メインフェイズ

メインフェイズ第一サイクル第一シーン

シーンプレイヤー:静居黙雷

GM
どういう雰囲気のシーンですか? シーン表ふる?
静居 黙雷
シーン表振ろうかな
静居 黙雷
ST シーン表(8) > 凄まじい人混み。喧噪。影の世界のことを知らない無邪気な人々の手柄話や無駄話が騒がしい。
GM
人混みで……!?
静居 黙雷
人混み……
GM
まあ無視してもいいよ
GM
あれかな
GM
お屋敷で
GM
お屋敷に帰って、お家の人々に色々報告して
GM
そこから自室に戻ってみたいな具合か?
静居 黙雷
そうですね~
静居 黙雷
そんな感じにします。
GM
お屋敷っぽいBGMにするか。
静居 黙雷
わ~い
GM
自室から始めます?
静居 黙雷
かる~く自室まで流そうかな
GM
はーい。
静居 黙雷
お願いします!
GM
誰か出すとか要らないかな
GM
姉とかになにか言われたかったら姉をやりますが……
静居 黙雷
あっ……じゃあやって欲しいです……
GM
はい。
GM
では静居のお屋敷の……そういう……報告のための間があるのかな。
GM
着物を着込んだ静居家の長姉が正座をして、
GM
報告に訪れた黙雷を出迎える。
GM
「黙雷さん」
静居 黙雷
長姉の前に正座し、深く頭を下げている。
静居 黙雷
「はい、姉上」
GM
ぴんと伸びた背筋。怜悧な視線。
GM
少し高くなった場所から、黙雷を見下ろすようにしながら。
GM
「志筑様のご様子は、いかがでしたか」
GM
「今日もお変わりなく?」
静居 黙雷
「ええ、ええ。本当に、本家を背負うに相応しい戦いぶりでした」
GM
厳しい眼差しが黙雷に向けられている。
静居 黙雷
いつものことだ。
GM
志筑を案ずるというよりかは、黙雷の振る舞いそのものを嗜めるような。
静居 黙雷
現在のこの家は長姉のものだ。そして自分は末子。言うなれば主と従者のようなもの。
静居 黙雷
己の主は志筑のみだと思っていても、家には姉がいる。その視線からは逃げられない。
GM
しばしその視線で無遠慮に黙雷を眺め回し、
GM
長姉は小さく息をつく。
GM
「まあ、あの志筑様のことですから」
GM
「心配することなど、そうありはしないのでしょうけれど」
GM
「黙雷さん」
静居 黙雷
あの話が来るな、と思う。
GM
「成人の儀は、もう間近に迫っています」
GM
「最後までしっかりと志筑さまのことをお守りなさいませね」
静居 黙雷
「心得ております」
GM
「それがあなたの使命であり」
GM
「あなたの能で果たせる仕事の、ひとつでありましょう」
静居 黙雷
「……はい」
GM
長姉が黙雷から視線を外す。
GM
これ以上はもはや用向きはないとばかりに、
静居 黙雷
深く、頭を垂れる。
GM
そばに置いた桐箱から何か書物を取り出して、そちらに意識を向けた。
GM
黙雷のことはすっかり黙殺している。
静居 黙雷
もう一度頭を下げ、部屋を退出する。
GM
声ひとつかからない。
GM
部屋を出で、縁側を歩けば、夜空には透き通る月。
静居 黙雷
月を見上げて、小さくため息を吐く。
静居 黙雷
最近はずっと、志筑の成人の儀についてばかりお小言を頂く。無理もない。一族の期待を一身に背負った本家の若。静居の家も無関係ではいられない。
静居 黙雷
姉達は早速見合いの候補を探している。志筑はまだ17歳だというのに。
静居 黙雷
そのような話は志筑本人が決めるべきであるし、そうでなくても本家が決めることだ、と思う。
静居 黙雷
しかし、静居の家はそうも言っていられない。少しでも静居に有利な嫁を本家に嫁がせたい。
静居 黙雷
そして、それを自分はどうすることもできない。
静居 黙雷
静かに縁側を歩き、自室へ戻る。
静居 黙雷
障子を開けて、誰もいない静かな部屋に。灯りを付けると、物の少ないがらんとした部屋が照らされた。
静居 黙雷
「……俺が若にできること、か」
静居 黙雷
そんなものはたかが知れている。自分には権力も力も、口を出す権利もない。ただ、世話役を担っているというだけ。
静居 黙雷
そして、おそらく。志筑は自分が何もしなくとも、自ら運命を切り開ける少年だ。
静居 黙雷
またひとつため息。
静居 黙雷
「やはり、あれしかないか……」
静居 黙雷
例の件について調べます。
GM
はーい 情報判定ですね
静居 黙雷
特技は対人術。
静居 黙雷
2D6>=5 (判定:対人術) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
GM
成功ですね。
GM
では情報をお渡しします。少々お待ち下さい。
GM
お送りしました。
静居 黙雷
「なっ……」
静居 黙雷
手にした書物が、ばさばさと畳に落ちる。
静居 黙雷
「そん、な」
静居 黙雷
そのまま膝から崩れ、呆然と空の両手を見る。
静居 黙雷
「俺に、できることは、何がある……?」
静居 黙雷
答えはない。答えられるものなどはいない。
静居 黙雷
気の早い虫の声だけが、部屋には響いた。

メインフェイズ第一サイクル第二シーン

シーンプレイヤー:天之韴子

GM
どういうシーンにいたしましょ。
GM
誰か呼ぶ?
天之 韴子
ST シーン表(5) > 世界の終わりのような暗黒。暗闇の中、お前達は密やかに囁く。
GM
おやおや。
天之 韴子
うーんうーん
天之 韴子
ちょっと被っちゃうけど、自宅にしようかな
GM
GM
ソロシーン?
GM
では志筑くんが登場する感じで
静寂ヶ原 志筑
はい
GM
天之家の道場かな。
天之 韴子
はい
GM
志筑が天之家の門を叩き、韴子に手合わせを申し入れるのはいつものこと。
GM
それを天之家の者が快く迎え、韴子が快諾するのもいつものことで、
GM
そのために開放された道場で、今、二人が相対する。
GM
特殊な仕掛けの施された道場で、
GM
今日のお題は暗闇での戦い。
GM
視覚の利かぬ中、しかし、彼らはお互いの姿を確かに捉えている。
静寂ヶ原 志筑
暗闇の中、木剣は正眼の構え。
天之 韴子
それに対するのは、脱力した立ち姿。
静寂ヶ原 志筑
そのさまを、気配と息遣いに視る。
静寂ヶ原 志筑
間合いを測れば、その一呼吸を読まれる。
天之 韴子
天之韴子は、決まった型を持たない。
天之 韴子
今は、たまたま修行場に置かれていた薙刀を持っているが、これも愛用の獲物というわけではない。
静寂ヶ原 志筑
薙刀の間合いは、木剣よりも長い。
しかし志筑はその間合いを一足に詰める。
静寂ヶ原 志筑
音のない突きの閃き。
天之 韴子
「よっ」
天之 韴子
突きを持ち手ではたく。
天之 韴子
突かれた勢いで弾かれるようにくるりと薙刀は回り、志筑の鼻先へ。
静寂ヶ原 志筑
叩かれた剣に乗った体重のまま、地を這う姿勢。
静寂ヶ原 志筑
そこから一気に跳ね上がる。
静寂ヶ原 志筑
目の前を過ぎていく一閃を空気で感じて、逆袈裟。
天之 韴子
同じように、べったりと姿勢を低くして躱す。
天之 韴子
足元へと薙ぎ。
静寂ヶ原 志筑
躱さずに剣で受ける。一瞬の拮抗。
静寂ヶ原 志筑
巻き上げるように払って、さらに一歩踏み込む。
静寂ヶ原 志筑
至近距離から、横薙ぎにしようとして。
天之 韴子
「んっ」
天之 韴子
弾かれ、両手で持っていた薙刀を片手でなんとかキャッチする。
天之 韴子
そんな隙だらけの姿に打ち込まれた横薙ぎは、しかし手応えがなく、擦り抜けるように通り過ぎていった。
天之 韴子
実体のない韴子の姿がぶれる。
天之 韴子
横からは音もなく手刀。剣を持った手首へ。
静寂ヶ原 志筑
右手を打たれ、がらん、と木剣が落ちる。
落ちたそれを一顧だにせず、左手の裏拳が韴子の頬を狙う。
天之 韴子
掌で受け止めつつ、後ろへと下がって闇の中へ。
天之 韴子
その手に薙刀はない。先ほどの幻のあった場所に浮かんでいる。
天之 韴子
それが落ちるまでの時間は、ひどく長かった。
天之 韴子
暗闇と静寂の中、風の刃が飛ばされる。
静寂ヶ原 志筑
「ッ!」
静寂ヶ原 志筑
懐から二本、棒手裏剣。一本で受け、一本を投げ放つ。
静寂ヶ原 志筑
風切り音の交錯。
天之 韴子
「っととっ」
天之 韴子
かきん、と無機質な音。
天之 韴子
弾かれたとはいえ、その手裏剣は確かに韴子の位置を捉えていた。
天之 韴子
「はは……!」
天之 韴子
嬉しそうな声が、位置を変えながら部屋に響く。
天之 韴子
「志筑」
天之 韴子
「もう一回、鎌鼬!」
天之 韴子
「今度は本気でやるよ!全力で避けてね!」
天之 韴子
*忍法修業 功績点3を使用して鎌鼬を強化します
GM
了解しました。以降韴子の鎌鼬に対する回避判定に-1の修正がつきます。
静寂ヶ原 志筑
「……来い!」
天之 韴子
闇から放たれる風の刃。
天之 韴子
先程と同じもの。素早く静かな一閃。
天之 韴子
だが一撃ではない。
天之 韴子
風が、雨のように降り注ぐ。
静寂ヶ原 志筑
鋼の手裏剣一本を頼りに、バックステップしながらそれを避け、往なし。
静寂ヶ原 志筑
しかし追いつかない。
静寂ヶ原 志筑
びっ、と肌が裂ける。
静寂ヶ原 志筑
手傷を負いつつ下がって、気づけば壁際に追い込まれている。
天之 韴子
「志筑」
天之 韴子
声が響く。その場所は、すぐ近く。
天之 韴子
目の前から手が伸びて、志筑の頭へと乗る。
天之 韴子
「つかまえたっ」
静寂ヶ原 志筑
「…………」
静寂ヶ原 志筑
「……捕まった」
天之 韴子
風が止む。
天之 韴子
「勝ちっ」
GM
ぱ、と道場が明るくなって、
GM
二人の姿が映し出される。
GM
風に衣服と肌とを裂かれた志筑と、無傷でその前に立つ韴子の姿が。
静寂ヶ原 志筑
「……お前の勝ち」
天之 韴子
「痛くない?」
静寂ヶ原 志筑
「いつものことだろ」
天之 韴子
「今までで一番苦戦した」
静寂ヶ原 志筑
「そう?」
天之 韴子
「うん」
天之 韴子
「正真正銘、さっきのが本気の本気」
静寂ヶ原 志筑
「……ま、それでもまだ足りないな」
静寂ヶ原 志筑
「傷くらい付けてやりたい」
天之 韴子
「きっと、もうすぐだよ」
静寂ヶ原 志筑
「いや。お前も止まっちゃいないだろ」
天之 韴子
「……もうすぐだよ」
天之 韴子
「何年も一緒だったけど……」
天之 韴子
「もうすぐ、成人の儀だ」
静寂ヶ原 志筑
「……だな」
天之 韴子
「それまでに勝つんでしょ?」
静寂ヶ原 志筑
「ああ」
静寂ヶ原 志筑
「でも、お前に足を止めてほしいわけじゃない」
静寂ヶ原 志筑
「なんでもいいから勝てば良いわけじゃないんだ」
天之 韴子
「当然」
天之 韴子
「成人前に、残るような傷なんてできちゃったら困るし」
静寂ヶ原 志筑
「残ったら謝るよ」
天之 韴子
「それだけ?」
静寂ヶ原 志筑
「何」
天之 韴子
「んー」
天之 韴子
「なんでもない。志筑こそそんなこと気にして手を抜いたりしちゃだめだよ」
静寂ヶ原 志筑
「手ぇ抜いて勝てるわけないだろ……」
天之 韴子
「そうだぞ!」
静寂ヶ原 志筑
「それに」
静寂ヶ原 志筑
「傷のひとつやふたつで、お前の何かが変わるわけじゃないよ」
天之 韴子
「っふふ」
天之 韴子
「そういうかっこいい事は、傷をつけてから言ってもらいたいね」
静寂ヶ原 志筑
「……でっかい傷つけてやろうか?」
天之 韴子
「うん」
天之 韴子
「言ったでしょ。全力で」
天之 韴子
「まあ、避けるけどね!」
静寂ヶ原 志筑
「言ってろ」
天之 韴子
迫る成人の儀。
天之 韴子
それまでに自分へと食らいつこうとする志筑。
天之 韴子
それを見守る黙雷といよ。
天之 韴子
そして、自身の使命。
天之 韴子
「…………」
天之 韴子
いつまでも子供ではいられない。
天之 韴子
確かめておきたい気持ちがある。
天之 韴子
時からは逃げられない。だから、そろそろ向き合わなければいけないのだ。
天之 韴子
*情報判定 志筑くんの秘密!
GM
特技はいかがいたしましょう!
天之 韴子
*鎌鼬のシーンだったので縄術でいいですか
GM
いいと思います。判定をどうぞ。
天之 韴子
2D6>=5 (判定:縄術) (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
GM
成功ですね。絆により韴子さんに愛情を抱いているため、いよさんにも情報共有で渡ります。
GM
二人にお送りしましょう。少々お待ち下さい。
GM
お送りしました。
天之 韴子
「……」
天之 韴子
頭を撫でる。
天之 韴子
「志筑は、頑張ってるね」
静寂ヶ原 志筑
「そりゃな」
天之 韴子
「……待ってるからね」
天之 韴子
幼い頃からずっと。
天之 韴子
目標と定めた期限までは、あと僅か。
静寂ヶ原 志筑
「……待たなくてもいいぞ」
静寂ヶ原 志筑
「勝手に追いつくし」
静寂ヶ原 志筑
「追い抜く」
天之 韴子
「うん」
天之 韴子
彼に触れて、その本音が伝わってくる。
天之 韴子
それは、たまらなく嬉しい事のはずなのに。
天之 韴子
「……じゃ、今日はここまでかな!またいつでも来てね!」
天之 韴子
その顔を、真っすぐ見ることはできなかった。