メインフェイズ サイクル3
メインフェイズ サイクル3 勢納 斎
勢納 斎
月を見上げて、その光が照らす鬱蒼とした森を見る。
勢納 斎
「儀式が始まってから、あいつを探しているか、茶を飲んでいるかのどちらかしかやっていない気がする」
神楽坂 千歳
「森ばっかり探してたのが悪かったかぁ」
勢納 斎
「草原も軽く探しはしたが、見晴らしがいいからな……」
神楽坂 千歳
「隠れられる場所がないと思って油断したな」
勢納 斎
「かごめが気に入ったという男を、ちゃんと見ていないしな」
花丸 かごめ
「……あのね、変な意味じゃないからね」
神楽坂 千歳
「全員で会いに行っちゃいけねえ道理はないわな」
神楽坂 千歳
神器を腕に立ち上がり、腱を伸ばしている。
花丸 かごめ
「いい人だったからね、お友達としてね……」
勢納 斎
「私が殺そうとしている男は、かごめがお友達として好きな男なのか? それとも男として好きな男なのか?」
花丸 かごめ
「……わたし、男の子すきになったことないもん」
勢納 斎
なら、まだ分からないのも無理はないな……。
勢納 斎
女の子を好きになったことはある、とは夢にも思っていない。
神楽坂 千歳
異界の月に見守られながら、三人で歩く。
勢納 斎
「そのつもりがないのに気を使って……かごめを惑わせて……」
神楽坂 千歳
「これから会いに行くんだから本人に確認しろ」
勢納 斎
「伝聞以外に情報がないのだから仕方ないだろう」
神楽坂 千歳
「先入観固めすぎると後がキツくねえ?」
神楽坂 千歳
「話してくれなかったらそれにキレたらいいだろ」
神楽坂 千歳
「言葉に関してはともかくとして……」
花丸 かごめ
「……わたしとお話した時は、伝わるようにしてくれたよ」
神楽坂 千歳
軽く同意してからそうなんだ、になっている。
勢納 斎
「なら、あれはわざと分からないようにしてるのか!?」
神楽坂 千歳
「伝えるようにするの、結構大変なんじゃないか?」
神楽坂 千歳
「かごめを特別扱いしてるのはそうかもしれんが……」
勢納 斎
「大変なことを、わざわざかごめにだけ!!」
勢納 斎
「大体、かごめはそういうのに鈍いだろう」
神楽坂 千歳
そこは結構他人のことを言えない自覚があるのでやや黙った。
花丸 かごめ
「え~、そんなことないと思うよ……」
勢納 斎
「自分では自覚がないかもしれないが、かごめは結構モテるぞ」
勢納 斎
「うちの使用人の斎藤と加藤もかごめのことを好いている」
神楽坂 千歳
「うちの道場でも結構人気あるな、かごめ」
花丸 かごめ
「男の子はわたしみたいな……好きじゃないでしょ……」
神楽坂 千歳
「そういえば、かごめが来るって聞いたら喜ぶやつは結構いる」
神楽坂 千歳
あまり関心を抱いていなかったから曖昧な記憶だが……。
勢納 斎
下劣な噂話をされていたことは黙っておく。その後ボコボコにしたし。
神楽坂 千歳
あいつらもオクテってやつなのかな~。
勢納 斎
隠忍の男がかごめをどう思っているかは分からないが
勢納 斎
かごめの運命を変えるのなら、それなりのものを持っていて欲しいと思う。
勢納 斎
それと同時に、何の感情も抱くな、と思う。
勢納 斎
隠忍の男も、かごめも、一時の気の迷い以上のものを持たないで欲しい。
勢納 斎
アガタの居所を情報判定します。判定どうしよっかな。好き勝手言ってたので流言の術でいいでしょうか。
勢納 斎
2D6+2>=5 (判定:流言の術) (2D6+2>=5) > 7[3,4]+2 > 9 > 成功
勢納 斎
月は何も答えない。
他人の心は分からない。
勢納 斎
それでも伝え聞いた話と、今の状況から分かることはある。
勢納 斎
今宵、運命が動くことだけは分かっている。
メインフェイズ サイクル3 花丸 かごめ
花丸 かごめ
青く暗い月の光の下、さわさわと草が波をつくっている。
花丸 かごめ
果たしてそこに、探し求めた影はなかった。
勢納 斎
月光が降り注ぐ草原を見ている。草の一本一本が、光を照り返すさまを。それが揺れるところを。
花丸 かごめ
「あんまり一緒にいると、離れるのがもっと嫌になっちゃうから……」
勢納 斎
草が揺れると、斎の長い黒髪も一緒に揺れた。
勢納 斎
別れたくない、という話ならば、一晩でも続けられる。
勢納 斎
それを言ってかごめの心を得られるのならば、一生だって続けられる。
花丸 かごめ
「……わたしだって、鞍馬の女だもん」
花丸 かごめ
「戦うって決めたんだから、がんばりますとも!」
花丸 かごめ
千歳に頷いて、それから斎に向き合う。
花丸 かごめ
「わたし、いつきちゃんのこと全然分かってなかったんだなって、分かったの」
花丸 かごめ
「だから……帰ったら、もっといっぱいお話しようね」
花丸 かごめ
「いつきちゃんのこと、もっと知りたいの」
花丸 かごめ
斎の秘密を調査します。特技は対人術。
花丸 かごめ
2D6>=5 (判定:対人術) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
花丸 かごめ
そのまま斎の秘密を千歳に譲渡します。
神楽坂 千歳
ありがとうございます。受け取ります。
【PC2
秘密】
あなたはその身に神器を宿して生まれてきた。PC1はあなたの神器の封印を解き、そしてそれはすなわちあなたを娶る定めにある者だ。儀式『神楽八十神追』が国守の儀式であると共に、婚姻の儀式だと教わってきた。しきたりによりPC1を一目見ることさえ許されていなかったが、その宿命を受け入れている。もとよりそれを受け入れなければ、封印されたままの神器があなたを殺すことを知っているからだ。
あなたはプライズ『神器』を持つ。
クライマックスフェイズ開始時まで神器が封印されていた場合、あなたは即座に死亡し、神器は消滅する。
あなたの本当の使命は『神器の封印を解いてもらうこと』だ。
花丸 かごめ
ぱち、と目を瞬かせて、斎の話を聞く。
花丸 かごめ
聞きながらあわあわと千歳と斎の顔を見比べ……
花丸 かごめ
「ちとせくんも知らなかったんだ……」
花丸 かごめ
「いつきちゃん、そんなのやだよね……」
花丸 かごめ
「……あっ、ちとせくんがダメってわけじゃなくてね?」
勢納 斎
「かごめは、あの男の所に行った方が、いいんだ」
勢納 斎
「お前が2つ持っていれば1つ奪って私が使ったんだがな」
花丸 かごめ
「いつきちゃんもちとせくんも、わたしが手を抜いたらいやでしょ?」
勢納 斎
「そうでなければ、この儀式の意味がない」
勢納 斎
「そうでなければ……私が生まれた意味がない」
花丸 かごめ
「わたし、世界をめちゃくちゃにする気はないけど」
花丸 かごめ
「お家くらいなら、そうしちゃってもいいかも」
花丸 かごめ
「強くてかっこいい、いつきちゃん!」
勢納 斎
少しだけ名残惜しそうに、手はそのままの形を保って。
花丸 かごめ
大切なおさななじみ二人を置いて、森の中へと姿を消す。
メインフェイズ サイクル3 神楽坂 千歳
神楽坂 千歳
緩やかに吹く夜風に揺れる草木のささやき。
神楽坂 千歳
名残惜しげに形を保たれた、その手を取ることはない。
神楽坂 千歳
触れ合うことはなく、寄り添うこともしない。
勢納 斎
かごめが去っていった方向を、じっと見ている。
神楽坂 千歳
『生大刀・生弓矢』。今は太刀のかたちをしている。
神楽坂 千歳
月光を受けて蒼く光るその刀身を、再び瞳に映している。
神楽坂 千歳
けれどそれを覗き込むことはせず、月の下で構えを取る。
神楽坂 千歳
「母親が、勢納の家から来てるだろ?」
神楽坂 千歳
「上の思惑だのなんだのは知らないっつーか、興味もなかったけど」
神楽坂 千歳
「夫婦仲よかったらしいし、結構うちでは存在感あってさ」
神楽坂 千歳
千歳を産み落として逝去した母のことを、父はずっと愛していた。
勢納 斎
早逝した千歳の母親のことは、話にしか聞いていない。
勢納 斎
鞍馬の家でもやっていけるような、そういう女だったと聞いている。
神楽坂 千歳
自分を愛していた母の足跡を、その身に刻むように。
神楽坂 千歳
舞の中に、神器『生大刀・生弓矢』へと問いかける。
神楽坂 千歳
情報判定。プライズ『生大刀・生弓矢』の秘密を抜きます。
神楽坂 千歳
2D6+1>=5 (判定:遊芸) (2D6+1>=5) > 7[2,5]+1 > 8 > 成功
【秘密:『生大刀』】千歳と斎とアガタの元に渡る。
この後全体に公開されないため、リプレイではこの場で公開する。
このプライズ『神器』の本当の名前は神器『生大刀』だ。
このプライズは封印されているかぎり、戦果で奪うことはできない。
このプライズの封印が解かれたとき、このプライズが封印されていた者の使命は封印を解いた者の使命に書き換えられる。その際、このプライズが封印されていた者は、所持するすべての感情属性を再度決定し直す。
このプライズを所持(封印されている状態を除く)しているものは、クライマックスフェイズ、毎ラウンドに一度、神通丸として使用できる。(使用してもこのプライズはなくならない)
GM
そのときが来た、とでもいうかのように。その刀はあなたの手によく馴染んだ。
GM
並々ならぬ活力が刀身より出でて、あなたに伝播する。
神楽坂 千歳
柄を握りしめたその感触が、やけにしっくりと来る。
GM
幾度となく繰り返された、持つべき者が持つべき刀。
勢納 斎
己の血脈が、目の前の男にも繋がっていることを思う。
神楽坂 千歳
その繋がりが、確かに神器の力を引き出した。
勢納 斎
国を造りし武神として、国に仇をなす八十神を討つ男。
勢納 斎
己に神器が宿っていたように、この男も力を持つ者だ。
神楽坂 千歳
力持つ者として期待され、力持つ者として育てられ、力持つ者として役目を背負う。
勢納 斎
そういう男と、そういう女を何人もかけ合わせた結果がこの自分だ。
神楽坂 千歳
求められた者たちが求められるがまま、繰り返されてきたお決まりの儀。
神楽坂 千歳
あってはならぬ祭具がまつろわぬ者の手に渡り、有り得べからざる者が招聘され、
神楽坂 千歳
そして今、神器が授けられようとしている。
神楽坂 千歳
歪められた儀式。常ならむ緊張を孕む異界の空気。
神楽坂 千歳
「そんで、冷えた緑茶が添えられてると尚良い」
神楽坂 千歳
「ウチ、でかい庭あってさ。池もあんだよ、鯉とか飼ってて」
神楽坂 千歳
「掃除した後にそれ眺めながら食うのが一番最高!」
神楽坂 千歳
「背中預けて戦うんだ、知っといて損はないだろ?」
勢納 斎
歩み寄った千歳に、距離を近づけた男に、少しだけたじろぎそうになり。
勢納 斎
「苦いカラメルの……、硬めのやつがいい」
勢納 斎
「母がたまに作ってくれるんだ。巫女として忙しい人だから、あまり多い訳ではないが」
勢納 斎
「お前の母も、硬いプリンが好きだったと聞いたよ」
勢納 斎
「母に聞けば、他にもお前の母の話を聞けるだろう」
勢納 斎
「……あとは、そうだな。趣味らしい趣味はあまりないかもしれない」
勢納 斎
「巫女の修行か、武術の修行か、みたいな生活だったからな」
神楽坂 千歳
「あるだけ恵まれてると思ってくれよ」
神楽坂 千歳
「お前の母君に訊くなら、母上のことよりも」
勢納 斎
「私のことを聞くなら、私に聞けばいいだろう」
勢納 斎
「お前から聞くお前の話と、お前の家の者から聞くお前の話は違いそうだ」
神楽坂 千歳
「まあ止められることでもねぇけど……」
神楽坂 千歳
結構恥ずいんだよな、小せえころから見られてきたし、とかぶつくさ言ってる。
神楽坂 千歳
俺のおしめ替えてたような奴もいるからな……
勢納 斎
「実はな、お前の噂はそれなりに届いていた」
勢納 斎
「聞いてもいないのに、べらべら喋ってくれる親族が掃いて捨てる程いたからな」
勢納 斎
「そうだな……、あれは、苦労だったんだな」
勢納 斎
「生まれた時から小煩い奴等に囲まれていたから、苦労だと気付けなかった」
神楽坂 千歳
「俺はまあ、周囲がどいつもこいつも鞍馬の男っつか……」
勢納 斎
「お前も鞍馬の男だし、周囲も鞍馬の男だらけだからな」
神楽坂 千歳
「どいつもこいつも話が早いっつーか、回りくどいのが嫌いっつか……」
神楽坂 千歳
「お前はとびきり話が早くて気持ちがいい」
神楽坂 千歳
「お前で良かったよ。俺が背中を預けて、肩を並べて戦う相手が」
神楽坂 千歳
「苛ついたら素直に出すし、なんなら手も出るし」
神楽坂 千歳
「俺はまあ無神経だから、そんくらいしてもらった方がいいんだわ」
勢納 斎
「確かに、耐える女がお前の所に嫁いだら気苦労が絶えなさそうだ」
勢納 斎
「察してもらえないと泣かれたりするんだぞ」
勢納 斎
千歳の顔を見る。八千矛となるべく生まれ、八千矛となるべく育てられた男。国を造りし武神として、のびのび育った男。
神楽坂 千歳
『八千矛』たる男。
あなたから授かった神器を手に持つ男が、
確かにその役目をまっとうせんとすると男が、
今は何の変哲もない青年のような顔でそこにいる。
勢納 斎
いくら焦がれても手の届かないものを、生まれた時から持っている男。
勢納 斎
自分が欲した全てを手にしている男。自分の命すらも、この男の手中だった。
勢納 斎
しかし、その実。みたらし団子と冷えた茶が好きで。
勢納 斎
母が大事にしていた池を掃除するくらいしか、趣味のない男。
勢納 斎
親族達は口々に八千矛の噂をした。千歳の忍としての能力、人格、容姿、立ち振舞、それらがいかに優れているかを話した。
勢納 斎
それは祈りに似ていた。我々の世界を担う男は、これほどまでに素晴らしいのだと。
神楽坂 千歳
許可を求めるでもない、堂々たる宣言。
神楽坂 千歳
「フルネームだって呼び捨てみたいなもんだろ」
勢納 斎
「フルネームと呼び捨てだと、心の持ちようが違うだろうが」
神楽坂 千歳
「じゃあお前は俺のことなんて呼ぶんだよ」
勢納 斎
それは自分が姫君と呼ばれるようなものであるし、劣等感を刺激される。
神楽坂 千歳
一方的な提案をした男は、あなたの答えを待っている。
勢納 斎
「ふん、腹は立つが……、分かって来たじゃないか」
勢納 斎
「背後から討って八千矛の座を奪おうとするかもしれない」
神楽坂 千歳
「お前がその気なら、俺はいつでも受けて立つさ」
神楽坂 千歳
「見合わねえだろ。それくらいじゃないと」
神楽坂 千歳
「俺も、斎に認められる俺で、よかった」
GM
八千矛という配役がある。姫君という配役がある。
GM
宿命の下にここに招かれた二人は、しかし生きる人間だ。
GM
神楽坂千歳という男がいる。勢納斎という女がいる。ここに。
メインフェイズ サイクル3 アガタ
アガタ
2d6 (2D6) >
8[2,6] > 8
GM
8:草原。青く暗い満月が空にあり、風が吹けば草がさざめく。
アガタ
草原へ続く獣道を踏みしめ、その背を追う足音。
アガタ
野山で獣に会えば、そのような気配をしているのだろう。
アガタ
視線を合わせながら、ゆっくりと“あなた”を追い越して森を背に立つ。
花丸 かごめ
「いっぱい手伝ってもらっちゃったけど……」
アガタ
「わは、まだだんず『実のところ、私はまだ決心がついていないのです』」
アガタ
「わんつか、あさぐべ『少し、歩きませんか』」
花丸 かごめ
つられるように、視線の先を目で追って。
花丸 かごめ
そこに溶け込むような影法師を追いながら、森の奥へ奥へと。
アガタ
「……あげほげだな『なんとも至れり尽くせりといいましょうか』」
アガタ
「こえばなさつかうべ『この神器をあなたに使えば』」
アガタ
「したっきゃ、そうなるべ『あなたは“そう”なる』」
アガタ
「わはわんどのために『私は私たちのために』」
花丸 かごめ
長く長く、この儀式は続けられてきたのだと聞いている。
アガタ
「そったこどのために『そのようなことのために』」
アガタ
「……めやぐしたなぁ『ご迷惑をおかけしましたね』」
花丸 かごめ
かごめが生まれ育った太平の世の礎として、彼の一族の屍が積み上げられてきた。
花丸 かごめ
「……アガタさんが悪いわけじゃないよ」
アガタ
先代の残した神器。
あまりに折り重なった屍。
アガタ
名前をなぞったように、そのまま。
あの時の言葉をなぞる。
花丸 かごめ
「よく考えたら、ひどいこと言っちゃったね……」
アガタ
「わどふとづなんだじゃ『私と同じなのです』」
アガタ
遥か昔何へ祈っていたか、何を大事にしていたのか。
アガタ
失われた世界へ、つぎはぎで拵えられた望郷が今の男を作っている。
アガタ
「……ならね、うぢさ死ぬのも『そうならないうちに死んでしまうのも』」
アガタ
「なぐねべさ『選択としてなくはなかったでしょう?』」
アガタ
この神器を使えば、自分は自分である意味さえ失う。
アガタ
アガタはアガタではなくなり、ただの配役に溶けて消える。
アガタ
先代が命がけで残した神器ですら。
もはや失われたものを取り戻すことができない。
アガタ
それは、この儀式がそうであるからではなく──
アガタ
人と人がどうしても交わって生きるからに他ならない。
アガタ
血を薄められて生きてきた。
繋ぎとめていた呪いも、この悲願の前には掻き消える。
花丸 かごめ
「……今の世界がすきだと、言ったけど」
花丸 かごめ
「今はね、少し違うことも思っていて」
花丸 かごめ
「こうしてね、”そう”生まれたからってだけで」
花丸 かごめ
「人生が決められてしまったり、つらい思いをしたり……」
花丸 かごめ
「いやなことを、しなければいけなかったり」
花丸 かごめ
「そういうの、なんだか嫌だな……って思う」
アガタ
「ばんくらへでもすべ『番狂わせでもしちゃいましょうか』」
花丸 かごめ
「いいかもって、思っちゃったりして」
アガタ
「こいがらどさなっても『これからどのようになるかはわかりませんが』」
アガタ
「なばまでにかがみでにすはんで『妻のように丁重に扱いますので』」
アガタ
「よぐしてしでくれればな『どうぞよろしくお願いいたします』」
アガタ
花丸かごめに感情判定。
祭具『羽喫鳴鏑』を使用します。
GM
*祭具『羽喫鳴鏑』の効果により、感情判定を省略し、成功します。
花丸 かごめ
ET 感情表(3) >
愛情(プラス)/妬み(マイナス)
アガタ
ET 感情表(6) >
狂信(プラス)/殺意(マイナス)
GM
*封印が解かれたため、花丸かごめの使命をアガタの使命に変更。
GM
*封印が解かれたため、花丸かごめはすべての感情属性を取り直す。(変えなくてもよい)
花丸 かごめ
ET いつきちゃん 感情表(2) >
友情(プラス)/怒り(マイナス)
花丸 かごめ
ET アガタくん 感情表(5) >
憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
GM
*花丸かごめに手渡された祭具『羽喫鳴鏑』は消滅。
花丸 かごめ
おさななじみたちに言われたあれやこれや……
花丸 かごめ
ぶんぶんと首を振って、それを頭から追い出す。
花丸 かごめ
ずっと見上げていた顔が、今は視線よりも低くある。
花丸 かごめ
やわらかな身体を、緊張にかたくしている。
アガタ
ひらひらした布地の裾から手を差し入れ、捲りあげぬように上へ。
アガタ
ひたり、と冷たい手指が薄い布を掻き、腹へ直に触れる。
花丸 かごめ
冷たい肌の触れる感触に、少しだけ身体を震わせる。
花丸 かごめ
触れる手の冷たさと対照に、かごめの身体はあたたかい。
アガタ
柔くぬるい肉に指先が沈む。
神器の座する処。
花丸 かごめ
自分の内側に触れられる感覚に、眉根を寄せる。
花丸 かごめ
斎から聞いて覚悟していたほどの痛みは、訪れなかった。
花丸 かごめ
個人差あるのかな……とか、頭の隅でぼんやりと考える。
花丸 かごめ
痛みがあまりない分、引き抜かれる感覚は鮮明に。
花丸 かごめ
自分の肚に満ちていた何かが失われていく。
GM
名にふさわしく、ただならぬ活力に満ち満ちている。
GM
アガタからかごめへと受け渡された祭具は50年来の役目を果し、かき消える。
アガタ
身の丈を越える弓を最後まで引き抜くと、肩を叩く。
花丸 かごめ
呼吸を整えながら、ぼんやりと目を開ける。
GM
神器の封印解放により、かごめの使命は書き換わる。
GM
神器を宿し、それに急かされるように封印解放を望む己はもういない。
花丸 かごめ
抜き取られ失ったものの代わりに、自身の内を満たすものがある。
花丸 かごめ
わたしはわたしではなく、あなたはあなたではなく。
花丸 かごめ
だけど、花丸かごめとしてここに立っている。
アガタ
物語は、森へ続き、森へ終わる。
そうして人は森から出ていく。
GM
ここは異界・堅洲の国。黄泉と重ねられた死地。
GM
全ては移ろい、そのままではいられない。生きるものは死に、新たに生まれるものに道を譲る。
【秘密:『生弓矢』】かごめからアガタの元に渡った。
この後全体に秘密が公開されないため、リプレイではこの場で公開する。
このプライズ『神器』の本当の名前は『生弓矢』だ。
このプライズは封印されているかぎり、戦果で奪うことはできない。
このプライズの封印が解かれたとき、このプライズが封印されていた者の使命は封印を解いた者の使命に書き換えられる。その際、このプライズが封印されていた者は、所持するすべての感情属性を再度決定し直す。
このプライズを所持(封印されている状態を除く)しているものは、クライマックスフェイズ、毎ラウンドに一度、遁甲符として使用できる。(使用してもこのプライズはなくならない)