クライマックスフェイズ

GM
枝を踏み分け、木々をかき分け、導かれるように忍たちは辿り着く。
GM
戦場。これまでの八千矛、八十神が刃を交えてきたその場所には、すさまじい跡が残る。
GM
刃の跡、矢が突き刺さり折れて残っている跡、焼けた跡、毒物に溶けた跡……。
GM
数千年の神楽の跡。
アガタ
其処に隠忍の男が居る。
花丸 かごめ
傍らには、男と使命を同じくする女。
神楽坂 千歳
追うというよりかは導かれるように、八千矛たる男は辿り着く。
勢納 斎
傍らには、男と使命を同じくする女。
アガタ
神器を携えたその姿を見る。
同じく、自身の手に宿る神気を湛えて。
神楽坂 千歳
見返す。
神楽坂 千歳
その手に『生大刀』。月光に輝く男が神器。
アガタ
その手に『生弓矢』。輝きを返す対の神器。
アガタ
『八千矛』
アガタ
「あの問いを今返そう」
神楽坂 千歳
「……ああ」
アガタ
『八十神』とは『名もなき大勢の神』であり。
アガタ
交わりうつろい、神器を手にした今。
女の宿した祈りに触れて。
アガタ
もはやその名を古に還そう。
アガタ
境界に立つ。
神楽坂 千歳
向かい合う。
『須佐之男』
「我が配役は『須佐之男』」
『須佐之男』
かつてまつろわぬものとして。
『須佐之男』
天を追われ国を追われ。
『須佐之男』
人に触れ、人となり。
『須佐之男』
根の国の主になった男。
『須佐之男』
「……いざ、尋常に死合おうぞ」
神楽坂 千歳
「……は」
神楽坂 千歳
「はは」
神楽坂 千歳
「はっははははははははは」
神楽坂 千歳
笑う。高らかに。
神楽坂 千歳
目の前の男からの、ついぞ待ち望んだ答えに、
勢納 斎
きょとんと、隠忍の男を見ている。
神楽坂 千歳
生まれ落ちたその時より焦がれ続けた相手を前に。
神楽坂 千歳
「いいだろう、『須佐之男』」
神楽坂 千歳
「此度もその試練――乗り越えてみせようぞ」
神楽坂 千歳
そう答えると、
神楽坂 千歳
神器を構えた。
『須佐之男』
等しく。
勢納 斎
『須佐之男』
勢納 斎
確かにそう言った。根の国の主になった男。
勢納 斎
冥府に住まう姫君の父である男。
八千矛から多くのものを奪われる男。
勢納 斎
これは『神楽八十神追』。
配役は配役であって、それ以上の意味はない。
勢納 斎
私は八千矛に力を与える姫君。そういう配役。
勢納 斎
千歳より数歩下がった所で、深く頭を下げる。
勢納 斎
「私の配役は、冥府に住まう『姫君』」
勢納 斎
「八千矛の力や知恵となりましょう」
勢納 斎
「と、いうのが表書き」
神楽坂 千歳
くすりと笑う。
勢納 斎
外套の下から抱え大筒を取り出し、どかりと肩に担ぐ。
勢納 斎
「最初に言った通りだ。好き勝手にやらせてもらう」
勢納 斎
「強ければいい、それだけの話なんだろう?」
勢納 斎
「お手合わせ願おう」
花丸 かごめ
斎の様子に、表情が緩む。
花丸 かごめ
だいすきないつきちゃん。だいすきなちとせくん。
花丸 かごめ
以前の自分と変わってしまったとしても、その思いは変わらずに。
花丸 かごめ
だけど今は、こうして敵としてこの場に立っている。
花丸 かごめ
くるりと、手に薙刀。
花丸 かごめ
切っ先の向かうのは、おさななじみの二人。
花丸 かごめ
「わたしは花丸かごめ」
花丸 かごめ
「ただのかごめ」
花丸 かごめ
アガタさんは、悪くない。
花丸 かごめ
じゃあちとせくんが? いつきちゃんが?
花丸 かごめ
そんなはずはない。
花丸 かごめ
悪いものがあるとしたら、きっと。
花丸 かごめ
こんなことをしないと保てない世界。
花丸 かごめ
わたしは……多分怒っている。
花丸 かごめ
だから戦う。
神楽坂 千歳
月に見守られ、戦場に相対す四人の忍び。
神楽坂 千歳
巡り満ちる想いの中、
神楽坂 千歳
ただ静かに声を張った。
神楽坂 千歳
「いざ――」
神楽坂 千歳
「参る」
GM
『神楽八十神追』。これにて、最後の演目。

クライマックスフェイズ ラウンド1

GM
*プロットの開示をお願いします。
[ 神楽坂 千歳 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
[ 花丸 かごめ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ 勢納 斎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
[ 『須佐之男』 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド1 プロット6
GM
*勢納 斎
勢納 斎
「なぁ、須佐之男」
勢納 斎
「まさか父上殿とは思わなかったぞ。もっとも、この場では配役など意味はないがな」
勢納 斎
「姫君は2人いる。冥府に住まう姫君がどちらかは分からない」
勢納 斎
「お前は、どちらが姫君に相応しいと思う?」
『須佐之男』
『知れたことよ』
『須佐之男』
『あの女に配役はない』
勢納 斎
「そうかそうか」
勢納 斎
「見事な役者だ、惚れ惚れするよ」
勢納 斎
「だが……、私はお芝居に付き合う気がないものでね」
勢納 斎
痛打と対空千手砲を使用します。対象は『須佐之男』。
GM
判定をどうぞ。
勢納 斎
2D6>=5 (判定:絡繰術) (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
勢納 斎
これが痛打分
勢納 斎
2D6>=5 (判定:絡繰術) (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
勢納 斎
対空千手砲分
GM
成功ですね。
GM
回避をどうぞ。
『須佐之男』
神器『生弓矢』を使用します。
GM
OK.
GM
*神器『生弓矢』の効果により、勢納斎は振り直しを。
勢納 斎
2D6>=5 (判定:絡繰術) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
GM
*勢納斎は逆凪。
勢納 斎
「人の存在は一言で表せるものではない」
勢納 斎
「姫君だとか、八千矛だとか八十神だとか」
勢納 斎
「そんなものは、構成要素の一つに過ぎない」
勢納 斎
抱え大筒を構える。
勢納 斎
神楽八十神追のために維持されてきた勢納の家。古い血族ではあるが、綻びはある。
勢納 斎
子が生まれぬ年もある。戦で一族が離散しそうになったこともある。
勢納 斎
根来衆に身をやつした分家筋から、ようやく血を復興させたこともあった。
勢納 斎
それを突き止めた時に、斎は常夜の術で戦うことをやめた。
勢納 斎
「私は、私のやりかたでやらせてもらうぞ!」
勢納 斎
大筒が火を吹く。
『須佐之男』
爪弾く糸。
『須佐之男』
火を噴いた筒に神気を纏った矢が突き刺さる。
勢納 斎
「なっ!」
神楽坂 千歳
「チッ――」
『須佐之男』
『応、人は多面的であるよな』
勢納 斎
輝く矢が流星のように流れ、砲弾は崩れた。
『須佐之男』
『だからこそ名をつけるのであろうよ』
『須佐之男』
『気安く呼べるように』
勢納 斎
これが神器。
神の器となるもの。
勢納 斎
「くそっ」
勢納 斎
「それがどうした! 名前などいくらでも増やせるだろう!」
勢納 斎
「お前も『須佐之男』ではなく、つい先程まではアガタだっただろうが!」
『須佐之男』
『ならば呼ぶがいい、私の名を好きに』
『須佐之男』
『本当の名などどこにもないのだから』
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド1 プロット5
GM
*『須佐之男』
『須佐之男』
長肢を使用します。
GM
判定をどうぞ。
『須佐之男』
2D6>=5 (判定:異形化) (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
GM
*『須佐之男』は逆凪
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド1 プロット2
GM
*神楽坂 千歳
神楽坂 千歳
【神槍】>『須佐之男』
GM
判定をどうぞ。
神楽坂 千歳
2D6-2>=5 (判定:手裏剣術) (2D6-2>=5) > 7[3,4]-2 > 5 > 成功
『須佐之男』
神器に触れた指が爛れて欠ける。
『須佐之男』
糸のたわむ隙。
神楽坂 千歳
その隙を見逃さず、
神楽坂 千歳
空に神器を放った。
神楽坂 千歳
回転しながら空高く、垂直に放り投げられる『生大刀』のもと、
神楽坂 千歳
男は無手の構えを取る。
神楽坂 千歳
てのひらが、空を握りしめる。
神楽坂 千歳
忍びの指先が、『八千矛』たる男の指先が握り込んだ手の中の、
神楽坂 千歳
極限まで圧縮された空気。
神楽坂 千歳
それを真空として、『須佐之男』へ。
神楽坂 千歳
男の生きざまのように真直ぐに放たれる、空気の刃。
神楽坂 千歳
その動きのさなかに、
神楽坂 千歳
ちらと自分よりも遅い動きの花丸かごめを振り返り、
神楽坂 千歳
手は即座に、落下してきた神器を掴み取る。
GM
『須佐之男』は射撃線ダメージ2点をどうぞ。
[ 『須佐之男』 ] 忍術 : 1 → 0
[ 『須佐之男』 ] 謀術 : 1 → 0
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド1 プロット1
GM
*花丸 かごめ
花丸 かごめ
振り返り、神器を再び手にしたあなたに
花丸 かごめ
薙刀の穂が迫る。
花丸 かごめ
接近戦攻撃を千歳に。
花丸 かごめ
かごめは霊装を所持しています。指定特技は呪術。
GM
判定をどうぞ。
『須佐之男』
感情修正します。
花丸 かごめ
2D6+1>=5 (判定:刀術) (2D6+1>=5) > 3[1,2]+1 > 4 > 失敗
神楽坂 千歳
穂先はあっさりと、輝く神器によって振り払われる。
神楽坂 千歳
「素直だよな」
神楽坂 千歳
「お前は」
花丸 かごめ
「…………っ!」
神楽坂 千歳
高らかな音を響かせ、追撃を受けぬように一歩引きながら、
花丸 かごめ
「……ちとせくんだって、そうでしょ」
神楽坂 千歳
「さあて」
神楽坂 千歳
「お前ほどじゃねえよ」
神楽坂 千歳
「だって、なあ、かごめ」
神楽坂 千歳
「俺はお前よりは、戦い方を多く持ってるし」
神楽坂 千歳
「隠しているものの正体だって、分かりづらいと思うがね?」
花丸 かごめ
「…………」
花丸 かごめ
わかるよ、とは言えなかった。
花丸 かごめ
ずっと一緒にいたもん、とは。
花丸 かごめ
いつきのことだって何もわかっていなかった自分には。
神楽坂 千歳
あなたの幼馴染は真直ぐにあなたを見つめている。
神楽坂 千歳
見透かすような、誘うような視線を最後に残し、
神楽坂 千歳
地を蹴った。

クライマックスフェイズ ラウンド2

神楽坂 千歳
かごめの隣から姿を消した男は、
神楽坂 千歳
姿勢を立て直す最中の勢納斎の横に立つ。
神楽坂 千歳
神器を手に視線を流し、小さく微笑んだ。
神楽坂 千歳
「ったく」
神楽坂 千歳
「手のかかるこった! 助かったけどな」
勢納 斎
「ふん」
勢納 斎
「私はやりたいようにやると、最初から言っている」
神楽坂 千歳
「責めちゃいねえよ。おかげで奴の注意が逸れた」
神楽坂 千歳
「まあ、でも、頼むぜ」
神楽坂 千歳
「俺はお前となら死ねるけど」
神楽坂 千歳
「できることなら、共に生きていきたいものなんでね」
勢納 斎
「は……?」
勢納 斎
「何急に言ってんだ……コワ……」
神楽坂 千歳
「はっはは」
神楽坂 千歳
笑い声を残して、地を蹴る。
勢納 斎
「おい、千歳!」
勢納 斎
「私はお前と死んでやる気はさらさらないからな」
神楽坂 千歳
「分かってるよ!」
勢納 斎
「死んだら全員、それまでの話だ!」
GM
プロット開示!
[ 勢納 斎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
[ 花丸 かごめ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ 『須佐之男』 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
[ 神楽坂 千歳 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド2 プロット5
GM
*『須佐之男』
『須佐之男』
長肢を使用します。
GM
判定どうぞ。
『須佐之男』
2D6>=5 (判定:異形化) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
GM
成功です。
『須佐之男』
土蜘蛛の長い手足がだらりと落ち、地面を掻く。
『須佐之男』
八又の影が蛇のようにうねり、背を覆う。
『須佐之男』
ぶちぶちと肉のちぎれる音と共に背が割れ、八つの腕が出づる。
『須佐之男』
── 土蜘蛛。
神楽坂 千歳
『須佐之男』たる男の見せる異形のさまを、正面から見つめている。
『須佐之男』
勢納 斎 に接近戦攻撃を使用します。
GM
判定をどうぞ。
『須佐之男』
2D6>=5 (判定:結界術) (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
GM
成功ですね。回避判定をどうぞ。
勢納 斎
2D6>=6 (判定:死霊術) (2D6>=6) > 6[1,5] > 6 > 成功
『須佐之男』
異形の手が糸を繰る。
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド2 プロット3
GM
*勢納 斎
勢納 斎
痛打・対空千手砲を使用。対象は好きに呼んでいいとのことだったので、『アガタ』
神楽坂 千歳
対空千手砲の命中判定に感情修正を入れます。+1
GM
判定をどうぞ。
勢納 斎
ありがたく受け取っておくか。
勢納 斎
2D6>=5 (判定:絡繰術) (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功
勢納 斎
2D6+1>=5 (判定:絡繰術) (2D6+1>=5) > 10[4,6]+1 > 11 > 成功
GM
成功ですね。
『須佐之男』
神器『生弓矢』を使用します。
GM
*神器『生弓矢』の効果により、勢納斎は振り直しを。
勢納 斎
2D6+1-2>=5 (判定:絡繰術) (2D6+1-2>=5) > 12[6,6]+1-2 > 11 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
勢納 斎
GM
*命中判定のスペシャルなので1d6の射撃戦ダメージとなります。
GM
*勢納斎にダメージ、変調はないのでその効果は無視。
勢納 斎
1D6 (1D6) > 3
GM
回避できなければ揺らしと痛打の2点を合わせて射撃戦ダメージ5点ですね。
GM
『須佐之男』は回避をどうぞ。
勢納 斎
「お前の名を、好きに呼んでいいと言ったな」
勢納 斎
大筒を構える。
勢納 斎
「ならばこう呼ぼう、アガタ!」
勢納 斎
「私はお前の名をふたつしか知らない」
勢納 斎
「『須佐之男』を名乗るには、私の中のお前は田舎者すぎる」
勢納 斎
斎の祖が根来衆に身を置いていたのは、神仏習合──神と仏を同一視する思想の影響だ。
勢納 斎
神は神に統合され、神は仏へ統合され。
勢納 斎
そしてまた神へと分離されたり、されなかったり。
勢納 斎
ああ、馬鹿馬鹿しい!
勢納 斎
好きにやればいいさ。
勢納 斎
私は好きなようにやる。
勢納 斎
お前はどうする?
『須佐之男』
兵糧丸をふたつ噛みます。
[ 『須佐之男』 ] 忍術 : 0 → 1
[ 『須佐之男』 ] 謀術 : 0 → 1
『須佐之男』
回想を入れます。
GM
回避に対してですか?
『須佐之男』
回避に対してです。
GM
OK
[ 『須佐之男』 ] 忍具 : 2 → 0
GM
【PC3 秘密】
数千年にも及ぶ屈辱の末、ついに綻びが起きる。先代の八十神が儀式に使用され消滅するだった祭具『羽喫鳴鏑』をどうにか残し、今はあなたの手元にある。今回の異常はそれによって引き起こされたものだろう。このまたとない機会を無駄にするわけにはいかない。

あなたはプライズ 祭具『羽喫鳴鏑』を持つ。
『須佐之男』
もはや、もう祭具はない。
『須佐之男』
屈辱、先代より続く悲願。
『須佐之男』
未だ途切れぬ平定の儀『神楽八十神追』
『須佐之男』
ついに起きた綻びの糸を手繰り、手繰って。
『須佐之男』
もはやこの糸の先も、また世を生きる者へと繋がった。
『須佐之男』
終焉の幻想、滅びへの渇望。
そんな誰かのための物語へ。
『須佐之男』
本当の配役はここにはない。
本当の名前もここにはない。
『須佐之男』
ただひとり、女が知るばかり。
『須佐之男』
──男がいた。
『須佐之男』
──女がいた。
『須佐之男』
それだけの神話。
『須佐之男』
2D6+3>=9 (判定:手裏剣術) (2D6+3>=9) > 2[1,1]+3 > 5 > ファンブル
神楽坂 千歳
見ている。
GM
*『須佐之男』は逆凪。
GM
*『須佐之男』は5点の射撃戦ダメージ。
GM
何かしますか?
勢納 斎
回想シーン入れます。
GM
【PC2 秘密】
あなたはその身に神器を宿して生まれてきた。PC1はあなたの神器の封印を解き、そしてそれはすなわちあなたを娶る定めにある者だ。儀式『神楽八十神追』が国守の儀式であると共に、婚姻の儀式だと教わってきた。しきたりによりPC1を一目見ることさえ許されていなかったが、その宿命を受け入れている。もとよりそれを受け入れなければ、封印されたままの神器があなたを殺すことを知っているからだ。

あなたはプライズ『神器』を持つ。
クライマックスフェイズ開始時まで神器が封印されていた場合、あなたは即座に死亡し、神器は消滅する。
あなたの本当の使命は『神器の封印を解いてもらうこと』だ。
勢納 斎
くだらない話。
勢納 斎
生まれた時から『姫君』になるため、『八千矛』に嫁ぐため育てられた。
勢納 斎
いや。
勢納 斎
いのちのあるものは、皆どこかしら宿命を背負っている。
勢納 斎
容姿、環境、性別、種族、縁故に血族。
勢納 斎
それを千歳のように好ましく思うか、自分のように疎ましく思うかの違いはあれど。
勢納 斎
全てのものは、最初から決まった道を歩く。
勢納 斎
しかし。
勢納 斎
どうにも、私は。
勢納 斎
自分の意思で、体を動かすことができる。
勢納 斎
自分の目で、世界を見ることができる。
勢納 斎
自分の手で、世界に触れることができる。
勢納 斎
それは即ち、全てができるということで。
勢納 斎
諦めなければ夢は叶う、なんて安っぽい言葉は嫌いだけれど。
勢納 斎
命をかけて、ぶつかることはできる。
勢納 斎
命をかけて──
勢納 斎
■奥義PLから演出上奥義を使用したことにしたいという相談があり、GMがこれを許可した。
《本地垂迹摩訶迦羅天》
指定特技 :罠術
エフェクト:クリティカルヒット/断ち/射程低下
効果・演出:ほんじすいじゃくまかきゃらてん/破壊を意味する護法神の加護を得る。
勢納 斎
この世界に神仏はいる。
勢納 斎
神仏はどこにでもいる。
勢納 斎
たとえば、どこかの誰かの心にも。
勢納 斎
たとえば、どこかの誰かの隣にも。
勢納 斎
「──アガタ」
勢納 斎
「私は、お前を倒すよ」
神楽坂 千歳
『姫君』と呼ばわれ、『八千矛』に嫁ぐためと育てられてきた者が。
神楽坂 千歳
『須佐之男』を打ち倒すさまを見ている。
勢納 斎
斎が手を開くと、曼荼羅が展開する。
勢納 斎
迷うものを、救うための祈り。
GM
*『須佐之男』は6点の射撃戦ダメージ。
花丸 かごめ
「────あ」
[ 『須佐之男』 ] 器術 : 1 → 0
[ 『須佐之男』 ] 体術 : 1 → 0
[ 『須佐之男』 ] 忍術 : 1 → 0
[ 『須佐之男』 ] 謀術 : 1 → 0
[ 『須佐之男』 ] 戦術 : 1 → 0
[ 『須佐之男』 ] 妖術 : 1 → 0
花丸 かごめ
その手は届かず。何もできず。
『須佐之男』
またこの男も手を伸ばすことはなかった。
『須佐之男』
死亡攻撃なし。遺言なし。
脱落します。
勢納 斎
一方的に押し付けられる救いというのは、一方的に押し付けられる思想というのは、ただの暴力だ。
勢納 斎
それを理解していながら、それでも
勢納 斎
手を伸ばすことを、やめることはできない。
『須佐之男』
その救いをすべて拒み。
『須佐之男』
血を吐き、血に伏せる。
勢納 斎
救いを拒んだまつろわぬものを見下ろす。
勢納 斎
倒れたのならば、仕方がない。
勢納 斎
勝たなければ、何も始まらないのだから。
『須佐之男』
『須佐之男』の神仏習合の観念は。
『須佐之男』
“罪”だ。
GM
*『須佐之男』は脱落。
花丸 かごめ
「…………あ」
花丸 かごめ
「アガタ、さん」
花丸 かごめ
武器を握る手が震える。
花丸 かごめ
滑り、取り落しかけたそれを、
花丸 かごめ
しかし、離さない。
神楽坂 千歳
『須佐之男』が倒れるその最後を見届けるよりも先に、
神楽坂 千歳
地を蹴っていた。
 
ただ異界の風が吹いている。
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド2 プロット2
GM
*神楽坂 千歳
神楽坂 千歳
【春雷】>花丸かごめ
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:瞳術) (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
神楽坂 千歳
回避判定は瞳術から。
花丸 かごめ
2D6>=9 (判定:伝達術) (2D6>=9) > 8[2,6] > 8 > 失敗
神楽坂 千歳
血断。生命力を1点コストとして支払い、ダメージを1点上昇。
[ 神楽坂 千歳 ] 頑健 : 2 → 1
GM
*花丸かごめに3点の接近戦ダメージ
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(4,9) > 『謀術』九ノ一の術
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(3,6) > 『忍術』腹話術
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(6,10) > 『妖術』千里眼の術
[ 花丸 かごめ ] 謀術 : 1 → 0
[ 花丸 かごめ ] 忍術 : 1 → 0
[ 花丸 かごめ ] 妖術 : 1 → 0
神楽坂 千歳
風を切り、神器でもって打ち掛かる。
神楽坂 千歳
その横顔に躊躇いはない。
神楽坂 千歳
その眼差しに容赦はない。
神楽坂 千歳
知っている。
神楽坂 千歳
ただの『花丸かごめ』が、ここで膝を折る人間ではないことを。
花丸 かごめ
だけど、遅かった。
花丸 かごめ
構え直した薙刀で払うよりも疾く、神器がかごめに届く。
神楽坂 千歳
一閃。
神楽坂 千歳
研ぎ澄まされた刃の軌道が、彼女の身を裂く。
花丸 かごめ
血が地面を黒く濡らす。
花丸 かごめ
「ぐ、う……」
花丸 かごめ
「い……っ、」
花丸 かごめ
「たく、ない、もん!」
神楽坂 千歳
「ああ」
神楽坂 千歳
「これからだろう、かごめ」
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド2 プロット1
GM
*花丸 かごめ
花丸 かごめ
「……うん」
花丸 かごめ
ちょっとしたイレギュラーこそあったけれど、儀式は滞りなく演目の通りに。
花丸 かごめ
世は並べて事もなし。
花丸 かごめ
そんなのは、いや!
花丸 かごめ
接近戦攻撃を千歳に。
GM
判定をどうぞ。
花丸 かごめ
2D6>=5 (判定:刀術) (2D6>=5) > 4[2,2] > 4 > 失敗
神楽坂 千歳
――しかし、届かない。
神楽坂 千歳
変わらない。同じ演目の繰り返し。
神楽坂 千歳
神器が薙刀の穂先を強かに弾き、
花丸 かごめ
「──あ」
神楽坂 千歳
それを腕にするかごめごとに吹き飛ばす。
神楽坂 千歳
『生大刀』を腕に、眼差しは変わらず真直ぐに。
神楽坂 千歳
かごめのよく知る幼馴染のそのままに。
勢納 斎
がんばれ、とも、負けるな、とも口にしない。
神楽坂 千歳
けれど、『須佐之男』の側に立つ者を追う者として、彼の姿はそこにある。
花丸 かごめ
丸い体が宙に浮き、岩にぶつかって強かに背中を打つ。
勢納 斎
傷付く幼馴染を、愛する人を見ている。
花丸 かごめ
「──は、っう」
神楽坂 千歳
構えは変わらず。
花丸 かごめ
息が詰まって、背中が痛くて、手が痺れて。
神楽坂 千歳
青い月光の下、『生大刀』の輝きがかごめの目を刺す。
花丸 かごめ
だけど武器を手放しはしない。

クライマックスフェイズ ラウンド3

GM
プロット開示!
[ 花丸 かごめ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ 神楽坂 千歳 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
[ 勢納 斎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド3 プロット2
GM
同時行動です。1d6で大きい方から行動します。
神楽坂 千歳
1D6 (1D6) > 2
勢納 斎
1D6 (1D6) > 4
神楽坂 千歳
譲ろう。
勢納 斎
ふふん
GM
*勢納 斎
勢納 斎
「かごめ」
勢納 斎
「無理をしなくてもいいんだぞ」
花丸 かごめ
「……してない」
勢納 斎
「そうか」
花丸 かごめ
「そう、だよ」
勢納 斎
「お前も鞍馬の女だな」
勢納 斎
「まぁ、どちらにせよ私はお前に敵対するつもりはない」
勢納 斎
千歳を見る。
勢納 斎
「千歳、私は、八千矛になりたかった」
神楽坂 千歳
「……ああ」
勢納 斎
「姫君ではなく、国を造りし武神になりたかった」
神楽坂 千歳
「そうか」
花丸 かごめ
「……」
勢納 斎
「八十神を討ち、八千矛を破ったのなら……」
勢納 斎
「八千矛を名乗っても許されると思わないか?」
神楽坂 千歳
「そりゃあ」
神楽坂 千歳
「そうなるだろうなぁ」
勢納 斎
「お前の話が早いところは好きだよ」
神楽坂 千歳
「道理だろ?」
花丸 かごめ
「……いつきちゃんは、かっこいいね」
神楽坂 千歳
「異論があれば突っ込むけど」
神楽坂 千歳
「お前の言うこと、だいたい納得できるからな」
神楽坂 千歳
「俺は」
勢納 斎
「まったく、お前が理解のある男でよかったよ」
勢納 斎
「理解がなくても、無理やり通すがな!」
神楽坂 千歳
「はっはは!」
神楽坂 千歳
「それでこそだ!」
勢納 斎
奥義使用します。対象は千歳。
神楽坂 千歳
奥義を使用します。
神楽坂 千歳
そちらの演出からどうぞ。
勢納 斎
■奥義
《本地垂迹摩訶迦羅天》
指定特技 :罠術
エフェクト:クリティカルヒット/断ち/射程低下
効果・演出:ほんじすいじゃくまかきゃらてん/破壊を意味する護法神の加護を得る。
勢納 斎
「私はなぁ、千歳」
勢納 斎
「ずっと、ずっと八千矛を討ち倒す瞬間だけを夢見て来た!」
勢納 斎
「趣味は何かと聞いたな」
神楽坂 千歳
「ああ」
神楽坂 千歳
「改めて聞かせてくれるのかい?」
勢納 斎
「八千矛を倒し、八千矛に成るための、あらゆることだ!」
神楽坂 千歳
「はは!」
神楽坂 千歳
「じゃあ、今――お前は最高に楽しいだろうなぁ!」
勢納 斎
「ああ、楽しいとも千歳!」
勢納 斎
手を広げる。
勢納 斎
光が溢れる。輝きが千歳の体を染めようと迫る。
神楽坂 千歳
刀を放る。
神楽坂 千歳
即座に取った徒手の構えより、
神楽坂 千歳
光の中へ、腕を伸ばした。
神楽坂 千歳
■奥義
《神楽八十神追》
指定特技 :怪力
エフェクト:範囲攻撃/くらまし/滅び/射程低下/人数限定
神楽坂 千歳
斎の腕を取る。
神楽坂 千歳
救いを求めず、輝きを打ち破り、
神楽坂 千歳
万力のような力で彼女の腕を掴み、引き寄せる。
勢納 斎
振りほどけない。引き寄せられる。
勢納 斎
「……ちっ」
神楽坂 千歳
背に腕が回る。
神楽坂 千歳
奇しくも初対面、
神楽坂 千歳
斎から神器を取り出した際の姿勢に近い。
神楽坂 千歳
同じように。
神楽坂 千歳
ごく近くで、あなたの顔を見下ろしている。
勢納 斎
ひとつ、ふたつ瞬き。
神楽坂 千歳
「これが『神楽八十神追』」
神楽坂 千歳
「俺が為すべきを為し遂げるために」
神楽坂 千歳
「鍛え上げられてきた技だ」
神楽坂 千歳
抱き込むような距離は一瞬に。
神楽坂 千歳
法外な膂力で以て、斎の身体が放られる。
神楽坂 千歳
ただの腕の一振り。
勢納 斎
体が宙を舞う。
神楽坂 千歳
それが何もかもを掻き消すような、出鱈目な力に満ちているのは、
神楽坂 千歳
この男が『八千矛』として育てられてきたからこそ。
神楽坂 千歳
この身体こそが、神器をも超える武器となるように。
神楽坂 千歳
そのような祈りを込めて、この男は育てられてきた。
神楽坂 千歳
だからこその『神楽八十神追』。
神楽坂 千歳
神楽坂千歳。
花丸 かごめ
「あは……」
神楽坂 千歳
この儀式を、演目を、そうあれかしと定める男!
勢納 斎
骨が、肉が、内臓が悲鳴を上げる。
花丸 かごめ
「もう……むちゃくちゃだぁ……」
神楽坂 千歳
「なあ、斎!」
神楽坂 千歳
放り投げた相手に声を張る。
神楽坂 千歳
ひどく愉しそうな顔をしていた。
神楽坂 千歳
「お前がそこまで言うならば」
花丸 かごめ
なんで、
神楽坂 千歳
「俺だって黙ってるわけにゃあいかねえや!」
花丸 かごめ
どうしてそんなに楽しそうなの。
勢納 斎
上空で、ふわりと体が止まる刹那。
勢納 斎
異界の月がこちらを見ていた。
神楽坂 千歳
混沌を極める戦場とは裏腹に、
神楽坂 千歳
月は青く静かに。
花丸 かごめ
わたしだって、めちゃくちゃにしようとしてるのに。
花丸 かごめ
わたし、ちっとも楽しくないよ。
勢納 斎
「……はは」
神楽坂 千歳
その視線を断ち切るように『生大刀』が落ちて、
勢納 斎
「ははははは!あはははは!」
神楽坂 千歳
再び千歳の手中に収まる。
勢納 斎
斎の体が、重力に従い、落ちる。
勢納 斎
再び、千歳の元へ。
神楽坂 千歳
片腕に神器を、
神楽坂 千歳
片腕に妻を。
勢納 斎
「楽しいなあ!」
勢納 斎
「千歳よ!」
神楽坂 千歳
『八千矛』の膂力で以て抱き止める。
神楽坂 千歳
「ああ」
神楽坂 千歳
「最っ高に楽しい!」
神楽坂 千歳
「なあ、聞いてくれよ、斎」
神楽坂 千歳
「俺、俺はな――」
勢納 斎
「手短にしろよ」
神楽坂 千歳
「実はちょっとだけ、お前が羨ましかったりもするんだぜ」
神楽坂 千歳
「だって、お前には『その世界』が見られる可能性がある!」
神楽坂 千歳
「まつろわぬ者たちによって転覆され、戦火に包まれ、混沌と混乱に包まれた世の中を!」
勢納 斎
「本当に、つくづく傲慢な男だ」
勢納 斎
千歳の腕の中から、勢いを付けて飛び退ける。
勢納 斎
「そんな世は来ない。私がいるからな」
神楽坂 千歳
飛び退いた女を追うことなく、
神楽坂 千歳
神器を腕にその立ち姿を見ている。
神楽坂 千歳
「そうだな」
神楽坂 千歳
「俺だって、そんな世の中にするつもりはない」
神楽坂 千歳
前に出る。歩み寄る。
神楽坂 千歳
「俺は『八千矛』だ」
神楽坂 千歳
「『神楽八十神追』を、成し遂げる者だ」
神楽坂 千歳
「そのように育てられてきたし、俺はそれを肯定してきた」
神楽坂 千歳
「そうなるために、根っこの気性を矯正すらした!」
神楽坂 千歳
「誰が見ても恥ずかしくない、誰にも太鼓判を押されるような」
神楽坂 千歳
「そういう男の型に、俺は俺自身を合わせて育った!」
神楽坂 千歳
「そうあることが」
神楽坂 千歳
「今はむしろ、快くすらある」
勢納 斎
「ああ、お前は正しく八千矛だよ、千歳」
勢納 斎
「誰が見ても恥ずかしくない、誰にも太鼓判を押されるような男だ」
神楽坂 千歳
「だろ?」
勢納 斎
「だからこそ、討ち倒し甲斐がある!」
神楽坂 千歳
「――……」
勢納 斎
「代々続いてきた伝統を、お前の代で果たし損ねさせてやろう!」
神楽坂 千歳
「ああ」
神楽坂 千歳
「俺はそれを受けて立とう」
神楽坂 千歳
「だから――やることは変わらない」
GM
*神楽坂 千歳
神楽坂 千歳
【春雷】>かごめ
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:瞳術) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
神楽坂 千歳
瞳術から回避判定を。
花丸 かごめ
2D6>=9 (判定:伝達術) (2D6>=9) > 8[3,5] > 8 > 失敗
神楽坂 千歳
血断。生命力1点を支払う。
[ 神楽坂 千歳 ] 頑健 : 1 → 0
GM
*花丸かごめに3点の接近戦ダメージ。
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(5,9) > 『戦術』見敵術
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(1,11) > 『器術』壊器術
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(6,10) > 『妖術』千里眼の術
花丸 かごめ
ダメージを受け、奥義を使用します。
[ 花丸 かごめ ] 器術 : 1 → 0
[ 花丸 かごめ ] 体術 : 1 → 0
[ 花丸 かごめ ] 戦術 : 1 → 0
花丸 かごめ
■奥義
《花丸印のすっごい兵糧丸》
指定特技 :兵糧術
エフェクト:不死身/定め/回数制限
神楽坂 千歳
斎との会話の延長に、
神楽坂 千歳
千歳は『生大刀』をかごめへと振るう。
花丸 かごめ
回復するのは体術、謀術、戦術、妖術。
[ 花丸 かごめ ] 体術 : 0 → 1
[ 花丸 かごめ ] 謀術 : 0 → 1
[ 花丸 かごめ ] 戦術 : 0 → 1
[ 花丸 かごめ ] 妖術 : 0 → 1
神楽坂 千歳
迷いのない一閃がかごめの身を裂き、
神楽坂 千歳
それで終わりかに思われたが。
神楽坂 千歳
「ここまで出ないってことは」
神楽坂 千歳
「そうだよな」
花丸 かごめ
花丸秘伝の兵糧丸。
花丸 かごめ
それが力を発揮するのは、食べたその時だけではない。
花丸 かごめ
神器に裂かれた傷が、
花丸 かごめ
見る間に塞がってゆく。
神楽坂 千歳
「……しっかし」
神楽坂 千歳
「恥ずかしいよなぁ」
神楽坂 千歳
「大口叩いた割によ」
神楽坂 千歳
神器の背でとんとんと肩を叩いている。
花丸 かごめ
あちこち血に汚れてはいるものの、その下の出血は止まっている。
花丸 かごめ
まだ、立っている。
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド3 プロット1
GM
*花丸 かごめ
花丸 かごめ
武器を構える。
花丸 かごめ
花丸かごめに与えられた役割はない。
神楽坂 千歳
肩を並べた女に銃口を向けられ、戦うべくとは今も相対している。
花丸 かごめ
ただのかごめ。ただの女。
神楽坂 千歳
その中で笑みを保っている。
神楽坂 千歳
ただの女を前に、『八千矛』として神器を握る。
神楽坂 千歳
『神楽八十神追』を、続けている。
花丸 かごめ
あなたはあなた、と言ってくれた
花丸 かごめ
”あなた”のために戦う、かごめです。
花丸 かごめ
千歳に接近戦攻撃
GM
判定をどうぞ。
花丸 かごめ
2D6>=5 (判定:刀術) (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
神楽坂 千歳
2D6-1>=8 (判定:瞳術) (2D6-1>=8) > 12[6,6]-1 > 11 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
神楽坂 千歳
追加の生命力スロットを1点回復します。
[ 神楽坂 千歳 ] 頑健 : 0 → 1
花丸 かごめ
地を蹴る。
神楽坂 千歳
合わせて構える。
花丸 かごめ
三度奮った刃が、今度こそ届いた──
花丸 かごめ
──かと、思った。
神楽坂 千歳
許さない。
神楽坂 千歳
研ぎ澄まされた一閃はさらに鋭さを増す。
神楽坂 千歳
『八千矛』は傲慢であっても、侮りはない。
神楽坂 千歳
たとえ幼馴染であろうとも。
神楽坂 千歳
手傷を負っていようとも。
神楽坂 千歳
選んだ男が倒れ臥した、その直後であろうとも。
神楽坂 千歳
動きを緩めることは決してない。
花丸 かごめ
花丸かごめに役割はなかった。
花丸 かごめ
研鑽を積む理由も、目標も。
花丸 かごめ
今、こんなに力がほしいのに──!

クライマックスフェイズ ラウンド4

GM
プロット開示!
[ 花丸 かごめ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ 勢納 斎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
[ 神楽坂 千歳 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド4 プロット3
GM
*勢納 斎
勢納 斎
痛打・対空千手砲を使用。対象は千歳。
勢納 斎
2D6>=5 (判定:絡繰術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
勢納 斎
2D6>=5 (判定:絡繰術) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=8 (判定:手裏剣術) (2D6>=8) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
神楽坂 千歳
2D6>=8 (判定:手裏剣術) (2D6>=8) > 9[4,5] > 9 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=8 (判定:手裏剣術) (2D6>=8) > 9[3,6] > 9 > 成功
神楽坂 千歳
残り生命力1点を回復する。
[ 神楽坂 千歳 ] 頑健 : 1 → 2
勢納 斎
血を流すかごめを見ていた。
勢納 斎
傷付きながらも決して諦めず、八千矛に立ち向かう幼馴染を、見ていた。
勢納 斎
勝たなければ何も得られない。弱い者は何も掴めない。
勢納 斎
そう理解しているが──好きな女を嬲られて、いい気分はしない。
勢納 斎
「千歳よ、つれないな」
勢納 斎
「かごめばかりではなく、私と遊んでくれてもいいじゃないか」
神楽坂 千歳
「俺は『八千矛』をやる」
神楽坂 千歳
「それだけだ。斎」
神楽坂 千歳
「万一にも、世界を覆させるわけにはいかない」
神楽坂 千歳
「それが今の俺の至上命題」
神楽坂 千歳
「……残念ながらな!」
勢納 斎
「そうか、ならば」
勢納 斎
「片手間で私に勝ってみせろ、千歳!!」
神楽坂 千歳
地を蹴る。
神楽坂 千歳
姿を消し、高く飛び上がり、
勢納 斎
大筒は3度火を吹く。
神楽坂 千歳
上空から降りた腕が、大砲の銃身を掴んだ。
神楽坂 千歳
一発目。
神楽坂 千歳
銃口を下げられ、明後日へと放たれた。
勢納 斎
「次!」
神楽坂 千歳
二発目。
神楽坂 千歳
宙を蹴り、その身を逸らして躱す。
勢納 斎
「最後だ!」
神楽坂 千歳
三発目は、
神楽坂 千歳
一閃。
神楽坂 千歳
神器がその弾丸を両断し、
神楽坂 千歳
神楽坂千歳は無傷のままにそこに立つ。
勢納 斎
地に落ちる弾丸の、重い音を聞いた。
勢納 斎
「ふふ、ふふふ」
勢納 斎
「そうでなければな!」
神楽坂 千歳
「ははっは」
神楽坂 千歳
「いやー、ヒヤヒヤすんなあ!」
勢納 斎
「そうでなければ、私が焦がれた意味がない!」
神楽坂 千歳
「そりゃあ良かった」
神楽坂 千歳
「俺も、最高に楽しいぜ!」
神楽坂 千歳
「今すぐお前に斬りかかりたいくらいだ!」
勢納 斎
「斬りかかってもいいんだぞ?」
神楽坂 千歳
「お前はそう言うだろうな」
神楽坂 千歳
「その方が都合もよかろう」
神楽坂 千歳
「だから、乗ってやれねえ」
勢納 斎
「八千矛様の攻撃を受けていないんだ、おねだりもしてみせるさ」
勢納 斎
「まぁ、いい。いずれお前は私の方を見る」
神楽坂 千歳
「……ああ」

神楽坂 千歳
「待っていろ、斎」
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド4 プロット2
GM
*神楽坂 千歳
神楽坂 千歳
【春雷】>かごめ
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:瞳術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
神楽坂 千歳
瞳術から回避判定を。
花丸 かごめ
回避に回想を使用します。
GM
【PC4 秘密】
あなたが何故この場に立っているのか、全くの心当たりがないわけではない。むしろ、この場に立っていることで、あなたは確信した。自らの内側に感じる巨大な何かは神器だ。いつからか、あなたは自分の内側に神器が封印されている。儀式『神楽八十神追』において、神器は八千矛によって封印が解かれる定めだ。ならば、あなたの配役は……。

あなたはプライズ『神器』を持つ。
あなたの本当の使命は『神器の封印を解いてもらうこと』だ。
花丸 かごめ
神器の封印は解かれ、もはや自分の内にはない。
花丸 かごめ
代わりにその空洞を満たす衝動がある。
花丸 かごめ
八千矛を討て。
花丸 かごめ
世界を変えろ。
花丸 かごめ
楽しくない。楽しくない。
花丸 かごめ
その理由を、本当は知っている。
花丸 かごめ
役割を押し付けられて、誰かが死ぬようなのは嫌だと言いながら、
花丸 かごめ
わたしは今、ちとせくんを『八千矛だから』殺そうとしてる!
花丸 かごめ
その矛盾を知っている。
花丸 かごめ
楽しくない。
花丸 かごめ
笑えないよ。
花丸 かごめ
でも、それでも、
花丸 かごめ
わたしだけが、あなたの本当の名前を知っているから。
花丸 かごめ
わたしだけが、あなたのために戦えるから。
花丸 かごめ
世界のために、そうあれと死を望まれるあなたのために。
花丸 かごめ
役割を押し付けられて、飲まれてしまったあなたのために。
花丸 かごめ
2D6+3>=9 (判定:伝達術) (2D6+3>=9) > 11[5,6]+3 > 14 > 成功
神楽坂 千歳
『八千矛』はそこに立つ。
神楽坂 千歳
余談なく、侮りもなく、あなたに神器を振るうてみせる。
花丸 かごめ
八十神を討つために研ぎ澄まされた刃。
花丸 かごめ
まさしく目にも留まらぬそれを。
花丸 かごめ
薙刀の柄が、受け止める。
神楽坂 千歳
火花が散った。
神楽坂 千歳
「……へえ」
神楽坂 千歳
「エンジンかかってきたか?」
花丸 かごめ
「これでもずっとかかってるの!」
花丸 かごめ
弾き返す。
神楽坂 千歳
「はは」
神楽坂 千歳
「悪かったよ」
神楽坂 千歳
弾かれてたたらを踏み、構え直す。
花丸 かごめ
「そーゆーとこあるよね、ちとせくんは!」
神楽坂 千歳
「そうだな」
神楽坂 千歳
「でも」
神楽坂 千歳
「お前を侮った覚えはないよ」
神楽坂 千歳
「一度たりともな」
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド4 プロット1
GM
*花丸 かごめ
花丸 かごめ
言葉の通り、相対する彼の構えには一分の隙もない。
花丸 かごめ
何度向かっていっても、毛ほどの傷すらも与えられず。
花丸 かごめ
それでも刃を向ける。
神楽坂 千歳
そして、それを受けて立つ男の瞳に油断はない。
神楽坂 千歳
あなたを迎え撃つ。
花丸 かごめ
接近戦攻撃を千歳に。
花丸 かごめ
2D6>=5 (判定:刀術) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
神楽坂 千歳
2D6-1>=8 (判定:瞳術) (2D6-1>=8) > 7[2,5]-1 > 6 > 失敗
神楽坂 千歳
『生大刀』の効果にて振り直します。
神楽坂 千歳
2D6-1>=8 (判定:瞳術) (2D6-1>=8) > 5[2,3]-1 > 4 > 失敗
神楽坂 千歳
失敗だな。
神楽坂 千歳
通そう。
神楽坂 千歳
来いよ、かごめ。
花丸 かごめ
血断を使用します。
[ 花丸 かごめ ] 妖術 : 1 → 0
GM
*神楽坂 千歳に2点の接近戦、1点の射撃戦ダメージ
花丸 かごめ
RTT ランダム指定特技表(3,3) > 『忍術』潜伏術
花丸 かごめ
RTT ランダム指定特技表(6,6) > 『妖術』封術
神楽坂 千歳
頑健2点と忍術で受ける。
[ 神楽坂 千歳 ] 頑健 : 2 → 0
[ 神楽坂 千歳 ] 忍術 : 1 → 0
花丸 かごめ
素直に、まっすぐ。
花丸 かごめ
それしかできない。それしか能がない。
神楽坂 千歳
そうだ。
神楽坂 千歳
お前はそれが一番強い。
花丸 かごめ
その分重く、鋭く!
神楽坂 千歳
読めても躱せぬ一撃の重さを。
神楽坂 千歳
お前はその腕に構えている。
神楽坂 千歳
はじめて、
神楽坂 千歳
その刃が届いた。
神楽坂 千歳
血が散る。
神楽坂 千歳
『八千矛』の熱い血潮が降りかかる。
花丸 かごめ
肉を裂く手応えが、今度は確かに。
神楽坂 千歳
それを受けながら、
花丸 かごめ
「…………あ」
神楽坂 千歳
目の前の幼馴染に、
花丸 かごめ
その事に自分が一番驚いたように、目を瞬かせる。
神楽坂 千歳
「……あー」
神楽坂 千歳
「やっぱ、痛えな」
神楽坂 千歳
「読めてもどうにもならんってのは、困ったもんだ!」
神楽坂 千歳
呵呵と笑い。
神楽坂 千歳
そしてすぐに、
神楽坂 千歳
神器を振るう。
神楽坂 千歳
血を流しながら、かごめを弾き飛ばす。
花丸 かごめ
「……っ!」
神楽坂 千歳
「……まだだ」
神楽坂 千歳
「まだだぜ、斎、かごめ」
花丸 かごめ
勢いよく後ろに弾かれる。
花丸 かごめ
「……う」
神楽坂 千歳
「あと一撃……じゃ、足りねえよなあ」
勢納 斎
「面白くなってきたじゃないか」
花丸 かごめ
「う、ん!」
勢納 斎
「やるな、かごめ」
神楽坂 千歳
「やってみせろ」
神楽坂 千歳
「お前ら、二人がかりでな」
花丸 かごめ
「まけない」
花丸 かごめ
「まけないん、だから!」
勢納 斎
「二人がかりとは人聞きが悪い」
勢納 斎
「ろくすっぽ相手にしてくれないくせに」
神楽坂 千歳
「そこは多めに見てくれや!」
神楽坂 千歳
「俺にゃあ手も一つしかないんでな!」
勢納 斎
「仕方ないな」
神楽坂 千歳
「あ、二つか、腕は」
勢納 斎
「言ったことを即座に撤回するな」
神楽坂 千歳
「でも、腕一本じゃ片手間だ」
神楽坂 千歳
「それで相手できるような奴じゃあ――」
神楽坂 千歳
「ねえだろ?」
神楽坂 千歳
「お前ら」
神楽坂 千歳
「二人とも」
勢納 斎
「当然」
花丸 かごめ
「そうしてくれたら、わたしは助かるけど?」
神楽坂 千歳
「無理!」

クライマックスフェイズ ラウンド5

GM
プロット開示!
[ 神楽坂 千歳 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
[ 勢納 斎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
[ 花丸 かごめ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド5 プロット3
GM
*勢納 斎
勢納 斎
「さぁて」
勢納 斎
「八千矛殿の素晴らしいお力は拝見させて頂いた訳だが」
神楽坂 千歳
「まだ満足してねえだろ?」
勢納 斎
「まだお前が立っているからな」
勢納 斎
駆ける。
勢納 斎
本来抱え大筒は静止した状態で使用するものだが、忍にそれほどの甘えは許されない。
神楽坂 千歳
駆ける斎の姿を、視線で追う。
勢納 斎
岩から岩へ飛び移る。視線を遮る。
勢納 斎
位置を気取られないように、射線を読まれないように。
勢納 斎
痛打・対空千手砲。対象は千歳。
花丸 かごめ
命中判定に感情修正します。
GM
判定をどうぞ。
勢納 斎
途中、一瞬だけ。
勢納 斎
かごめと目が合った。
勢納 斎
2D6>=5 (判定:絡繰術) (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
勢納 斎
2D6+1>=5 (判定:絡繰術) (2D6+1>=5) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=8 (判定:手裏剣術) (2D6>=8) > 9[4,5] > 9 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=8 (判定:手裏剣術) (2D6>=8) > 8[4,4] > 8 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=8 (判定:手裏剣術) (2D6>=8) > 7[2,5] > 7 > 失敗
神楽坂 千歳
『生大刀』で振り直す。
神楽坂 千歳
2D6>=8 (判定:手裏剣術) (2D6>=8) > 9[4,5] > 9 > 成功
花丸 かごめ
いつきと目が合う。
花丸 かごめ
その視線に込められた意図は分からない。
花丸 かごめ
あるいは、たまたま目が合っただけなのかもしれない。
勢納 斎
黒い外套が翻る。
花丸 かごめ
わからない。わたしには何も。誰のことも。
勢納 斎
白い巫女服を覆い隠すような、袈裟のような色をした外套が。
勢納 斎
初撃!
神楽坂 千歳
地を駆る。
神楽坂 千歳
死角からの初弾を、音で読み切って飛び退る。
勢納 斎
着弾した砲弾が爆散する。
勢納 斎
次弾!
神楽坂 千歳
土煙の中に拳を握り込む。
神楽坂 千歳
圧縮した空気を投げ放ち、その弾を迎え撃つ。
勢納 斎
呆気なく弾は破壊され、爆炎が広がる。
勢納 斎
初撃と、次弾を鮮やかに躱された。
勢納 斎
しかしそのふたつは、三弾目のためのデコイ。
神楽坂 千歳
千歳の意識は確かにデコイの方に向いている。
勢納 斎
周囲を覆う煙を突き抜け、顔を出す。
神楽坂 千歳
姿を見失った斎に対して、がら空きの隙を晒していた。
勢納 斎
至近距離、外しようもない。
神楽坂 千歳
それが、直近に来たる斎の顔を目の当たりに。
勢納 斎
「観念しろ!」
神楽坂 千歳
不意を撃たれたように目を丸くして――
勢納 斎
大筒を背に当てた、はずだった。
神楽坂 千歳
「いいや」
神楽坂 千歳
「断る」
神楽坂 千歳
その姿勢からは。
神楽坂 千歳
斬撃を放つことは不可能なはずだった。
神楽坂 千歳
されど、不可能を可能にするからこその神器。
神楽坂 千歳
その力を意に操るがゆえの『八千矛』。
神楽坂 千歳
青い月の下、有り得べからざる斬撃はかろやかに。
神楽坂 千歳
斎の銃口を逸らし、天へと向けた。
勢納 斎
「なっ」
勢納 斎
衝撃に、思わず大筒を手放しそうになる。
勢納 斎
反撃できるはずがない。
神楽坂 千歳
男の斬撃に容赦はない。
神楽坂 千歳
追撃がたまたま斎の肉を穿たなかったのは、
神楽坂 千歳
爆炎の目眩ましによるものと、抱え持った大砲を強かに打ち据える結果になったから、
神楽坂 千歳
その両方。
勢納 斎
手加減をしている訳ではない。
勢納 斎
それが分かるからこそ、届かないことが悔しい。
神楽坂 千歳
『八千矛』はそこに立つ。
勢納 斎
それが分かるからこそ、まだ挑めることが嬉しい!
神楽坂 千歳
自分に刃を向けるもの、銃口を向けるもの、殺意を向けるもの
神楽坂 千歳
その全てを受け止めて、『神楽八十神追』を遂行し続ける。
神楽坂 千歳
それが、
神楽坂 千歳
神楽坂千歳の選んだ道だった。
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド5 プロット2
GM
*神楽坂 千歳
神楽坂 千歳
【春雷】>かごめ
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:瞳術) (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
神楽坂 千歳
瞳術から回避判定を。
花丸 かごめ
2D6>=9 (判定:伝達術) (2D6>=9) > 8[2,6] > 8 > 失敗
神楽坂 千歳
生命力コストを支払い、血断を使用。
[ 神楽坂 千歳 ] 器術 : 1 → 0
神楽坂 千歳
回想シーンの使用を宣言する。
GM
【PC1 秘密】
数千年、代々繰り返されてきたこの儀式。国守のためのみならず、あなたの代で果たし損ねるわけにはいかない。儀式の手順は熟知している。姫君に祭具『羽喫鳴鏑』を渡し神器『生大刀・生弓矢』の封印を解き、『八十神』を討つ。それだけだ。

あなたはプライズ 祭具『羽喫鳴鏑』を持つ。

プライズ 祭具『羽喫鳴鏑』は感情判定の際に使用を宣言することで、感情判定を判定なしに成功させることができる。そうしたとき、対象の所持する神器の封印を解き、獲得することができる。使用したとき、このプライズは消滅する。
神楽坂 千歳
そのように育てられてきた。
神楽坂 千歳
そのように在りたいと思ってきた。
神楽坂 千歳
『神楽八十神追』。50年に一度の国守の儀。
神楽坂 千歳
『八千矛』として、国を造りし武神として、国に仇をなす『八十神を討ち、世界を守ること』。
神楽坂 千歳
それが俺の生まれついての使命。
神楽坂 千歳
そのために修行を積んだ。研鑽を重ねてきた。
神楽坂 千歳
『八千矛』には必要ないものは全て切り捨てた。学校に通うこともなかった。
神楽坂 千歳
『八千矛』として『姫君』から神器を受け取り、『八十神』を打ち倒すこと。
神楽坂 千歳
そこが自分の始まりだった。
神楽坂 千歳
そうなって初めて、自分はそれ以外を望めるのだと知っていた。
神楽坂 千歳
――それを、
神楽坂 千歳
嘆いたことは一度もなかった。
神楽坂 千歳
光栄なことだと。恵まれたことだと、心の底から思っていた。
神楽坂 千歳
この泰平の世の中に。
神楽坂 千歳
世界の命運を賭ける戦いに身を投じる、『選ばれた者』として振る舞えることの、
神楽坂 千歳
これほど素晴らしいことは他にないだろう!
神楽坂 千歳
お膳立ての存在が不満なくらいだった。勝つとわかりきっている、自分に有利な戦いなどつまらない。
神楽坂 千歳
できることなら、本当の命懸けで。
神楽坂 千歳
勝てるかどうか分からない相手と、自分の全力をもって相対したいと思っていた。
神楽坂 千歳
 
神楽坂 千歳
だが。
神楽坂 千歳
『須佐之男』は、打ち倒された。
神楽坂 千歳
自分ではなく、自分が妻に娶った相手の一撃が、自分が倒すはずだった相手を打ち倒した。
神楽坂 千歳
そりゃあもう――悔しかったともさ!
神楽坂 千歳
『その一撃をくれてやるのは俺だ』と、どれほど叫びたかったことか!
神楽坂 千歳
しかし同時に嬉しかったのは、
神楽坂 千歳
それだけの強い人間を、自分は確かに選んだということ。
神楽坂 千歳
一目見てそうだと確信したことが、間違いないと証明されたことだ。
神楽坂 千歳
だから、いい。
神楽坂 千歳
良くはないけど、俺は受け入れよう。
神楽坂 千歳
その上で『八千矛』としてこれを遂行する。
神楽坂 千歳
――あの池を。
神楽坂 千歳
戦乱の世になど、絶対に沈めてなるものか。
神楽坂 千歳
神楽坂 千歳
回想シーン効果にて、接近戦ダメージ1点を追加します。
GM
*花丸かごめに接近戦ダメージ4点。
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(6,8) > 『妖術』幻術
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(4,7) > 『謀術』対人術
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(6,6) > 『妖術』封術
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(4,6) > 『謀術』詐術
[ 花丸 かごめ ] 体術 : 1 → 0
[ 花丸 かごめ ] 謀術 : 1 → 0
[ 花丸 かごめ ] 戦術 : 1 → 0
花丸 かごめ
奥義を使用します。
不死身/定め/回数制限。指定特技は兵糧術。
神楽坂 千歳
破る。
神楽坂 千歳
2D6>=8 (判定:召喚術) (2D6>=8) > 8[2,6] > 8 > 成功
GM
奥義は破られ、無効。
神楽坂 千歳
斎から向けられる鮮やかな戦意に背を焦がされながら、
神楽坂 千歳
地を蹴る。
神楽坂 千歳
かごめへと、愚直なまでの一直線に。
神楽坂 千歳
その正直なさまはよく似ている。
花丸 かごめ
だから、どこに来るかは分かっていた。
花丸 かごめ
再び受けるために、薙刀を構えもした。
神楽坂 千歳
繰り返す斬撃の軌道も同じく。
神楽坂 千歳
それを知って待ち受けたとて、受け切れるものではない一閃。
神楽坂 千歳
かごめの振るうものと同じ、重い一撃。
花丸 かごめ
硬いものの折れ、ひしゃげる音。
神楽坂 千歳
神器の一閃は、ついにその得物をへし折った。
花丸 かごめ
遮るもののなくなった刃が、女の身体を深く裂く。
神楽坂 千歳
輝きが女の肉を穿つ。
勢納 斎
手は出さない。
勢納 斎
かごめが己で戦うことを決めたから。
花丸 かごめ
「────あ」
神楽坂 千歳
そのやわらかな身体を、硬い刃で貫いて、
花丸 かごめ
だめ、だめ、だめ!
花丸 かごめ
倒れちゃだめ、まだ、まだ──!
神楽坂 千歳
男は間近に女の顔を見た。
神楽坂 千歳
微笑む。
神楽坂 千歳
「かごめ」
神楽坂 千歳
「お前は、強かった」
神楽坂 千歳
それは勝者の宣言。
花丸 かごめ
いや。
神楽坂 千歳
傲慢な男の、傲慢な台詞。
花丸 かごめ
終わらせないで。
花丸 かごめ
わたしは、まだ…………。
神楽坂 千歳
一方的な終わりを告げて、
神楽坂 千歳
女の傾ぐ身体を見つめている。
神楽坂 千歳
追撃はない。
神楽坂 千歳
それが必要のないことを、知っている。
花丸 かごめ
負った傷は、今度は塞がらなかった。
花丸 かごめ
ゆっくりと、身体が地に倒れ伏す。
花丸 かごめ
立ち上がることは叶わない。
神楽坂 千歳
見下ろしている。
神楽坂 千歳
その姿を。
花丸 かごめ
──この儀式に、太平の世に、
花丸 かごめ
まつろわぬ女が、討たれる。
勢納 斎
かごめを抱きとめることはしなかった。
勢納 斎
かごめは、討たれたのだから。
花丸 かごめ
倒れた拍子に、懐からぽろりと包みが落ちる。
花丸 かごめ
花丸印の兵糧丸。ビスケット。
花丸 かごめ
──そうだ、これ。
花丸 かごめ
一緒に食べたらよかったな。
花丸 かごめ
いっぱいいっぱいで、思いつかなかったな……。
GM
*花丸かごめは脱落。
花丸 かごめ
死亡攻撃、遺言、行いません。
GM
承知しました。
花丸 かごめ
血溜まりに投げ出された包みは、赤く染まっていく。
花丸 かごめ
もう、食べられない。
神楽坂 千歳
まつろわぬ女を討ち果たした『八千矛』は、
神楽坂 千歳
その包みから視線を切り、振り返る。
神楽坂 千歳
「……ギリギリ」
神楽坂 千歳
「間に合ったってとこかね」
神楽坂 千歳
斎を振り返り、その背の果ての夜明けの色を認めながら。
勢納 斎
「待ちくたびれたわ」
神楽坂 千歳
笑う。
神楽坂 千歳
「悪かったって」
神楽坂 千歳
「だから、絶対に逃げねえよ」
神楽坂 千歳
「俺はここで待つ」
神楽坂 千歳
緩く腕を広げ、斎を見る。
勢納 斎
血を流し、倒れたかごめを一瞥する。
勢納 斎
こんなになるまで頑張った、かごめ。
GM
もはや神楽の果てに昇る日の行方は決した。
勢納 斎
しかし、まだ。
勢納 斎
これで終わりにはできない。
神楽坂 千歳
『八千矛』が、そこに立っている。
GM
神楽八十神追。これは、演目にない戦い。
勢納 斎
「私がここに来いと言おうとしていたんだがな」
勢納 斎
「相変わらずの傲慢さだ」
神楽坂 千歳
「当たり前だ」
神楽坂 千歳
「俺は、『八千矛』だぜ」
神楽坂 千歳
「こっちが迎え撃つのが筋ってもんだろう?」
勢納 斎
「まぁいいさ、今のお前が八千矛なのは疑いようがない」
神楽坂 千歳
堂々たる立ち姿で、無言にその言葉を肯定する。
勢納 斎
「お前をその場所から引きずり下ろすまで、私の神楽は終われない」
勢納 斎
離脱せず、戦闘を続行します。
神楽坂 千歳
言うまでもない。

クライマックスフェイズ ラウンド6

GM
プロット開示!
[ 神楽坂 千歳 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
[ 勢納 斎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
神楽坂 千歳
はっはは!
神楽坂 千歳
「――それでこそ!」
GM
*クライマックスフェイズ ラウンド6 プロット2
GM
同時行動。1d6を振り、大きい方から動く。
勢納 斎
1D6 (1D6) > 2
神楽坂 千歳
1D6 (1D6) > 1
神楽坂 千歳
さ、来いよ。
GM
*勢納 斎
勢納 斎
奥義使用します。
勢納 斎
■奥義
《本地垂迹摩訶迦羅天》
指定特技 :罠術
エフェクト:クリティカルヒット/断ち/射程低下
効果・演出:ほんじすいじゃくまかきゃらてん/破壊を意味する護法神の加護を得る。
勢納 斎
「千歳、私は嬉しいぞ」
勢納 斎
「ああ、嬉しい、嬉しいなぁ」
勢納 斎
「八十神を倒し、八千矛を倒す」
勢納 斎
「そんな夢が、もう、すぐそこにある!」
神楽坂 千歳
「でっけえ夢だこと!」
神楽坂 千歳
「まあ、でも――」
神楽坂 千歳
「間違いなく、お前の在り方に相応しい夢だ」
勢納 斎
「当然だ」
勢納 斎
「私は冥府の姫君などではない」
勢納 斎
「この世にただ1人の──勢納斎だ!」
勢納 斎
印を結ぶ。
勢納 斎
八十神も、八千矛も。
勢納 斎
彼我にどれほどの差があろうか。
勢納 斎
私も、お前も。
勢納 斎
かごめも、アガタも。
勢納 斎
皆、それぞれであり。
勢納 斎
それらの境界線はない。
勢納 斎
世界のために討ち滅ぼされなければならない存在。
勢納 斎
それに自分がならないと、なぜ断言できよう。
勢納 斎
そう。
勢納 斎
「お前も討ち滅ぼされるのだ、八千矛!」
勢納 斎
衝撃が辺りを覆う。
勢納 斎
地が揺れる。光が舞う。
勢納 斎
己を正しいと信じて疑わぬ光が、力あるものを討ち滅ぼそうと閃く。
神楽坂 千歳
奥義で応える。
神楽坂 千歳
荒れ狂う舞台の中央に、『八千矛』は立っている。
神楽坂 千歳
■奥義
《神楽八十神追》
指定特技 :怪力
エフェクト:範囲攻撃/くらまし/滅び/射程低下/人数限定
勢納 斎
奥義破りします。
GM
判定をどうぞ。
勢納 斎
2D6-2>=8 (判定:飛術) (2D6-2>=8) > 8[3,5]-2 > 6 > 失敗
神楽坂 千歳
《神楽八十神追》。
神楽坂 千歳
それは泰平の世を保つための儀。
神楽坂 千歳
その象徴として立つ男は、
神楽坂 千歳
既に、
神楽坂 千歳
誰に救われるまでもない。
神楽坂 千歳
迫る輝きを、ふたたびに。
神楽坂 千歳
夜空に神器を放り投げてから、
神楽坂 千歳
膂力でもって、勢納斎に迫った。
GM
*神楽坂 千歳
神楽坂 千歳
【春雷】。勢納斎に。
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
神楽坂 千歳
2D6>=5 (判定:瞳術) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
神楽坂 千歳
瞳術より回避判定を。
勢納 斎
2D6>=10 (判定:流言の術) (2D6>=10) > 8[3,5] > 8 > 失敗
神楽坂 千歳
【血断】。生命力コストを1点支払い、ダメージを一点上昇。
神楽坂 千歳
戦術を潰す。
[ 神楽坂 千歳 ] 戦術 : 1 → 0
GM
*勢納斎に3点の接近戦ダメージ
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(2,9) > 『体術』飛術
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(5,8) > 『戦術』記憶術
神楽坂 千歳
RTT ランダム指定特技表(4,11) > 『謀術』流言の術
神楽坂 千歳
体術、戦術、謀術。
[ 勢納 斎 ] 体術 : 1 → 0
[ 勢納 斎 ] 謀術 : 1 → 0
[ 勢納 斎 ] 戦術 : 1 → 0
神楽坂 千歳
輝きを貫き、すり抜けて。
神楽坂 千歳
男は再び勢納斎の腕を取る。
神楽坂 千歳
『八千矛』の膂力で、鞍馬の男の腕で、勢納斎の腕を引き寄せる。
勢納 斎
八千矛に、攻撃を当てられない。
勢納 斎
もう、何度も、何度も。
勢納 斎
華奢な女の体が、容易く腕の中に収まる。
神楽坂 千歳
男とて無傷ではない。
神楽坂 千歳
限界を超えた一撃を繰り返し、反動で節々に血を滲ませながら、
神楽坂 千歳
しかし、一度たりとて勢納斎の攻撃を受けることはなかった。
神楽坂 千歳
そして。
神楽坂 千歳
この男は、一度きり。
神楽坂 千歳
一度きり向けた攻撃を、勢納斎に――
神楽坂 千歳
その鳩尾に、容赦のない強い打撃。
神楽坂 千歳
力強い一撃が、斎の身体を突き放す。
勢納 斎
兵糧丸使用します。
GM
どうぞ!
勢納 斎
回復するのは謀術。
[ 勢納 斎 ] 謀術 : 0 → 1
勢納 斎
歯を食いしばる。
勢納 斎
ようやくの、八千矛の拳。
神楽坂 千歳
至近距離からの、重い重い一撃。
勢納 斎
内臓が揺れる。こみ上げる嘔吐感を無理矢理に抑え込む。
神楽坂 千歳
支えるように回される腕は、
神楽坂 千歳
此度はない。
勢納 斎
気を、失いそうだ。いや、刹那失っていたのかもしれない。
勢納 斎
しかし、立っている。
勢納 斎
立てている。
勢納 斎
まだ、倒れていない。
勢納 斎
体が純然たる暴力に震える。
神楽坂 千歳
それは『八千矛』も同様に。
勢納 斎
違う。違う。
神楽坂 千歳
傷に血を滴らせながら斎の前に立ちはだかり、
勢納 斎
これは、武者震いだ!
神楽坂 千歳
その名に相応しい一撃を叩き込んだ。
勢納 斎
そういうことに、してしまえばいい。
神楽坂 千歳
「そういうとこが」
神楽坂 千歳
「俺は、好きだよ」
勢納 斎
「そんなことを言われて喜ぶとでも?」
神楽坂 千歳
「思ってねえなあ」
神楽坂 千歳
「でも、俺が言いたかった」
神楽坂 千歳
「それだけだ」
勢納 斎
「お前は悪い男の才能があるよ」
勢納 斎
少しだけ、咽る。口に血の味が広がった。
神楽坂 千歳
「いやあ――」
勢納 斎
まだ、倒れてはいない。
神楽坂 千歳
「抑えてたつもりではあったけどなあ!」
神楽坂 千歳
「やっぱ、無理だわ」
神楽坂 千歳
「あんたみたいないい女を前にして、いい子の役なんかやってらんねえっての!」
勢納 斎
「え……は?」
勢納 斎
「いや……」
神楽坂 千歳
「なんだよ」
勢納 斎
「いい子の役をやってられないのはいいんだが……」
勢納 斎
「まぁまぁ嬉しいんだが……」
神楽坂 千歳
「そっか」
神楽坂 千歳
「そんで?」
勢納 斎
「お前、私を口説いてるのか?」
神楽坂 千歳
「口説いてるっつーより」
神楽坂 千歳
「思ったことを素直に言ってる」
勢納 斎
「そうか……」
勢納 斎
「なんか、興が削がれたな……」
神楽坂 千歳
「ははは」
神楽坂 千歳
「……どっちにしろ、刻限だ」
[ 勢納 斎 ] 忍具 : 2 → 1
神楽坂 千歳
空を見上げる。明けの空を。
神楽坂 千歳
「『神楽八十神追』は、ここで終幕」
神楽坂 千歳
「『須佐之男』は打ち倒された」
神楽坂 千歳
「『八千矛』は、今もここに立っている」
神楽坂 千歳
「……まあ」
神楽坂 千歳
「流石にお前よりは、手傷を負うたけどな」
神楽坂 千歳
兵糧丸を1個使用し、器術を回復します。
[ 神楽坂 千歳 ] 忍具 : 2 → 1
[ 神楽坂 千歳 ] 器術 : 0 → 1
勢納 斎
「お前はもうちょっと自分の体を大事にしたらどうだ」
神楽坂 千歳
「俺の戦い方はこれなんだよ」
神楽坂 千歳
「『八千矛』らしくはあるんじゃないのか?」
勢納 斎
「知らん」
勢納 斎
「私の思う八千矛は、別にそういうのではない」
神楽坂 千歳
「そうなのかー……」
勢納 斎
「しかしまぁ、今宵ばかりはお前が八千矛ということでいいよ」
勢納 斎
戦闘から離脱します。
神楽坂 千歳
斎に向き直る。
神楽坂 千歳
「……『神楽八十神追』は終われど」
神楽坂 千歳
「俺とお前の人生は続いていく」
神楽坂 千歳
「何度でも受けて立ってみせるさ」
勢納 斎
「そうだな」
勢納 斎
「お前の引導は、私が渡してやろう」
神楽坂 千歳
「ああ――」
神楽坂 千歳
「そりゃあ、楽しみだ」
神楽坂 千歳
斎に答え。
GM
*勢納斎は脱落。
GM
*戦闘終了――勝者は神楽坂 千歳 。
神楽坂 千歳
倒れ臥した、男のもとへと向かう。
花丸 かごめ
男の身体の上に、庇うように女が覆いかぶさっている。
神楽坂 千歳
腰を落とし、女の身体を抱え込む。
花丸 かごめ
「……いや」
花丸 かごめ
「はなして」
神楽坂 千歳
服に血が着くのも構わずに、
花丸 かごめ
力の入らない身体で、じたばたと暴れる。
神楽坂 千歳
力の入らない身体を、出来うる限り丁寧に引き剥がす。
勢納 斎
敗者は、勝者に従う。それは覆らない真実であるし、斎にはそれを覆す気がない。
神楽坂 千歳
「斎」
花丸 かごめ
「やだ、やだぁ…………っ」
神楽坂 千歳
「かごめを、頼む」
勢納 斎
かごめの体を受け取り、離す。
神楽坂 千歳
覆うもののなくなった身体を、見下ろしている。
神楽坂 千歳
生殺与奪の宣言。
神楽坂 千歳
『須佐之男』の命を奪います。
花丸 かごめ
斎の腕の中でなおももがいているが、逃れることは叶わない。
GM
どうぞ。
神楽坂 千歳
投げ放った神器は、明後日の方向に落ちている。
神楽坂 千歳
だから、最後はそれを使わない。
神楽坂 千歳
構えた。
花丸 かごめ
「だめ────」
勢納 斎
「かごめ」
神楽坂 千歳
かごめを選び、『須佐之男』として自分に相対した男。
勢納 斎
女の体を、抱きとめる。
神楽坂 千歳
一族の悲願を背負い、不利と知られた戦場に赴き、
花丸 かごめ
視線は、力なく伸ばした腕は、
花丸 かごめ
自身を抱きとめる女ではなく、倒れた男に向けられている。
神楽坂 千歳
『最も力のある者』として、『八千矛』に討たれる宿命を歩んだ男へ。
神楽坂 千歳
その心臓へ、
花丸 かごめ
「はなして、」
花丸 かごめ
「いや」
神楽坂 千歳
手刀を突き下ろした。
神楽坂 千歳
戦果の宣言。
花丸 かごめ
「────」
神楽坂 千歳
『アガタ』に共感を取ります。
勢納 斎
八十神を見下ろす。
勢納 斎
八十神だったもの、須佐之男だったもの、アガタだったもの。
神楽坂 千歳
返り血に、頬が濡れる。服が汚れる。
花丸 かごめ
「ぁ、あ……」
勢納 斎
おそらくは。
勢納 斎
愛した人が、愛した男だったもの。
花丸 かごめ
唇が、そこから漏れる声が震える。
神楽坂 千歳
血に濡れて、男の亡骸を見下ろしている。
GM
*『須佐之男』は死亡。
神楽坂 千歳
空が白み始めている。
勢納 斎
かごめの体を離す。
神楽坂 千歳
地平線の先。昇りゆく太陽へと視線を滑らせる。
花丸 かごめ
へたりと膝をついて、
花丸 かごめ
そのまま身体を引きずって、男の亡骸の元へ。
神楽坂 千歳
その光が男を照らすことはない。
神楽坂 千歳
まつろわぬ女の心をも、晴れさせることはないだろう。
神楽坂 千歳
それを知っている。
GM
朝日が差し込む。
神楽坂 千歳
知ってこの道を選び、知ってこのように手を下し、
花丸 かごめ
濃い、血のにおいがした。
神楽坂 千歳
神楽坂千歳は、『アガタ』という男に共感を抱く。
花丸 かごめ
亡骸からも、自分の身体からも。
花丸 かごめ
触れる。
神楽坂 千歳
自分のために誂えられた戦場で、自分よりも後のない立場であろうはずなのに、
神楽坂 千歳
自分よりもよほど紳士的に振る舞ったらしい男。
GM
神器『生大刀・生弓矢』は攫われるように姿を眩ます。
神楽坂 千歳
幼馴染の、かごめの心を奪った男。
勢納 斎
「なぁ、千歳」
神楽坂 千歳
「なんだ、斎」
GM
朝日の訪いと共に、途端に木々がざわめいて聞こえる。
花丸 かごめ
手のひらに伝わる温度は、あの時知った冷たさよりなおも冷え冷えとして。
勢納 斎
かごめに、静かに視線を向ける。
勢納 斎
「私はな、50年後にまたこの儀式が行われるのが嫌だ」
GM
鳥や、初秋の虫の、生ける者の鳴き声に満たされる。
神楽坂 千歳
「……意見が合ったな」
花丸 かごめ
「う、あ…………」
GM
もはやここは異界ではない。
勢納 斎
「意外だな、八千矛様までそう思っているとは」
神楽坂 千歳
「当たり前だろ」
GM
隠忍の血族の隠れ里たる、堅洲の里だ。
神楽坂 千歳
「次はもう番狂わせねえんだぞ」
花丸 かごめ
亡骸に顔を伏せて、泣きじゃくる。
勢納 斎
「……そうだな」
神楽坂 千歳
「そんなつまんねえ儀式、延々繰り返させるわけにはいかないだろ」
勢納 斎
次はきっと、八千矛と、八十神と、それに姫君が一人。
花丸 かごめ
名前。
花丸 かごめ
須佐之男でも、八十神でも、アガタでもない、
花丸 かごめ
この人の、本当の。
花丸 かごめ
それを呼ぶことはできない。
神楽坂 千歳
対等の条件のうちに勝ち取った勝利の後には、その予定調和はひどくくすむ。
花丸 かごめ
知っている。ただそれだけ。
勢納 斎
「こんな儀式は、壊したいな」
神楽坂 千歳
幼馴染の泣く声が、それを加速させる。
神楽坂 千歳
「同意見だ」
神楽坂 千歳
「まあ……」
神楽坂 千歳
「儀式の立役者二人が揃っても、容易な道とはいかんだろうがね」
花丸 かごめ
知っている。
勢納 斎
「そうだろうな」
神楽坂 千歳
「でも」
神楽坂 千歳
「俺とお前だ」
花丸 かごめ
この人の優しさを、手指の冷たさを、笑った目を。
花丸 かごめ
もう、わたしの中にしかない。
神楽坂 千歳
「やってやれねえことはないだろ」
神楽坂 千歳
「……いや」
神楽坂 千歳
ちらとかごめを窺い見て、
勢納 斎
「かごめもいる」
神楽坂 千歳
「ああ」
神楽坂 千歳
「だから、やれる」
勢納 斎
かごめの意見は聞いていない。
花丸 かごめ
おさななじみ二人の会話も耳に入らず、今は泣きじゃくるばかり。
神楽坂 千歳
「……ったく」
神楽坂 千歳
自嘲気味に笑う。
勢納 斎
しかし、かごめは戦うことを選べる女だ。
勢納 斎
「いいじゃないか」
神楽坂 千歳
「こんな時まで、話が早いとはね」
勢納 斎
「儀式がなければ世界が成り立たないという、その前提条件を壊してやろう」
勢納 斎
「世界を壊すんだよ」
神楽坂 千歳
「はは」
神楽坂 千歳
「世の平穏を保った後は、世界を壊すと来た!」
神楽坂 千歳
「まあ――」
神楽坂 千歳
「悪くはない話だな」
勢納 斎
「決まりだな」
神楽坂 千歳
「ああ」
勢納 斎
「勢納の一族郎党めちゃくちゃにしてやる」
神楽坂 千歳
「いい意気込みだ」
神楽坂 千歳
「……斎」
勢納 斎
「ん?」
神楽坂 千歳
斎へと手を伸ばす。
神楽坂 千歳
血に濡れたままの手のひらを差し出して、
神楽坂 千歳
「これからも、よろしく頼む」
勢納 斎
「……」
勢納 斎
「言っておくが、あまり嫁になる気はないからな」
勢納 斎
そう言って、こちらも血に濡れた手のひらを差し出して、握り返した。
神楽坂 千歳
「まあ、そうだな」
神楽坂 千歳
女の手を握り締める。
神楽坂 千歳
「それよりは、共犯者だ」
勢納 斎
「それなら、なってやらんこともない」
神楽坂 千歳
「ははは」
勢納 斎
「ははは」
神楽坂 千歳
「やっぱり、お前は最高だよ」
勢納 斎
「お前も、八千矛に相応しい男だよ」
神楽坂 千歳
最高の賛辞に、大きく笑った。
GM
――やがて、儀式を執り行う忍たちがあなたがたを見つけ、儀式が無事なされたことを知る。
GM
八十神は討たれ、世界は守られた。
GM
此度も神楽の果てに昇る日は、人のためのものとなった。
GM
八千矛を討たれず、世界は変わらなかった――今はまだ。
GM
決意の果てに昇る日は、誰がためのものになるだろうか。
GM
GM
シノビガミ『神楽八十神追』
GM
終幕