プロローグ
GM
情緒が爆発したお二人は二日酔いかもしれませんね。
ともあれ、依頼の話を口頭で説明したら、応接室に招かれます。
虎幡 椿
三津原さんのこともあとで元気にしてあげよう。
役人
子豚のほうの公爵夫人の末裔が、資料を抱えております。
みなさまをソファーに座るようすすめ……
役人
「早速ですが、此度の依頼のお話をさせていただきますね」
三津原 耀
一応聞いてるけどまあ浩紀さんに任せときゃ大丈夫っしょ……
役人
「今回、救世主さまにはですね、この本の調査をしていただきたいのです」
役人
一冊の本を取り出し、テーブルの上に置きます。
GM
32ページほどの厚さで、光沢のある表紙に
『××しないと出られない部屋 はちみつメロン』
と書かれています。
乾野 浩紀
堕落の国でこんな印刷できるものか……?
役人
「こほん。救世主絡み、というのは間違いありません」
GM
数日前、公爵家が付近の村で救世主の所有物と推測されるこの本を発見。
GM
なんと、読んだ者の姿が消えて戻ってこない、という異常事態が発生してしまったのです。
乾野 浩紀
大変な話だな、と思いました。(感想文)
GM
最初に一人消え、更にもう一人消え、こいつはやばいと確信。
役人
「これが救世主の異能であれば、対処できるのは救世主のみ……」
役人
「というわけで、調査を……あと、できれば消えた調査員の救出をお願いしたいのですが」
三津原 耀
いつもならもっと前のめりだけど、今朝はテンション低め。
虎幡 椿
「救世主にも会えそうっすよね。そろそろ期限もリセットしたいなー」
乾野 浩紀
報酬の額に釣られたようなもんだけど、幸いまだ懐には余裕があるんだけど。
三津原 耀
「助けたって恩売っとくのもいいでしょ」
乾野 浩紀
「ここまで来ておいて引き返すのもな……」
役人
「お金はこれだけご用意しました」
袋にどっさり。
GM
亡者退治で稼ぐよりよっぽど効率が良いですね!
役人
「ありがとうございます。救世主さまが三人もいらっしゃるなら希望が見えてきます」 ほっと一息。
乾野 浩紀
前請けた、あの……亡者の蔓延る下水道の捜索だとか……
乾野 浩紀
あれよりひどいことには……そうそう……
役人
「本は持ち出し禁止ですので、この部屋で閲覧なさってください」
乾野 浩紀
「……読んだら姿が消えるんだな?」一応確認しておきます。
GM
役員はさっと退室します。
もういつでも開いて大丈夫。覚悟さえ決まれば。
三津原 耀
浩紀さんがいやになってる間に椿に体調をいい感じにしてもらいました。
乾野 浩紀
てらてらと光る薄い本へと胡乱げな視線を向けます。
虎幡 椿
「救世主の能力っぽいですよね~。じゃあ、見たこともない場所かな!?」
GM
PP加工だけど表紙が逸れていない、しっかりとした作りですね。
虎幡 椿
しっかり度を評価できる奴がこの場にはいない かわいそう
乾野 浩紀
まだ現代日本から来てるだけマシだからな
GM
日本人がいるなら文字が読めます ともしてたんですが 全員たぶん読める……
三津原 耀
「本っていうかノートだな~この薄さ……」
虎幡 椿
「まあ、じゃあ、さっさと開いちゃいましょ」
GM
三津原さんが開くと、その瞬間景色がぐんにゃりと歪み……
GM
直後に、ベッドやテーブル、ソファなどが一通り揃えられた、豪奢な一室に切り替わります。
乾野 浩紀
なんだろうというか……流石に見覚えはあるというか……
三津原 耀
堕落の国ではなかなか見かけない色彩に目がびっくりした。
GM
知ってる人は知ってるかもしれない、ラブとかカジュアルとか そんなホテルっぽい一室です。
三津原 耀
知ってる……めっちゃ知ってるんだけど……。
乾野 浩紀
堕落の国の連れ込み宿、だいたいシケてるからな~。
乾野 浩紀
普段だったら止めるけど、まあいいだろうと思って好きにさせます。
乾野 浩紀
とりあえず脱出経路を確認しよう……二人を置いて黒い扉へと行きます。
GM
扉は固く閉ざされているようです。
その中央には洒落たフォントでこのような文字が書かれています。
『酒を飲まないと出られない部屋』
GM
乾野さんがそれを認識した瞬間、テーブルに酒が現れます。ぽんっとな。
GM
昨日飲んだ酒よりも幾分か高級……というか、現代らしい銘柄。
乾野 浩紀
「……『酒を飲まないと出られない部屋』」
乾野 浩紀
「だ、そうだ」と、吐き出すように言って扉を手の甲で叩きます。
虎幡 椿
「あははは! マジで言ってんのこの部屋!」
乾野 浩紀
一応他の脱出経路も確認はしておくが……
虎幡 椿
出られない部屋関係ないけど軽食に手をつけるぞ。
GM
窓はないようで、特に隠し通路らしきものもありませんね。
乾野 浩紀
罠くさくて嫌なんだよな。もう全てが今更だけど。
乾野 浩紀
期待はしてなかったけど、見つからないな~。
乾野 浩紀
そんな予感はしてたけど完全に話進め役になってる。
三津原 耀
椿と一緒に冷蔵庫の中のものテーブルに置き置き。
GM
柿ピーとかスナックとか、コンビニで買うよりちょっと割高な値段が提示されてる奴らです。
乾野 浩紀
一通り調べたので、諦めて二人のもとへと戻ります。
乾野 浩紀
すげ~現代日本的飲みの準備が整ってる。
三津原 耀
「仕方ないな~諦めて飲むしかないな~」
乾野 浩紀
どっかり腰を下ろします。手袋を外して、グラスを手に取る。
乾野 浩紀
ちん、とこちらの世界ではなかなか聞けない繊細な音が立ちます。
虎幡 椿
こっちからは勢いよくぶつけに行くぞ。カーン!
乾野 浩紀
ラブホ男子会で検索したらBL漫画が引っかかってなんもかも嫌になっちゃった。
GM
肝心のお酒の味ですが、普段よりも美味しく感じられますね。
ちょっとアルコール度数が高い気はします。身体が温まる。
虎幡 椿
「……………………………………ッまい!!」
虎幡 椿
「何これ!? 現代に帰ってきちゃった!?」
三津原 耀
かち割り氷とミネラルウォーターをテーブルに持ってくる。
乾野 浩紀
頬杖をついて二人の好きにさせています。
GM
精算機は扉の横にあるんですが、特に動作しておらず、支払いを要求する感じではなさそう。
GM
それに、ひとつ遅れて精算機からカラン、と音がして、なんと100円玉が出てきます。
乾野 浩紀
堕落の国の通貨でも、6ペンスコインでもなく、100円通貨。
乾野 浩紀
流石に懐かしいものを見て眉を上げます。
乾野 浩紀
「椿……」咎め立てはしかけたものの、特に咎める理由はそれほどないな……
虎幡 椿
何も考えずに盗ってから使う機会がないことに気づいたけど、まあ、ここで使うかもしれないしね!
乾野 浩紀
ここで100円玉が出てくる意味を考えています。
乾野 浩紀
どう考えても奇跡の力の絡むものだし、まさか元の世界に戻れたとは考えない。
三津原 耀
はちメロ先生男たちに荒らされててかわいそうだな
GM
かつてこれほどまでに帰ってほしい案件があっただろうか?
三津原 耀
「まあとりあえず進めば分かんじゃね?」
GM
ちなみに、半分開いた扉の先にはうっすらと通路が見えます。
虎幡 椿
「いいもん見つけたら教えてくださいね! トリートメントとか欲しいな!」
乾野 浩紀
では黒い扉を押し開けて、部屋の外へ出ます。
GM
薄桃色の壁と、ふかふかのカーペットが敷き詰められています。
GM
左右には一定間隔で黒い扉が配置されています。
先程の部屋も、その中の一室だったようですね。
乾野 浩紀
常に郷愁の念を感じている身だけど、こんなところで懐かしさを感じたくはなかったよ。
虎幡 椿
目は疲れるけど足は疲れない。文明ってすごい!
GM
並ぶ扉の中にはひとつだけ、一回り大きいものが存在します。
GM
その扉には、これまた洒落たフォントで
『新刊・裁判しないと出られない部屋 ●●円』
と書かれており、いかにもボス部屋といった空気を醸し出しています。
GM
しかし、扉は閉ざされたまま。
その隣にある精算機がいくらかの入場料を求めているように見えます。
乾野 浩紀
ポケットにしっかりしまう。ポケットの多い服を着ている。
GM
得た100円玉は一枚だけ。
ここからどれだけ必要かは分かりません。
GM
眼鏡をかけた男が、液タブめいたモニターできみたちを観察していました。
はちメロ先生
右手にはタブレット。左手には薄い本。
はちメロ先生
映るモニターをこんこんと叩き、考える仕草。
GM
あのフォロワーが2万人いる同人作家のはちみつメロン先生!?あのフォロワーが2万人いる同人作家のはちみつメロン先生です。
調査員
「BLとか~、ショタものとか、ダメなんですか?」
その背後には、薄い本を読みながらうっとりしている公爵家調査員が。
はちメロ先生
「男の娘だって興味ないんだよ、僕は!!」
はちメロ先生
「くそ……こいつらと戦わなきゃいけないのか?」
はちメロ先生
「何か、こいつらを追い詰める手段は……!」
乾野 浩紀
5万人絵師に来られたら機能しなくなるイカサマ
三津原 耀
>はちみつメロン先生のファンと化した公爵家調査員。月10000円プラン加入。
はちメロ先生
「…………正直、滅茶苦茶帰ってほしいけど……それでも描くしかない」
はちメロ先生
「ぜ……全員まとめて虚ろな目にして、暗転で〆てやるよ……!!」
虎幡 椿
元の世界で最後に出部屋で味をしめてそれがそのまま能力になっちゃったのか……
虎幡 椿
しかも今回押し寄せてきたのはだいぶ怖いタイプの生身の人間……