2021/03/15 朝
夜高ミツル
それから腕に力を込めて、真城を抱き寄せ
真城朔
身を縮めるようにしてミツルの腕に収まっている。
夜高ミツル
真城と同じように、どことなく緊張感がある。
真城朔
ミツルの胸に顔を埋めてじっと固まっている。
真城朔
メニューはビーフストロガノフとローストビーフ。
真城朔
おいしいから飽きないし朝からでも食べられる……
真城朔
ここ最近じわじわと漂ってはきた緊張だが……
夜高ミツル
じわじわと今日のために準備をしてきた。
真城朔
早めにゆっくりお風呂に入ってゆっくり寝ました。
夜高ミツル
そんな感じで真城の誕生日当日を迎え……
夜高ミツル
部屋が静かだとより緊張感が増す感じはある……
真城朔
でもリモコンに手を伸ばしてテレビをつける勇気が出ない……
夜高ミツル
出ないので、もくもくと食事が進んでいく。
夜高ミツル
味の感想とか……昨日ひとしきり話してるし……
夜高ミツル
ちらちらと真城を横目に見ながら、ビーフストロガノフを食べている。
夜高ミツル
「普通とか、そうじゃないとかなくて……」
夜高ミツル
「できることがあるならなんでもしたいし……」
夜高ミツル
「俺が真城にすることはしたくてすることだし」
夜高ミツル
「話も、真城が納得できるまで何回でもするし」
夜高ミツル
「……たまになら大丈夫って言ったのは俺の方だ」
夜高ミツル
「あんまりするのが心配なのはそりゃそうだけど……」
真城朔
抱き寄せられて、戸惑ったように視線をミツルに向ける。
夜高ミツル
「思わないわけじゃ、ないんだからな……」
夜高ミツル
「……で、それで真城に負担をかけるのはいやだなあと」
夜高ミツル
「もし他のことがいいならそれでいいし」
真城朔
表情を隠して、ミツルの胸に顔を埋めている。
夜高ミツル
腕に力を入れて、なおさらに強く抱き寄せる。
夜高ミツル
「それが俺にとっては一番幸せなんだって分かったから」
夜高ミツル
「俺は真城が喜んでくれることがしたいんだって」
夜高ミツル
そう言われながらも、身体は寄り添ったままで……
夜高ミツル
「真城と一緒の暮らしを続けるためなら」
夜高ミツル
死ぬつもりがなくても、どんなに気をつけても、
夜高ミツル
それでも命を落とすことがあるのが狩りで。
夜高ミツル
一緒に来てほしいと望まれたことなんか一度もない。
夜高ミツル
「真城が一人で狩りに行くのを見送って」
夜高ミツル
「でも、もし行かなくたって危ないもんは危ないだろ」
夜高ミツル
「でも、どうせ危ないならちゃんと戦いたいし」
夜高ミツル
腕が背中に回って、手のひらが触れている。
真城朔
ミツルの胸元はすっかり涙でぐしゃぐしゃに濡れている。
真城朔
丸まった背中はしょっちゅう跳ねては震えて、
夜高ミツル
「……勘違いで半年も一緒にいられるかよ」
夜高ミツル
「家にも連絡したし、これまでも先のことも考えて……」
夜高ミツル
「俺が真城を好きだって思う気持ちには影響ないって」
夜高ミツル
「真城がD7に連れてかれてから取り返すまでだって」
夜高ミツル
「それでも俺はそんなに変わったつもりはなくて」
夜高ミツル
「とにかく俺は何を何回言われても真城と離れる気は絶対にないから!」
真城朔
最終的にミツルの胸にべったりもたれている。
夜高ミツル
真城の身体を支えながら、反対の腕ではずっと背中を撫でています。
夜高ミツル
落ち着いてきたな……と眼下の真城の様子を窺う。
真城朔
ぐしゃぐしゃの顔でぼんやりとどこをともなく見つめている。
夜高ミツル
「もっとできることがあればって思うくらいで」
真城朔
すっかりしょぼになってミツルの胸に頬を預けている。
夜高ミツル
「離れるとか狩りをやめるとかはできないこと」
真城朔
念押しをされてどんどんしょぼが深くなっています。
夜高ミツル
「……別に違うなら違うでもいいんだけど」
夜高ミツル
「……一緒にいられなくなるようなことは」
夜高ミツル
「したいことを、喜んでくれそうなことを」
夜高ミツル
「飯作ったらおいしいって言ってくれるし」
真城朔
背中を撫でられてなんとか呼吸を整えようと深く息を吸っては、
夜高ミツル
それを助けるように、優しく背をたたく。
夜高ミツル
再び落ち着いた様子の真城の背を、ゆるゆると撫でている。
真城朔
ミツルに体重を預けてほろほろと涙を落としている。
夜高ミツル
その都度にルームウェアの胸元に染みをつくる。
夜高ミツル
それにはお構いなしで、ぴったりと身を寄せている。
真城朔
そのうちなんとなく真城がうとうとしてきた気配があり……
夜高ミツル
寄っかかられるのはそれはそれで嬉しいんだけど……