メインフェイズ第一サイクル第三シーン
シーンプレイヤー:雨野いよ
雨野 いよ
黙雷くん呼びます。シーン的には二人が手合わせしてから学校いった後くらいがいいですね
GM
いよさんから静居の家に赴くのか呼び立てるのか、あんまり関係ない場所なのか。
GM
結構普段からちょくちょく来てそうな感じかな?
GM
そういう距離感な感じしますよね。珍しい訪問とかじゃなくて。
雨野 いよ
友人としても世話役としても珍しいことではないでしょうね
GM
あんま早すぎても失礼だからお昼時とかですかね。13時とか。
GM
静居のお屋敷に雨野のお家からの訪問者となればそれなりの対応がありまして、
GM
いつものとおりに客間に通されて黙雷さんを待ついよさん、という感じか。
GM
お茶も出る。まあまあいい感じのお茶菓子なども出る。
雨野 いよ
そこまでしなくてもいいのにな、と思っています。
雨野 いよ
「いつもいいものを出してもらってしまってすみませんね」
静居 黙雷
「それはお互い様だ。俺がお前の家に行った時は、水道水でいいのに」
雨野 いよ
「出すときにはちゃんと冷えてますからね」
静居 黙雷
いよが茶や茶菓子に手を付けられるよう、少し遅れて来たのだが。もう少しゆっくり準備した方がよかったかもしれない。
雨野 いよ
茶と茶菓子に手を付けていないのは、ただ友人として訪ねてきただけではない。
静居 黙雷
そんな事を思いながら、肘をついて髪をいじる。姉達や志筑、韴子の前ではこんな姿は見せない。
静居 黙雷
頬杖を外して、少しだけ姿勢を正す。とは言ってもラフな体勢のまま。
静居 黙雷
「成人の儀がどうした? 何か不備でもあったか?」
雨野 いよ
「いや、特に遅れも不備もないですよ。準備もほとんど整っていますし」
雨野 いよ
その口調はいつものまま。あくまで外向きの口調のまま。
雨野 いよ
「成人の儀が終われば”世話役”の役目も終わりになりますから、改めてご挨拶をと思いまして」
静居 黙雷
「お互い長いこと務めたものな……。長いようで、あっという間の時間だった」
雨野 いよ
「ええ、長いような短いような……。韴子様も志筑様もついこの間まで小学生だったはずなんですが……」
静居 黙雷
「ああ、ああ。覚えているとも。お二人とも、こおんなに小さかった」
言いながら、手で高さを示す。小学生どころではなく、乳児の背の高さ。
雨野 いよ
「そうそう、あの頃は韴子様ももっとやんちゃで困ったものですよ。二人してよく物を壊したりいたずらしたり」
静居 黙雷
「それは聞き捨てならないな。若は赤ん坊の頃から真面目で聞き分けのいい子だったぞ」
雨野 いよ
「赤ん坊のころから志筑様はまじめだったのか……」
雨野 いよ
「まぁ韴子様の可愛らしさは赤子の頃から一線を画していましたけどね」
雨野 いよ
思い出話はいつまでもできる。
それでも時は流れ、成人の儀はやってくる。
雨野 いよ
「どちらにせよ成人の儀が終われば俺は家の筆頭として動かなければなりませんから」
雨野 いよ
「韴子様と志筑様の進路によっては、こちらの家の者に指示を出してもらうこともあるでしょう」
雨野 いよ
「もちろんお二人とも同じ進路とは限りませんが、志筑様の傍にはおられるのでしょう?」
静居 黙雷
「俺程度の能でできる仕事に何があるのやら」
静居 黙雷
「……分かっていることとしては、成人の儀の後に結婚する、というくらいだ」
雨野 いよ
「……それに関して、俺が何かを言うことはできませんが」
雨野 いよ
小さく嘆息し、正座していた足を崩し胡坐を組む。
雨野 いよ
「いや、俺がいなくなっても後を頼む!って言いに来たら、大変な話をするからつい」
雨野 いよ
いままでとうって変わって気軽な調子で話し始める。
雨野 いよ
「いやぁ、あんまり表を簡単に出歩けなくなるし……もし志筑様に不本意なことなら、相談してくれれば圧力かけるし」
雨野 いよ
そんな直接的に圧力をかけられるような関係ではもちろんない。
静居 黙雷
「言われずとも、若に不本意なことがあればあらゆる手段を取るさ」
静居 黙雷
「……そうか、表を簡単に出歩けなくなるんだな」
雨野 いよ
「まぁ、ね。うちの筆頭見たことほとんどないだろ?」
雨野 いよ
「まぁ家のことを好きに動かせるようになったらやりたいようにするさ」
静居 黙雷
「お前が筆頭になった雨野家か。どうなるか見ものだな」
雨野 いよ
「そうだな。韴子様と、志筑様ともっくんと……この順でもっくんって言うとなんか変だな」
雨野 いよ
「まぁ三人が揃ってるところに、俺だって早く戻りたいからさ」
雨野 いよ
「だからちっとだけさ、任せられてよ。”世話役代行”みたいな。正式な役目じゃないけど」
静居 黙雷
「お二人はいつまでも子供じゃない。成人の儀を迎えれば、立派な大人だ」
静居 黙雷
「俺は志筑様のお目付け役の任を終え、家が決めた相手と結婚し、次は家庭を守ることになる。別のお役目も与えられるはずだ」
静居 黙雷
「いよの気持ちは分かるが、いつまでも保護者ではいられないよ。俺達も子離れしなければならない」
雨野 いよ
「……いつまでも子供だと思ってたんだけどなぁ」
静居 黙雷
「俺達の使命は、お二人が成人するその日まで、お守りすること……。それで、終わりなんだよ」
静居 黙雷
「その日までは……何があってもお守りしなければならない」
静居 黙雷
「……とはいえ、お二人とも十分にお強いから、やることがないんだがな」
雨野 いよ
静居 黙雷 を目標に感情判定を行います。
雨野 いよ
2D6>=5 (判定:対人術) (2D6>=5) >
10[4,6] > 10 > 成功
雨野 いよ
ET 感情表(5) >
憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
静居 黙雷
ET 感情表(1) >
共感(プラス)/不信(マイナス)
静居 黙雷
「お前は……、韴子様のためなら何でもするだろうと思う」
静居 黙雷
「しかし、何でもというのは……、どこまで許されると思う?」
静居 黙雷
「……許されなかったらヘコむ人全員、かな」
静居 黙雷
「俺なら、3人から許されればそれでいい」
雨野 いよ
「……どうだろうな、韴子様も志筑様ももう子供じゃあないからな」
雨野 いよ
「その時は、もっくんが後悔しないところまでやればいいんじゃないか?月並みだけど」
静居 黙雷
ため息を吐いて、胡座を組んでいた足を投げ出した。
静居 黙雷
「……なぁ、いよ。なら代わりに言おう」
静居 黙雷
「俺は、お前が悩んで選んだことなら、その選択を肯定するよ」
静居 黙雷
「その結果、俺が何をするかは分からないがな」
雨野 いよ
「……代わりに、ね。代わりに。……その選択肢が同じ方向を向いてることを祈るよ」
雨野 いよ
「さて、ちょっと長居しすぎたな。この茶菓子もらってってもいい?」
静居 黙雷
「よし、じゃあこっそり拝借してこよう。たしかあのあたりに……」
静居 黙雷
使用人に言えば用意されるだろうが、わざわざ二人でこそこそと茶菓子を拝借した。いよは、2人分より少し多い茶菓子を手に入れただろう。
雨野 いよ
茶菓子を手土産に静居の屋敷を後にする。
GM
ふたりの子どもを見つめて、ふたりそれぞれに歩んできた。
GM
子どもが大人になれば、その道も分かれることを知って、
メインフェイズ第一サイクル第四シーン
シーンプレイヤー:静寂ヶ原志筑
静寂ヶ原 志筑
ただ他のお二人も希望があれば出ていただいて大丈夫ですよ。
静居 黙雷
もっくんはいたらおかしい感じになると思うので、出ないでおきましょう。
静寂ヶ原 志筑
中間テストは先日終わり。
ほどなく進路希望にかかる実力テストがやってくる。
静寂ヶ原 志筑
志筑も韴子も、成績は良いほうだ。
それでも時折互いの部屋を行き来して、勉強会のようなことをする。
天之 韴子
フローリングの床に白い壁。グレーのカーテン。タモのコーヒーテーブルにはたくさんの紙と参考書が広げられている。
静寂ヶ原 志筑
こちらも、シャープペンシルがかりかりと。
静寂ヶ原 志筑
基本的には静かな部屋で、時たま、解法を相談したり。
静寂ヶ原 志筑
二時間ほども、そのようにして時が進み。
ノートを開いたまま、ふと空気が緩む瞬間がある。
静寂ヶ原 志筑
「お前、ばっちりしか言わないからな……」
天之 韴子
「しょーがないじゃん。ばっちりなんだから」
静寂ヶ原 志筑
「はいはい、聞いたおれが悪かったよ」
天之 韴子
韴子は成績優秀で、問題に行き詰る事はない。
天之 韴子
大学に入ろうと思えばどこへでも行けそうなものであったが。
静寂ヶ原 志筑
「夏休みの前に進路指導あるだろ。結局まだ決めてないのか」
静寂ヶ原 志筑
「別に、表の学校に限ったことじゃなくても」
静寂ヶ原 志筑
「先のことあんまり決めてないだろ、お前」
静寂ヶ原 志筑
「天之の家って、そういうとこあんまりうるさくないの?」
天之 韴子
「ちょっと大変そうなんだよね。学校通いながらだと。両立が」
天之 韴子
「とりあえず、就職でもいいかなって。勉強も十分楽しめたし」
天之 韴子
「なるようになってきたからね。今回も、待ってればいい感じに望む結果になるよ、きっと」
天之 韴子
「夢も、やる事も、望んでることも、私はちゃんと決まってる」
静寂ヶ原 志筑
「ただ、実習とかな……時間が……」
静寂ヶ原 志筑
「やると決めたらやるし、できるかどうかはちゃんと考える」
静寂ヶ原 志筑
「半端にしたくないから、本当にやるかどうか、考えてはいるけどな」
天之 韴子
「だから志筑は、私にずっと構ってくれる」
天之 韴子
「こうと決めたら一直線で、途中で投げ出したりしなくて」
天之 韴子
「ただ勢いで挑むだけじゃなくて、ちゃんと考えながら実現させようとする」
静寂ヶ原 志筑
「まあおれは、したいことしかしないからな」
静寂ヶ原 志筑
「おれはなんでもできるわけじゃないから、……したいことは、ちゃんと選んで、ちゃんと力を尽くしたい」
静寂ヶ原 志筑
「お前だって、やりたいことがあったら頑張るだろ」
天之 韴子
「そうかな。楽しい事をやってるだけだけど……」
天之 韴子
「って、同じようなこと、志筑も言ってたね。しまった」
天之 韴子
「やりたいことを頑張るの、楽しいからね」
天之 韴子
「人は何でもできるわけじゃ、ないからねー……」
静寂ヶ原 志筑
指先が、重ねた参考書の中から医大向けの過去問集を探る。
静寂ヶ原 志筑
真面目に取り組むようではなく、手慰みのように。
静寂ヶ原 志筑
「おれがお前に勝てるようになったら」
静寂ヶ原 志筑
「勝ったり負けたりは、たぶんもっと楽しい」
天之 韴子
「大人になってからも構ってくれるんだ?」
天之 韴子
「もしかしたら凄い大物になってて、なかなか会えなくなっちゃうかもよ?」
静寂ヶ原 志筑
「しばらく会えなかったらって何か変わるか?」
天之 韴子
「大人になったら、みんな違う道に行っちゃう」
天之 韴子
「志筑だけじゃない。いよさんにももっくんにも……気軽には会えなくなるんだろうなとか、立場も変わるんだろうなとか考えるとね」
静寂ヶ原 志筑
「……道が違っても、立場が変わっても」
静寂ヶ原 志筑
「大切にしたい気持ちくらい、変えずに持ってたっていいと思うぞ」
静寂ヶ原 志筑
「続けたいと思って、続けるために努力しろ」
天之 韴子
「志筑がずっとかっこよくないと飽きちゃうかもしれないし。もっと強いライバルが出てくるかもしれないし?」
天之 韴子
「ちゃんと捕まえといてくれないと、再戦や再会だって、できないかもしれない」
天之 韴子
「もちろん、志筑には絶対会うよ。大人になっても一緒にたくさん遊ぼう」
天之 韴子
「そのときは、何でもできる大人になってる」
静寂ヶ原 志筑
「なんでも、は無理でも……まあ、色々」
雨野 いよ
それは部屋の前で止まり、一拍おいてからドアをノックする。
雨野 いよ
「失礼します。お茶とお茶菓子をお持ちしました」
雨野 いよ
その手には和菓子と洋菓子。紅茶と緑茶。
2人が好きなように選べるよう、それぞれ2つずつ。
雨野 いよ
志筑の前にはきんつばが、韴子 の前にはマカロンが配膳される。
雨野 いよ
「そうですか?ではお言葉に甘えまして……」
雨野 いよ
腰を下ろし、志筑には緑茶を、韴子 には紅茶をそれぞれ好みに合わせた状態で提供する。
雨野 いよ
「ああ、俺は今はいただけませんから。あとで黙雷さんといただきますよ」
天之 韴子
「いよさんにお茶入れるの、やりたかったなー」
静寂ヶ原 志筑
「お前あとでどうせきんつばもおいしいって言うだろ」
雨野 いよ
「大丈夫ですよ、たくさんありますから。志筑様もマカロンお持ちになってください」
静寂ヶ原 志筑
窓の外で日は傾いて、なんとなく、休憩というよりは緩やかにお開きの空気になってくる。
重ねたノートと、過去問集を閉じて。
静寂ヶ原 志筑
「おれのことも。大人になっても構ってくれるか」
静寂ヶ原 志筑
じゃあ言霊術で。未来の話を言靈していくぞ!
静寂ヶ原 志筑
2D6>=5 (判定:言霊術) (2D6>=5) > 9[4,5]
> 9 > 成功
静寂ヶ原 志筑
ET 感情表(5) >
憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
天之 韴子
ET 感情表(1) >
共感(プラス)/不信(マイナス)
天之 韴子
「……もちろん。ずっと仲良くしようね」
静寂ヶ原 志筑
かすかに笑って、机の上を片付ける。
静寂ヶ原 志筑
「じゃあ、お邪魔しました。またな」
雨野 いよ
「いえいえ。またいつでもお越しください」
静寂ヶ原 志筑
これからもきっと同じであるように。
◆マスターシーン