行動 リリオ
17日目
リリオ
8 口笛。仲間がなんとなしに吹いたそれが、今をあの日と結びつける。
GM
積み上げられた荷物の上に座らせてもらっている。
リリオ
荷物の間に、半ば寝そべるようにだらっと腰掛けている。
こよみ
それでも歩いているよりマシなのが堕落の国。
リリオ
風に捲られた外套を直す。
その下の短剣の硬い感触。
ユキ
なにかに車輪が引っかかると、浮いてはお尻をぶつけて悲鳴を上げたり。
ラタス
ラタスは前の街で買った酒を飲んでいてご機嫌です。
リリオ
もう一度外套の上から短剣を触る。
落ちていないか、念の為の確認だ。
それ以上の意味はない。
リリオ
「お、いいね~。今の気分にぴったりの曲だ」
ラタス
上層から引かれたパイプを傍受し、スピーカーで増幅して聴いた曲。
ラタス
おれが一番上手いが? って顔でめちゃめちゃ上手い口笛を披露し続けている。
リリオ
ラタスが口笛が上手いのは知っているので、特に言及しない。
リリオ
メロディがまとまってきたので、自分も口笛に切り替える。
こよみ
ちょこちょこ外れつつも奇妙な四重奏ががたごと音を伴奏に。
[ リリオ ] ティーセット : 0 → 1
[ ユキ ] ティーセット : 1 → 0
リリオ
2D6+3+2 (2D6+3+2)
>
4[1,3]+3+2 > 9
GM
じゃあそうですね、ラタスに過去の話を聞くといいと思います。
GM
みんながいるところで聞きづらいなら二人きりのシーン作りますよ。
リリオ
いや……がんばります……二人きりになるのが怖い……
ラタス
「おれんところは暗かったからなぁ、割と音楽って大きい娯楽だったな」
リリオ
「流行ってたね~。結構どこでもかかってた」
ラタス
「なんか……管から音が聞こえてくるんだよ、うまいことやると」
ユキ
「ネットもないのにどうやってそんなに流行るのかしらって思ったけど……」
ラタス
「寒い日はなんか温かい管にみんな張り付いて寝てるからな」
ユキ
「それに、ネットは手紙みたいに時間差とかないのよ」
ユキ
「うーんと遠いところの、たくさんの人が、同じ曲を同じ時間に聞いたりできるの」
ラタス
完全に絵がテレポートしてるのを想像している。
リリオ
レコードがテレポートしているのを想像している。
ユキ
「あたしもあんまりちゃんと分かってないから……」
こよみ
でもユキはこよみみたいなおみみしてない……
こよみ
こよみの知ってる世界堕落の国とあんまり変わらない……
ユキ
「とにかく、そういうのがあったからね、国中の人が同じものを知って好きになったりしてたの」
こよみ
本当は堕落の国よりはだいぶマシだったのだが、奴隷だったのであんまり知らない。
ラタス
「おれたちが好きで共通してるの、温かい管くらいだからな」
ユキ
「あたしがいたのは、かなり恵まれてる方の国ね」
こよみ
「あったかいもの、あったかいとうれしいもんね」
ラタス
「おっさんも女もみんな温かい管に張り付いてたよ」
こよみ
「こよみもさむいの苦手だよ、あんまり好きじゃないよ」
リリオ
寒くて温かい管に張り付いた記憶などは、ない。
リリオ
同じ世界でも、ラタスのいた所と、自分のいた所は違う。
ユキ
「焚き火って、こっちに来てから初めてしたのよね……」
ラタス
「適温の温かい管、だいたい誰かが縄張りにしてて、金取られるんだよな」
こよみ
「焚き火は集めて火つけたらお金かからないから」
こよみ
「焚き火、楽しいしお金かからないから、こよみは焚き火が好き」
ラタス
「枝が落ちてるの、マジか~! って思ったもんな」
リリオ
温水の通る管を増やして、下層で凍死する人を減らせないか努力したことがあった。
ラタス
「なんか燃やせるゴミを買ってきて、燃やしたりはよくしてたよ」
こよみ
空を見上げます。青空ではないが太陽の光は分厚い雲越しに辛うじて透けている。
ラタス
「煙が臭いんだよな~あれ。枝の煙は臭くないからいい」
リリオ
上層の燃やせるゴミは、結構人気があった。
ゴミを持っていくだけで、それなりに喜ばれたものだ。
ラタス
「まあ、なんかそんな感じで何をするにも金がな」
こよみ
「ラタス、好きじゃないんじゃなかった……?」
ラタス
「いや、親のいないガキがいっぱいいるんだよ」
ラタス
「よく、例の青い窓から、上に行く方法を考えたりしてたよ、ガキと」
ラタス
笑って誤魔化す。あの紙を出すわけにはいかない。
ラタス
「一番いい感じのあったかい管を20年分くらい使える」
ラタス
「ガキ3人養うのも大変で……ってそんな話ばっかしても仕方が無いな」
リリオ
自分を暗殺した場合、どのくらいの金をラタスは得たのだろう。
ユキ
「あたしのいたとこでも、たくさん子供がいるうちは大変って聞いたわ」
リリオ
僕の生首でも持って帰ったら換金できるかもな~、死ぬ気はないけど~。
こよみ
「でも子どもいると子どもはたらけるから……」
こよみ
「はたらけるようになるまではたいへんだけど……」
ラタス
なんか深刻な空気になってきたので口笛を吹いて誤魔化そうとしている。
リリオ
「譲らざるを得ないっていうか。しょうがないよね」
ラタス
リリオの観てきた下層を考えればわかることだろう。
こよみ
「こよみ、こよみべつにそんなに帰りたくないし」
リリオ
「ちなみに、だけど。
ラタスが面倒見ていた子供って、他に頼る宛はあるの?」
ユキ
ラタスは帰るし、もうこの旅も終わりに近づいている。
ユキ
道がうんと長くなって、ずっと着かなければいいのに……とか
ユキ
迷って迷って、元来た方向に引き返してしまったり。
ユキ
そんなことが起きたらいいのにな。こんなことを考えるのは正しくないけど、でも妄想くらいは許してほしかった。
ユキ
妄想したようなことは起こらなくて、きっとあと数日もしたら目的地に着いてしまうんだろう。
リリオ
「僕を殺したら、どれくらい温かい管を得られる?」
リリオ
「子供たちは、ラタスの仕事を知っていたのか?」
ラタス
「だがまあ、血のにおいでもすりゃ勘づいてるだろうよ」
ラタス
「だいたいの”仕事相手”は、おなじ下層民だ」
ラタス
「まあ、自分らと何ら変わらない奴らってことだな、殺してきたのは」
ラタス
「まあ、歳が届いてても、させるつもりはない」
ラタス
「わからなくなってくるんだよな、殺しすぎると」
ラタス
「なんで自分が生きているのか、相手が死んでいるのか」
リリオ
分からない話ではない。リリオも救世主を殺して、ここまで生きてきた。
ラタス
「ガキを3人養ってちゃ、どっちにしろ無理だった」
ラタス
「大切なものを、特別だと思うことを守るには」
ラタス
「……おれは、それを上手くやれていると、思っていたんだが」
ラタス
「この堕落の国は、身体だけ無事でも意味がないみたいなんだよな」
リリオ
「読んだけど、急用があることしかわかんなかったな~」
リリオ
「君は、そんな世界に僕達を置き去りにしようとしている」
リリオ
「でも、そういうのは明け方に抜け出す前に言って欲しかったな~」
ラタス
「知ってるか? 亡者になってしばらくは、意識が残っているらしい」
ラタス
「飛んで元の世界に戻れば、あとはたった1往復」
ラタス
「変わらず青い窓の見える庭で待つあいつらを」
ラタス
「窓の向こうに運んでやることくらいはできるだろうさ」
ラタス
「もう砂時計の砂は落ちきっているとわかっている」
リリオ
「あーあ、僕も抱かれておけばよかったかな」
リリオ
元の場所に戻って寝転がり、外套を頭から被って昼寝の姿勢。
こよみ
落ち込んでたけどさすがになんだかふたりだけの話してるな……というのを途中から察していました。
こよみ
「こよみ、まつよ、待てる、我慢できる、できるから」
ラタス
ユキがバターになったあと、こよみを同じように撫でる。
こよみ
撫でられてどんどんへにゃへにゃに溶けていきます。
こよみ
何もかも忘れていた ここが馬車の上であることも
オール
守るべき村を亡くしてさまようばかりの亡者。
ユキ
知っている相手が亡者になる、そういう経験が今までもなかったわけじゃない。
こよみ
オールのことを思い出したので、いっぱいしゅんになっています。
こよみ
盾になるのと癒やすのしかこよみはできないけど……
GM
そして強い風が吹き抜けると共に、あなたがたに巨大な影が落ちる。
[ ラタス ] 汚れた手 : 0 → -1
リリオ
日刻みの時計!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
リリオ
です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
[ リリオ ] 日刻みの時計 : 0 → 1
リリオ
やっったあああああああああああああああああああああああああああああああああああ
リリオ
ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!
[ リリオ ] ティーセット : 1 → 0
行動 ラタス5
21日目
GM
地図によれば、狂飆の頂にアプローチするにはここまでが刻限。
ラタス
「まずいな。地図に描いてあるよりも、ずっと手前にも暴風域が広がっている」
ラタス
堕落の国の荒廃に伴い、暴風域が地図を作られたころよりも広くなっている。
ラタス
辺りには木が一つも無い、滑らかな岩肌の山岳。
ラタス
すさまじい風に岩肌が削り取られて、すべすべになっている。
リリオ
「皆が行くなら、行かない訳にはいかないな~」
ラタス
「ここから先にいくってことがどういうことなのか、わかってるんだろうな」
リリオ
「生きて帰るには、誰か一人死ぬ必要がある」
こよみ
「帰って、ラタスのこどもたち、こどもたちと」
こよみ
「あるから、だからそれで、そういう話で……」
リリオ
「亡者になるって言うんだから、そうなるんじゃない?」
ユキ
あたしに思いつく程度のことをラタスとリリオが思いつかないはずがない。
ユキ
だから二人がそうするしかないと言うならきっとそうするしかなくて……。
リリオ
「こよみがラタスを殺すかどうか、僕に決めろって言ってる」
リリオ
故郷の話、ラタスから聞いた話、狂飆の頂の話をする。なんでもないことのように、世間話のように。
こよみ
ぐすぐすと鼻を鳴らし、しゃくりあげながら歩いている。
リリオ
「故郷が同じだから、説明しなくて済むこともあるし」
ユキ
「あたしたちが難しいことわかんないからってぇ……」
こよみ
とぼとぼしょぼしょぼとさり気なくラタスに寄っていきます……
ラタス
「まあ、強くなかったら選べもしないけどな」
ラタス
「もしかしたら目の前の相手も、自分も、大切な人も、助けられる方法があるかもしれない」
こよみ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛])
> 愛
こよみ
2d6+3>=7 (2D6+3>=7) >
8[2,6]+3 > 11 > 成功
ラタス
2d6-2+3>=7 (2D6-2+3>=7) >
9[6,3]+2-3 > 8 > 成功
[ こよみ ] HP : 20 → 19
ラタス
「おれたちは正しくないし、全部は選べないし、見捨てるし、切り捨てる」
ユキ
「かっこいい、ヒーローみたいになれるんだって」
ラタス
「おれは、殺す相手と自分の区別がつかなくても」
ラタス
「心が限界を迎えるまで、救世主を殺したことを」
こよみ
歩き出したラタスに、泣きながらそれでもついていく。
ラタス
進むにつれ、この世の終わりのような光景が深まっていく。
ユキ
それから自分でも涙を拭って、ラタスを追いかけた。
ラタス
地獄があるとするなら、こんな場所かも知れない。