キャラ紹介

GM
では皆様お揃いですね。
GM
シノビガミセッション「神様のヒマ潰し」
GM
はじめていきましょう。
GM
よろしくお願いします!
煤木野灰吏
よろしくお願いしま~す

よろしくお願いします。
葛火焔郎
よろしくお願いします
葛火焔郎
!!
御祀 潺
よろしくお願いします
GM
■今回導入
きっとだれも見ていないさ。
きっとだれも気付けない。

成人の儀を控えた忍者たちと、彼らを取り巻く世界の話。
もうすぐ子供でなくなってしまう二人は、かみさまの姿に何を見るか。
GM
 
GM
と、そういった穏やかなシナリオとなっております。
GM
穏やかにやっていきましょう。
GM
PC紹介から!
GM
一人ずつ、最初にキャラクターシートのアドレスを改めてご提示いただけると嬉しいかな。
GM
PC1からよろしくお願いします。
■PC1 推奨:
・使命:【PC2に敗北を教える。】
・導入:
あなたは名だたる忍者の家系に生まれた。
家の期待を一身に背負い、鍛錬を欠かさず生きて来たが、何をしても幼馴染であるPC2に勝つことが出来ない。
成人の儀を迎える前に一度でいいから、なんとかしてPC2を負かしてみたいと思っている。
葛火焔郎
はい。
GM
蓮華王拳!
葛火焔郎
蓮華王拳ですが?
GM
拳ですね~~。
葛火焔郎
葛火焔郎(かずらび ほむろ)
葛火焔郎
17歳。普段は堅気の学校に通っています。
葛火焔郎
子供の頃から厳しい修行を積み、時には親から谷底に突き落とされて腕一本で崖を上らされたりしました。
GM
厳しい~
葛火焔郎
その時は落とされた先にハイリにいちゃ……ハイリさんがいてくれたのでなんとかなりました。
GM
頼れるお兄さんがいてよかったね……
葛火焔郎
親父もお袋も結構甘いです。
葛火焔郎
若干過保護気味ながらすくすく大きく育つ……予定でしたが筋肉をつけすぎたせいか身長は伸び悩んでいます。169cm。
GM
まだ伸びる!
葛火焔郎
伸びます。(真顔)
GM
伸びる伸びる。
葛火焔郎
普通に喋っていてもやや声のでかい男です。
葛火焔郎
そんなところ。
GM
イェイ。
葛火焔郎
うむ。
GM
使命は「PC2に敗北を教える。」
GM
がんばってくださいね!
GM
ではPC2。
■PC2 推奨:
・使命:【PC1と共に生きる。】
・導入:
あなたはシノビガミの血を色濃く継ぐ一族の嫡子である。
人間と神の境界を彷徨いながら眺める世界には、今のところ退屈していない。
正真正銘人間の身でありながら自分に突っかかってくるPC1の存在も酷く小気味良い。
もうすぐPC1ともども成人の儀を迎えるが、ずっとこうして生きていければいいと思っている。
GM
藻様、ご紹介をお願いします。
GM
最初にキャラクターシートのアドレスをはっていただいてどうぞ!

藻(みずくさ)
古き神の血をひく。

下の名前は……ひみつ。
わたしに勝ったらおしえる。

そういう約束。
GM
なかなかその時が来ませんね。

なげきかなしむ……

学校は行ったことない。
ほむろがたまに町の話をしてくれる。

せせらぎもよくしてくれてる。
GM
主に二人から色々教わってる形ですね。

そう。
ものごとをあまりよく知らない。

知らないけど。
教えてくれるから、いい。

そんなかんじ!
GM
これからも教わっていけたらいいですねえ。
GM
使命は「PC1と共に生きる。」
GM
果たせていけたらそうなるのでしょう。
GM
ではPC3。
■PC3 推奨:
・使命:【PC1を守る。】
・導入:
あなたはPC1の家系の分家の人間である。
PC1がPC2に挑み、負かされ続けている姿をずっと見守ってきた。
躍起になってPC2に挑むのもいいが、そろそろお守りをするのも限界である。
もうすぐ成人の儀を迎えるのだし、いい加減落ち着きを持ってくれないものだろうか。
GM
やれやれHO。
GM
紹介よろしくお願いします。
煤木野灰吏
はい~
煤木野灰吏
キャラクターシート
煤木野灰吏
煤木野灰吏(すすきのはいり)
煤木野灰吏
焔郎坊っちゃんのお家の分家の者です~。
煤木野灰吏
普段は大学生をやってます。
煤木野灰吏
ちっさい頃から坊っちゃんとは仲良くさせてもらってます。
煤木野灰吏
今も小さいか(笑)
GM
伸びたでしょ~
煤木野灰吏
つむじが見えるな~
GM
灰吏さんはもっとにょきにょき伸びましたからね
煤木野灰吏
家は代々公安の仕事をやっとります。
煤木野灰吏
俺も近い内に入ることになる。
煤木野灰吏
今はまだ……ギリギリ……モラトリアム……みたいな。
GM
まだ20前。
煤木野灰吏
いぇ~い 19歳です
GM
若~い!
GM
坊っちゃんよりは上!
煤木野灰吏
できることをやる主義で、実際に大体のことがそこそこできる。
煤木野灰吏
お守りとかができます。
GM
長くやってきましたね。
煤木野灰吏
やってきました~。
GM
その坊っちゃんももうすぐ成人の儀ですが……
煤木野灰吏
昔は幼馴染みたいな感じが強かったけど……もう流石にねぇ。
GM
さすがにね~。
煤木野灰吏
成人の儀、楽しみですねえ。
煤木野灰吏
何があるのかしらんけど!
煤木野灰吏
俺は分家だからわかんな~い。
煤木野灰吏
以上~
GM
はーい。ありがとうございました。
GM
というわけでPC3の灰吏さん、使命は「PC1を守る。」でした。
GM
成人前の最後のお守りかな~。
GM
では最後! PC4。
■PC4 推奨:
・使命:【彼らの世界を守る。】
・導入:
あなたはPC2の家系の分家の人間である。
あなたはPC1やPC2、PC3を微笑ましく見守ってきた。
彼らが笑っていられるこの世界がいつまでも続けば良いと思っている。
御祀 潺
はい
GM
よろしくお願いします!
御祀 潺
藻のお嬢様にお仕えしております。
名を、御祀 潺 (オマツリ セセラギ)。
御祀 潺
一族の中でも、藻の家に直接お仕えできるのは一握り。
御祀 潺
大変名誉なことですね。
GM
特に直接お嬢様に接する役となりますとねえ。
御祀 潺
ええ。
御祀 潺
御立場上、お嬢様には親しい間柄のご友人など縁遠いものと思っておりましたが
御祀 潺
嬉しきこと。
焔郎お坊ちゃまと灰吏様には感謝しております。
GM
ありがたいご縁ですよね、本当に。
御祀 潺
おふたりには私のような者にもお声をかけていただき、本当に……
御祀 潺
良い方々に巡り合えて、良かったですねぇ。
GM
日々に張り合いも増えている様子で
GM
そのご様子を見ていると本当にねえ。
御祀 潺
マコトに。
御祀 潺
出来る事ならば、誰も傷つかず。
誰も死なず。誰も嘆かずに。
御祀 潺
いつまでも、この時が続けばよいと思います。
GM
見守っていきたいところですね。
御祀 潺
このような時、『この目の黒いうちは』と
御祀 潺
よく言われますが……
御祀 潺
私は、この身が滅ぶまで。
御祀 潺
お仕えできればと、思っておりますよ。
GM
たいへんな覚悟と貫禄をお持ちの潺さん。
GM
使命は「彼らの世界を守る。」ですね。
御祀 潺
はい。このくらいで、よろしいかと。
GM
はい。紹介ありがとうございました。
GM
ではこの4人にてシノビガミシナリオ「神様のヒマ潰し」。
GM
開幕と相成ります。

■導入フェイズ

GM
予告通り、2シーンの導入フェイズを予定しています。
GM
PC1-3がまとめて出るシーンと、その後のPC4と2のシーンという感じでいきます。
GM
というわけで、焔郎さん、藻さん、灰吏さん。
GM
よろしくお願いします。
煤木野灰吏
はい~
御祀 潺
よろしくお願いいたします。

はいりの服がシャキッとしている
GM
潺さんは遠くから察知してても大丈夫ですね
葛火焔郎
は~い。討伐帰り 
GM
忍者なのでそういうことができる!
御祀 潺
千里眼ですからね。
GM
こころづよし
煤木野灰吏
仕事着です
葛火焔郎
忍者だな~
GM
しゃきっとしてるな~
GM
ではでは~

◆導入:葛火焔郎 藻 煤木野灰吏

妖魔
「ゴアアアアア!」
GM
おどろおどろしい叫びを上げた泥のような妖魔が腕を伸ばし、
GM
大地に立つ焔郎へと汚れた腕を伸ばす。
葛火焔郎
伸ばされた腕に真っ向から焔を纏った拳を叩き込む。
GM
一撃を受け、ぶちゃ、と汚れた泥が弾ける。
葛火焔郎
焦げ付くような悪臭。
GM
討伐忍務に命じられて訪れた裏山には、
GM
泥のような不定形の妖魔が数多くはびこっていた。
葛火焔郎
一本逃した。小さく舌打ち。

腕をはたかれて怯んだ妖魔の頭上に飛び上がる。
落下の重力がたっぷりと乗った、かかとの一撃を叩き込んだ。
GM
ぐしゃりと頭が潰れる。
GM
そのまま身体も溶け落ち、ぶしゃりと汚い泥になって山肌を汚す。
煤木野灰吏
少し離れて二人の様子を見守っている。

したたかに泥をかぶる。
煤木野灰吏
親父殿曰く、なんでもかんでもお前が手出ししたらお二人の経験にならないとのこと。
煤木野灰吏
ごもっともな話で。
GM
汚らしい妖魔たちの数こそ多かったが、
GM
二人も厳しい訓練を受けてきた忍者。
GM
名家の、神の家の、期待の子たち。
GM
この程度物の数ではない。
煤木野灰吏
実際この程度なら、俺が手助けするほどのことはないのだ。
煤木野灰吏
がんばれ~とかさすが~とか茶々を入れていた。
葛火焔郎
妖魔の動きが止まり、再起の兆しも見えなくなれば拳を解く。
GM
妖魔どもが殲滅させられるまで、そう時間はかからなかった。
葛火焔郎
「……」
葛火焔郎
頬にかかった泥を拭い。
煤木野灰吏
「お疲れ様です~」
葛火焔郎
自分の倒した分。藻の倒した分。見るともなく視線が向く。
GM
ではそのように妖魔の遺骸を見回す焔郎の、
GM
その背後から。
GM
山肌を割って、妖魔の泥の腕が伸びる。
GM
音もなく、急所を狙い、汚れた腕が。

踏み込み、地を駆ける。
泥の腕めがけて手刀を振った。
GM
「グガッ……」
GM
断末魔。
GM
あっさりと一撃に泥が散る。
葛火焔郎
「!」
葛火焔郎
反応が遅れた。
煤木野灰吏
「……いや~、さすがでいらっしゃる!」
煤木野灰吏
「俺の仕事を取られてしまいました」

再び泥に塗れる顔、赤い眼がそちらを見る。
GM
妖魔の抵抗はもうない。
葛火焔郎
藻が出ていなかったら死んでいた。

「うち漏らしたら……」
葛火焔郎
「……」

「ハイリのやくめ」
GM
禍々しい瘴気こそ満ちているが、この3人をおいて他に、今この土地に生者の気配はない。
煤木野灰吏
「申し開きのしようもございません~」
煤木野灰吏
でも大丈夫だと思ったし~
煤木野灰吏
大丈夫だったし~
GM
討伐忍務はこれにて完了。

「生き残りを見逃したわたしの手落ち……」

「がっくし」
GM
あとは下忍に後始末を任せて帰還していいだろう。
煤木野灰吏
「ともあれ、これで本当に討伐完了ですよ」
煤木野灰吏
「お疲れさまでございました」
葛火焔郎
泥にまみれた藻を見て、唇を僅かに噛む。

「これ全部チョコレートならいいのにね」

焔郎に囁く。
煤木野灰吏
「ちゃんと討伐数数えておきましたよ~、知りたいですか~?」
葛火焔郎
「……よくない」
葛火焔郎
「藻18、俺が14!」
煤木野灰吏
「今一体増えて19」
葛火焔郎
「ぐぬぬ……」
GM
割と最近は妖魔の討伐忍務をよく振られまして。

足して何体になるのかぼんやりと計算している。
GM
そのたびにこんなんなる。
煤木野灰吏
「いや~、惜しい惜しい」
煤木野灰吏
惜しいか?
葛火焔郎
惜しくない!
煤木野灰吏
「次はいけますよ!」
葛火焔郎
「それ前も言いましたよ」
葛火焔郎
また負けた。
煤木野灰吏
「そうだっけ?」

「お互いにあと1体でキリがよかった……」

「残念」
葛火焔郎
「言・い・ま・し・た」
葛火焔郎
「……」

「?」
煤木野灰吏
あら~
葛火焔郎
黙って藻の頭に手ぬぐいを掛ける。
煤木野灰吏
二人が話してる時よくこういう空気を出す。
煤木野灰吏
あらあら~みたいな

「ぷあ」
葛火焔郎
お袋に持たされているやつ。

手拭いで泥を拭く。
ふ~きふき。
葛火焔郎
「ほっとくと臭くなる」

「わたしくさい?」
葛火焔郎
あらあら~になっている灰吏を睨んだ。
煤木野灰吏
睨まれた~
葛火焔郎
「まだ臭くない。ほっとくとなるって言った」

「よかった」
葛火焔郎
ちら、と窺うように視線を戻して。
煤木野灰吏
今日も仲がよくてよろしいことで~
葛火焔郎
からかうんじゃない!
葛火焔郎
足元に跳ねた泥を払う。
葛火焔郎
……また負けた。
葛火焔郎
退治した妖魔の数などというみみっちい数比べをしたいわけではないが。
葛火焔郎
そんな数比べですら一度も勝ったことがない。
煤木野灰吏
勝てた試しがないのに、よくもまあ諦めずに挑むものだと思う。
葛火焔郎
直接やり合えばもっと差は明確だ。
葛火焔郎
勝てた試しがない。
煤木野灰吏
これだけ何年も負け続けていれば、諦めてしまってもおかしくないものだが。
煤木野灰吏
普通は、というかまあ俺ならそうする。
葛火焔郎
だが、諦めたこともない。
葛火焔郎
数はいちいち数えるし、判定が必要なら第三者にそうさせる。
葛火焔郎
真っ直ぐに、真っ向から。
煤木野灰吏
付き合いが長い分、二人の勝負にはよく立ち会ってきた。
葛火焔郎
いつかは勝つ。それがいつになるかはわからない。
葛火焔郎
だが、挑み続けることのできる間は、藻に手が届くということに他ならないのだから。
煤木野灰吏
何度負けても、焔郎の瞳の炎が消えたのを見たことがない。
煤木野灰吏
いつかは勝つと、心の底から信じている目。
葛火焔郎
だから、手を伸ばす。挑む。負けても負けても。いつかを信じて。
煤木野灰吏
俺にはないものだ。
煤木野灰吏
さっさと諦めたほうが楽だと思うんですけどね。
煤木野灰吏
人間には、ほら、分ってものがありますからね。
葛火焔郎
諦めませんよ、勝つまで。
葛火焔郎
あと5体。打ち漏らしていなければもう少しだった。
葛火焔郎
反射神経訓練を強化しよう……などと考えながら短く息を吐く。
煤木野灰吏
「さーて、帰りましょうか」

「おなかすいた」
葛火焔郎
「はい」
煤木野灰吏
「お疲れになったでしょう」
煤木野灰吏
「きっと御祀さんがお風呂とご飯を用意してくれてますよ~」
煤木野灰吏
歩きだす。泥がスーツに跳ねないように。
葛火焔郎
「報告は灰吏さんにお任せしていいですか?」

あとを着いていく。
煤木野灰吏
「はい~、もちろんですとも」
葛火焔郎
藻の小さな後ろ姿を追って、山を後にする。
GM
瘴気の残滓を抜け出して、いつもの屋敷へと帰りゆく。
GM
忍務での戦いも、他愛ない会話も、彼らにとっては日常。
GM
どちらも。
GM
まだ。
御祀 潺
里を流れる川の上流、滝の間にそびえる岩の上に男がひとり。
御祀 潺
飛沫をたてる水の香が舞い上がる。
御祀 潺
「……4、5」
御祀 潺
「ふぅむ」
御祀 潺
「おふたりとも、腕をあげましたねぇ」
御祀 潺
印を結ぶこともなく、腕組をして。
御祀 潺
遙かな山を眺めている。
御祀 潺
「……さて」
御祀 潺
無事に動く獲物のなくなったことを確かめると、両手を上にあげ伸びをして。
御祀 潺
滝壺に身を投げる。
御祀 潺
近道近道。
御祀 潺
三人が戻る前に、湯と夕餉の準備をさせて。
御祀 潺
ねぎらいの言葉をかけねばなるまい。

◆導入:御祀潺

GM
お待たせしました。御祀さんのシーンですね。
GM
藻のお屋敷かな?
御祀 潺
ええ。
GM
はーい。中で待ってます?
GM
外?
御祀 潺
そろそろお帰りになるころかと思いますので、玄関前ですね。
GM
了解です。
GM
千里眼があれば遠くの藻の様子もよく見える。
GM
と、そのように潺が藻を待っていると……
GM
足元に、ぎしゃ、ぎしゃ、と耳障りな笑い声。
御祀 潺
ほう
GM
靄のような妖魔が形をなし始め、
GM
潺へとその爪を伸ばそうとする。
御祀 潺
なんと、このような場所に妖魔の手が及ぼうとは。
御祀 潺
これは由々しき事態。
GM
けたけたと耳障りな笑い声。
GM
その爪が、やがて潺の服の裾へと届き――
御祀 潺
右手で拳をつくり、袖を左手で押さえる。
GM
空振り。
御祀 潺
「せい!」
御祀 潺
そのまま片膝をつくように拳を妖魔へ振り下ろす。
GM
「ギャッ」
GM
一撃で靄が晴らされる。
GM
御祀の家の周辺に妖魔が這い出ることが増えてきたが、
GM
藻の家にまでその爪を伸ばされたのは今回が初めてだ。
GM
そのどれも大した力を持たぬ木っ端ではあるが……。
御祀 潺
「ふむ……」
GM
木っ端は木っ端、されどその根源か、あるいは原因となるものがあるのか。
GM
今はまだ、その千里眼にも見通し難い。
御祀 潺
「巡回を強化させるか……私も。」
GM
と、そのように潺の考えているところに……
GM
帰ってきましょうか、藻さん。
御祀 潺
ふ、と。拳に息を吹きかけ穢れを払う。
御祀 潺
何事もなかった風に。

さくさくと骨の下駄が地面を踏む音。

「ただいま」
御祀 潺
「お帰りなさいませ。」

「おなかすいた」
御祀 潺
「本日は鮎を獲ってまいりましたので」
御祀 潺
「先に、泥をはらってまいりませ」

潺を見上げる。

「うん」
御祀 潺
頭を下げると、藻の戸を開く。

祓われた邪気に気がついているのかいないのか。
屋敷の敷地内に流れている清流に駆け寄ってざぶんと飛び込む。

す~いすい。
御祀 潺
当然の如くその様子をほほえましく眺めている。

まだ冷たい水を楽しんでいる。
御祀 潺
「本日の忍務は如何でございましたか?」

「泥を……たくさんたおした」

「あれぜんぶチョコレートだったらいいのにねって」

「ほむろに言ったのに、よくないって」
御祀 潺
「おやおや」
御祀 潺
「まあ……あの量のチョコレートを全部食べれば胸やけもしましょう」

「せせらぎも胸やけする?」
御祀 潺
「半分は行けると思いますね」

「はんぶん……」

どのくらいの量だったかと考えながら。
御祀 潺
「しかし……」
御祀 潺
「水は水に。土は土に。」
御祀 潺
「霞は霞に。」
御祀 潺
「還るのが、理というものでありましょう」

「むう」

「炎は?」
御祀 潺
「チョコレート」
御祀 潺
「取り寄せておきますね」

炎はどこに還るのだろう。
御祀 潺
「炎は……自然とは異なるものですからね」

チョコレートよりも気になるもの。
御祀 潺
「雷や熱によってもたらされ、その在り様を変化させ」
御祀 潺
「消える」

「きえる……」
御祀 潺
「消えます」

視線がまたぼんやりと宙を見ている。
御祀 潺
「永久に燃え続けることは出来ません」

「そうなのかな」
御祀 潺
「ええ」

星を見ている。
あれも燃えていると。
御祀 潺
「支えるものなくば、ですが」

言えるのだろうか。
……。

「あ」

ふと、声をあげる。

「マシュマロも食べたいな……」

清流から潺を見上げる。
御祀 潺
布には『目』の文字。
御祀 潺
その下にある顔はうかがい知れないが、口元には微笑み。
御祀 潺
「お取り寄せいたしましょう」
御祀 潺
端にしゃがみ込み、見ている。

「うれしい……」

布の下の顔を見たことはない。
見ようと思ったことも、ない。

浮世離れした少女の瞳は、潺に信頼以外のものを向けたことはない。

今もチョコレートとマシュマロを待ちわびているだけの光をたたえて居る。
御祀 潺
穢れなき清流のうちに佇む少女を見ている。
御祀 潺
みている。みえている。
御祀 潺
忍びの家に生まれ、清らかな狭い世界で脈打つ神の血を感じている。
御祀 潺
いつまでも、閉じた世界で。
御祀 潺
穏やかな日々が続けばいいと、
御祀 潺
思ってしまう。
御祀 潺
出来る事なら、永遠に。