メインフェイズ第二サイクル第四シーン

シーンプレイヤー:藻

GM
どういったシーンにいたしましょう。

いつもの滝壺で潺を探します。
GM
ふむふむ

潺に戦闘を仕掛ける先程のシーンからの情報共有で、藻は潺の【居所】を獲得している。
居所を握っている相手には自分の手番で戦闘を仕掛けられる。
ために。
GM
了解いたしました。
GM
先に確認だけしておきましょう。
GM
乱入はありますか?
煤木野灰吏
考えていいですか
葛火焔郎
考えさせてくれ
GM
藻および潺への感情を持つため、焔郎、灰吏、双方の乱入が可能になります。
GM
では考えておいてください。
GM
RPを進めていきましょう。お願いします。
GM
清ら水の落ちる音。
GM
滝壺にて潺を探す藻ですが……

焔というには甘く、夕日というには冷たい瞳が紺碧の夜に水の香を辿る。

滝壺の清浄な気配に紛れる獣と水の入り混じったにおい。

わたしと似ているにおい。

苔むした地面を、骨の高下駄は滑ることなく踏みしめる。
御祀 潺
ごうごうと滝の落ちる音。
御祀 潺
清浄な空気が空間を満たしている。
御祀 潺
禊の必要な身ではない。
御祀 潺
ただ、この空気は心地よく。
御祀 潺
踏み入れた何者かの気配を察するのにも適していた。
御祀 潺
波打つ水面から顔を出し、淵へと。
御祀 潺
「このようなお時間に、如何されましたか?」

「……せせらぎ」

とことこと歩き、ほぼ隣まで近づく。
御祀 潺
立ち上がった服から、髪から。
水がしたたり落ちる。

水の中にまでじゃぶじゃぶと入っていき、浅瀬に座り込む。

ここの滝壺からは山の下が見下ろせる。
丹念に世話のされた里山。
御祀 潺
「ええ、潺ですよ。」
御祀 潺
座り込んだ少女を見下ろす。

「お話しよ」
御祀 潺
美しい角持つ少女を。
御祀 潺
「…………」
御祀 潺
「そう、いたしましょうか」
御祀 潺
隣に座る。
御祀 潺
遠くの方で茶色い獣が跳ねた。

本家と分家。そこに隔てられたもの。
隔てられてなお同じく流れるもの。

藻の血は、本来。
水の神ではない。

古き神の血が、ひとびとに祀られるごとに水の神域を必要としたから。
いつか流れる歴史のなかで結びついた。

藻と御祀の家。

潺がこの清めの運命をどこで担ったのか。
今どんな気持ちでいるのか。

「せせらぎが取り寄せてくれたチョコレート、おいしかった」

「なかに、ヘーゼルナッツのクリームが入っててね」

ヘーゼルナッツって

せせらぎ知ってるかな。
御祀 潺
「それはよかった」
御祀 潺
「好き嫌いの分かれる味ですからね」
御祀 潺
「お気に召したようで何よりです」

「マシュマロもおいしくて」

「囲炉裏で炙って、チョコレートと一緒に……クッキーにはさんで」

「すもあ、食べたよ」
御祀 潺
「お一人でお召しになったのですか?」

「ほむろと、はいりと……」

家の人にもわけてあげたかったけど遠慮されちゃった。
御祀 潺
「楽しゅうございましたか?」

「うん」

せせらぎも、一緒に食べようよ。
御祀 潺
「ふふ……」

今度。

「せせらぎ」
御祀 潺
「はい」

ヘアオイルもつけて。
リップクリームもぬって。

「わたし、立派なレディになった?」
御祀 潺
周囲を物言わぬ大人に囲まれ。
御祀 潺
食卓には清められた冷たい食事が並び。
御祀 潺
決められた時間に起床し。
御祀 潺
祈りを捧げ。
御祀 潺
禊を行い。

「セクシーで、チャーミングで、すてきな」

「大人のオンナになれたかな」
御祀 潺
夜には月の光を浴びて
御祀 潺
決められた時間に就寝する。
御祀 潺
それだけのことを、毎日。
御祀 潺
およそ30年。
御祀 潺
続けてなお、この
御祀 潺
20に満たないこの少女に、手も届かない。
御祀 潺
「私の目から見れば、まだまだ。」
御祀 潺
「セクシーな大人には遠いかもしれませんね。」

「ちぇ」
御祀 潺
「しかし……」
御祀 潺
先祖返りというものらしい。
御祀 潺
御祀の家の古い先祖に
御祀 潺
妖魔と人の合いの子のいて。
御祀 潺
当時は、藻の家にたいそう気を使ったそうだ。
御祀 潺
「随分と、成長なされました。」

古き神代の血。
それこそ、この国がこの国になる前からの。
古き神の血。

もしかしたら、今人の世に跋扈する妖魔だって。
ほんとうは。

神様だった時があったかもしれないのにね。

「うん」
御祀 潺
「……人を」
御祀 潺
「世界を」

おいそれと名前を出すことすらかなわぬ、歴史の裏の神。
御祀 潺
「愛することは、できましたか?」

「うん」
御祀 潺
それは、己が持ちえなかったもの。

藻と御祀が保ち、祈り、清め続けた沈黙の神域を今生きる神の子。
御祀 潺
この身に宿る程度の繋がりでは、留める必要さえなかった。

今夜は。

ヘアオイルもつけて。
リップクリームもぬって。

わたし、きっと最強だよ。

「せせらぎ」
御祀 潺
「はい」

「天帝の眼、わたしにちょうだい」
御祀 潺
「おや。お聞きになりましたか。」

頷かない。
かわりにいたずらっぽく首を傾げる。
御祀 潺
「どうして眼を欲されるのです?」
御祀 潺
「貴方はまだ、何も知らない。」
御祀 潺
「海も、山も、街も。」
御祀 潺
「屋台も、花火も、河川を渡る船も」
御祀 潺
「絵画も、彫刻も、音楽も」
御祀 潺
「その目で、耳で、肌で感じるものを」
御祀 潺
「何も知らないではありませんか。」

海。山。街。
屋台。花火。お船。
絵画。彫刻。音楽。

切り取られた雑誌の頁。

返答はない。

代わりに、困ったように微笑んだ。
御祀 潺
「…………私は。」
御祀 潺
「知りたかった。世界を。」
御祀 潺
「自分が守るべきものを知り」
御祀 潺
「愛したかった」
御祀 潺
そして、それは果たされた
御祀 潺
潺のそれは人の愛だった
御祀 潺
神の身になり、初めて得た
御祀 潺
人の愛
御祀 潺
「ですから」
御祀 潺
「これは、私の役目です」

「……せせらぎ。ありがとう」

「でも」

負けないよ。

骨の下駄が、苔むした地面を打ち鳴らす。
清浄な空気を切り裂いて。駆けた。
御祀 潺
立ち上がり、印を結ぶ。

足元の水が切り裂かれる音が響く。
御祀 潺
流れる水が弾けて、周囲に霧が立ち込める。
GM
 
GM
戦闘を開始します。
GM
参加者は藻、潺の二人。
GM
乱入はなし。相談の結果そうなっていた。
GM
メインフェイズの戦闘であるため、戦闘参加者の人数がラウンド上限となります。
GM
つまり2ラウンドで終了。
GM
お二方、ゆめゆめ後悔のなきよう。
GM
 
GM
◆ラウンド1
GM
プロットシノビガミの戦闘システム、ヴェロシティシステムの基本となるもの。
高プロット→低プロットの順番で処理が進む。
わからんひとはあとは
http://www.bouken.jp/pd/sg/pdf/sg_battle2.pdf
これとか流れとか見て最終的に雰囲気で啜ってくれ。
を。隠したダイスの出目を変更し、ディスコード秘話にてGMに伝えてください。
GM
プロットが決定しました。
GM
お二方、開示をお願いします。
[ 御祀 潺 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
[ 藻 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
GM
◆ラウンド1
 プロット6:藻 プロット5:潺
GM
プロット6、藻の行動から。

奥義を潺へ使用します。
GM
はい。
GM
効果などの提示をお願いいたします。

■ 奥義

《静・歌鎖塞加之静寂》

(しずかうたぐさりふさぐのみならずしじま)

指定特技 :第六感
エフェクト: クリティカルヒット攻撃の代わりに使用できる奥義。
相手の生命力を4、ランダムに喪失させる。射程は1。
/ 断ち奥義開発の【強み】のひとつ。
クリティカルヒットの対象に、さらに接近戦ダメージ1点を追加する。
/ 回数制限奥義開発の【弱み】のひとつ。
この奥義は2回までしか使えない。
GM
奥義情報奥義を使用すると、そのシーンに登場していたキャラクターに奥義情報が渡る。
奥義情報を持っている奥義に対しては指定特技から奥義破りを試みることができる。
が潺に渡り、感情共有奥義情報も情報の一種なので感情共有で出回る。で灰吏にも渡ります。
演出を、続けてどうぞ。

獣の咆哮。
それは鹿の遠鳴り。

もみじふみわけなくしかの

声。
そのあとに訪れるのは唯、静寂。

藻は、水の神ではない。
沈黙を司る食肉の神だ。

人が獣を狩り、肉を清流にすすぎ、焔で炙り。
口にした瞬間に途切れる言葉を司る沈黙の神。

太古。
人が生きてきた。
それをただ指し示す、人のための神。

人を愛している。
人の未来を願っている。

だから、

戦って、示そう。
いつだって、生きていくのは。

いっぱい。
いっぱい大変だね。

── 静寂。

髪を振り乱した藻が立っている。

角が片方折れて。

潺を見下ろしている。
GM
藻は5D6を。
クリティカルヒットによるダメージ喪失分野の決定ダイスです。厳密に言えばクリヒ4D6+断ちによる接近戦ダメージ1D6で分けて振るのが正しい処理だった。

5d6 (5D6) > 12[1,2,2,2,5] > 12
GM
器術・体術・戦術。 2分野は潺の任意です。被った場合はダメージを受ける側が喪失分野を決定できる。
[ 御祀 潺 ] 器術 : 1 → 0
[ 御祀 潺 ] 体術 : 1 → 0
[ 御祀 潺 ] 忍術 : 1 → 0
[ 御祀 潺 ] 謀術 : 1 → 0
[ 御祀 潺 ] 戦術 : 1 → 0
GM
妖術以外ですね。了解しました。
GM
潺は脱落。メインフェイズでの戦闘の場合、1点でも生命力を喪失した場合即座に脱落となる。
GM
勝者は藻です。他に戦闘参加者がいなくなったため。
GM
……RPをしていただいてから、戦果の宣言戦闘に勝利すると戦果を一つ獲得できる。
戦闘に参加して脱落したキャラクターの持っている情報やプライズ、または任意の感情など。
をお願いしましょうか。
御祀 潺
その一撃に、霞は吹き飛び。
御祀 潺
倒れた男の手足は投げ出され、まだ角の鋭い上流の石が肌を切り裂いた。
御祀 潺
見えることは万能ではない。
御祀 潺
産まれから、才に至るまで。
御祀 潺
何一つとして勝るものはなかった。
御祀 潺
ただ、その身に宿る先祖の愛だけが。
御祀 潺
命を繋いだ。
御祀 潺
妖魔の血。
御祀 潺
御祀は藻から分かたれた家。
御祀 潺
川となり、海へ至り、雨となって降り注ぐ。
御祀 潺
天地を巡り、生命に恵みを与えし水をつかさどる家。
御祀 潺
草木、獣から人に至るまで。
全ての生命に水は宿る。
御祀 潺
原初の命を生み出した母なる海の惜しみない愛と。
御祀 潺
雷雨、嵐。多くの命を奪い抱く災厄。
御祀 潺
からりと、額の『冠』が落ちる。
御祀 潺
僅か、身体を起こし主君を見るその瞳から。
御祀 潺
金が失われていく。
御祀 潺
血の如き赤い瞳。

その瞳を見ている。

瞬かず。
見ている。
御祀 潺
「…………ふふ」
御祀 潺
その『眼』は受け継がれた。
御祀 潺
儀を待つまでもなく。
御祀 潺
「お強くなられましたね。」

「……せせらぎ」

その胸に飛び込む。

痛かったよね。
ごめんね。

「わたし」

「……わたし……」
御祀 潺
全身が傷だらけになっても。
御祀 潺
妖魔の血が、その全てを補う。
御祀 潺
輝きそのもののような髪。
御祀 潺
女性というには幼い少女の頭を撫でるように抱き寄せる。

ぐりぐりと頭を押し付ける。
幼い少女だった頃にそうしていたように。
御祀 潺
「貴方が愛する全てのものが」
御祀 潺
「貴方を、愛さなくなっても」
御祀 潺
「貴方はそれを、愛し続けることができますか」

せせらぎ。
あの部屋のことを教えて。

知らない種類の木で作られた箪笥。
朝顔の花みたいな形の、機械。

色とりどりの絵が描かれた雑誌のようなもの。

小箱の中身。
貝殻。
古い眼鏡のフレーム。

「……」

「……」

言葉が。
出てこない。
御祀 潺
「私は…………」
御祀 潺
見せたかった。
御祀 潺
己の見てきた全てを。
御祀 潺
人を。街を。海を。世界を。
御祀 潺
あんな、小さな部屋の僅かな思い出でなく。
御祀 潺
愛した全てを。
御祀 潺
貴方が人であるうちに。
御祀 潺
「貴方を、忘れたくはない」

「うん」

「いっぱい楽しいことしようね」

「お家に帰ったら、」

「すもあ、一緒に食べよう」

こんな夜中に。
歯も磨いたのに。
御祀 潺
「…………」
御祀 潺
「ええ」
御祀 潺
敵わないな、と思う。
御祀 潺
何一つとして。
御祀 潺
それでも、まだ。
出来ることがあるのなら。
御祀 潺
眼を失っても未だ。
御祀 潺
いや、既に。
御祀 潺
この身体は神のものなのだから。
GM
 
GM
潺の所持していた『天帝の眼』が、藻の手に渡りました。