GM
第三サイクル第三シーンが終わりまして、最後のプレイヤーのシーン……
GM
RPのためだけのマスターシーン話し足りない時とかによくやる。を挟みましょう。
マスターシーン
シーンプレイヤー:潺
御祀 潺
「お時間を取っていただき感謝いたします。」
煤木野灰吏
いつもと変わらぬ軽薄な表情を浮かべて、出迎える。
煤木野灰吏
「近頃はもてなしていただいてばっかりでしたからねえ」
煤木野灰吏
「そろそろこちらからもお招きせねばと思っていたところで」
GM
夜闇を、裏の世界をわずかたしかに照らすもの。
御祀 潺
子供たちの、その中で。
常に一歩先を歩くよう。
御祀 潺
「でも、私にも小さい頃があったのですよ。」
御祀 潺
「写真のひとつやふたつ、残っていればよかったですね」
御祀 潺
「灰吏様は、こんなに……小さい頃から。」
煤木野灰吏
「頑張り屋で言ったら坊っちゃんの方でしょう」
煤木野灰吏
「俺はそんな大したもんじゃないんですけどねえ」
御祀 潺
「甘えさせてあげられるのは、私くらいのものだったでしょうに」
煤木野灰吏
「強がりとかでは、なくてですねぇ……」
御祀 潺
「わがままひとつ言わず、頑張ってきたあなたの……おそらくは」
御祀 潺
「私は、聞き入れてあげることが……できないでしょう。」
煤木野灰吏
昔からこの人を相手に隠し事を通せた試しがない。
御祀 潺
「……許してくださいとは言いません。許してあげてくださいとも。」
御祀 潺
「少しくらい、弱音を吐いても。誰かに泣きついても。」
煤木野灰吏
「…………それを、あなたに言われるとは」
御祀 潺
「触れられるものは、たくさんありましょう」
御祀 潺
「鮮やかな世界が、共にあったことでしょう」
御祀 潺
「露となり、消えるのが……私の役目と。」
煤木野灰吏
月明かりに照らされて、金色の瞳が煌めいている。
御祀 潺
括りつけられた生であることに変わりはなかろうが。
煤木野灰吏
心の内まで見透かすようなその瞳に、見据えられている。
煤木野灰吏
自由であるということの重みを、感じる。
御祀 潺
「あなたの話を、聞かせてくださいますか?」
御祀 潺
「ぶっちゃけ、というやつでもかまいませんよ」
煤木野灰吏
「なるべく二人きりにならないように頑張ってきてたんですけどねえ」
煤木野灰吏
「……いかんせん、見逃してもらえた試しがない」
煤木野灰吏
「何か一つくらい、あなたに勝ちたいと」
煤木野灰吏
こうなったら、吐くまで呑んでしまおう。
煤木野灰吏
そうしたら明日の朝には何を言ったかきれいさっぱり忘れているかもしれない。
御祀 潺
その何倍も、何十倍も長い時を共に過ごしてきたというのに。
煤木野灰吏
今までこうして本音を語ったことはなかったし、そうするつもりだってなかった。
煤木野灰吏
「様とかつけるもんじゃないですよ……」
煤木野灰吏
ぽつぽつと溢していた言葉が、やがて愚痴や難癖の様相を呈していく。
御祀 潺
「ええ~、同じ分家の身ではありませんか」
御祀 潺
「他家の者には敬意をはらいませんとねぇ」
煤木野灰吏
「俺はそんな様とかつけられるようなアレじゃね……」
煤木野灰吏
「いっつも助けてくれるのに、それで恩に着せるようなことも言わないし……」
煤木野灰吏
「なんなら気づかせないようにしてくるし……」
煤木野灰吏
「俺がどれだけ気まずいか分かってるんですか~?」
御祀 潺
「あとで、いつもちょっと悔しそうな……可愛い顔をしていましたよね」
煤木野灰吏
いつもよりも明らかに早いペースで、酒を入れていく。
煤木野灰吏
「御祀さんには俺がそう見えたんですね~~~」
御祀 潺
「焔郎の事を真剣に考える……あなたは。」
御祀 潺
「立派な、一人前のシノビの顔をしていますよ」
煤木野灰吏
もはや完全に目を閉じて、それにも気づかずにいる。
煤木野灰吏
焔郎にとって、俺ってまだにいちゃんらしいんだよ。
煤木野灰吏
一度くらい、勝つとこ見せてやりたいよな。
藻
獺ちゃんと仲良くなっちゃったので一緒に鮎とって遊ぼ~っと。
藻
ぱしゃりと音を立てて渓流を2つのいきものが駆ける。
マスターシーン:2
シーンプレイヤー:煤木野灰吏
藻
気配を察した獺は一足先にどこかへ行ってしまっていた。
煤木野灰吏
夜闇と同じ色の服が、月明かりに照らされる。
煤木野灰吏
川べりに膝をつき、そのまま折り目正しく正座する。
藻
世界を救うこと。
神様になること。
負けないこと。
煤木野灰吏
「……焔郎様が、あなたを生かそうとしても」
煤木野灰吏
幼馴染の兄貴分から、よく知る小さなお嬢さんへではなく。
煤木野灰吏
「成人の儀では、微力ながら藻様の勝利のためにお力添えいたします」
煤木野灰吏
「それに支障をきたすようなことはありません」
藻
人の子として見れば人に。
神の子として見れば神に。
煤木野灰吏
焔郎に向ける、焔郎だけに向ける笑顔を知っている。
煤木野灰吏
もらったもの全てを大事に、大切に扱って。
藻
今は、濡れてしまっただろう灰吏の洋服のことを心配している。
煤木野灰吏
川辺の湿った土が、スーツを汚している。
煤木野灰吏
「……突然訪ねた非礼を、お詫びいたします」
煤木野灰吏
深夜にレディの元を訪ねるのは無礼でしょう。
藻
今はもう2人とも、帰るタイミングを知っちゃったね。
煤木野灰吏
たくさん、祝いの言葉をかけてもらった。
煤木野灰吏
この少女が大人になれないなんて、あのときは知る由もなかったんだ。