リリオ
ラタスが死んでから。
ずっと病に伏せっていた。
起きられるような体調ではないはず、なのだが。
GM
それは独り言を言いながら、チョッキのポケットから時計をひっぱりだして眺めている。
リリオ
滑らかに足は動き、ベッドの下に差し出される。
GM
振り払いがたい誘惑がそこにある。ほとんど、自動的に身体が動いているような。
GM
このうさぎを追うと、とりかえしのつかない何かが起きるだろうという気配がある。
リリオ
でも、足は止まらない。
とりかえしがつかなくなっても、いいんじゃないか、なんて珍しく思う。
GM
何か、書き物をしている、ペンが紙と机を叩く音。
リリオ
部屋を見る。
以前泊まった宿で、ラタスが置き手紙を置いたあたりを。
リリオ
顔を触ったり首を触ったり脈を取ったりする。
リリオ
「どうしようかなぁ。こんな所を見つかって、行かせてもらえると思う?
リリオ
「こよみとユキを起こして、ちゃんと話し合って……」
リリオ
こよみとユキを起こして、ちゃんと話し合っても結論は変わらないだろう。
そして、ラタスが死ぬという結果も。
リリオ
しかし、こよみとユキを起こさない訳にはいかない。2人はそれを望むだろう。
リリオ
なぜ、時間が巻き戻っているのだろう。
なぜ、また、選択できるのだろう。
リリオ
もう、終わったことなのに。
もう、選んでしまった後なのに。
リリオ
どうしようもできないこと、だったはずなのに。
ラタス
「でも、そうだな、ちょっと散歩にでも行かせてくれよ」
リリオ
この4人では、ユキやこよみの幸せが最も優先されるべきで、その次がラタス、そして自分は最後。
リリオ
ずっとそう思ってきた。
だから、2人を置いていくなんてできない。
ラタス
涙についての慰めもなく、ただリリオの腕を掴んで、引き連れて、
ラタス
その言葉に返しもせずに、振り払われたまま、背を向けたまま。
リリオ
荷物を担ぎ上げる。
自分の荷物と、ラタスの荷物だ。
ラタス
2d6+3>=7 (2D6+3>=7) >
5[3,2]+3 > 8 > 成功
リリオ
横槍を入れてくれる仲間は置いてきちゃったからな……
[ リリオ ] 強欲 : 0 → -1
ラタス
砂煙に鈍った中の朝焼けは遠く赤く、まだ残る夜の暗さを拭わない。
ラタス
まだ静まりかえる朝の中、村を抜け出し、荒野へ。
リリオ
ラタスの分の荷物は、既にラタスに渡している。
リリオ
本当に夢だったのかどうかは、疑わしいけれど。
リリオ
もっと他になかったのか、と言いたいが、他にある気はしない。
リリオ
死にゆく人間にできることは、限られている。
リリオ
地を這う亡者となり、青い窓を見上げることもできず、逝った。
リリオ
「……僕が見た夢とは、もう違ってきてるけどね」
リリオ
「まず、ラタスがこよみとユキと3Pしてた」
リリオ
「しかもなんか、結局僕は抱かずに腕相撲して終わったんだよね~」
ラタス
「お前そんなに腕相撲がしたかったのか……?」
リリオ
「え~?腕相撲を言い出したのはラタスだから、腕相撲したかったのはラタスなんじゃない?」
リリオ
「ラタス、僕とはセックスより腕相撲がいいんだな~、ふしぎだな~」
リリオ
「しかもラタス、最後はなぜか僕に心臓を貫かせて死んじゃうんだ」
ラタス
「つまり……おれがこよみとユキとヤッたところも『酷い』夢なのか?」
リリオ
「……本当に全部酷いって訳じゃない。
どれも理由があるし、誰かが望んだことでもある」
リリオ
「でも、ひっど~い!!って文句言いたくはなるな~!!」
リリオ
「いや~、あの、もしかしてメモとかある?」
ラタス
見せたメモにはくだものとだけ書かれている。
ラタス
「くだものってメモでしょんぼりするやついるか……?」
リリオ
「僕が見た夢では、もっといくつかあって……」
リリオ
「…………最後に、女を抱くって書いていて……」
リリオ
「じゃあ、どうする?
まずはくだものを探しに行く?」
リリオ
「実は、くだものにちょっと心当たりがある」
リリオ
「ただ……、無事に手に入れられるかどうかは分からない」
リリオ
「この近くに、妙に豊かな村があるらしい。そこには様々な作物が実り、獣もよく育つ」
リリオ
「しかし、村に入る時に妙な儀式が必要だとか……」
リリオ
「じゃんけんをして、負けた方が服を脱いでいく……脱いだ服は神に捧げる神聖な供物、だとかなんとか」
リリオ
「さすがにユキやこよみをそんな村に連れていけないからスルーしてたけど」
リリオ
「ポーズでじゃんけんする、体じゃんけんとかもあるけど……。脱ぎながらの体じゃんけんって、完全に見世物になっちゃうしな……」
ラタス
想像だに楽しげな感じだが……みるぶんには……
リリオ
「しかも、最後の1人になるまで脱がないといけないそうだ」
リリオ
「でもまぁ、2人でやる分には僕が全勝したらいい話だし」
リリオ
「もちろん八百長するつもりだけど……ね?」
ラタス
「おれはじゃんけんで20連勝したことあるぜ」
ラタス
「20連勝したからには20連敗することもあるだろうなぁ」
ラタス
「おれのヒゲちゃんがかわいそうだろうが!」
リリオ
「お前童貞に見えないにも程があるだろ!!!!!!!」
リリオ
「さっきやりたいことリストにセックスって書いてたって言って否定しなかっただろ!!!!」
リリオ
「他の奴らにみせてやるには惜しいとか言ったり!!」
ラタス
「なんで童貞丸出しにしとかなきゃいけないんだよ!」
リリオ
「いかにもモテてモテて仕方なくて女食いまくってるぜェ~ってオーラ出して優しくするから女の子が騙されるんだろうが!!」
リリオ
「チャックの中にしまうなら一回使ってからにしろ!!」
リリオ
「……ちなみに、こよみとユキの気持ちには気が付いてるか?」
リリオ
「普段才覚の顔してるから、たまの猟奇が本当に怖い」
リリオ
「まぁ……、適当だから、僕とも友達になってくれたのかもね」
リリオ
「気が利かない童貞男だったって言ってたなぁ」
ラタス
「かつてなく自分の言葉の切れ味を堪能している」
リリオ
「あとは、僕のことを知ってたかもとか、堕落の国に来てよかったとか、そういうこと言ってたよ」
リリオ
「……本当に。
全部知っていて、それでも黙って仲間でいてくれたのは驚いた」
ラタス
「殺さずに済んで、こうやって一緒に旅を出来るっていうのは」
リリオ
「元の世界で君に殺されてた方がよかった、って言ったら、困る?」
リリオ
「そうか、これも責めに入るか。
得した気分だな~」
リリオ
「でもまぁ、殺されなくてよかったよ。
殺されてたら、君を知らないまま死んでた」
リリオ
2d6+3>=7 (2D6+3>=7) >
9[4,5]+3 > 12 > 成功
ラタス
堕落の国に来たことは、幸福なことだと思っている。
ラタス
ましてや、下層の環境改善に奔走していたことを、おれはよく知っている。
リリオ
ラタスに殺されて、ラタスの日銭になっていたならそれでよかった。
リリオ
でも、それはラタスを知っていたから言えることだ。
リリオ
ラタスが1人でも殺さずに済んだなら、それはよかったことだし、そのお陰で、ラタスと知り合うことができた。
リリオ
誰も味方がいない孤独な堕落の国で、ラタスを見つけることができた。
リリオ
「夢で、堕落の国に来てよかった理由をちゃんと聞かなかったんだよな」
ラタス
なんか~~あれだろ~~? 甘くて~~~なんかいい匂いがして~甘くて……あとみずみずしい感じで……酸っぱくもあり……甘い……そういう……。
[ ラタス ] 汚れた手 : 0 → 1
リリオ
強引な村人に捕まって、そういう感じになった。
リリオ
なんか直前になって八百長の話をない事にしてきた。
リリオ
「正々堂々勝負したくなったんだよ。
腕相撲と違って、腕っぷしは関係ないしね」
ラタス
Choice[ラタス,リリオ] (choice[ラタス,リリオ])
> リリオ
ラタス
これがおれのちんちんだが……???????
リリオ
爽やかな風が吹き渡る中、童貞ちんちんが気持ちよさそうにしている。
リリオ
自分も着衣を整えて、村の熱烈歓迎を受ける。
リリオ
ラタスも機嫌がよかったけど……露出趣味があったりするのか?
ラタス
というわけで野球拳をしたので実際に果物が出てきた。
リリオ
「そりゃあ貴重な童貞ちんちんを見せたんだから」
リリオ
いやでも、この豊かさはなんなんだ……?
野球拳、何か裏があるのか……?
ラタス
なんか目についたバナナを手に取る。なんか親近感を覚えたので。
ラタス
「なんかこう……甘くて……いい匂いがして……甘いな!」
リリオ
「他にもあるから食べなよ、ほら、こっちはみずみずしいやつ、こっちは酸っぱいやつ」
リリオ
色々と手に取って渡す。
皮を剥く必要があるものは、都度やってみせる。
ラタス
あのジジイおれのちんちんで喜びすぎなんだよな。
ラタス
「いや~美味いな。こう、なんか……恵み……みたいな……そういう……」
リリオ
村長の性癖は、カバー範囲が広すぎてちょっと理解できない。
リリオ
「恵みかぁ、そうだね。豊かな場所のものだ」
リリオ
「堕落の国では、なかなかお目にかかれない」
ラタス
一部の病について、果物の栄養価はまさに薬のようによく効く。
ラタス
その味覚と相まって、下層ではまさに神の食べもののように噂されていた。
リリオ
「するわけないだろ……ユキとこよみがいたら……」
リリオ
2人を脱がせる訳にはいかないし、童貞ちんちんを見せつけるわけにもいかない。
[ リリオ ] HP : 17 → 20