2021/05/28 昼過ぎ
真城朔
どこかほっとした表情でミツルに寄り添いながら、マンションを出てくる。
真城朔
マンションと言ってもそこはハンター御用達の闇病院なのだが。
夜高ミツル
「大丈夫なつもりだったけど実は……とか結構聞くし」
夜高ミツル
「今回は大丈夫だったけど、もしかしたら来てないと危なかったかもしれないしな」
夜高ミツル
だいぶ暖かくなってきたとはいえ、雨が降ると少し肌寒い。
夜高ミツル
「せっかくだし、たまにはどっかで食ってかないか?」
真城朔
ミツルの言ったのと同じ言葉を繰り返して、また頷く。
夜高ミツル
「散歩する時とかによく通る……カフェの……」
夜高ミツル
「その内行ってみるか~って言って結局行けてない……」
真城朔
ちょっと古めの雰囲気いいな~って感じのカフェ。
夜高ミツル
ちょこちょこと説明があるけどあんまりイメージがつかない。
夜高ミツル
「大盛り行けるみたいだし、大盛り頼んで分ける?」
真城朔
カルボナーラとかペスカトーレとか生ハムと水菜のパスタとか
真城朔
ランチセットについてるやつは結構種類が少なくて……
夜高ミツル
「……セットの紅茶がアールグレイらしいから、真城もそうする?」
夜高ミツル
頷いて、店員に声をかけて注文を伝える。
夜高ミツル
カフェなので二人とも食べ物頼まなくてもいいのはまあ気楽。
真城朔
お外はミツに二倍くらい食べさせることになることもちょこちょこある……
真城朔
思いつつも、カフェはそういう心配はなく……
真城朔
オーダーを受けた店員が戻っていくのを見送って小さく息をついた。
真城朔
ちょっとレトロな感じの内装をぼんやり見回している。
夜高ミツル
よく分からないままとりあえず聞いたことのある形容詞を言った。
真城朔
テーブルセットも全体的に暗い色で 室内照明もあんまり明るすぎず……
夜高ミツル
「ああいうの、テレビで紹介されたら全然隠れてないよなって思う」
真城朔
別にテレビで特集されるはんて話はまったくないが。
夜高ミツル
「こっち来るまでは外で食うか買うかしかなかったけど」
夜高ミツル
「まあ回転寿司でもすげーうまかったから、あれまた行くのでもいいけどな」
夜高ミツル
そんなところで、ランチセットとアイスティーが運ばれてくる。
夜高ミツル
セットはミツルの方に、アイスティーは真城の方に置いてもらい。
夜高ミツル
ごゆっくりどうぞ、と声をかけて店員が戻っていく。
夜高ミツル
パスタの上に結構厚めの生ハムがいっぱい……
真城朔
なんかもっと申し訳程度に乗ってるのをイメージしてた。
夜高ミツル
小皿を引き寄せて、パスタを取り分けていく。
夜高ミツル
「おかわりとか食いきれないとかあったら言って」
真城朔
ちょっと躊躇ってパスタの方と具の方をいったりきたりしたけど
夜高ミツル
生ハムと、ついでにトマトもフォークに乗せる。
夜高ミツル
厚めの生ハムなので、結構しっかりと肉を食べている感じがする。
夜高ミツル
多分こうしてトマトとかと一緒に食べてるのがミツルにはちょうどいい感じがする。
夜高ミツル
「もっとぺらぺらのやつで来るかと思ってた……」
真城朔
思い出したようにフォークにパスタを巻いている。
夜高ミツル
「そういえば、近くの店もだけど観光もまだ全然だよな」
夜高ミツル
「思ったより冬の間出かけるどころじゃなかったな……」
真城朔
生ハムをフォークに引っ掛けて パスタを巻いて
夜高ミツル
冬本番が過ぎても雪が積もってるうちはバイクを運転する気になれなかった。
真城朔
このあたりが融けても結構残ってはいるって聞いたし……
夜高ミツル
でももうそろそろ6月だし、寒い日もなくなってきたし……
夜高ミツル
改めて調べはするけど、そろそろいけるんじゃないかという気がする。
夜高ミツル
サラダのレタスにフォークを刺している。
夜高ミツル
「昔一回だけ乗ったことあるんだよなー」
夜高ミツル
「馬の背中がまず結構高くて、その上に乗るから……」
夜高ミツル
「馬は普通に歩いてくれたし、落ちかけたとかも全然ないんだけどな」
夜高ミツル
怖かったな~……としみじみ呟いている。
真城朔
頷いて、生ハムとトマトをフォークに刺して……
真城朔
ちらちらとミツルの皿の残りと自分の皿の残りを見比べている。
夜高ミツル
おろついている真城の前から皿を引き寄せて
夜高ミツル
笑って、改めて大皿のパスタを食べていく。
夜高ミツル
食べているのを見ながら、自分も食べすすめる。
真城朔
向かい合って座っていると食べながら相手が見られるので普段より早い。
夜高ミツル
量の少ない真城に遅れて、ミツルの皿が空になる。
夜高ミツル
「それか帰りにアイスでも買って帰る?」