メインフェイズ

GM
メインフェイズへ入ります。
GM
行動したい方はいらっしゃいますか?
神楽坂 千歳
はい。
アガタ
はい
神楽坂 千歳
だろうと思っていた。
勢納 斎
じゃあ私もはい
花丸 かごめ
じゃあかごめも……
GM
それでは全員で1d100を。
GM
多い人から行動です。
勢納 斎
1d100 (1D100) > 86
神楽坂 千歳
1d100 (1D100) > 98
勢納 斎
ふふん
アガタ
1d100 (1D100) > 53
花丸 かごめ
1d100 (1D100) > 92
勢納 斎
ちょっと
神楽坂 千歳
俺は攻め。
花丸 かごめ
ちとせくんつよい!
GM
神楽坂 千歳からで。
神楽坂 千歳
畏まりました。
堅洲の里シーン表(2d6)
2:墓標。儀式『神楽八十神追』で死んでいった隠忍たちを祀るものだ。
3:洞穴。些細な割れ目のような入り口だが、中は広い。完全な闇が滴る。
4:戦場。岩を抉る刃の跡が、これまでの忍たちの戦いの凄まじさを物語る。
5:集落。そのまま里の者の営みが残っており、細々と、しかし平穏な暮らしをしていたことが窺える。
6:木々。鬱蒼と生い茂る。どこまでも奥があり、深い闇へと招く。
7:祭壇。一切の明かりは消えて、人気はない。
8:草原。青く暗い満月が空にあり、風が吹けば草がさざめく。
9:廃墟。以前の儀式で朽ち果てた家屋が残存している。
10:小川。白々と、草木をかきわけるように流れる。
11:湖沼。冷気がわき上がり、熱という生命の灯火を啜る。
12:暗闇。明かりが届かぬ、果ての果て。
GM
シーン表も用意しました。自由にお使いください。

メインフェイズ サイクル1 神楽坂 千歳

GM
先ほどまでたくさんの人がいた祭壇も、いつの間にか4人。
GM
他全てが消えていなくなっている……もとい、
GM
あなたがたがこの異界に降りてきた。
GM
おおよそ、この世ともあの世ともつかぬ世界。
GM
一つの虫の音もなく、明かりと言えば青く暗い満月のみ。
神楽坂 千歳
闇の晴れるより前。
神楽坂 千歳
一切の沈黙、一時の暗闇の中、
神楽坂 千歳
静かに瞼を伏せていた。
神楽坂 千歳
これより執り行われるは『神楽八十神追』。
神楽坂 千歳
五十年に一度行われる、現シノビガミの力を維持するための国守の儀。
神楽坂 千歳
『八千矛』『姫君』『八十神』
神楽坂 千歳
この闇が晴れたとき、儀式に必要とされるその三役のみが残さるる。
神楽坂 千歳
彼らに対して、然るべき礼を。
神楽坂 千歳
『八千矛』として、国を造りし武神として、誰にも恥じることのない挨拶を――
神楽坂 千歳
「――あ?」
神楽坂 千歳
と、いうのが。
神楽坂 千歳
差し込んだ光の四条目、居るはずのない者、
神楽坂 千歳
幼き日より親しんだ少女の姿に目を見開く。
花丸 かごめ
ぱちぱち、と目を瞬かせる。
神楽坂 千歳
「…………」
神楽坂 千歳
「かごめ?」
花丸 かごめ
「──え」
花丸 かごめ
「え~!?」
花丸 かごめ
千歳の顔を見て、それから辺りをくるくると見回す。
勢納 斎
「……は?」
花丸 かごめ
千歳の他には、かごめのもうひとりの幼馴染、斎。それから隠忍の男。だけ。
花丸 かごめ
周囲にいたはずの人々はいない。
アガタ
面布と髪の隙間から差し込む目が見まわした者の視線を捉える。
勢納 斎
「かごめ……お前どこから紛れ込んだんだ」
神楽坂 千歳
空には満月が冴え冴えと。
神楽坂 千歳
戸惑う忍びたちの姿を照らす。
花丸 かごめ
「いつきちゃん~……じゃなかった斎さま!」
花丸 かごめ
「それがわたしにもわかんないんですよ~」
GM
当然、このようなことがあったとは記録にない。
花丸 かごめ
「なんでわたしはここにいるんでしょ~?」
勢納 斎
「なんでお前はそこにいるんだ……」
神楽坂 千歳
「…………」
勢納 斎
「まぁいい。いるものは仕方ない」
花丸 かごめ
「切り替えがはや~い」
勢納 斎
「なんとか上手くやれ」
GM
そして始まった儀式は、完遂か、破壊か。そのどちらかに至るまで、中止はありえない。
GM
この異界から出ることもかなわない。
花丸 かごめ
「うまく……」
神楽坂 千歳
斎の言葉に小さく息をつく。
神楽坂 千歳
彼女の言葉は正しい。
神楽坂 千歳
異常事態。イレギュラー。であることは間違いないが、
神楽坂 千歳
どちらにせよ儀式は遂行されなければならない。
神楽坂 千歳
かごめをどうにかしてやることもできない。
花丸 かごめ
「え~ん、うまくやりまーす……」
神楽坂 千歳
「…………」
神楽坂 千歳
ちらりとかごめを覗き見て、
花丸 かごめ
場違いな自分にか、もじもじしています。
神楽坂 千歳
「……お前には『配役』も、本来ないはずだろう」
花丸 かごめ
「はい……」
神楽坂 千歳
「やり過ごすことに努めればいい。俺たちも、お前を巻き込むことはしない」
神楽坂 千歳
そうだろう、と――『姫君』『八十神』の二人に視線を配る。
花丸 かごめ
「…………」
勢納 斎
「そうだな。巻き込む理由が何もない」
アガタ
八十神たる男は押し黙ったまま、暗闇を見つめている。
アガタ
視線だけそちらに向けて頷きのような仕草をわずかにした。
神楽坂 千歳
彼の仕草を同意と汲み取り、足を一歩前に進める。
神楽坂 千歳
月の光の照らす下。この堅洲の里の森の中。
神楽坂 千歳
「……失礼した」
神楽坂 千歳
堂々と背筋を伸ばして、まっすぐな視線を二人に向けた。
神楽坂 千歳
「俺は神楽坂千歳。この『神楽八十神追』に於いて、『八千矛』の役を仰せつかった者だ」
神楽坂 千歳
「……この配役に」
神楽坂 千歳
「人々の期待に、恥じることなき振る舞いをしたいと思う」
神楽坂 千歳
静謐の森の中、粛々とそのように語り――
神楽坂 千歳
「と、いうのも結局は」
神楽坂 千歳
不意に相好を崩した。
神楽坂 千歳
「俺がそのようにしたくて選ぶことだ」
神楽坂 千歳
「期待だとか役割とか、まあ色々あるにゃああるし、それはあんたらも無関係じゃなかろうが」
神楽坂 千歳
「この場に立ったら自らの為すを遂げるが全て」
神楽坂 千歳
「なんせ他に人がないはずだったからな! 監視も期待もありゃしない!」
神楽坂 千歳
月の下、胸を張ってそのように笑う。
花丸 かごめ
いないはずだったけどいる人です。
花丸 かごめ
三人の様子をはらはらと窺っている。
アガタ
「……」
勢納 斎
「そうだな、ここには監視も期待もありゃしない」
勢納 斎
「そこにかごめがいるが……、まぁ告げ口をするような女でもない」
神楽坂 千歳
「ああ」
花丸 かごめ
「もちろんしませんとも~」
神楽坂 千歳
「かごめで良かった。うるさくはないだろうからな」
勢納 斎
「お言葉に甘えて、好き勝手にやらせてもらおう」
神楽坂 千歳
「へえ」
神楽坂 千歳
どこか面白がるように息を漏らして、
神楽坂 千歳
「そんじゃあ、敢えてこのように呼ばせてもらうが――」
神楽坂 千歳
「『姫君』」
勢納 斎
「あ?」
花丸 かごめ
あわわ……
神楽坂 千歳
「おや」
神楽坂 千歳
ぱち、と目を丸くした。
神楽坂 千歳
「気分を害したかね。これは失礼」
勢納 斎
「姫君は配役であって、私の名前じゃない」
勢納 斎
「いいか、私は勢納斎だ。姫君の前にな」
勢納 斎
「ゆめゆめ忘れるな」
神楽坂 千歳
斎の顔を正面から見返しながら、その言葉を聞いている。
神楽坂 千歳
彼女が言い切ると、ふむ、と一度頷き、
花丸 かごめ
「かごめから言っとけばよかったですねぇ、ごめんね~……」
神楽坂 千歳
「いや」
神楽坂 千歳
かごめに軽く首を振って、
勢納 斎
「かごめは悪くない」
神楽坂 千歳
「ああ。それはかごめの役目でもないだろう」
花丸 かごめ
あわあわ……
神楽坂 千歳
「俺が、今ここにいる彼女に礼を失した。それが全てだ」
神楽坂 千歳
「二度とあんたを『姫君』とは呼ばない。肝に銘じるとしよう」
神楽坂 千歳
「それで許してはくれるかい?」
勢納 斎
「分かればいい。それと」
神楽坂 千歳
「なんだい」
勢納 斎
「貴様も礼儀知らずという訳ではない。何も言わずに察しろなどと、頭の悪いことは言わん」
神楽坂 千歳
「はは」
勢納 斎
「言われたことに腹が立ったから脅かしただけだ」
神楽坂 千歳
「なるほど納得!」
神楽坂 千歳
「まあでも、あんたを読み違えたのも、開幕役割も期待も関係ないとぶち上げたのも俺だからなあ!」
神楽坂 千歳
「ま、許してくれるなら良かったよ。腹立てさせたいわけでもねえからさ」
神楽坂 千歳
言って、改めて背筋を伸ばす。
神楽坂 千歳
「それじゃあ、勢納斎よ」
神楽坂 千歳
真っ直ぐに彼女を見据えて、その名を呼ぶ。
勢納 斎
「なんだ?神楽坂千歳」
神楽坂 千歳
「あんたは俺に『神器』を授けてくれるのか?」
神楽坂 千歳
手番の行動を宣言。勢納斎と感情判定。
神楽坂 千歳
プライズを使用します。
GM
了解しました。
GM
*プライズの効果により、感情判定を成功にします。
GM
感情表をどうぞ。
神楽坂 千歳
ET 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)
勢納 斎
ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
神楽坂 千歳
共感。
勢納 斎
?
勢納 斎
劣等感
GM
*神器の封印が解かれ、神楽坂千歳はこれを獲得。
GM
*神器の封印が解かれたため、勢納斎の使命を神楽坂千歳の使命に変更。
GM
*神器の封印が解かれたため、勢納斎はすべての感情属性を取り直す。感情表の結果を見てから、変えないことを選んでもよい。
GM
感情表をどうぞ。
勢納 斎
ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
勢納 斎
?
勢納 斎
じゃあ……憧憬に……
GM
はい。
GM
*神楽坂千歳のプライズは勢納斎に手渡されたものとし、そして消滅。
GM
GMからの処理は以上です。
勢納 斎
「私は『八千矛に神器を与えること』が使命だ」
神楽坂 千歳
「ああ」
勢納 斎
「くれてやろう」
神楽坂 千歳
ふ、と軽く表情を緩めた。
神楽坂 千歳
「助かるよ」
花丸 かごめ
「…………」
勢納 斎
外套を脱ぎ捨てる。
勢納 斎
帯を解く。袴が地面に落ちる。
神楽坂 千歳
「!?」
花丸 かごめ
「いいいいつきちゃん!!??」
神楽坂 千歳
斎の行動に目を見開き、身を強張らせる。
勢納 斎
躊躇なく衣類を脱ぎ、全てその場に落とす。
花丸 かごめ
「ちとせくん見ちゃだめです!」
神楽坂 千歳
かごめが言うまでもなく、慌てて斎から目を逸らした。
勢納 斎
「かごめ、いい」
神楽坂 千歳
「え」
勢納 斎
千歳の手を取る。
神楽坂 千歳
「あ?」
花丸 かごめ
「あわわ……」
神楽坂 千歳
「っ」
神楽坂 千歳
手を取られて、正面の斎の姿を見る。
勢納 斎
斎の下腹部には、何かを封じるような文様が刻まれている。
神楽坂 千歳
目の前の女の裸体を見、
勢納 斎
そこに、千歳の手を
神楽坂 千歳
その紋様に、すっと表情を引き締めた。
勢納 斎
「そら、お前のための神器だ」
神楽坂 千歳
「……ああ」
神楽坂 千歳
導かれる。
勢納 斎
柔く温かい保管庫に、神器は封じられていた。
神楽坂 千歳
その存在を指先に感じ取る。
神楽坂 千歳
鼓動を感じる。
神楽坂 千歳
力を感じる。
神楽坂 千歳
自分が為すべき、否、『為したい』と願うこと、
神楽坂 千歳
そのために必要な力を、男の無骨な手が掴み取る。
勢納 斎
『八千矛』
勢納 斎
『貴方に、神器を授けます』
神楽坂 千歳
『――ああ』
神楽坂 千歳
『この手に、確かに』
神楽坂 千歳
おんなの胎を探り、
神楽坂 千歳
ぬくもりの中に硬い指を動かし、
神楽坂 千歳
武神の役目を負うた男の手が、神器を掴み。
神楽坂 千歳
一思いに、それを引き抜く。
勢納 斎
悲鳴を噛み殺す。
神楽坂 千歳
もう一方の手を伸ばした。
神楽坂 千歳
その手のひらで、斎の背を支える。
GM
取り出された神器は刀の形をしている。
勢納 斎
額に汗を浮かべ、息を整えようとして、千歳の腕のぬくもりに瞳を閉じた。
勢納 斎
神器は、与えられた。
神楽坂 千歳
斎の背を支え、胸に抱え込むようにしながら、
神楽坂 千歳
与えられた神器を握り締める。
GM
人の腹に収まるにはあまりある大きさ。
GM
神器という名にふさわしく、ただならぬ活力に満ち満ちている。
GM
千歳が解放のために斎に与えた祭具は鏑矢の形。
GM
それももう、既に光の粒ともしれぬものとして、かき消えている。
GM
神器の封印解放は成された。
神楽坂 千歳
並々ならぬ力を腕に感じながら、抱えた女に声をかける。
神楽坂 千歳
「大丈夫か」
花丸 かごめ
二人の様子を、目を丸くして見守っていた。
勢納 斎
1、2秒答えられずに息を整えて
勢納 斎
「……ふん、大したことはなかったな」
花丸 かごめ
「だ、だいじょうぶ? おなか痛くない?」
神楽坂 千歳
「……そうかい」
神楽坂 千歳
「いい気概だぜ、勢納斎」
神楽坂 千歳
硬い指先でその背を撫ぜながら、そのように鼓舞する。
勢納 斎
「…………」
勢納 斎
千歳から体を離すと、かごめの方に向かう。
神楽坂 千歳
「ん」
花丸 かごめ
拾っておいた着物を持って傍らに。
勢納 斎
「……めっちゃ痛い」
神楽坂 千歳
斎の背を見送り、かごめが彼女に着物を着せるに至って、
勢納 斎
かごめにだけ、小声で。
花丸 かごめ
「よしよし……」
神楽坂 千歳
彼女が裸身を晒していることに改めて思い至る。
花丸 かごめ
「がんばったね……」
勢納 斎
「痛い……、こんなに痛いって知らなかった……」
花丸 かごめ
着物を着せながら、同じく小声で答える。
勢納 斎
大人しく着物を着せられている。
神楽坂 千歳
彼女らからさっと目を逸らした。
花丸 かごめ
自分より背の高い斎に、てきぱきと着せています。
神楽坂 千歳
そして、
神楽坂 千歳
少女たちから目を逸らした、その先に。
神楽坂 千歳
「……待たせたな」
神楽坂 千歳
自分の相対すべき男が立っている。
アガタ
見る。
アガタ
否。見ていた。
神楽坂 千歳
その視線を知っていた。
神楽坂 千歳
注がれ続けたそれにようやっと応えて、
神楽坂 千歳
また、一歩前に出た。
神楽坂 千歳
手には神器。月光を受けて輝く刀を握り締め、
神楽坂 千歳
「俺は『八千矛』をやる」
神楽坂 千歳
「あんたは?」
神楽坂 千歳
そのように問いかける。
アガタ
「……」
アガタ
「なんどは」
神楽坂 千歳
「?」
アガタ
「までにしゃべるな」
神楽坂 千歳
目を瞬いた。
神楽坂 千歳
意味が一部了解できぬところもあったが、
アガタ
「ぼるんだべさ」
神楽坂 千歳
「俺は、俺のしたいようにしているよ」
アガタ
「でがすんだべ」
神楽坂 千歳
「そのように育てられた在り方に、俺の意志で応えている」
神楽坂 千歳
「つもり、だが」
神楽坂 千歳
「…………」
神楽坂 千歳
少し困ったように眉を下げた。
アガタ
「……たげだば」
神楽坂 千歳
「……すまない」
神楽坂 千歳
「実は、君の言葉が結構、わからない」
神楽坂 千歳
「見当違いを言っているかもしれない」
アガタ
「わもだじゃ」
神楽坂 千歳
「難しいな……」
アガタ
「んだはんで」
アガタ
「かっつぐしがね」
アガタ
そう言って、
神楽坂 千歳
目を瞬く。
アガタ
男はその場から駆け出した。
神楽坂 千歳
「おや」
アガタ
闇へ。
神楽坂 千歳
追うか迷うて、足を止めた。
神楽坂 千歳
闇に去るその背を見送る。
神楽坂 千歳
……追撃しても良かった。
神楽坂 千歳
自分の腕には神器がある。
神楽坂 千歳
それが自分に比類なき力を与えていることを、千歳は魂で理解している。
神楽坂 千歳
彼も『八十神』。
神楽坂 千歳
堅洲の里にて、最も力あるものとしてこの儀に差し出された隠忍の男。
神楽坂 千歳
一筋縄で行かぬことは確かで、確実に有利の取れる今のうちに全てを済ませてしまうのが、
神楽坂 千歳
或いは自分に求められている役目であるかもしれないとは思う。
神楽坂 千歳
ただ、とにかく、
神楽坂 千歳
気が進まなかった。
神楽坂 千歳
決して彼に情けをかけたわけではない。役目を放棄したわけでもない。
神楽坂 千歳
ただ、神楽坂千歳は自分のしたいようにすると決めていた。
アガタ
あまねくすべてのひとびとの平穏のために。
アガタ
今夜、隠忍の男は間引かれる。
アガタ
『八十神追』
神楽坂 千歳
それに異を唱えるつもりはなく、それを確かに遂行する者として、神楽坂千歳はこの堅州の異界に立つ。
アガタ
そのお題目どおり、男は地を蹴って闇へ駆けた。
アガタ
異を唱えるものはいない。
アガタ
この世の何処にも。
神楽坂 千歳
自分は彼を追う。
神楽坂 千歳
彼を追うて、彼を追い詰め、彼を殺す。
神楽坂 千歳
そのようにして今の太平の世を保つ。
神楽坂 千歳
この舞台は。
神楽坂 千歳
自分のために誂えられた戦場だ。
神楽坂 千歳
その傲慢に、多少のあぐらをかくことも許されよう。
神楽坂 千歳
千歳は闇にアガタを見送った。
神楽坂 千歳
たっぷりと時間をかけ、
神楽坂 千歳
忍の目にも彼の姿が闇に溶けるのを見届けてから初めて、
神楽坂 千歳
森へと歩みを進める。
神楽坂 千歳
おんなたちに背を向けて、
神楽坂 千歳
その歩みは、今度は一歩では止まなかった。
GM
数千年前に行われた神事。
GM
数千年前より繰り返された神楽。
GM
かくして祭具は姫君の手に渡り消え去り、神器は封印を解かれて八千矛の手に。
GM
世は並べて事もなし。
GM
GM
はい。次に行動される方は。
花丸 かごめ
はーい!!
勢納 斎
おなかいたいからいいかな……
花丸 かごめ
おやすみしようねえ
アガタ
はい
GM
では先ほどと同じように1d100を。
花丸 かごめ
1d100 (1D100) > 46
アガタ
1d100 (1D100) > 32
GM
花丸 かごめからですね。

メインフェイズ サイクル1 花丸 かごめ

花丸 かごめ
斎の装束をきっちりきれいに着付けて、うんうんと頷く。
花丸 かごめ
それから小さくなっていく幼馴染の背中に視線をやり……
花丸 かごめ
「……どうする? ちょっとお休みしていく?」
勢納 斎
「……」
勢納 斎
同じように、去りゆく二人の男の背を見る。
勢納 斎
座り込んで休んでいたが、立ち上がろうとして、しおしおと座り込む。
勢納 斎
「……そう、だな……」
花丸 かごめ
「うんうん、無理はよくないですからね~」
花丸 かごめ
「あ、おやつ食べる? 元気でるよ~」
花丸 かごめ
懐から包みを取り出して差し出す。
花丸 かごめ
兵糧丸(フレーバー)。
勢納 斎
「うん……食べる……」
勢納 斎
差し出されたおやつをありがたく頂く。
花丸 かごめ
花丸製の兵糧丸はおいしいことで有名。
勢納 斎
おいしい。
花丸 かごめ
見た目も味もまるでビスケット。
勢納 斎
ビスケットだこれ!
花丸 かごめ
斎がおやつを食べるのをにこにこと見つめながら、自分も一枚ぱくり。
勢納 斎
しょんぼりした顔で立ち去った二人の方向を見ながら、花丸製の兵糧丸をさくさく。
花丸 かごめ
もくもくと食べながら、先程の様子に思いを馳せる。
花丸 かごめ
斎の肚より取り出された神器。
花丸 かごめ
自分の内側から、何か確信めいたものが沸いてくる。
花丸 かごめ
情報判定でアレを調べます。
GM
了解しました。
GM
判定をどうぞ。
花丸 かごめ
特技は伝達術。自分の内から、自分に伝わってくるもの。
花丸 かごめ
2D6>=5 (判定:伝達術) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
花丸 かごめ
ほよよ~ん
花丸 かごめ
神通丸を使います。
勢納 斎
かごめ……
[ 花丸 かごめ ] 忍具 : 2 → 1
花丸 かごめ
2D6>=5 (判定:伝達術) (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功
GM
成功ですね。
GM
貼りました。
花丸 かごめ
「…………」
花丸 かごめ
「……ちょっと、喉かわいちゃうね」
花丸 かごめ
「お茶も持ってきたらよかったな」
花丸 かごめ
こうなるつもりじゃなかったからな~
勢納 斎
「ああ……、一応、そこに」
荷物を指差す。
一晩を明かす程度の用意はしてきている。
花丸 かごめ
「いつきちゃん、さっすが!」
花丸 かごめ
ぱたぱたと荷物に駆け寄り、持って戻ってくる。
花丸 かごめ
「開けちゃっても大丈夫?」
勢納 斎
「好きに使っていい……」
花丸 かごめ
「ありがと~」
勢納 斎
見るからにぐったりしている。すっごい股が痛い。
花丸 かごめ
荷物から水筒を見つけて、お茶を注いで斎に差し出す。
勢納 斎
「ありがとう……」
勢納 斎
受け取る。
勢納 斎
ちびちびお茶を飲んでいる。
花丸 かごめ
「気にしないでゆっくり休んで~」
勢納 斎
「……すまないな。突然巻き込まれた上に、変なものを見せて、介抱させて」
花丸 かごめ
「ううん、いつきちゃんが謝ることはないの」
花丸 かごめ
「……でも、どうしよう」
花丸 かごめ
「どうしたらいいんだろうな、わたし……」
勢納 斎
「……どうかしたのか?」
勢納 斎
かごめの顔を見上げる。
花丸 かごめ
「……だって~、困っちゃうよこんなの~!」
花丸 かごめ
「わたし、聞いてないし!」
花丸 かごめ
「いつきちゃんもちとせくんも何も知らないっぽいし!」
勢納 斎
「まぁ、そりゃあ困るか」
花丸 かごめ
「こまっちゃいます~……」
勢納 斎
「どうしたんだろうな。今まで関係のない人間が混じった話なんて聞いたことがなかったが……」
勢納 斎
「いや、でもまぁ。明日まで大人しくしてれば大丈夫だろう」
花丸 かごめ
「…………うん」
花丸 かごめ
「そうだと、いいな」
勢納 斎
じっとかごめの顔を見る。
勢納 斎
「……ああ、そうだ」
勢納 斎
水筒を置いて、立ち上がる。
勢納 斎
「安心しろ、お前は私が無事に帰してやる」
花丸 かごめ
「いつきちゃん~~」感激。
花丸 かごめ
「……もう立ってだいじょうぶ?」
勢納 斎
「私を誰だと思っている?」
勢納 斎
「もう治った」
花丸 かごめ
「さっすがいつきちゃん!」
花丸 かごめ
「つよくてかっこいい!」
勢納 斎
「ふっ、そうだろうそうだろう」
花丸 かごめ
うんうんと頷いて、荷物を片付ける。
花丸 かごめ
そして、まとめた荷物をよいしょと背負う。
勢納 斎
姫君と呼ばれると怒るけど、お姫様なので片付けは手伝いません。
花丸 かごめ
かごめがやるから大丈夫ですよ~
勢納 斎
「よし、あの2人を追うか」
花丸 かごめ
「お~!」
勢納 斎
まだ明確に残る痛みを堪えて地を蹴る。かごめに遅いと思われないように、かごめに早いと思わないように。
花丸 かごめ
かごめの脚がちょっぴり遅いのは荷物を抱えてるからです。
勢納 斎
そうだぞ
勢納 斎
体重とかは関係ないのでよく理解するように
花丸 かごめ
は~い
GM
世界は世界であるがままに回り続ける。
GM
そこにある人々を勘案することなく、知るよしもなく。
GM
常なるものはない。

メインフェイズ サイクル1 アガタ

アガタ
──走る。
アガタ
直に辿り着くも着かないも定刻は夜明けだ。
アガタ
1d12 (1D12) > 7
アガタ
2d6 (2D6) > 7[3,4] > 7
GM
7:祭壇。一切の明かりは消えて、人気はない。
アガタ
すべての忍が去った元の場所へ。
アガタ
木々から降り立つ。
アガタ
辺りを見る。
GM
全てが闇に包まれるまでは、この場に多くの忍がいた。
GM
人の世を成すものたちが。
アガタ
隠忍の男に神はいない。
アガタ
人もいない。木もいない。虫もいない。
アガタ
花も、草も、水も、光も闇もない。
アガタ
そう呼ばれただろうものはすべて失われた。
アガタ
まつろわぬものと他の者から示された名と、『八十神』という配役のほかは何もない。
アガタ
この祭壇に先ほどまでいた者たちが望んだように。
アガタ
男は目を、耳を、呼吸を、鼓動を、魂を闇へ溶かす。
アガタ
この異界へ同化し、人の残滓を探る。
アガタ
花丸 かごめ の秘密を調査します。
そうあるべくしてある、異形化。
GM
判定をどうぞ。
アガタ
2D6>=5 (判定:異形化) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
GM
闇の深きを知っている。
GM
こうである、こう呼ぶ、こうあれ。
GM
そうしたものよりも、今という時間に見聞きし、感じ、動くことがまずあることを知っている。
アガタ
ただ在るだけのものを、そのままに感じる。
GM
貼りました。
アガタ
顔を上げる。
月の光が男の眼に戻ってくる。
アガタ
そうして再び、木々の闇へ紛れて消えた。
GM
歪められた儀式。いるはずのない女。
GM
闇に溶けた残滓を辿り、真実を一つ明らかにし。
GM
しかし、そこにある男の思惑は、今はまだ闇の中。

メインフェイズ サイクル1 勢納 斎

勢納 斎
かごめと共に、男達が向かった方へ走る。
勢納 斎
さほど広い里でもない。あちらこちらに移動していない限りはすぐに追いつくだろう。
撒く意思がなければ、の話だが。
花丸 かごめ
荷物を背負い、並んで同じ速さで走っている。
勢納 斎
ふと、千歳に受け渡された神器を思い出す。
勢納 斎
目的は果たされてしまった。
勢納 斎
『姫君』の使命は『八千矛に神器を与えること』
勢納 斎
では神器を失った今の自分は、何だ?
GM
それは初めから携えていた使命。
GM
いまはもう、その使命は虚ろ。
GM
心には別の使命が宿っている。
GM
まだそれは、果していない。
勢納 斎
舌打ち。
勢納 斎
神器を失っているのに。
勢納 斎
未だに自分の配役は『姫君』だ。
GM
元より己が決めた定めではない。
GM
ありようではない。
GM
それを果してもなお、宿命に取り憑かれている。
勢納 斎
「……くそ」
勢納 斎
声が漏れる。
GM
己の成すべきことは選べない。
GM
自由はない。
花丸 かごめ
「……いつきちゃん?」
勢納 斎
忌々しい。
生まれた時からこの身の定めは決まっていた。
勢納 斎
「……なかなか追いつかないな」
勢納 斎
「少しゆっくりしすぎたようだ」
神楽坂 千歳
「そうでもないぞ」
花丸 かごめ
「そろそろ追いついてもいいと……」
花丸 かごめ
言いかけたところに、まさに。
花丸 かごめ
「ちとせくん!」
神楽坂 千歳
がさり、
神楽坂 千歳
彼女らのすぐそばの木の上より。
神楽坂 千歳
木の葉を散らして舞い降りる。
勢納 斎
木の上を見上げて、それからかごめを見た。
勢納 斎
そうしてようやく、千歳に視線を向ける。
神楽坂 千歳
音もなく着地する、その手には斎の身の裡から解き放たれた神器が。
神楽坂 千歳
男もまた、
神楽坂 千歳
斎に目を向けた。
花丸 かごめ
「よかった~追いつけて」
神楽坂 千歳
「この異界」
神楽坂 千歳
「どうやら端と端が繋がっている」
神楽坂 千歳
「真直ぐに歩んでも、最終的にはもとの場所に行き当たる」
神楽坂 千歳
かごめにそのように返しながら、斎に向き直る。
神楽坂 千歳
「何か用向きが?」
勢納 斎
「は?」
勢納 斎
「お前達が殺し合うまで、茶でも啜って待っていろと言うのか?」
神楽坂 千歳
目を瞬く。
神楽坂 千歳
口元に手を添えて、
神楽坂 千歳
「……まあ、確かに」
神楽坂 千歳
「この異界での一晩は長すぎるか」
神楽坂 千歳
などと一人納得している。
勢納 斎
「……本当に、待っていると思っていたのか?」
神楽坂 千歳
「いや」
神楽坂 千歳
「恥ずかしい浅慮だが」
神楽坂 千歳
「考えもしていなかった」
勢納 斎
顔に向かい、拳を振りかぶる。
花丸 かごめ
「ひぇっ」
神楽坂 千歳
一瞬迷うた気配があり、
神楽坂 千歳
斎の拳を頬に受ける。
神楽坂 千歳
鈍い音。
花丸 かごめ
あわわわ
勢納 斎
「お前は私を舐めているな?」
神楽坂 千歳
「…………」
花丸 かごめ
「い、いつきちゃん、いつきちゃん……」
神楽坂 千歳
殴られたかたちのまま、二人から顔を背けている。
勢納 斎
「1分黙ってろ、かごめ」
花丸 かごめ
「あうっ」
花丸 かごめ
「~~~……」
勢納 斎
「八千矛である貴様が今のを避けられないはずがない」
勢納 斎
「わざと殴られたな」
神楽坂 千歳
「ああ」
勢納 斎
「なぜだ」
神楽坂 千歳
「…………」
神楽坂 千歳
考え込む。
神楽坂 千歳
理由を知らぬからでなく、
神楽坂 千歳
”どう答えるか”を思案する沈黙。
勢納 斎
「悩むのならば判断材料を増やしてやろう」
勢納 斎
「私は今、お前に見下されていると感じている。馬鹿にされている、眼中にない、歯牙にもかけていない。興味がない」
勢納 斎
「それは合っているのか? と尋ねている」
神楽坂 千歳
「俺にそのつもりはないが」
神楽坂 千歳
「そのように受け取られるのも仕様がない振る舞いであった、という自覚がある」
神楽坂 千歳
斎に向き直る。
神楽坂 千歳
なにがしか口を開きかけて、
神楽坂 千歳
けれど僅かなためらいののちに、目を逸らす。
神楽坂 千歳
「……余裕がなかった」
神楽坂 千歳
ぼそりと。
神楽坂 千歳
そのように答えた。
勢納 斎
「ハッ!」
勢納 斎
「八千矛はかわいらしい所もおありなんですねぇ」
神楽坂 千歳
だいぶ耳の痛そうな顔をしている。
花丸 かごめ
はらはら……
神楽坂 千歳
「かわいらしいというような表現は、むしろそぐわないというか」
勢納 斎
「皮肉だ」
神楽坂 千歳
「…………」
神楽坂 千歳
続けかけた言葉を呑み込んだ。
神楽坂 千歳
どこかしょぼくれた気配を漂わせながら、改めて斎の顔を見る。
神楽坂 千歳
その表情を見極めようと、真直ぐな視線を向けてはいるが。
勢納 斎
「何をそんなに焦っている。ゆっくりする余裕はないが、時間が足りない程ではないはずだ」
勢納 斎
千歳くんの秘密を情報判定します。
かわいらしいという根も葉もない噂の流言の術で判定。
GM
判定をどうぞ。
勢納 斎
2D6>=5 (判定:流言の術) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
GM
貼り付けました。
神楽坂 千歳
「いや」
神楽坂 千歳
「……なんというか」
神楽坂 千歳
「焦っている、というわけではないんだ」
神楽坂 千歳
「時間に余裕がある……とも、思っているわけではないが」
神楽坂 千歳
息をつく。
神楽坂 千歳
「他ならぬ俺自身の問題だ」
神楽坂 千歳
「”自分”が、『八千矛』をやり遂げる」
神楽坂 千歳
「……柄にもなくそれに頭を取られて」
神楽坂 千歳
「お前たちのことを失念した」
神楽坂 千歳
「俺は『八千矛』として『八十神』を追う者だ」
神楽坂 千歳
「追うとなったら最後、そこに他者の介在する余地はないと」
神楽坂 千歳
「そのように、思い込んでいた」
神楽坂 千歳
「だから、勢納斎」
神楽坂 千歳
「お前が俺に軽んじられていると感じたのは、正しいんだ」
勢納 斎
「長々と言い訳をして」
勢納 斎
「ただ、焦っていました、ごめんなさいで済む話だ」
神楽坂 千歳
「…………」
神楽坂 千歳
「そうだな」
勢納 斎
「行くぞ」
勢納 斎
「使命を果たすのだろう」
神楽坂 千歳
また一つ目を瞬いた。
神楽坂 千歳
思わずかごめをちらりと見る。
花丸 かごめ
目が合った。
神楽坂 千歳
焦らせたな……。
神楽坂 千歳
小さく息をついてから、斎に頷いた。
神楽坂 千歳
「ああ」
神楽坂 千歳
「行こう」
神楽坂 千歳
「……それと」
神楽坂 千歳
少し押し黙ってから。
神楽坂 千歳
「すまなかった」
勢納 斎
「謝るな」
勢納 斎
「傲慢なら最後まで傲慢でいろ」
勢納 斎
「謝られた以上、許さなければ責は私に移る」
神楽坂 千歳
「……そうだな」
花丸 かごめ
ご親戚って聞いてたし、会ったら仲良くなるかな~って思ってたのに……
神楽坂 千歳
「心掛けよう」
花丸 かごめ
あんまり相性よくないのかな~……
神楽坂 千歳
そのように答えると、彼女らに背を向ける。
勢納 斎
「……かごめ、もう1分経ってると思うぞ」
花丸 かごめ
「あ、は~い……」
神楽坂 千歳
二人のやり取りを後目に、地を蹴る。
神楽坂 千歳
森をゆく。
神楽坂 千歳
駆ける速さは、
神楽坂 千歳
けれど彼女らを振り切るものでは決してない。
勢納 斎
「かごめ、あいつを追い抜くぞ」
花丸 かごめ
「お、お~?」
花丸 かごめ
走るのはとくい!
勢納 斎
ビリだったやつはビリだぞ。
勢納 斎
なぜか千歳の背後から、妙に速度の乗った女二人が追いかけてきた。
神楽坂 千歳
二人の追うてくる気配を察すれば、僅かに脚を速めもする。
神楽坂 千歳
置いていくことはないが、追い越されるでもない速度。
神楽坂 千歳
それを探っている節がある。
勢納 斎
「かごめ!追い抜け!そいつのプライドをぐしゃぐしゃにしろ!」
花丸 かごめ
「えっ えっ」
花丸 かごめ
言われるままに速度を上げる。
花丸 かごめ
荷物を持ったまま、体型とは裏腹にかろやかに。
神楽坂 千歳
森の中を駆けながら横並びになったかごめに視線を流して、
神楽坂 千歳
「……ずっとこうなのか?」
神楽坂 千歳
そのように尋ねた。
花丸 かごめ
「うん~」
神楽坂 千歳
「なるほど」
神楽坂 千歳
「なら、平常運転ということか」
神楽坂 千歳
と、しばらくかごめと並走していたが……
花丸 かごめ
「いつもどおり~」
花丸 かごめ
「だから、大丈夫だよ」
神楽坂 千歳
頷く。
神楽坂 千歳
「もう少し、鷹揚を心がけるとしよう」
GM
暗く冷たい月影なれど、輪郭は白んで心を象る。
GM
成すべきことは今や同じ。護るべきものもまた。
GM
人となり、想い、ありようを知るには、今はまだほんのきっかけばかり。