キャラ紹介

GM
それでは
GM
初めにそれぞれのPC紹介をお願いしましょうか。
キャラクターシートを公開し、アイコンを設置してからの自己紹介ですね。
GM
順繰りに。PC1から。GMが導入を貼ります。
■PC① 推奨:隠忍の血統orハグレモノ、男性
・使命:【心に決めた伴侶と共に生きる】
・導入:
あなたは終末の獣と呼ばれる妖魔らしい。
世界の終わりを迎え入れる獣として、人間に狩られようとしていた。

傷付き、逃げ惑う中、あなたが見つけたのはPC②。
儀式の生贄にされようとしていた彼女を救ったあなたは、
彼女と共に逃亡する生活を送ることにした。
彼女と静かに暮らすことが出来るのであれば、それ以外はなにも要らない。
GM
お願いします!
終末の獣
俺だ。
終末の獣
自己紹介と言っても、特に話すことはない。
終末の獣
終末の獣、と呼ばれているらしいが……
終末の獣
まあ、それだけだ。
終末の獣
あまり、そう……何かに固執することは……なかったが。
終末の獣
こういう時、なんといえばいいのだろう。
天命というべきか、運命というべきか。
終末の獣
大事な人が……できた。
終末の獣
今は、彼女とともにありたい……
終末の獣
そう、思っているよ。心からね。
GM
ありがとうございます。
GM
PC1、使命は【心に決めた伴侶と共に生きる】。
GM
どうなりますやら。よろしくお願いします。
GM
それでは次、PC2ですね。
■PC② 推奨:比良坂機関、女性
・使命:【愛する人と幸せな生涯を送る】
・導入:
全てを、運命だと受け入れる覚悟だった。
あの満月の夜の儀式。
月明かりの下で命を散らすはずだった貴方は、一頭の獣にさらわれ、逃亡することになった。

獣との生活の中、覚悟は揺らぐ。
この生活の先に幸せがあるのなら、それもいい。
GM
よろしくお願いします。
蘭沢 繭子
蘭沢 繭子(あららぎざわ まゆこ)と申します。
蘭沢 繭子
3つより12の年まで、常夜で巫女として務めておりました。
蘭沢 繭子
……おりましたが。任を解かれて4年。今はただの女です。
蘭沢 繭子
清誉様の元に嫁いで2年。
蘭沢 繭子
清誉様の勧めで、今は高校にも通わせていただいています。
蘭沢 繭子
……いえ。
蘭沢 繭子
通わせていただいていた、と言った方がよいのでしょうか。
蘭沢 繭子
…………。
蘭沢 繭子
巫女としての役目を終えたこの身で、今一度人々のお役に立てるなら本望です。
蘭沢 繭子
そのように思っています。
GM
ありがとうございます。
GM
PC2、使命は【愛する人と幸せな生涯を送る】
GM
さて。
GM
よろしくお願いします。
GM
では、PC3ですね。
■PC③ 推奨:鞍馬神流、男性
・使命:【PC②を殺す】
・導入:
ずっと続くと思っていた幸せな日々。
終わりを告げたのは一つの使命。
【妻を殺せ】

儀式の生贄となった妻は、全てを受け入れた顔であなたを見る。
手にした神刀は重く、あなたは手を下せなかった。

運命は迷いを見逃さず、妻は獣に連れ去られた。
GM
よろしくお願いします。
蘭沢 清誉
蘭沢清誉。歳は26。流派は鞍馬神流が下位、魔王流。
蘭沢 清誉
ろくでもない化け物の集まりだ。
蘭沢 清誉
普段は道場で剣術指南などしている。
蘭沢 清誉
……チッ。
蘭沢 清誉
妻がいる。歳は十離れている。
比良坂の腐れ女ども、手前らのところで面倒を見なくなったからと体よく押し付けやがって。
蘭沢 清誉
しかもろくに学校に通わせてもいないときた。
子供相手に何をさせろと言うんだ。
度し難い……。
蘭沢 清誉
まあいい。……務めは果たす。
蘭沢 清誉
それだけだ。
GM
ありがとうございます。
GM
というわけでその務めであるところの使命は【PC②を殺す】。
GM
頑張ってください。よろしくお願いします。
GM
最後! PC4ですね。
■PC④ 推奨:戦国編流派、長命
・使命:【終末の獣の終わりを見届ける】
・導入:
あなたは、『化粧応神』と呼ばれる刀を鍛え上げた鍛治師である。
『化粧応神』とは、終末の獣を退治せんがため、
神の命によってあなたが鍛え上げた神刀だ。

獣と刀の物語を見届けるため、あなたは生き続けることとなった。
ようやくその旅路が終わりを迎えようとしている。

※PC④は長命の【背景】を獲得する。
それとは別に、通常通り【背景】を取得して構わない。
GM
よろしくお願いします。
牛墓 鞴良
…………
牛墓 鞴良
………あー?ぁんだァ?
牛墓 鞴良
今チルってんだから邪魔すんな
牛墓 鞴良
ん?何?流派?あ~あれよ。
裏。裏っつったらあれ、裏柳生。
牛墓 鞴良
…………
牛墓 鞴良
ッッカーー 真昼間からの酒はうめぇなあ~
牛墓 鞴良
長年……500?そこらか、生きててもこれだきゃあ変わらねェ
牛墓 鞴良
人生と旅の友は酒と煙草。これに尽きる。
牛墓 鞴良
あ、お前ェさんよ。
なんかこう……見なかったか?獣。
牛墓 鞴良
なんか金色い……知らねえ。あ、そう。
じゃ。ま、いいわ。
GM
ありがとうございました。
GM
PC4、使命は【終末の獣の終わりを見届ける】
GM
そのために生きてきましたからね。果たせますよう。
GM
よろしくお願いします。
GM
それでは、この4名にて
GM
シノビガミセッション『化粧応神』始めてまいりましょう。
GM
改めて、よろしくお願いいたします。
GM
GM
導入フェイズですが、大まかにわけるとこんな感じ。
GM
儀式の夜、終末の獣が現れるまでの繭子と清誉の会話のシーン。
その後、逃げる終末の獣と追う忍からの、
儀式の斎場に終末の獣が現れて、繭子から清誉をかっさらうシーン。
最後にそれを遠くから見守る鞴良のシーン。
GM
となります。
GM
やっていきましょうか。
GM
 

◆導入フェイズ

GM
雲のない夜。満月が空に輝く。
GM
突然告げられた使命のまま、二人は儀式の斎場にいる。
GM
他には誰もおらず、焚かれた篝火が、その時が訪れるのを待っていた。
GM
森の中、滝が水面を打つ音だけが鳴り続ける。
GM
――蘭子、清誉。登場願います。
蘭沢 繭子
しずしずと、その場に歩を進める。
蘭沢 清誉
「…………」
蘭沢 清誉
刀を手に。妻に相対する。
蘭沢 繭子
跪き、清誉の前に頭を垂れる。
蘭沢 繭子
白く細い頸が差し出されている。
蘭沢 清誉
妻ーーというには、あまりに幼い女が差し出した頸を見下ろす。
細く、白く、手折るに容易いそれ。
GM
この儀において、あなたに向けて誂えられた花。
蘭沢 繭子
突然に告げられたその役目に、いつも通り文句一つなく頷いた。
蘭沢 繭子
『かしこまりました』
GM
あなたの手折ることの、既に決定づけられている花の咲く。
蘭沢 清誉
2年前からとうにわかっていたことだ。ーー初めから、そのためにだけ。
蘭沢 清誉
霹靂ではない。もとより与えられていた末がようやく来ただけのこと。
蘭沢 清誉
月は夜に冴え冴えと輝き、抜いた刀身に照り返してきらめく。
蘭沢 繭子
その時を待っている。
蘭沢 清誉
「……黙ったままか」
蘭沢 繭子
「…………」
蘭沢 繭子
「……今まで」
蘭沢 繭子
「お世話になりました」
蘭沢 清誉
触れればやわらかい、瑞々しい女の頬を月明かりは同じく照らす。
蘭沢 清誉
「誰がそんなことを言えと言った」
蘭沢 繭子
僅かに、顔を上げる。
蘭沢 清誉
息を一つ。その顔を見返す。
夜風が草を撫で、月明かりは一切の静けさを暴力的なまでに照らし。
蘭沢 清誉
「あの腐れ女どもに恨み言のひとつもないのか」
蘭沢 繭子
目を瞬かせる。
蘭沢 繭子
「恨むことなど、ひとつもございません」
蘭沢 清誉
「なぜ」
蘭沢 繭子
「16より先の未来は、元より視えておりませんでしたので」
蘭沢 清誉
僅かに、瞠る。
蘭沢 繭子
未来を見通す、巫女の瞳。
蘭沢 繭子
16歳より先が視えたことはなかった。
蘭沢 清誉
「…………チッ……」
蘭沢 繭子
「恨みも、思い残すこともございません」
蘭沢 繭子
「そのように生きてまいりました」
蘭沢 清誉
「無駄口だった。良い。ーーお前はそうだ、それで、良い」
蘭沢 清誉
「……俺と同じだ」
蘭沢 繭子
僅か、微笑む。
蘭沢 繭子
そうして、再び頭を垂れた。
蘭沢 清誉
構えていた刀を振り上げる。一筋、風。
蘭沢 清誉
違わずに首を目掛けーー振り下ろす。
GM
違わずに。
GM
そう、違わずに刀を振り下ろしたはずだった。
GM
されど、それも風。
GM
風が吹き抜ける。
GM
鍛え上げられた忍の男の迷いなきはずの一閃を、
GM
その切っ先を震わす、
GM
一陣の風が。
GM
――獣が、見ている。
GM
振り下ろされた刀が、
GM
首は逸れるとも少女の身体を断ち、
GM
赤い花を咲かせるさまを。
GM
 
GM
静謐なる森を乱すもの。
GM
獣の足音、人の息遣い。
GM
闇に溶けるその獣の姿を、けれど追手は見失いはしない。
GM
どこか、違うのだ。
GM
この世界にいないはずのもの。いてはならぬもの。
GM
そういった”違えたもの”の気配を、その忍たちは知っている。
GM
「いたぞ! 獣だ!」
GM
「追え!」
GM
「この先だ、この先で――」
GM
「殺せ!」
GM
「獣を殺せ!」
GM
「終末の獣を、逃がすな!」
終末の獣
鉄の履物に矢筒を背負う、異様な風貌の男が森を駆ける。
終末の獣
その足は不安定な枝の上を身軽に飛び移りながらも
GM
森を劈く鉄砲の音。
終末の獣
穿たれた傷口からはぽたりぽたりと赤い導がしたたり落ちる。
終末の獣
「ったく、しつこいなぁ……」
GM
音速を超える忍の足といえ、繰り返し降り注ぐ散弾を避けきれるものでなく。
GM
手傷を負わすたび、追手の忍たちは小さな声を漏らす。
GM
よろこびの含まれた、声音。
GM
この者たちは、獣の傷つくことをよろこんでいる。
GM
獣の血を流すさまに、安堵を得ている。
GM
うち一人が、木を蹴って飛び出す。
終末の獣
「ち……」
GM
白刃が閃く。獣へと刀が振り下ろされる。
終末の獣
ふわりと、風が舞い。
終末の獣
空を滑るように獣は刃を逃れる。
GM
「ちっ」
GM
「くそ――」
終末の獣
その弓は追手に向けられず。
その矢は射られず。
GM
けれど執拗な追跡は止まぬ。
GM
殺意も、瞋恚も、
GM
恐怖も。
GM
緩むことなく、追手たちは獣を追い立てる。
終末の獣
風が金の髪を揺らす。
終末の獣
月の明るい夜、枝を踏み落とし、木の葉の中に影が消える。
終末の獣
まったく、なんて日だ。
終末の獣
まあ、いつものことか。
GM
闇を潜り抜け、
GM
追いすがる追手を振り払い、
GM
森を抜ける。
GM
水の落ちる音。滝の音がその長い耳に届く。
GM
清らかな空気が頬を撫で、
GM
開けた空に輝く満月、
GM
そこに相対する、男と女の姿を獣は見る。
GM
男が。
終末の獣
「…………」
GM
刀を振り上げるさまを、見た。
終末の獣
思わず、手を伸ばした。
終末の獣
一陣、舞い上がる風。
終末の獣
その風に黒紫の蝶の舞う。
GM
舞うた夜色の蝶は、振り下ろされる刀の剣筋を逸らす。
GM
結果、首は落とされず、
GM
されど清らなる斎場に変わらず、
GM
赤い花が咲いて滴る。
終末の獣
「ちっ」
GM
命を裂く手応え。
GM
それが清誉の手に残り、
GM
繭子の身体は力を失い、地へと傾ぐ。
終末の獣
腰を低くした男の鉄が平らな地を削りて走る。
終末の獣
蝶の鱗粉の輝きを残し、その足は疾風の如く。
終末の獣
少女の身体を抱きとめる。
GM
か細き呼吸。
GM
今まさに死にゆく少女の姿。
蘭沢 清誉
「ーーーー!!!」
終末の獣
ちらりと、男を一瞥し
GM
しかし失われる少女の命、絶えゆく息吹のその気配が、
GM
獣の抱いた瞬間に、
GM
わずか、つなぎとめられたような気配がある。
GM
女はまだ、生きている。
GM
終末の獣の腕の中で。
蘭沢 繭子
獣の腕に、力なく抱かれている。
終末の獣
「舞え……!」
終末の獣
どこからともなく寄ってきた蝶が2人の男の間を遮るように群がる。
蘭沢 清誉
鱗粉が視界にちらつく。
ほぼ反射的に、妻を裂いた返す刀でその金色の頭を追う。
蘭沢 繭子
暗く霞む視界に、金色が月の明かりを受けてかすかに煌めいていた。
終末の獣
「えらい!」
終末の獣
そう、己が従僕へと言い放ち。
終末の獣
一陣の風と共に、ただ2人分の赤を残して。
蘭沢 清誉
「……ま、」
終末の獣
獣は消える。一夜の夢幻の如く。
蘭沢 清誉
なりふり構わず伸ばした腕が空を裂く。
GM
手は届かない。
GM
代わりに残された神刀ばかりが月夜に冴え冴えと美しく、
GM
少女の血を吸って爛々と輝いている。
GM
――その刀の輝きと、消えた獣の姿を。
GM
果てより見下ろす、一人の刀鍛冶がいる。
牛墓 鞴良
木の上にだらりと居座る、その姿。
寄りてみればただの人なれど。
気配を誰一人として悟らせない。
牛墓 鞴良
ただ燻らせる煙だけがその存在を知らせる。
牛墓 鞴良
煙すら、月夜の風に流されて。
遥か果ての光ばかりを眺め呟く。
牛墓 鞴良
「……何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」
牛墓 鞴良
そうして、ひとり。
笑みを零した。
GM
その姿を見下ろし照らし、
GM
夜空に月ばかりが輝いていた。