◆メインフェイズ第二サイクル第一シーン
シーンプレイヤー:七竈 幽
七竈 幽
蜜さんの秘密を抜きたいんだけど、どのようにしたら抜ける感じの秘密ですかね。
GM
どうだろうな。とりあえず会っていいんじゃないですか?
GM
とりあえず会話すると物語的にアドがあるとわかる。
七竈 幽
2D6+1>=5 (判定:見敵術) (2D6+1>=5) >
7[1,6]+1 > 8 > 成功
GM
蜜さんの秘密ですね。二人にお送りしましょう。
七竈 幽
一度立ち会った相手の痕跡を思い出し、たどる。
懸鉤子 蜜
ヒールがアスファルトを蹴る音。
あの日その身に振りかぶられただろう靴。
懸鉤子 蜜
スーパーへ立ち寄り。
エコバッグを下げたまま、近道なのか路地へ。
七竈 幽
彼女を追っていけば、獅子鞍透夜の隠れ家に行き当たるかもしれない。
七竈 蘇芳
誘導されている。それに気づいていて、しかし。身を潜めたまま。
七竈 幽
或いは既に自分の尾行は気づかれているのかもしれない。
七竈 幽
その可能性を考えながらもついてきたのは、彼女が獅子鞍透夜を殺す上で一番の障害になると思われたからだ。
懸鉤子 蜜
隠形術専用の風呂敷をはらりと解いて。
姿を現す。
懸鉤子 蜜
くるりと丁寧に、バッグにスカーフのようにそれを巻いて。
七竈 幽
なんでもいい。手ぶらですごすごと引き返すよりは。
懸鉤子 蜜
苺を一粒拾いあげて。
これまた専用の風呂敷を敷いて座る。
懸鉤子 蜜
「これは時と場合……に入れてくれる?」
七竈 幽
女のシノビなどというものは警戒するべきで。
七竈 幽
まして、フレンドリーなくノ一などは尚更。
懸鉤子 蜜
「……うん。やっぱり……よく見たら、かわいい顔してる。君」
獅子鞍 透夜
何かが影響しているという事なのだろうか。
獅子鞍 透夜
もう、その辺にいるものだと思っていた。
獅子鞍 透夜
こくりと喉を鳴らすと、銃をホルスターに戻し
懸鉤子 蜜
同じシノビにしか聞こえないごくわずかな声量の囁き。
七竈 幽
出鱈目ならば、思い当たるものが何もないならば、動揺などしない。
七竈 蘇芳
ひそやかな声は、影がそれを掠め取る前に幽の耳元に溶ける。
言葉ではなく、断片的に情報を拾う。
懸鉤子 蜜
できるでしょ?と、いう挑発を含んだ声。
獅子鞍 透夜
「お前の相手は俺じゃなかったのか?」
【秘密:懸鉤子 蜜】
獅子鞍 透夜は不知火の生き残りであり、『宝珠・迦具土』の器である。
クライマックスフェイズ開始時に
獅子鞍 透夜が『宝珠・迦具土』を持っていた場合、獅子鞍
透夜は火神となる。
あなたの本当の使命は【火神を殺す】ことだ。
「君を自由にする」
獅子鞍 透夜にそんな約束をしたのは七竈
幽である。
あなたはその約束の相手が自分であると獅子鞍 透夜に思い込ませ、
あなたの傍にいるように縛りつけた。
しかし、ずっと共に過ごしてきた獅子鞍
透夜をあなたは失いたくない。
獅子鞍 透夜があなたにプラスの感情を抱いてくれるのであれば
使命を【獅子鞍 透夜を自由にする】に変更してもよい。
【秘密:七竈 蘇芳】
あなたは火神と称される不死の命を持つ存在だ。
だが、己のうちにあった力『宝珠・迦具土』を奪われた上、
瀕死の七竈
幽を助けるために不死の命の源である『神鏡・啼沢女』を与えた今、
あなたは定められた命を持つただの怪物となってしまった。
背景『劣性因子』を修得し、好きな妖魔忍法を1つ修得すること。
神であった頃の記憶も薄れた今、
胸に募るは共に生きてきた七竈
幽への想いのみ。
七竈 幽と互いにプラスの感情を結んでいる場合、
あなたは自分のドラマシーンで七竈 幽と何かを約束し、
それを使命とすることもできる。
獅子鞍 透夜
問いかけるようなその呼びかけに息をのむ。
獅子鞍 透夜
その名を知っているのは、幼き日に別れた家族のみ。
獅子鞍 透夜
ならば、この、自分と同じほどの年の男は……
GM
迦具土の器となる子供を一人、忍の世の安寧を守るため、譲り受けたい。
GM
忍の世の揺らぐことは不知火も望まない。ただでさえいつ消え失せるとも知れぬか細き流派。
GM
それと引き換えに鞍馬との協力関係を築けるのならばありがたいと、不知火の首魁はそのように判断した。
GM
しかし、ただひとつ。互いに食い違うところがあった。
GM
鞍馬の望んだ子は兄だった。この役目には本来男児こそが相応しいと。
GM
さりとて不知火の側も跡継ぎの男児を差し出すことは好ましくない。
GM
食い違う主張。しかし取引の決裂を望まなかったそれぞれは話し合いの末、一つの結論を出す。
GM
不知火のもとに残す子は男児。ただし、鞍馬に差し出す方の子を、『男児であった』こととする。
GM
双子の兄妹。兄を透夜(トウヤ)、妹を結(ユウ)と云う。
GM
鞍馬に差し出された女児は、これより透夜を名乗って過ごす。
GM
男として育てられ、男の格好をして、男として『迦具土』の器としての役目を果たす。
GM
不知火に残った男児は、その真実を隠すため、結を名乗る。
GM
その時が訪れるまで。差し出された子が役目を果たすその瞬間まで、世間の目を欺くために、彼は女として育てられる。
GM
鞍馬と不知火。二つの流派の間で、そのように円満に取引が成立した。
GM
結――これより先、彼女は透夜と名乗ることとなる――は戸籍上この家の一員として迎えられ、役目を果たすこととなる。
GM
不知火の里では見られない立派な門構えの屋敷に連れ来られた彼女に、
GM
透夜――これより先、彼は結を名乗るはずだった――が語りかける。
透夜
別れを知らされた時には、全てが決定事項となっていた。
透夜
どんなに駄々をこねたところで、覆るはずもなく。
結
それでも、心配させまいと精いっぱいの虚勢を張る。
透夜
妹の方が、もっと幼い頃からいつも気が強くって
透夜
透夜の方が弟みたいだとか言われることもあった。
結
堰を切ったように、両目からぽろぽろと涙があふれだす
結
日の光の届かない夜を超えて、明日が見えるように。透夜という名
透夜
それが寂しくて、だけど不安を見せないように笑っている。
透夜
話したいことは、時間がいくらあっても足りないほどに。
透夜
だけど、これが今生の別れにはならない。させないから。
獅子鞍 透夜
獅子鞍の者に手を引かれ、連れられて行く。
懸鉤子 蜜
取引に一枚噛んだ、比良坂より遣わされた。
あの日。名を互いにすげ換えた2人の縁を完全に切り離すために。
懸鉤子 蜜
言霊術を繰る醜女衆の1人として。
しかし今は。
七竈 幽
彼女が名乗っている透夜こそが自分の名前であること。
懸鉤子 蜜
「あの男の息子としてぬくぬくしてるんならそれでいいけど~」
七竈 幽
あろうことか命を奪う者として、自分は彼女の前に現れた。
獅子鞍 透夜
「俺は……透夜だ。獅子鞍 透夜……!」
懸鉤子 蜜
「……透夜のためになにができるか、よ~く考えてね」
懸鉤子 蜜
荒い殺意の炎が迫るのを、足取り軽やかに躱す。
獅子鞍 透夜
上方は優位、両手の銃から弾丸が放たれる。
七竈 幽
そのまま、獅子鞍透夜の元へ駆け上がろうと。
懸鉤子 蜜
「あ~らあら。火神の息子だなんて、とっても光栄だね!」
七竈 幽
それ以外のすべてが意識の外にあったから。
七竈 幽
透夜の気配が消えたのに応じて、炎も散っていく。
七竈 幽
この場に蘇芳が来ていることに、はじめて気がついたかのように。
七竈 蘇芳
とはいえ、そこに常の能天気な笑みはなく。
七竈 蘇芳
袋小路の天を仰ぎ、二人の去った方角を見る。
七竈 蘇芳
それはいつも。幼いころから繰り返した問いかけで。
七竈 蘇芳
そしていま、はじめて幽が うん、と言った。
七竈 蘇芳
自分がどんなに手を尽くしても戻ることのなかった記憶が。
七竈 幽
目の前の彼こそが火神だと告げられても、態度は何ら変わることなく。