいだな……」
『バカやろうどもへ。
今まで楽しかった。用事ができたからこれでさよならだ。
精々元気でやってくれ。それじゃ ―― ラタス』
こよみ
大きく目を見開いてベッドで固まっています。
GM
急いで書かれたのか乱れた字で、乾く前に折りたたまれて滲んでいます。
リリオ
「……時間がない中、急いで書いた手紙みたいだ」
リリオ
紙をひっくり返して裏を見たり、光に透かして仕掛けが無いか見たりしている。
意味がないとは分かっているが。
宿の主人
「おはようございます~。どうしましたか?」
リリオ
「あ、すみません。連れが出ていくのを見ましたか?」
宿の主人
騒ぎに気付いて、眠りネズミの末裔の、宿の主人が出てきました。
こよみ
「いそいで、ラタスいそいでたって、いそいで、用事で」
宿の主人
「なんか明け方? 出て行った、ような~」
リリオ
「明け方ぁ……。なるほど、ありがとうございます」
こよみ
寝てたままの格好でベッドにうずくまってびゃあびゃあ泣いています。
宿の主人
「朝ご飯出来てるので、食べて待っててくださいねぇ」
リリオ
「どうも難しいことになったみたいだ。食べられる内に食べておこう」
リリオ
「2人はラタスから何か聞いてない?それっぽいこと」
リリオ
「田舎で野菜を育てたいとか、恋人と丘の上の家で暮らしたいとか」
宿の主人
「なんか~、南の方に? 出てったみたいですよ」
GM
荷物を確かめると、日記や化粧品はそのままで、地図だけがなくなっています。
こよみ
「ラタス、地図見て、地図、南、そう、南に……」
こよみ
「見せてもらえばよかったのに、こよみ、見なかった」
こよみ
「ラタスとリリオちゃん、頭いいから、こよみあんまり道とかわかんないし、だから」
ユキ
「……もう、今更言ったってどうにもなんないわよ!」
GM
元の世界の日記から、急に転じて、堕落の国の日記となり。
GM
生きていた残滓として一冊のノートになっている。