メインフェイズ

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~メインフェイズ~
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・行動順の決定
荒鹿火唯史
1d100 (1D100) > 38
霧渡匣
1d100 (1D100) > 26
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荒鹿火唯史>霧渡匣

メインフェイズ サイクル1 荒鹿火唯史

荒鹿火唯史
虫も鳴かぬ静かな夜。
荒鹿火唯史
時折風が吹いては、木の葉を揺らしてさらさらと音を立てる。
荒鹿火唯史
それに紛れるように、音も立てず夜闇を駆ける。
荒鹿火唯史
暗闇に目を凝らして、ハコを探す。
荒鹿火唯史
小さな里の中、勝手知ったる相手とは言え、彼女が本気で隠れているのならば見つけ出すのは至難の業だ。
荒鹿火唯史
夜闇に紛れるのはハコの得意とするところだ。
荒鹿火唯史
「……」
荒鹿火唯史
足を止める。
荒鹿火唯史
闇雲に探しても時間が過ぎるばかりだ。
荒鹿火唯史
この夜が最初で最後のチャンスだ。
荒鹿火唯史
絶対に、ハコと一緒に里を出る。
荒鹿火唯史
例えハコに抵抗されても、誰に邪魔されても、絶対にそれを成し遂げる。
荒鹿火唯史
そのための力がほしい。
荒鹿火唯史
情報判定します。意気でプライズを調査します。
荒鹿火唯史
2D6>=5 (判定:意気) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
霧渡匣
では感情から情報共有します。
GM
では、全体公開となります。
プライズ:秘伝書
門外不出の里の秘伝書。
このプライズを調査したPCは、その時点で【奥義】を1つ特例習得する事ができる。
秘密:秘伝書
この秘伝書には「血核」「禍魂の欠片」という2つの秘宝について記されていた。
そして、それらの秘宝を破壊する秘術も。

このプライズの所持者はクライマックスフェイズ中、このプライズの使用を宣言し、「里の秘宝」であるプライズを対象に選ぶ事で、それを破壊する事ができる。(使用可能なタイミングは特殊忍具としての扱いとなり、破壊は自分が所持していないプライズも対象にできる)

PC1がこの情報を獲得した時、PC1はプライズ「禍魂の欠片」を獲得する。
プライズ:禍魂の欠片
里の秘宝。PC1の体内に埋め込まれた宝玉。

このプライズは、プライズ「秘伝書」の秘密が調査された時、調査したPCに対して情報が開示される。
このプライズはPC1が所有しており、所有者の移動ができない。
このプライズの所有者は、常にこのプライズの秘密を知る事が出来る。
このプライズの秘密は、感情によって情報共有されない。
荒鹿火唯史
里の秘密の書かれた巻物を紐解く。
荒鹿火唯史
夜闇の中にあっても、忍びの視力であれば十分にその内容を読み取ることができる。
荒鹿火唯史
「…………」
荒鹿火唯史
二つの、里の秘宝。
荒鹿火唯史
秘宝の一つは唯史の下に。であれば、もう一つは?
荒鹿火唯史
ハコはどうしてあれほどに頑なに唯史を拒んだのか。
荒鹿火唯史
ハコのするべきこととは。
荒鹿火唯史
(……俺は、ハコの全部を知ってるわけじゃない)
荒鹿火唯史
でも。
荒鹿火唯史
(ハコが俺と殺し合いたいなんて思うはずがないのは、分かる)
荒鹿火唯史
であれば、ハコを縛るものがあるはずだ。
荒鹿火唯史
それをどうにかすれば、きっと。
荒鹿火唯史
「…………」
荒鹿火唯史
巻物を懐にしまう。
荒鹿火唯史
地を蹴って、夜闇に溶ける。
荒鹿火唯史
隠れんぼは、ハコの方が得意だった。
荒鹿火唯史
それでも、探すのを絶対に諦めないのが唯史だった。
GM
手探りだって、探さなければ見つからない。
GM
遠い場所に居るからって、走り出さなければたどり着けない。
GM
飛び立とうと思わなければ。
GM
鳥籠の形を知る事もなかったのだ。

メインフェイズ サイクル1 霧渡匣

霧渡匣
夜明けは未だ遠く。
霧渡匣
とっぷりと昏いままの地平線を眺めている。
霧渡匣
風に髪がそよぐ。
霧渡匣
けれど先のように、ハコの名を呼ぶ声はない。
霧渡匣
置いてきてしまったから。
霧渡匣
今は天高く、里にある大樹の、ひときわ高く。
霧渡匣
そしてひときわ太い枝に腰掛けて、膝を抱えている。
霧渡匣
ハコは匣。霧渡匣。
霧渡匣
霧が世界をわたるように、あるいは霧の中をわたるように。
霧渡匣
髪からつくった黒絃を橋渡し、枝をわたっては木を登る。
霧渡匣
それが匣の十八番で、ここが匣の好きな場所。
霧渡匣
膝を抱えるその指先に、半ばで灼き切られた黒絃が絡む。
霧渡匣
とくべつ高い、唯史の炎と熱。
霧渡匣
それが匣の糸を灼き切った。
霧渡匣
そんなことは、これっぽっちも不思議じゃあない。
霧渡匣
指を、糸を手繰った。
霧渡匣
灼き切られた糸の残骸から、情報を汲み取る。
霧渡匣
これもまた、匣の十八番。
霧渡匣
特に、唯史。
霧渡匣
唯史のことなら、ハコはとくべつ、手繰り寄せるのは簡単だよ。
霧渡匣
唯史。どうしてそんなものを持っているの。
霧渡匣
唯史。唯史がどういう技が好きなのか、ハコにはけっこう想像がつくよ。
霧渡匣
唯史。ハコはそれ、あんまり良くないものなんじゃないかと思うなあ。
霧渡匣
唯史。
霧渡匣
唯史。
霧渡匣
唯史の真の芯には、いったい何が隠れているの。
霧渡匣
 
霧渡匣
糸を伝う、その熱を指先でなぞる。
霧渡匣
荒鹿火唯史の秘密を調査します。指定特技は火術。
霧渡匣
2D6>=5 (判定:火術) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功
荒鹿火唯史
風に枝が揺れて、軋んで。
荒鹿火唯史
「……探したぞ、ハコ」
霧渡匣
驚きに、ぴゃっと全身を跳び上がらせる。
荒鹿火唯史
「泣いてねーじゃん。泣き虫ハコのくせに」
霧渡匣
むっと眉を寄せて。
荒鹿火唯史
枝にかけた鉤縄をするすると回収する。
霧渡匣
「な」
霧渡匣
「泣かないもん」
霧渡匣
「そんな、簡単に」
霧渡匣
膝を抱え直して、顔を埋める。
霧渡匣
「…………」
荒鹿火唯史
「あっそ」
荒鹿火唯史
膝を抱えたハコの隣に腰掛ける。
霧渡匣
膝を抱えたまま、ちらと唯史を横目で見る。
霧渡匣
「……それ」
霧渡匣
「本当は駄目なものじゃあ、ない」
霧渡匣
「唯史が持ってるの」
霧渡匣
「おかしいもの。ハコはそんな気がする」
荒鹿火唯史
「ま、持ってていいわけないよな。里の秘伝書なんて」
霧渡匣
手繰り寄せかけた情報を半ばに、唯史本人へと問いかける。
霧渡匣
「…………」
荒鹿火唯史
あっさりとそう返す。
霧渡匣
「……よくないこと、してる」
霧渡匣
咎める声。共に修行を重ねる間にもよく聞いた。
荒鹿火唯史
「今更」
霧渡匣
「…………」
霧渡匣
「……ハコは、ちゃんと」
霧渡匣
「唯史に、ちゃんと」
霧渡匣
「忍びとしてすべきことをしてほしい」
霧渡匣
「のに」
霧渡匣
「唯史が、ぜんぜん、そうしない」
荒鹿火唯史
「……誰にも縛られない。自分の意思で戦う」
荒鹿火唯史
「それもちゃんと忍びの生き方だろ」
霧渡匣
「…………」
霧渡匣
「……相応しくないこと」
霧渡匣
「してる……」
荒鹿火唯史
「俺はそう思わない」
霧渡匣
「…………」
荒鹿火唯史
「……すべきことってハコは言うけどさ」
荒鹿火唯史
「俺は俺のやりたいことをしたいし、そうじゃないことはしたくない」
荒鹿火唯史
「ハコにもそうしてほしいと思ってる」
霧渡匣
「……忍びに」
霧渡匣
「向いてない……」
荒鹿火唯史
「それが、実は結構こんな感じでもやってけるらしいんだよ」
霧渡匣
「…………」
霧渡匣
「この里の忍びとしては、失格」
霧渡匣
「……に」
霧渡匣
「されると、思う。そういうのは」
荒鹿火唯史
「だから、里を抜けるって言ってるだろ」
荒鹿火唯史
「抜けた後のアテだってあるんだぜ」
GM
秘密:PC1
貴方は裏切り者だ。
ある時たまたま外部の忍に接触した時、その自由な生き方に貴方は惹かれた。
里に秘蔵された「秘伝書」を盗み出した貴方は、それを持ってその外部の忍の所属する血盟に加えて貰う手筈になっている。
※初期入手プライズ「秘伝書」
霧渡匣
「…………」
霧渡匣
黙り込む。夕刻と同様に。
荒鹿火唯史
盗んだ巻物を抱えて、悪びれもせずにいる。
霧渡匣
むっすりと唯史を睨む。
荒鹿火唯史
「この里の忍びとしての生き方が、絶対に正しい訳じゃない」
荒鹿火唯史
「それ以外の生き方があって、ハコと殺し合わずに済むなら、俺はそうしたい」
霧渡匣
「…………」
霧渡匣
「……じゃあ」
霧渡匣
「それなら、唯史が出ていけばいい。里を」
霧渡匣
「唯史は、唯史のしたいようにすればいい」
荒鹿火唯史
「ハコと一緒じゃないと嫌だ」
霧渡匣
「ハコは唯史じゃない」
霧渡匣
「唯史が決めたことに、ハコが従わなきゃならない理由は」
霧渡匣
「どこにもないよ。唯史」
GM
「その通り」
霧渡匣
「!」
荒鹿火唯史
「っ、」
GM
「お前に”それ”を従えられる道理はどこにも無い、荒鹿火唯史」

マスターシーン

GM
二人の間に流れる時間を引き裂くように。無粋な声が割って入る。
GM
気づけば、その場には佇むもう一つの影がある。
GM
木の葉の揺れる音もなく、木の上に黒装束の立ち姿。
中忍頭
それは里でも何度か目にしていた、二人よりも上位の忍び。
中忍頭
「里抜けを目論むだけに飽き足らず、まさか秘伝書を持ち出すとはな」
荒鹿火唯史
「……下忍頭ごときにあっさり持ち出される方が悪いんじゃねえの」
霧渡匣
惑うように、怯えたように、唯史と中忍頭へと視線を巡らせる。
中忍頭
「ならば、その主犯の首を持って汚名返上といかねばならんな」
荒鹿火唯史
ハコを背に庇うようにクナイを構える。
霧渡匣
「ま」
霧渡匣
「まって」
霧渡匣
唯史の腕を掴み、押し退けようとする。
中忍頭
目を細める。
霧渡匣
「待ってください」
霧渡匣
「私が」
荒鹿火唯史
「……いい。ハコ」
荒鹿火唯史
「俺がやったことだ」
霧渡匣
「わた、……っ」
霧渡匣
「ちがう」
霧渡匣
首を振る。
霧渡匣
「た」
中忍頭
「庇い立てをするなっっっ!!」
中忍頭
夜の静寂を劇が切り裂く。
中忍頭
それから、深い呼吸。
荒鹿火唯史
「っ、」
中忍頭
「……ふぅ~~」
霧渡匣
びくりと身を竦ませる。
中忍頭
「里抜けを目論む者の末路は一つだ。例外は無い」
霧渡匣
「…………」
霧渡匣
「……でも」
霧渡匣
「唯史が里の忍びに相応しくない、のなら」
霧渡匣
「それは――その時は、私の仕事です」
霧渡匣
「わたしが……」
霧渡匣
声が、半ばで消え入る。
中忍頭
「……ああ、そうだな」
霧渡匣
俯いている。
中忍頭
「霧渡匣の名を与えられし者よ。確かに、そのようになっている」
霧渡匣
「…………」
荒鹿火唯史
「なんだよ。あんたが相手じゃないのか?」
中忍頭
「勿論、この手で貴様の五体を引き裂いても過分は無いが」
中忍頭
「……試練が達成されるに越した事はない」
中忍頭
「…………里の者として……命じよう」
霧渡匣
「…………」
中忍頭
その瞳が霧渡匣の姿を捉え、その言葉が霧渡匣の行動を定義する。
中忍頭
「その裏切り者を殺せ」
霧渡匣
「はい」
荒鹿火唯史
「……っ、」
荒鹿火唯史
「ハコ……!」
霧渡匣
即答。
霧渡匣
それから瞼を上げて、
霧渡匣
ゆっくりと唯史を振り返った。
HO:中忍頭
PC1,PC2が所属する里の中忍頭。
2人に対する追手としての忍務を任されている。