GM
さて、次の手番を希望の方は?
葛火焔郎
はい
御祀 潺
はい
GM
はい!
GM
高い方!こういうのはダイスで決めるのが一番後腐れなくていいよ。
GM
2D6!
御祀 潺
2d6 (2D6) > 10[5,5] > 10
葛火焔郎
2D6 (2D6) > 8[3,5] > 8
葛火焔郎
アアアアアア
GM
はい、潺さんから。
御祀 潺
はい
GM
悪くないバトルだった。

メインフェイズ第三サイクル第二シーン

シーンプレイヤー:潺

GM
どういったシーンにいたしましょうか?
御祀 潺
その日の夜、屋敷で。
御祀 潺
下流に穢れが流れゆく。
御祀 潺
山間で潰した妖魔の穢れを、いくら清浄な水で清めても。
御祀 潺
いつか、限界は来る。
御祀 潺
屋敷の敷地内、水からあがる。
御祀 潺
足元を茶色い獣がちょろちょろと走り回る。
御祀 潺
獺。
御祀 潺
「また、異変があったら報告しておくれ」
御祀 潺
「くれぐれも、人に見つからぬように。」
御祀 潺
飛び込むさまを見送って、その場に座り込む。
御祀 潺
兵糧丸忍具(いわゆるアイテム)の一種。いつでも使用できる。
自分の生命力1点か変調ひとつを回復できる。
で体術を回復します
[ 御祀 潺 ] 体術 : 0 → 1
GM
了解しました。
御祀 潺
里から離れるほど、疲労するようになった。
御祀 潺
ろくに身体を癒すこともできない。
御祀 潺
千里眼の力も以前ほどはっきりとは見えず
御祀 潺
滑稽だが、霞がかかったようだ。

「せせらぎ」

声をかける。
御祀 潺
「おや」
御祀 潺
振り返る
御祀 潺
立ち上がり、笑みを向け。
御祀 潺
「夜更かしですね」

「悪い子?」
御祀 潺
「悪い子です」

ととと、と駆け寄る。

もう寝間着に着替えているので、飛び込みはせず。
手で清流をゆるゆるとかき回す。
御祀 潺
「楽しかったですか?」

「うん!」

「ラズベリーチップとナッツ、ドライフルーツ……」

「マシュマロとチョコレートにぴったりで」

うっとり。
御祀 潺
ほんの少しだけ広がる世界
御祀 潺
今与えられる、最低限のもの。
御祀 潺
水をすくい上げる。
御祀 潺
「こうして」
御祀 潺
「あるひとは、手の内に月を捕えたのだといいます。」
御祀 潺
小さな水面に映る夜空。
御祀 潺
ほんの一瞬だけ、手に入れられる世界。
御祀 潺
「今、手に入るのは。そう。」
御祀 潺
「手のひらの幸福、差し出されるもの。」
御祀 潺
手を解けば、ぱしゃりと。
御祀 潺
水は落ちて、波紋をつくる。

月が消えるのを見る。

あとに残った波紋を視線が追いかけて。
御祀 潺
「『眼』を受け継ぐことで、私は自由を手にしました」
御祀 潺
「しかし、貴方はそうではない」

水面には。
金と銀のきらきらした光だけ。

「せせらぎは、自由の世界で何をしたの?」
御祀 潺
「みてきました。」
御祀 潺
「あの日まで私には、友はおろかこうして話ができる従者もおりませんでした。」
御祀 潺
「『眼』が見せた、人の営みを。」
御祀 潺
「その姿を」
御祀 潺
「みてみたかったんです」
御祀 潺
*千里眼で藻のもう一つの秘密を調査します
GM
いいでしょう。判定をどうぞ。
御祀 潺
2D6>=5 (判定:千里眼の術) (2D6>=5) > 4[2,2] > 4 > 失敗
御祀 潺
うーん
御祀 潺
神通丸使います
GM
了解です。どうぞ。
御祀 潺
2D6>=5 (判定:千里眼の術) (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功
GM
成功ですね。
御祀 潺
今はもう、霞んでしまって
GM
お送りします。感情共有で灰吏にも。
御祀 潺
里から遠くは見渡せない

世界を見てきた潺の眼。

どんな世界があったんだろう。
どんな人たちが息づいているのだろう。

聞かせてくれたレコードが歌う歌を。
口ずさむ人がいたのだろうか。

あの箪笥にしまいきれないほどのお洋服が並んでいる街。

貝殻が教えてくれた波の音……。

そして。

切り取られた雑誌の頁。
御祀 潺
「貴方は」
御祀 潺
「みてみたく、ありませんか?」

困ったように笑った。
御祀 潺
あの日の自分とは違う。
御祀 潺
彼女は笑う。
御祀 潺
彼女は話す。
御祀 潺
彼女は、神になる為だけに生まれた依り代ではない。

「せせらぎ、教えて」

「レコードの歌詞の意味」

「わたしが読めなかった雑誌の頁」

「ぜんぶ、思い出にしたいの」
御祀 潺
「いいんですか?」
御祀 潺
「辞書を引いて過激な単語に赤面する楽しみも、本屋で立ち読みする楽しみも」
御祀 潺
「奪ってしまいますよ」

まぁ、と口を手で押さえて。

「……本屋さんに」

「連れてってくれる?」

切り取られていない雑誌を。
手に入れるために。
御祀 潺
「…………そうですね」
御祀 潺
「ついでですから、テラスのあるカフェでお茶でもしましょうか。」
御祀 潺
「内緒ですよ」

「!」

嬉しそうに笑う。
御祀 潺
「最近はカラーコンタクトやウィッグという便利なものがありまして……」

「からーこんたくと?うぃっぐ?」

知らないけれど、ちょっとだけ知っている。
雑誌のはしばしから知った世界のきらきら。
御祀 潺
「変装です」

「変装!」

飛び跳ねる。
御祀 潺
「とっても悪い事なので」
御祀 潺
「こっそり行きましょうね」

「うん!」

お酒も飲んじゃった。
スモアもたくさん食べちゃった。

夜更かしもしちゃうし。
変装して街にも行っちゃう。

嬉しい。
……嬉しい!
御祀 潺
悪い事。
御祀 潺
誰かにとっては当たり前のことが、我々にとっては悪い事だった。
御祀 潺
知ってはいけない事。
やってはいけない事。
御祀 潺
知ってほしい、試してほしい。
御祀 潺
願わくば、もう少しだけと。
御祀 潺
思ってほしかった。
御祀 潺
いつかの日、葛火焔郎とあったその場所で
御祀 潺
同じように、煙管から煙をくゆらせている。
葛火焔郎
「潺さん」 
御祀 潺
「うわ」
葛火焔郎
「うわっ」
葛火焔郎
「えっ」
御祀 潺
かけられた声に驚く
御祀 潺
見ていなかったものだから。
見えていなかったものだから。
葛火焔郎
「……す、みません、驚かせてしまって」
御祀 潺
「いえ……」
御祀 潺
当たり前のことができなくなると、不便だ。
葛火焔郎
藻に変化をみとめたあの日から。様子がおかしいことには気づいている。
葛火焔郎
境を越えた、ような。それが内へか、外へかは確信はないが。
御祀 潺
「こちらこそ、驚かせてしまいましたね」
御祀 潺
「貴方の姿が、見えなかったものですから」
葛火焔郎
「……お隣に、よろしいですか」
御祀 潺
「どうぞ」
葛火焔郎
”見えなかった”
御祀 潺
煙管の火を落とす。
御祀 潺
湿気っておちる。
葛火焔郎
「もう、見えておられないのですか」
御祀 潺
「以前ほどは。」
葛火焔郎
どか、と隣に座る。
御祀 潺
「とられてしまいましたからね」
葛火焔郎
襟巻を巻き直し、川の流れを見つめる。
葛火焔郎
「……天帝の眼」
御祀 潺
目元を覆う布を外す。
御祀 潺
「これで、良く見えます」
葛火焔郎
布を取る気配に目を丸くしてそちらを振り返る。
葛火焔郎
「か、顔」
葛火焔郎
素直な反応。
御祀 潺
「ええ」
葛火焔郎
「むかし怪我したって」
御祀 潺
「ふふ」
御祀 潺
「ご覧の通りですよ」
葛火焔郎
「…………」
葛火焔郎
ぽかんとその笑みを見る。……と、同時に。
葛火焔郎
その境が必要がなくなったのだということに思考が行きついて、止まる。
葛火焔郎
「潺さん」
葛火焔郎
「……藻は」
葛火焔郎
「”成る”つもり、なんですか」
御祀 潺
「ええ」
葛火焔郎
それはわかっていたことだけれど、口を以て問わねば気が済まなかった。
葛火焔郎
自分とは違う歩みで彼女を見てきた”神様”に。
御祀 潺
「ですから、少し。ないしょで。」
御祀 潺
「いけない事をしました」
御祀 潺
「デートとか」
葛火焔郎
「ええ!?」
葛火焔郎
「ど、どこで」
葛火焔郎
「どこに、なにを、」
葛火焔郎
「ていうか、いつ」
御祀 潺
「カフェでパフェを食べたり、ウィンドウショッピングをしたり……と言っても、あまり物は買いませんでしたが」
御祀 潺
「貴方が学校に行っている間に」
葛火焔郎
「…………藻は、そんなこと一言も」
御祀 潺
「…………」
葛火焔郎
「藻から行きたいと?」
御祀 潺
「私からお誘いしました」
葛火焔郎
「………………誘われたら行くのかよ」
御祀 潺
「ふふ……」
御祀 潺
「本当は」
御祀 潺
「貴方と一緒に、行きたいのだと……」
御祀 潺
「思いますよ」
葛火焔郎
がりがりと頭を掻く。
御祀 潺
「まあ、それはそれとしてたいそう喜んでいただけましたが」
葛火焔郎
膝を抱えて、少しでも暖を取る体勢になる。
葛火焔郎
「……俺と行ったって楽しいことはなにも教えてやれません」
御祀 潺
「焔郎」
御祀 潺
「楽しいことは、教えるものですか?」
葛火焔郎
「……わかってます」
葛火焔郎
外へ出ればごく当たり前の全てのことを、あの子はあんなにも驚き、喜ぶ。
御祀 潺
「少し大人になりましたね」
葛火焔郎
「もう子供じゃありませんから」
御祀 潺
「…………焔郎」
葛火焔郎
「はい」
御祀 潺
「今の貴方に、彼女を連れ出すことは出来ません」
御祀 潺
「私はそれを、見過ごせない」
葛火焔郎
「連れ出すって、何処へ」
御祀 潺
肩を竦める
御祀 潺
「どこへでも?」
葛火焔郎
「藻は」
葛火焔郎
「……外に出られないのではなく、出ないのだと」
葛火焔郎
「ずっと思っていました」
葛火焔郎
「だから、僕も手を引いたりはしなかった」
葛火焔郎
「…………」
葛火焔郎
何かを言いかけて、やめる。
御祀 潺
「焔郎、私は……」
御祀 潺
「少しでも、長く。いえ。」
御祀 潺
「長くでは、ありませんね。」
御祀 潺
「ほんの少しの時間でも……自由を、与えたい。彼女に。」
葛火焔郎
同じ色をした目を見る。
葛火焔郎
石とも炎とも違う、血の色。
御祀 潺
「このまま、時が来れば」
葛火焔郎
生き物にかようものの色。
御祀 潺
「彼女は神となり、消えるでしょう」
御祀 潺
「しかし……貴方なら、その心に触れられるかもしれません。」
葛火焔郎
「それはあなたの思し召しですか」
御祀 潺
「…………」
御祀 潺
「以前、命は大切になさいといいましたね。」
御祀 潺
「貴方は、私にも大切にしてほしいと言いました」
御祀 潺
「私は、それを……世界の為に費やしたい。」
御祀 潺
「そして、彼女の為に。」
御祀 潺
「貴方は」
御祀 潺
「彼女の為に差し出す命はありますか?」
葛火焔郎
「あります」
御祀 潺
「あの子が生きれば、貴方の命は長くない」
葛火焔郎
「わかっています」
御祀 潺
「あの子の気持ちを歪めることになっても?」
葛火焔郎
「……」
御祀 潺
「それとも……そうではないと、思いますか?」
葛火焔郎
「最初に、成人の儀について聞いた時」
葛火焔郎
「藻が望むことを叶えてやりたいと思いました」
葛火焔郎
「藻はこの里で、この里のしきたりに従って」
葛火焔郎
「神になるべく育てられた子です」
葛火焔郎
「そしてそれは藻も、分かっていて」
葛火焔郎
「だからあいつは、それを望むと」
葛火焔郎
「そう、……思って」
御祀 潺
「私に先を越されたわけですね」
御祀 潺
「ふふふ」
葛火焔郎
「……」
葛火焔郎
睨んだ。
葛火焔郎
「そうじゃなくて……」
葛火焔郎
「神になることを、です」
御祀 潺
「ええ」
御祀 潺
「それを望んでいると思って」
御祀 潺
「デートの誘いをし損ねたと」
御祀 潺
「ふふふふ」
葛火焔郎
「……う」
御祀 潺
「だからあの子は、もしかしたら。」
葛火焔郎
「デートとか、そういうのでは……なくてですね……」
御祀 潺
「貴方を、困らせまいとしているのかも……しれませんね」
御祀 潺
*藻のもうひとつの秘密を葛火焔郎に譲渡します
葛火焔郎
*受け取ります……
【追加の秘密:藻】
あなたは神となって世界を救わなければならないと考えているが、同時に、葛火 焔郎とは完全に隔絶した存在になってしまうことに恐れを抱いている。
あなたは葛火 焔郎が自分と一緒に死んでくれるのならば、人間のまま死ぬのも悪くないと思っている。
GM
以上です。
葛火焔郎
「………………………」
御祀 潺
「…………私は」
御祀 潺
「貴方の未来を奪います。」
葛火焔郎
長く、深く、息。
御祀 潺
「貴方は、彼女の為に差し出す命があると言った」
御祀 潺
「ならば、残るはずの短い時間で」
御祀 潺
「ハネムーンにでも、いってらっしゃい」
葛火焔郎
「あなたを火にくべて?」
御祀 潺
「ひどい言い方ですね」
葛火焔郎
「間違ってはいないでしょう」
御祀 潺
「ふふ……」
御祀 潺
「ついでに願いを叶えてやったと」
御祀 潺
「思ってくださいよ」
葛火焔郎
「ついでに、という方がずっとひどい言い方です」
御祀 潺
「はは」
御祀 潺
足元に小さな獣が寄ってくる。
御祀 潺
獺。
葛火焔郎
「僕はあなたのことも、好きです」
葛火焔郎
「灰吏にいちゃんのことも」
御祀 潺
「告白ですか?」
葛火焔郎
「ちげーーーーーよ」
御祀 潺
「ふふ」
葛火焔郎
咳き込む。
葛火焔郎
「……誰も死なない方がいい」
葛火焔郎
「ほんとうは」
御祀 潺
「ええ」
葛火焔郎
「俺だって藻だって」
御祀 潺
獺を抱き上げて、膝に乗せる。
葛火焔郎
「……犠牲を強いられていいものなんて誰もいない」
葛火焔郎
「だから、俺は」
御祀 潺
「違いますよ」
葛火焔郎
「……」
御祀 潺
「犠牲ではありません」
御祀 潺
「私も彼女も、それが、生きる理由だった。」
御祀 潺
「使命です。」
御祀 潺
「人が天寿を全うするのと、何ら変わりやしない」
御祀 潺
「それが、17年か、80年か。それだけの違いです。」
葛火焔郎
「人間はそういうふうには思わないもんですよ」
御祀 潺
「ええ、だから」
御祀 潺
「焔郎」
御祀 潺
「彼女を人間にしてやれるのはきっと」
御祀 潺
「私ではなく、貴方なのですよ」
御祀 潺
「私は人ではありません。初めから……ずっと」
御祀 潺
「それでも、人を愛しています。」
御祀 潺
「だから、愛するもののために命を差し出せるなら、こんなに嬉しいことはない」
御祀 潺
膝上の獣を撫でる
御祀 潺
「ああ、君もね。愛しているよ。」
御祀 潺
「私の残すものはみな、彼女が知っています。」
御祀 潺
「困った時は、頼ってくださいね」
葛火焔郎
「潺さん」
御祀 潺
「はい」
葛火焔郎
「……藻と何処のどの店に行ったかあとでLINEしてください」
御祀 潺
「え~」
葛火焔郎
「え~じゃない」
御祀 潺
「はいはい」
御祀 潺
毎日、毎日。
御祀 潺
その姿を見ていたけれど
御祀 潺
戻ってきたら修行ばかりで。
御祀 潺
ついぞ、一緒に遊ぶこともなかったね。
御祀 潺
私はね、チェスが結構得意なんだよ。
御祀 潺
オセロはやったことがなくて
御祀 潺
将棋はちょっとわかる
御祀 潺
ああ、もう少しだけ。
御祀 潺
時間があったらよかったのにな。
葛火焔郎
水の匂い。獣の匂い。
葛火焔郎
藻のそばにずっと控えていたこのひとから、
生きている人間の匂いはしなかった。
葛火焔郎
布の中身を訊いてもはぐらかすばかり。
葛火焔郎
このひとのことを何も知らない。
葛火焔郎
どんな食べ物が好きか。どんな音楽が好きか。
どんなひとが好きか。どんな世界を見たか。
葛火焔郎
なにひとつ。
葛火焔郎
知らないまま別れることになる。
葛火焔郎
それでも分かることがひとつだけ。
葛火焔郎
愛されている。僕も、藻も、灰吏にいちゃんも。
葛火焔郎
だから犠牲にするのではなく、選ぶ。
葛火焔郎
あなたの願いを叶えることを。
葛火焔郎
ああ、もう少しだけ。
葛火焔郎
話をすればよかったのにな。