2021/01/19 21時

 
雪は音もなく降り積もって札幌の街を白く染め上げ、
街灯を反射して雪明かりに柔らかく光を放っている。
夜高ミツル
「うわ~……」
 
屋根も塀もどこかしこにも雪が積もっているが、道路の雪は除雪パイプによってほどほどに融かされているか、あるいは踏み固められているか。
夜高ミツル
ざくざくと、降り積もった雪を踏みしめる。
真城朔
ミツルの少し後ろできょろきょろと雪を見回している。
夜高ミツル
「いや~、すげえ積もってる」
夜高ミツル
「すげ~」
真城朔
「雪」
真城朔
「今年」
真城朔
「……去年?」首をかしげる
夜高ミツル
北海道の雪が初めてというわけでもないのだが、
真城朔
「寒めだった」
真城朔
「らしい、し」
夜高ミツル
千葉は雪が降らない方だっただけに、未だに慣れない。
真城朔
除雪パイプのない細い道をスノーブーツで踏みしめながら歩くと、ぎゅっと音が立つ。
夜高ミツル
「でもこれでも積もってない方なんだよな……」
夜高ミツル
「全然慣れねえ」
真城朔
「雪国」
真城朔
「すごい、し」
真城朔
「俺も詳しくはないけど……」
真城朔
積もった雪を掻き分けながら、公園に続く細い道を行く。
真城朔
先駆者が真ん中に人一人分の道を作っては上から雪が降り積もって、
真城朔
それをまた開拓者が再び道を作り、というのを繰り返していると、
夜高ミツル
「雪国だなー……」
真城朔
道の両脇にこんもりと雪が積もって、その真ん中を進んでいく形になる。
夜高ミツル
「いやー、何回見てもすごいな」
真城朔
なるため、並んでは歩けない。
夜高ミツル
「こんな真っ白なの千葉では全然見ないし」
真城朔
前後に並ぶ形になる。
真城朔
「…………ん」
真城朔
小さく頷いた。
真城朔
少し肩を落とす。
真城朔
吐く息は雪と同じ白さだった。
真城朔
通りすがった民家の屋根に雪が積もって、その端から大きな氷柱が伸びていたりする。
真城朔
「ミツ」
真城朔
「寒くない?」
夜高ミツル
「ん」
夜高ミツル
「大丈夫大丈夫」
夜高ミツル
「真城は?」
真城朔
「…………」
真城朔
「普通……」
夜高ミツル
後ろを歩く真城を振り返り
夜高ミツル
「普通……?」
夜高ミツル
「普通か~?」
真城朔
「大丈夫」
真城朔
頷いた。
真城朔
「あったかく」
真城朔
「して、くれた」
真城朔
「し」
真城朔
厚手のダッフルコートと、ぐるぐる巻きのマフラーと、防水性の手袋と帽子と……
真城朔
もこもこ……
夜高ミツル
かなりもこもこに防寒されている。
夜高ミツル
したのは俺。
真城朔
されました。
夜高ミツル
「ん」
真城朔
「平気」
夜高ミツル
「ならよかった」
夜高ミツル
「冷えてきたら言えよ~」
真城朔
今も静かに雪が降っているが、服に張り付く類のものではない。
真城朔
服とか布に張り付くタイプの雪は大変。鞄にもつくし。
真城朔
頷く。
真城朔
「ミツも」
真城朔
「無理」
真城朔
「しない、で」
夜高ミツル
「うん」
夜高ミツル
「ちゃんと気をつけるよ」
真城朔
「ん」
真城朔
頷いた。
真城朔
公園の電灯はひときわ眩しく雪を照らしている、ような気がする。
夜高ミツル
とはいえまあ、結構浮ついたテンションではいる。
真城朔
昨今の事情によって遊具が減ったので、かなりだだっ広く雪、雪。
真城朔
なので、だいぶ光を反射する。
夜高ミツル
「こんだけ積もると夜でも明るいもんだな……」
真城朔
昼の間に子どもたちが遊んだ跡や作りかけの雪だるまが何個か。
真城朔
「雪明かり……」
真城朔
目を細めた。
真城朔
「白い」
真城朔
「から」
夜高ミツル
「スキーで雪焼けするとかも聞くしなあ」
真城朔
足跡とかけっこう残って、ほどほどに踏み固められて、それでも地面が見えない程度の雪。
真城朔
こくこく。
夜高ミツル
7月の時は昼間だったりそれどころじゃなかったりで、雪明りを実感している暇がなかった。
夜高ミツル
ので、北海道に来て改めてこういうもんか~と思っている。
夜高ミツル
「まあ暗すぎると危ないし」
夜高ミツル
「明るいのは助かるな」
真城朔
それどころじゃなかったな~。
真城朔
「……ん」
真城朔
小さく頷いた。
真城朔
公園をぼんやりと見回す。
真城朔
ブランコとか滑り台とかジャングルジムくらいはあるんだけど、結局雪に埋め尽くされている。
夜高ミツル
白い……。
真城朔
まっしろ。
真城朔
こんもり……
真城朔
多少雪が払われて人が座った跡のあるベンチの上にも薄く雪が。
真城朔
「…………」
真城朔
「何」
真城朔
「する?」
真城朔
ミツルの顔を窺う。深夜。
夜高ミツル
「ん~……」
夜高ミツル
ちょっと考えて、でも結局ベタなやつしか思いつかず
夜高ミツル
「雪だるまでも作ってみるか?」
真城朔
昼に子供が作ったらしき雪だるまを見ます。
真城朔
ちょっとした枝や葉や凹みでなんとか顔を作られたりした上にまた雪が積もった不格好な雪だるま。
真城朔
「……ん」
真城朔
眺めながら小さく頷いた。
夜高ミツル
言ってから、子供っぽかったか……?という気もしていたが
夜高ミツル
「……千葉だとほら、こんな、作れるほどあんま積もんないしな」
夜高ミツル
とかなんとか、謎の言い訳めいたことを言いつつ
真城朔
こくこく……
真城朔
「たまになっても」
真城朔
「小さいやつ……」
夜高ミツル
「そうそう」
真城朔
「あと茶色くなったり……」
夜高ミツル
「土が混ざるんだよな~……」
真城朔
昼に子供が作ったらしき雪だるまは形は不格好ながら茶色くはない。
夜高ミツル
「……よし」
夜高ミツル
「やるかー」
真城朔
「やる」
真城朔
頷いて
真城朔
おずおずと比較的雪が踏み荒らされていないあたりに向かって
真城朔
よいしょよいしょ……
真城朔
雪をすくって雪玉を作り
真城朔
ぎゅっぎゅっ
夜高ミツル
近くで、とはいえ雪を取り合わない程度には距離を取って
夜高ミツル
同じように雪玉を作る。
真城朔
まあまあの大きさになったあたりでやはりなるべく新雪の多い方に雪玉を転がし……
真城朔
ごろごろ
夜高ミツル
「雪をとっても全然地面が見えねえ……」
真城朔
「いっぱい」
真城朔
ここに来るまでの間に脛から膝くらいまで積もった雪を掻き分けてきたので
真城朔
ちょいちょいズボンが濡れたり雪がついているのだが
夜高ミツル
相当積もってるのは見て分かってはいたが、
夜高ミツル
改めてすごいな……という気持ちになる。
真城朔
中腰になって雪玉を転がしている。
真城朔
雪がいっぱい積もっているので地面が露出しないぞ。
夜高ミツル
膝下まで雪に埋まるのなんて初めてだし。
真城朔
流石にこの寒波でこの冬一番くらいには積もっている。
夜高ミツル
ごろごろと、二人きりの公園で雪玉を転がす。
真城朔
新雪の上を雪玉が通った道ができていく。
真城朔
白い息を吐いて、
真城朔
ふと手を止めて。
真城朔
「……これ」
真城朔
ミツルを振り返る。
夜高ミツル
「んー?」
真城朔
「上と下」
真城朔
「どっち……?」
夜高ミツル
「あっ」
夜高ミツル
「なんも考えてなかった」
真城朔
自分のとミツルのを見比べます。
夜高ミツル
完全に雪玉を転がして楽しくなっていた。
真城朔
真城のが気持ち大きい。
真城朔
バスケットボールよりは大きくなっている。
夜高ミツル
「俺のが小さいから、こっち乗せるか」
真城朔
「ん」
真城朔
こくこく頷いて、見比べて。
真城朔
ちょっといびつな形になっているのを叩いたり削ったりしている。
真城朔
手袋でしょりしょり……
夜高ミツル
「もっとでかくしようぜ」
夜高ミツル
「せっかくだし」
真城朔
「もっと」
真城朔
今のサイズだとまあ昼に子供が作ったのと同じくらいですね。
真城朔
ぱちぱちと目を瞬く。
夜高ミツル
「もっと」
夜高ミツル
「これだけ雪あるしさ」
真城朔
まじまじ……
真城朔
「もっと……」
真城朔
雪玉を押す。
夜高ミツル
「一番でかいの作って帰ろう!」
真城朔
「……ん」
真城朔
頷く真城の上に雪が降り。
真城朔
積もるタイプの粒の大きな雪に変わりつつあるが、
真城朔
幸いにして風はほとんどない。
夜高ミツル
とか、やけにテンション高く宣言しつつ、
夜高ミツル
「……あ、寒かったりは大丈夫か?」
真城朔
目を瞬いてから
真城朔
首を振った。
真城朔
「ちょっと」
真城朔
「濡れてるだけ」
真城朔
「…………」
真城朔
「ミツは?」
夜高ミツル
「俺も大丈夫」
真城朔
「……ん」
夜高ミツル
手袋の雪を落としたあと、真城に積もった雪を払う。
真城朔
ちょっと首を竦めてそれを受け入れます。
真城朔
ふにゃ……
夜高ミツル
よしよし……
真城朔
自分も雪を払ってから手を伸ばして、ミツルの癖のついた髪に絡んだ雪も払う。
夜高ミツル
「ん」
夜高ミツル
「さんきゅ」
真城朔
こくこく……
真城朔
頷いてから、再び雪玉に向き直り。
真城朔
蛇行気味に雪玉を転がして雪を拾っていきます……
真城朔
ぐる……
真城朔
ごろ……
夜高ミツル
まあ実際のところ寒いは寒いのだが、
夜高ミツル
なんかまあこんなもんだろと受け入れつつ
真城朔
無駄に腕力があるため、雪玉が大きくなってきてもあんまりペースが落ちない。
夜高ミツル
遊んで帰るだけだから狩りのときより全然マシ。
真城朔
痛いとかないし……
夜高ミツル
ごろごろと、雪玉を転がしていく。
夜高ミツル
ないな~
真城朔
腕力に任せて余裕綽々で雪玉を転がしている。
夜高ミツル
こちらはさすがに雪を拾うほどにペースが落ちていく。
真城朔
転がしていたのだが、調子に乗ったのかずるっと滑った。
夜高ミツル
「!」
真城朔
ぼすっ
真城朔
雪玉を潰さないように身体を捻って、
夜高ミツル
「真城」
真城朔
それなりの雪の上に背中から突っ込んだ。
夜高ミツル
焦ってこちらも滑りかけつつ、真城の元に駆け寄る。
夜高ミツル
「大丈夫か?」
真城朔
目が合った。
真城朔
仰向けに倒れて目を瞬かせている。
夜高ミツル
手を差し出しつつ、覗き込む。
真城朔
雪に埋もれたまま、覗き込まれる。
真城朔
至近距離で笑った。
真城朔
「痛く」
真城朔
「ないよ」
夜高ミツル
「……ならよかったけど」
真城朔
頭の隣に大きな雪玉。
夜高ミツル
「寒いだろ、ほら」
夜高ミツル
改めて手を差し出す。
真城朔
覆いかぶさる形のミツルと雪玉に電灯の光を遮られて、それでも雪明かりの中ふにゃふにゃと笑っている。
真城朔
差し出された手を取った。
夜高ミツル
真城の手を引いて、起こそうとして、
夜高ミツル
ズルッ
真城朔
ああ~
夜高ミツル
足を滑らせる。
夜高ミツル
「あ」
真城朔
咄嗟に受け止める。
夜高ミツル
受け止められた。
夜高ミツル
「あ~……」
真城朔
雪の上で、二人。
夜高ミツル
「悪い……」
真城朔
「ん」
真城朔
「んーん」
真城朔
首を振る。
夜高ミツル
真城に抱きとめられたまま、なんとなく立ち上がれず。
真城朔
ミツルを受け止めた抱き留めたまま身体を横に転がして、
真城朔
雪に埋まりながら、すぐ近くで視線を合わせる。
真城朔
雪で濡れ冷えた手袋がミツルの頬を触れた。
夜高ミツル
「……はは」
夜高ミツル
「めちゃめちゃ雪ついてる」
真城朔
髪にも頬にもマフラーにも……
夜高ミツル
お互い雪まみれに……
真城朔
そのままミツルの後頭部に手を回して、
夜高ミツル
雪に埋もれた部分も触れられた部分も冷たくて、
夜高ミツル
だけどそんなの全然気にならなかった。
真城朔
顔を寄せる。
真城朔
唇は温かかった。
夜高ミツル
ミツルからも真城に腕を回す。
夜高ミツル
身を寄せ合えば、暖かい。
真城朔
冷たい雪に囲まれる中で、お互いの熱だけが暖かい。
真城朔
唇が離れて、
真城朔
白い吐息があがる。
夜高ミツル
「……」
夜高ミツル
離れても、吐息が感じられる程度には至近距離。
真城朔
首が冷たい。頭が冷たい。
真城朔
雪に濡れて染みて、コートにもブーツにも覆われていないズボンの脚が冷たい。
夜高ミツル
流石にこれ以上は風邪を引くな……
夜高ミツル
のそのそと上半身を起こす。
真城朔
きょとんと倒れ込んだままミツルを見上げる。
夜高ミツル
「楽しいけど……」
夜高ミツル
「さすがにちょっと寒いから……」
夜高ミツル
物理的に頭が冷えてきた。
真城朔
「……ん」
真城朔
こくこく
夜高ミツル
頷いて
真城朔
もぞもぞと起き上がろうとする。
夜高ミツル
真城の身体についた雪を払う。
真城朔
上体を起こして、
真城朔
「ひゃ」
真城朔
ちょっと身を跳ねさせた。
夜高ミツル
「え」
夜高ミツル
「あ」
夜高ミツル
「ごめん」
真城朔
おずおずと首の後ろに手を回す。
真城朔
マフラーを巻いた上から。
真城朔
起きた時か振動かで雪の塊が入ったらしい。
真城朔
「ん」
真城朔
指でそれを掻き分けながら、首を振る。
夜高ミツル
ミツルが雪を払ったせいなのでは……?
真城朔
「だいじょうぶ」
真城朔
多少そうかもしれない。
真城朔
マフラーにも髪にも雪の塊がくっついているが、
真城朔
ミツルもやや似たようなものなので、手を伸ばしてそれを取っている。
真城朔
よいしょよいしょ
真城朔
髪についた雪が体温で融けて、
真城朔
こめかみのあたりから頬をつーっと伝い落ちた。
夜高ミツル
お互いについている雪を取ったり払ったり。
真城朔
袖でそれを拭っている。
真城朔
「……寒い?」
夜高ミツル
「さすがに、ちょっと」
真城朔
「帰る?」
真城朔
雪だるま途中。
夜高ミツル
だいぶ……
真城朔
しょぼ……になっている。
真城朔
反省……
夜高ミツル
「んー……」
夜高ミツル
「積むだけは積んでくか」
真城朔
作りかけの雪玉は既に十分大きいので、
夜高ミツル
「せっかくここまで作ったし」
真城朔
まあこのまま積んでも最大と言っていいだろう。
夜高ミツル
そこそこの大きさに育てた雪玉を見やる。
真城朔
下のほうがちょっと大きすぎるくらい。
真城朔
「……ん」
真城朔
こくこく
真城朔
ここだと公園のど真ん中なので
夜高ミツル
同時に作ってたのにサイズ差がすごい。
真城朔
腰を上げ、雪玉に手をかけて
真城朔
きょろきょろ……
真城朔
どのあたりがいいかな……
夜高ミツル
「あの辺とか?」
夜高ミツル
入り口からちょっと外れた適度に端の方。
真城朔
指し示された方向を向いて、
真城朔
「あのへん……」
真城朔
おうむ返しをして頷いた。
真城朔
ごろごろ……
夜高ミツル
あんまりじゃまにならなそうな辺り。
真城朔
一直線に転がしていきます。
夜高ミツル
ごろごろごろ……
真城朔
またちょっと育っていく……。
夜高ミツル
育つな~
真城朔
所定の位置に到着。
真城朔
ミツルの雪玉を振り返ります。
夜高ミツル
ちょっと遅れて、ミツルの方もたどり着く。
真城朔
真城のがちょっと大きすぎるだけでなかなかのサイズ。
夜高ミツル
これ一人じゃ持てないな……。
真城朔
膝を折って
真城朔
腰を落として、雪玉に手をかける。
真城朔
下の方を……
夜高ミツル
二人で雪玉に手をかけて
真城朔
胸で受け止めて掬い上げるような抱え方で……
真城朔
ぐっと持ち上がります。
真城朔
真城に腕力があるので、そんなに苦労しない。
真城朔
勢いちょっとバランス崩しかけたけどなんとか脚を踏みしめ。
夜高ミツル
俺はほぼ添えてるだけみたいな感じ……
夜高ミツル
バランスを取るように支えつつ。
真城朔
「せー……」
真城朔
「のっ」
真城朔
掛け声とともに更に持ち上げて、雪玉の上に。
夜高ミツル
「よっ、と」
夜高ミツル
重い音がして、雪玉が重なる。
真城朔
どーん。
真城朔
重心が低めの雪だるまができました。
夜高ミツル
安定感があるな~
真城朔
首が落ちないように上からちょっと圧をかけている。
真城朔
大きい。
真城朔
腰より上くらいの身長ある。
夜高ミツル
完成した雪だるまを見て、周囲のものを見回して
夜高ミツル
「……うん、これが一番大きいな」
真城朔
「……ん」
真城朔
こくこく。
真城朔
手袋で顔のない雪だるまをよしよし撫でます。
夜高ミツル
「真城がかなりでかくしてくれたからな~」
真城朔
雪で濡れた髪がぺたんとなっている。
真城朔
「からだが」
真城朔
「しっかりなった……」
夜高ミツル
「強そうだ」
真城朔
濡れた髪が頬に張り付いたり額に張り付いたりしている。
真城朔
ボリュームがないので水分ですぐこうなる
夜高ミツル
そんな感じで達成感を味わって、
夜高ミツル
「……よし、帰るか」
真城朔
頷く。
夜高ミツル
「風呂入りて~」
真城朔
「お風呂」
真城朔
「入る……」
真城朔
こくこく……
夜高ミツル
被ったことに笑う。
夜高ミツル
「だよな」
夜高ミツル
「帰ろ帰ろ」
真城朔
「……ん」
真城朔
真城も嬉しそうに相好を崩して頷いた。