メインフェイズ第三サイクル第一シーン
シーンプレイヤー:静居黙雷
静居 黙雷
ST シーン表(5) >
世界の終わりのような暗黒。暗闇の中、お前達は密やかに囁く。
静居 黙雷
他の人も出れそうなら出てきて大丈夫です。
GM
どんな感じがいいのかな。志筑くんの朝の鍛錬の後とか?
静居 黙雷
そうですね、そんな感じでお願いします。
GM
そこで息づく者たちに恵みの光を降り注がせて、
静寂ヶ原 志筑
まだ暗い明け方の走り込みから始まって、素振り、型稽古。
静寂ヶ原 志筑
一人黙々とこなして、そうしてすっかり日の昇った頃に息をつく。
静居 黙雷
志筑が一息付いた頃合い。スポーツドリンクを片手に現れる。
静居 黙雷
「おはようございます、若。精が出ますね」
静居 黙雷
「いやはや、本当に大きくなったものです」
静居 黙雷
「ついこの間まで、そこの縁側にも登れないような背丈でしたのに」
静居 黙雷
成人の儀では勝てそうか?と聞きたいところを、曖昧に尋ねる。
静寂ヶ原 志筑
「良くも悪くもない。あんまり振れ幅はないほうがいいし」
静居 黙雷
縁側に腰掛ける。もうしばらくはクールダウンの時間だろう。少しくらい話す余裕はあるはずだ。
静寂ヶ原 志筑
縁側に向かう黙雷にタオルを渡して、ストレッチを始める。
静居 黙雷
タオルを受け取った後、少年のしなやかな動きを見る。
静居 黙雷
「若、お尋ねしてもよろしいでしょうか」
静居 黙雷
「好きな順に並べると、誰がどの位置でしょう?」
静居 黙雷
「あ、黙雷が最後でも拗ねませんので、ご安心を」
静寂ヶ原 志筑
「でも、大切にしたいと思うのは韴子だ」
静居 黙雷
「ですが、私が聞きたかった答えとは違いますね」
静居 黙雷
立ち上がり、若葉が茂る庭の木を見上げる。小さい頃の志筑はこんな低い木に登ることすらできなかったが、今では母屋すらひとっ飛びだ。
静居 黙雷
「私が聞きたかったのは、好きな順番……。逆に言うと、相対的にどうでもいい相手は誰になるか、ということです」
静居 黙雷
「成人の儀の後、おそらくは誰かがいなくなるでしょう」
静居 黙雷
「若は本当に、まぶしいくらい真っすぐに育ちました」
静居 黙雷
「あなたは、誰かがいなくなることを良しとするのか。それとも、周囲の人間を置いていくことを良しとするのか」
静寂ヶ原 志筑
「おれは、おれを大切にしたいと思ってくれているひとのことを、たぶん何人も知ってる」
静寂ヶ原 志筑
「おれがいなくなったら、泣くひとがいるな」
静寂ヶ原 志筑
「おれは、それでも、おれのやりたいことをやるのが……そういうひとたちが好いてくれている、静寂ヶ原志筑じゃないかなと思う」
静寂ヶ原 志筑
「生きていてほしいと望まれるおれでいるためには」
静居 黙雷
「いやはや、否定したいところですが……、否定できる材料が見当たりませんで」
静居 黙雷
「私は若が何を選ぼうと、何をしようと、生きていて欲しいと思っていますよ」
静寂ヶ原 志筑
「ほんとうは、いちばん大切なのもお前だと言ってやりたいけど」
静寂ヶ原 志筑
「そうじゃなくても許してくれると思って、……おれは、黙雷に甘えてる」
静居 黙雷
「一番好きだと言って頂けるだけで、身に余る光栄ですとも」
静居 黙雷
「一番好きなのも韴子様だと言っても、拗ねたりはしませんよ」
静居 黙雷
早朝の爽やかな風が、木と、草と、二人の髪を揺らした。
静居 黙雷
「黙雷は……、韴子様がシノビガミに成るお手伝いをさせて頂くつもりです」
静居 黙雷
「私が自分でやりたいと思ったことが、若と違う道なのは残念ですが……」
静居 黙雷
「若と手合わせをするのは、随分と久しぶりのことです」
静居 黙雷
「悲しくはあります。苦しくもあります。でも、すこうしだけ楽しみなのですよ」
静居 黙雷
「お互いに、悔いのないよう頑張りましょう」
静居 黙雷
感情判定を行います。対象は静寂ヶ原志筑。
静居 黙雷
2D6>=5 (判定:対人術) (2D6>=5) > 5[2,3]
> 5 > 成功
GM
ぴったりだ。ETを。黙雷さんも振ってください。
静居 黙雷
ET 感情表(1) >
共感(プラス)/不信(マイナス)
静寂ヶ原 志筑
ET 感情表(3) >
愛情(プラス)/妬み(マイナス)
静居 黙雷
ああ~~~~~~~どうしよ いやでもこの流れだと共感も変ではないんだよな
GM
黙雷は共感、志筑は愛情。OK。続けてどうぞ。
静居 黙雷
それと、いよさんの秘密も共有しようかな。
【秘密:雨野 いよ】
あなたは現代のシノビガミである。
あなたは、成人の儀が天之 韴子が完全無欠のシノビガミへと為るための儀式であることを知っている。
しかし、まだまだ若い天之
韴子にこのような重荷を背負わせてしまうことを申し訳なく思っている。
あなたはプライズ『天帝の眼』を所持している。
【設定:天帝の眼】
全てを見晴かせると言われる眼。
それを受け継ぐことが出来るのは、神の血を継ぐ者だけである。
このプライズには秘密があり、それを調べられるのは所持者のみである。
GM
むしろより強固なものとして、互いを繋ぎ留める感情がある。
GM
それを尊ぶように、空に坐す太陽は眩しかった。
メインフェイズ第三サイクル第二シーン
シーンプレイヤー:雨野いよ
雨野 いよ
いけます。朝食のシーンで、天乃家でいいですか
雨野 いよ
朝。いよは天之家を自由に出入りできる。
世話役として当たり前のことであり、韴子と二人だけで朝食をとるのもいつもの光景である。
雨野 いよ
テーブルの上には今日は洋食。
トーストにハムエッグ。グリーンサラダに牛乳やオレンジジュースなど。
分量と栄養バランスを考えた献立が並ぶ。
天之 韴子
韴子は朝が早い。しゃっきりと目覚め、手際よくしたくを済ませて食卓へとつく。
雨野 いよ
韴子が食卓についたことを確認し、自分も席に着き手を合わせる。
雨野 いよ
2人だけの食事ではいつもマスクを外して一緒に食事をとる。
天之 韴子
「おいしいっ」一口食べて、いつもの言葉。
雨野 いよ
「わ、よかった~。高級食パンっていうのが流行ってるみたいでね、買ってきたんだ」
雨野 いよ
「2,3回食べたら作れるようになると思う」
天之 韴子
「あ、隣駅のいっつも行列出来てるとこ?学校でも話題になってたよ」
雨野 いよ
「何人か制服の子もみかけたよ。先生にばれなきゃいいけど」
天之 韴子
「一度食べてみたかったんだ。嬉しい!」
雨野 いよ
「ふーこにそんなに喜ばれると私も嬉しくなっちゃうな~。甲斐があったよ」
天之 韴子
山ほどあった、やるべき事、やりたかった事が、少しずつ埋まっていく。
天之 韴子
自分の手で埋めることもあれば、こうして周りの大切な人が埋めてくれることがある。
天之 韴子
少しずつ埋まって、大人になるまでに0にする。
雨野 いよ
ひとつひとつ、思い残すことが消えていく。
雨野 いよ
手放せないものができてしまったから、そのためにやっておくことを整理する。
雨野 いよ
特別な秘密のために、自分ができることへ後悔のないように。
雨野 いよ
おそらく韴子は私の秘密を知っている。
成人の儀についても。天帝の眼についても。
雨野 いよ
「ふーこと、私と、志筑様と、もっくんで」
雨野 いよ
「家から。お役目から。世話役から。成人の儀から」
雨野 いよ
「逃げる先は、ここじゃないどこかならどこでもいいよ」
天之 韴子
「クラスにさ、気の合う友達がいるんだ」
天之 韴子
「掛け合いのテンポが合う子。一緒にいるだけで満たされる子。見習いたくなるぐらい優しい子、面白くてずっと見てられる子、かっこいい子、頭いい子。いっぱいいる」
天之 韴子
「前の学校の同級生とも、まだ付き合いが続いてるし」
天之 韴子
「小学校の頃、修行の時に一緒した比良坂の子たちにも……今でもお世話になってるし」
天之 韴子
「静家と天家にも、いい人はいっぱいいて」
天之 韴子
「商店街のおじちゃんおばちゃんもまだまだ長生きしてほしいし……」
天之 韴子
「人の世界、長く居すぎちゃったよ、私」
雨野 いよ
韴子の口から紡がれる世界は、韴子が生きてきた世界。
雨野 いよ
これからも広がる世界。私の、家と、韴子と、志筑様と、もっくんだけの世界より、はるかに広く大きい。
雨野 いよ
「……居すぎる、なんてことないよ。居たいだけいたらいい」
雨野 いよ
「志筑様だってふーこに居なくなってほしくない。ふーこのお友達だって、同期の比良坂の子だって、町の人たちだって」
雨野 いよ
「もちろん私だって、ふーこが居なくなるなんて考えられない」
天之 韴子
「いよちゃんも知ってるでしょ? 私だって、いよちゃんが居なくなるのはやだよ」
天之 韴子
自分の弱い部分を、自分の格好悪い部分を、自分の恥ずかしい部分を、一番知るのは、目の前に居るこの人だ。
天之 韴子
お互いの事を知っていて、お互いの事を分かっていて、だけれど、それでも確かめなければいけない事もある。
雨野 いよ
「私は、私のやるべきだってことをする」
雨野 いよ
「多分ふーこが考えてる通りのことだよ」
雨野 いよ
「どうかな、ふーこにも予想がつかないことかもね。全部終わっても、そう言ってくれると嬉しいな」
天之 韴子
「私にとって一番大切なのはいよちゃんだから」
天之 韴子
「もし、世界でたった一人だけ、守れる人がいるとしたら……」
雨野 いよ
「それ以上に嬉しいことは、ないなぁ!」
雨野 いよ
「一番嬉しいのもらっちゃった。なんか恥ずかしいな」
天之 韴子
「いよちゃんは……こんな事、言われたくないかもしれないけど」
天之 韴子
「私、ずっと長いこと、いよちゃんのことを縛ってきたから」
天之 韴子
「いよちゃんには自分の幸せを掴んで欲しいんだよ」
雨野 いよ
今すぐに、そんなことないよって言えたらどれだけいいだろう。
雨野 いよ
いうことは難しくない。ほんとうのことにやさしい嘘をかぶせるだけ。
雨野 いよ
大人になったらわかるようなことを、ちょっとお姉さんのつもりで。
雨野 いよ
「……一緒に逃げられたらよかったのにね」
雨野 いよ
できるのは、ちょっとだけあきらめること。
雨野 いよ
情報判定 天之 韴子の秘密を抜きます。
雨野 いよ
2D6>=5 (判定:対人術) (2D6>=5) >
4[1,3] > 4 > 失敗
雨野 いよ
韴子はとてもいい子だ。とても優秀で、明るくて、何でもできて、感情が素直に出せて。
雨野 いよ
それは私から見てもそう。韴子の両親より、私の方がわかってる。
雨野 いよ
それでも、私でもわからないところはたくさんある。
雨野 いよ
韴子が話したくないならそれでいいと思ってきた。
雨野 いよ
私だって、秘密にしていた……秘密にできているつもりでいたことはたくさんある。
雨野 いよ
「おしゃべりしすぎちゃった。もう行かないと」
天之 韴子
「朝ごはんごちそうさまでした!いつもありがとっ」
雨野 いよ
「いってらっしゃい、ふーこ。気を付けてね」
天之 韴子
それは、心の内側から扉を叩くような感触だった。
天之 韴子
開けてほしいという叫び。知って欲しいという叫び。
天之 韴子
今日も、何も聴こえなかったことにする。