2021/05/27 夕暮れ
真城朔
なるべく小さく丸くなって、ミツルの胸に顔を埋めて、小さな寝息を立てている。
夜高ミツル
身じろぎして、腕の中の熱をさらに抱き寄せて、
真城朔
カーテンの閉められた部屋は薄闇に包まれている。
夜高ミツル
「一応頭は打ってないから大丈夫、とは」
夜高ミツル
大丈夫って言って大丈夫じゃなかったら洒落にならないな……
夜高ミツル
……それに、ちゃんと病院に行った方が真城を安心させられるのだろう。
夜高ミツル
「自分じゃ本当に大丈夫か分かんないし」
真城朔
ベッドの近くに並んでいるスマホの自分の方を取って
夜高ミツル
用件が分かっててもなんとなく覗ける位置にはいづらいな……
真城朔
玄関近くに敷いていたブルーシートがすっかり片付けられている。
夜高ミツル
遅れて、片付けてもらったのだなと気づく。
夜高ミツル
とは言っても、真城が出ていったのに気づかなかったのは俺の方なんだよな……
夜高ミツル
涙を拭った手で、今度は頭を撫でている。
夜高ミツル
「真城に任せきりにしなくていいように頑張らないとなあと」
夜高ミツル
体力作りとか……怪我しないようにとか……
夜高ミツル
まだ、もっと、できることがあるような気がしてしまう。
真城朔
真城はしてもらってばかりだと主張するが……