2021/07/16 お昼


夏の札幌昼下がり。

北海道だろうと思いの外容赦なく太陽の照りつける夏の日に、
真城朔
エアコンをきかせた室内でのんびりお昼の準備をしている。
夜高ミツル
二人でキッチンに並ぶのもすっかりいつもの光景。
真城朔
揃いのエプロンを着込みまして……
真城朔
調理台には餃子の皮・ソーセージ・ミニトマト・ピザ用チーズ。
真城朔
あと調味料系がちょびっと。
夜高ミツル
余った餃子の皮の使いみちを探していたら、ピザのレシピを見つけ
夜高ミツル
じゃあ、それをやってみようとなった。
真城朔
簡単そうだったので……
真城朔
真城にとってピザはなかなかハードルが高いので、
真城朔
餃子の皮サイズの小さなピザというのもなかなか魅力的だった。
真城朔
ので、スマホでレシピを出しつつ、手を洗い。
夜高ミツル
ミツルの前にはまな板と包丁。
真城朔
「えと」
真城朔
不安そうな目をミツルに向ける。
真城朔
不安というか……
真城朔
指示、仰ぎたがりというか……
夜高ミツル
「俺は具材切るから、皮とソースの方頼む」
真城朔
「ん」
真城朔
頷いた。
真城朔
言われると結構てきぱき動くようになりつつある。
夜高ミツル
それを見て、頷きを返す。
真城朔
レシピを確認し……
夜高ミツル
毎日一緒にやっているので、真城もかなり料理に慣れてきた。
真城朔
慣れてきました。
真城朔
指示がないと不安にはなる。
真城朔
あとすぐ あっ にもけっこうなる。
夜高ミツル
なってる。
真城朔
今日はまだなってません。始まってもいないんだよ。
真城朔
とりあえずソース作るのに小さめの器を取ってきました。
夜高ミツル
ミニトマトを洗って、キッチンペーパーで水気を取る。
真城朔
取って戻ってくる。
真城朔
なんとなくなるべくミツルの視界に入るところで作業したいので並びがち。
真城朔
大さじにトマトケチャップを入れ……
真城朔
2さじ……
夜高ミツル
まな板の上にころころと並べて、包丁を取る。
真城朔
2……
真城朔
とりあえず1さじ目をこんこんと器に入れてます。
真城朔
トマトケチャップは粘り気が強いため……
真城朔
さじに 残る……
夜高ミツル
「さじもう1個使う?」
真城朔
器の端っこにさじを叩きつけるこんこん音が響いていたが
真城朔
「う」
真城朔
「と」
真城朔
ミツルを見た。
夜高ミツル
「2つあった方が楽かなって」
夜高ミツル
こう……こそげ落とす感じで……
真城朔
「でも」
真城朔
「洗い物ふえる……」
夜高ミツル
「さじ1つくらいそんな変わんないって」
夜高ミツル
言って、結局さじを取って真城に差し出す。
真城朔
おずおずと受け取った。
真城朔
「……ん」
真城朔
「ありがと……」
夜高ミツル
「ん」
夜高ミツル
頷いて、改めて包丁を取る。
真城朔
かすかに笑ってから、
真城朔
ケチャップのくっついたさじに向き合った。
真城朔
落とし落とし……
真城朔
確かに効率的。
夜高ミツル
ちまちまとミニトマトを切っている。
夜高ミツル
4等分……
夜高ミツル
ちま……ちま……
夜高ミツル
大した量ではないので、すぐに切り終わる。
真城朔
隣でケチャップもうひとさじを無事に器に入れられました。
真城朔
手際が……悪い!
夜高ミツル
トマトの次はソーセージ。
真城朔
にんにくチューブを取って入れる。
夜高ミツル
1本。
真城朔
こっちはまあなんとなく目分量して……
夜高ミツル
本当に1本でいいのか…………?という気持ちもあるが、とりあえず最初なのでレシピどおりに……
真城朔
ふたつのさじを使ってくるくる混ぜてます。
真城朔
できた。
夜高ミツル
とすとすと薄切りにしていく。
真城朔
とりあえず調理台の端に置く。
真城朔
次は餃子の皮を……
真城朔
ミツルが軽快に薄切りしている隣でスマホで再確認している……
真城朔
水を塗ってくっつけるらしい。
真城朔
水……
夜高ミツル
ソーセージも切り終える。
真城朔
とりあえず水を器に……
真城朔
ともたもたやっている間に、
夜高ミツル
真城の方を伺う。
真城朔
ミツルがソーセージを切り終えたことに気づいた。
真城朔
窺われてばっちり目が合う。
真城朔
「…………」
真城朔
「ま」
真城朔
「まだ……」
真城朔
水を入れた器を手にちょっとおろ……になった。
夜高ミツル
「じゃあ、皮は一緒にやるか」
真城朔
「……ん」
真城朔
俯きがちに頷く。
真城朔
しょぼ……
夜高ミツル
「具が少ないから、思ったよりすぐ切り終わった」
夜高ミツル
などとフォローを入れつつ……
真城朔
フォローされています。
真城朔
スマホ触ったし一応手を洗って……
真城朔
「え、と」
真城朔
「皮に、水」
真城朔
器の水を示します。
真城朔
「塗ったら、重ねてくっつけて」
真城朔
「それで……」
夜高ミツル
「ん」
真城朔
ミツルも確認していたのだから説明が必要なはずもないが……
真城朔
わたわたとしている。
夜高ミツル
頷きながら聞いています。
真城朔
「なので」
真城朔
「そ」
真城朔
「そうします」
真城朔
敬語になった。
夜高ミツル
なってるな……
夜高ミツル
「そうしましょう」
真城朔
「はい……」
真城朔
というわけで、余っている餃子の皮を出します。
真城朔
二人の真ん中に配置。
真城朔
はっ
真城朔
作った餃子の皮を置く皿……
真城朔
持ってきました。
夜高ミツル
「ありがと」
真城朔
平皿を置きます。
真城朔
「うん」
真城朔
ここまできてやっと作業が始まる。
夜高ミツル
まな板を軽く流して拭いておいたので、そこに皮を並べ……
真城朔
作業自体は至極シンプル。
真城朔
皮を持って 水を塗って……
真城朔
載せてくっつけ
真城朔
べちゃ…………
夜高ミツル
濡らしてくっつけ……
真城朔
「…………」
真城朔
手元の皮を微妙な顔で覗き込んでいる。
真城朔
まあ、いいか……と置いたが……
真城朔
なんか びしゃびしゃのへろへろ……
夜高ミツル
ミツルのくっつけたのと並んでいる。
真城朔
「…………」
真城朔
「水」
真城朔
「多かった……?」
夜高ミツル
言われて見比べ……
真城朔
だいぶ真城のは水が滲んでいる。
夜高ミツル
「そうかも……」
真城朔
しゅん……
夜高ミツル
「次はもうちょい少なめでいいかもな」
真城朔
「そ」
真城朔
「うす、る」
真城朔
次のを取りながらそのように頷きました。
真城朔
さっきよりは減らしつつ……
真城朔
やっていきをしている。
夜高ミツル
やっていきやっていき
夜高ミツル
単調な作業は二人とも苦じゃない方。
夜高ミツル
水を取っては皮につけ、足りないなともうちょっと足したりし……
真城朔
気を抜くとびしゃ……な生地を作りつつ……
真城朔
くっつけるのもかげんがむずかしい……
夜高ミツル
そんなこんなで生地が10枚出来上がる。
真城朔
できました。
真城朔
3枚くらい水多くないかな……って感じのへにゃへにゃのがいる。
真城朔
いるけど、とりあえずできたので……
真城朔
ミツルを見ます。
夜高ミツル
焼けば大丈夫大丈夫
真城朔
だといい……
夜高ミツル
「えーと、じゃあ」
真城朔
「ん」
夜高ミツル
「俺がソース塗ってくから、真城は具を乗せてってくれるか」
真城朔
「具」
真城朔
「乗せる……」
真城朔
こくこく頷いた。
夜高ミツル
頷いて、ソースの器を取る。
真城朔
こちらはミツルが切ってくれたミニトマトとソーセージの皿を寄せました。
真城朔
ソースが塗られるのを……待機!
夜高ミツル
さじでソースを取って生地の上に落とし、
夜高ミツル
くるくる……と広げていく。
真城朔
塗られているなあ……
夜高ミツル
なんか、これだけでもなんとなくピザ生地っぽさあるな……
真城朔
おもったよりピザ感出てる。
夜高ミツル
塗り終わったらまたその次とやっていく。
真城朔
スマホの画面を触らないで確認し……
真城朔
だいたい具が 2個ずつ 乗っているっぽい
真城朔
ので、そのように乗せます。
夜高ミツル
ぼとっ ぬり……
真城朔
ミニトマト2切れ、ソーセージ2切れ……
真城朔
で、思ったより生地の上がいっぱいになる。
真城朔
のせのせ……
真城朔
塗られていったところに乗せていく。
真城朔
わりと効率的な分業体制が進んでいっています。
夜高ミツル
後半はもう1つのさじも使ってソースを落とし……
真城朔
そんなに難しい工程じゃないからね。難しい工程ひとつでもあったか?
夜高ミツル
配分をミスって、最後の方がややソースが少ない……
夜高ミツル
けどまあ許容範囲内……
真城朔
ぜんぜんいける。
真城朔
乗せ終わりました。
夜高ミツル
ソースの器とさじは流しに置いて。
夜高ミツル
チーズの袋を取る。
真城朔
そういえばそれもあった。
真城朔
写真を確認し……
真城朔
バジルもあった。
真城朔
こちらはバジル用意。
夜高ミツル
ピザチーズを具の乗った生地にかけていく。
夜高ミツル
「ん」
夜高ミツル
「バジルは焼いてからだからまだ大丈夫」
夜高ミツル
だよな……?とスマホを確認している。
夜高ミツル
いちいち確認する。
真城朔
はっ
真城朔
こくこく……
真城朔
バジルを置きました。
真城朔
「えっと」
真城朔
「洗い物」
真城朔
「する」
夜高ミツル
改めてチーズ乗せを再開する。
夜高ミツル
「ん、頼む」
真城朔
ソースとか具とか入れてた器とかさじとかを……
真城朔
持っていきます。
真城朔
じゃー……
夜高ミツル
チーズもかけ終わり、あとは焼くだけ。
夜高ミツル
レンジのテーブルを持ってきて、アルミホイルを敷く。
真城朔
そんなに量も多くないのでさっさと洗い終わって戻ってきました。
夜高ミツル
その上にミニピザを5個乗せて……
真城朔
洗い物は悩むところがないので楽!
夜高ミツル
レンジにセットし……
真城朔
隣で見ています。
真城朔
じー……
夜高ミツル
トースターの時間で悩んでいる……
夜高ミツル
レシピに書いてないため……
夜高ミツル
「……とりあえず10分くらいで様子見るか」
真城朔
「ん」
真城朔
頷いた。
真城朔
「見てる……」
夜高ミツル
ぴっぴっとセットし、トーストを開始する。
真城朔
じー……
真城朔
ぐるぐると回るのを見ている。
夜高ミツル
並んで見ている
夜高ミツル
じ……
夜高ミツル
男二人でレンジの前に立って……
夜高ミツル
「焼く前でもう見た目結構ピザっぽかったよな」
真城朔
見ているなあ
真城朔
「うん」
真城朔
「なんか」
真城朔
「意外と……」
夜高ミツル
「な」
真城朔
「ソーセージ」
真城朔
「1本で足りたね」
夜高ミツル
「少ないかと思ったんだけどな……」
夜高ミツル
「意外と足りた」
真城朔
「別に」
真城朔
「少ないって感じも」
真城朔
「なかった」
夜高ミツル
「うん」
真城朔
こくこく
真城朔
じー……
夜高ミツル
「むしろ2本あったら乗せるの結構大変になってそう」
真城朔
「うん……」
真城朔
「ソーセージだけのピザに……」
夜高ミツル
「なるな~」
真城朔
「…………」
真城朔
ちょっと考え込んでいる。
真城朔
「それはそれで」
真城朔
「あり……?」
夜高ミツル
「うまいよなそれでも」
夜高ミツル
ソーセージはうまいため……
真城朔
「今回」
真城朔
「よかったら」
真城朔
「色々……」
真城朔
「そういう……」
夜高ミツル
「だなー」
夜高ミツル
「ベーコンにしてもうまいだろうし」
夜高ミツル
「マッシュルームとか」
夜高ミツル
「ピザのレシピってめちゃくちゃあるしな」
夜高ミツル
前なんとなく調べたら思ったより色々あった。
真城朔
「いっぱいある……」
真城朔
「ピザ屋のチラシとか……」
夜高ミツル
定番っぽいのからなんだこれってやつまで……
真城朔
ピザだけでいっぱいならんでるから……
夜高ミツル
「あんまり具の種類が多いやつは乗り切らなそうだけど」
真城朔
「うん」
夜高ミツル
「やれそうなのあったら試してみよう」
真城朔
「チラシ」
真城朔
「とっとこうね」
真城朔
なにかに使って捨てちゃいがち
夜高ミツル
「うん」
夜高ミツル
頷いている。
真城朔
じー……
夜高ミツル
チラシ、便利だから……
真城朔
三角コーナーの生ゴミとかをこう……
真城朔
とか話しているうちにそろそろ。
真城朔
「……けっこう」
真城朔
「色」
真城朔
「ついてる?」
真城朔
覗き込む。
夜高ミツル
「ん」
夜高ミツル
一緒に覗き込んでる。
夜高ミツル
チーズが溶けて、生地に焼き目がついてきているのが見える。
真城朔
かなりわくわくしてきた。
夜高ミツル
「お~……」
夜高ミツル
「ピザだな……」
真城朔
「ん」
真城朔
「ピザ」
真城朔
「って感じ」
夜高ミツル
トースターの残り時間を確認する。
夜高ミツル
あとちょっと。
真城朔
こういうときなんとなく律儀に待ってしまう
真城朔
二人で並んで待機……
夜高ミツル
待っている……
夜高ミツル
そわそわ……
真城朔
うずうず……
夜高ミツル
そわそわしていると、チーンと焼き上がりを告げる音が鳴り。
夜高ミツル
扉を開けると、ふわっとチーズが香る。
夜高ミツル
「お~」
真城朔
おお……になっている。
夜高ミツル
二人でなった。
真城朔
並んでなりました。
真城朔
「次」
真城朔
「次も焼く?」
夜高ミツル
「そうだな、焼いちゃうか」
真城朔
こくこく……
真城朔
ミトンはめて焼いたぶんを取り出し……
夜高ミツル
天板置く用にふきんを濡らして台に置き
真城朔
えいしょっ
真城朔
乗せました。
夜高ミツル
隣には平皿も。
真城朔
しゅー
真城朔
「次の」
真城朔
「入れるね」
夜高ミツル
「ん」
夜高ミツル
「頼む」
真城朔
頷いて、二陣目を取ります。
真城朔
レンジにインして……
真城朔
ぴっぴっ
真城朔
回り始めました。
夜高ミツル
アルミホイルからミニピザを剥がして、皿に移す。
夜高ミツル
すっすっと乗せていき……
夜高ミツル
ん……?
夜高ミツル
なんかアルミが剥がれにくい……
真城朔
「?」
真城朔
レンジを覗き込んでいたけど、ミツルの方に戻ってきた。
夜高ミツル
「あーいや、なんかアルミがくっついてて……」
夜高ミツル
剥がそうと思いっきり引っ張り……
夜高ミツル
ぺきっ
夜高ミツル
「あ」
真城朔
「あ」
夜高ミツル
「…………」
夜高ミツル
割れた。
真城朔
「…………」
真城朔
おろ……
夜高ミツル
割れたけど剥がれはした。
真城朔
「た」
真城朔
「たべられる」
真城朔
「よ」
夜高ミツル
「……だな」
真城朔
こくこく
夜高ミツル
あんまり深刻にしすぎると真城もミスした時に気にするので
夜高ミツル
「まあ、こういうこともあるよな」
夜高ミツル
自分のミスも大体こんな感じで流すようになった。
真城朔
「ん」
真城朔
「ある……」
真城朔
「おいしそう」
真城朔
「だよ」
夜高ミツル
「……うん」
夜高ミツル
「焼き時間もちょうどよかった」
夜高ミツル
気を取り直して、一陣を全部皿に移し終えた。
真城朔
「よかった」
真城朔
いい感じに香ばしげな小さいピザたちを見ている。
真城朔
「あ」
真城朔
「バジル」
真城朔
こんどこそ……
夜高ミツル
「あ」
夜高ミツル
「そうだった」
夜高ミツル
忘れてた
真城朔
持ってきました。
真城朔
ちぎり……
真城朔
のせ……
真城朔
5枚だからすぐ終わる。
夜高ミツル
「ピザだな……」
真城朔
トマトソースに具が乗って、チーズがとろけて、その上にバジル。
夜高ミツル
何度目かわからない感想。
真城朔
「うん」
真城朔
「ピザ」
真城朔
「…………」
真城朔
こそっとミツルに耳打ちするように、
真城朔
「割れたやつ」
真城朔
「いま、たべちゃう?」
夜高ミツル
耳打ちにぱち、と目を瞬かせ
夜高ミツル
「……そうするか」
真城朔
「ん」
真城朔
こくこく……
夜高ミツル
笑って、割れたピザを2つに分ける。
夜高ミツル
「熱いから気をつけてな」
真城朔
「うん」
夜高ミツル
半分を真城に差し出す。
真城朔
そっと受け取ります。
真城朔
まじまじ見てる
夜高ミツル
ピザだな……って思う
夜高ミツル
ずっと思ってる。
真城朔
眺めつつミツルを窺っている。
夜高ミツル
半分のピザを口に運ぶ。
夜高ミツル
ぱくっ
真城朔
合わせてあーん……
真城朔
ぱく。
夜高ミツル
熱々のピザをもぐもぐと……
真城朔
むぐむぐ……
夜高ミツル
飲み込み……
夜高ミツル
「これ」
真城朔
「うん」
夜高ミツル
「生地が思ったよりピザだ」
真城朔
口をおさえている。
真城朔
「ん」
真城朔
頷きます。
夜高ミツル
「餃子の皮なのに……」
真城朔
「薄っぺらくない」
真城朔
「よね」
夜高ミツル
「な」
夜高ミツル
「もちもちしてる感じで」
真城朔
「すごい」
真城朔
もうひとかじりしています。
真城朔
もぐもぐ
夜高ミツル
齧った残りを口に放り込む。
夜高ミツル
ちなみにバジルも一枚ずつで分けました。
夜高ミツル
もくもく……
真城朔
並んで食べている。
真城朔
立ったまま。
真城朔
ちょっと行儀悪し。
夜高ミツル
つまみ食いだな~
夜高ミツル
でも誰にも怒られない。
夜高ミツル
ここには二人しかいない。
真城朔
こういうのもあり。
真城朔
ふたりなので。
真城朔
三口目で流石に食べ終わって、もぐむぐしてます。
夜高ミツル
自分の方は食べ終わったので、真城が食べるのを眺めている。
夜高ミツル
急かしたくないので、こういう時はあんまり話しかけない。
真城朔
けっこうじっくり咀嚼している。
真城朔
時間をかけて味わい……
真城朔
飲み込みました。
真城朔
「ピザ」
真城朔
「だったね」
夜高ミツル
「うん」
夜高ミツル
「思ったよりかなりピザ」
夜高ミツル
「バジル買ってきてよかったな」
夜高ミツル
お好みでって書いてあったからちょっと迷った。
真城朔
「うん」
真城朔
「けっこう、なんか」
夜高ミツル
お好みって書いてあるやつは迷いがち。
真城朔
「大事な感じ……」
夜高ミツル
「だなー」
真城朔
「後味?」
真城朔
「が」
真城朔
「ちがいそう」
夜高ミツル
「ピザ食べてる感じがする」
夜高ミツル
「色も、緑あるとなんかいいしな」
真城朔
「ん」
真城朔
「いろどり」
夜高ミツル
赤白緑で……
夜高ミツル
イタリア感がある 雑な認識
真城朔
雑だけどわかる感じ
真城朔
ふたりでそのように話していると……
真城朔
「あ」
真城朔
レンジの音が鳴った。
夜高ミツル
「ん」
夜高ミツル
レンジに向かう……
夜高ミツル
前に手を洗い……
夜高ミツル
段取りが悪い。いつも。
夜高ミツル
手を拭いて、改めてレンジを開け
夜高ミツル
「こっちもちゃんとできてる」
真城朔
覗き込み……
真城朔
「できてる」
真城朔
「よかった」
夜高ミツル
頷く。
真城朔
ミトンはめます。
真城朔
取り出し……
夜高ミツル
また濡れふきんを置いて……
真城朔
そこに置きます。
真城朔
じゅー
夜高ミツル
横に2枚目の皿を並べる。
真城朔
レンジの扉を閉めて……
真城朔
ミトンを戻し 手を洗い
夜高ミツル
熱々のピザをアルミホイルから皿に移している。
真城朔
バジルをスタンバイしています。
真城朔
乗せていく。
夜高ミツル
またくっついてるやつも、今度は慎重に剥がし……
夜高ミツル
よいしょよいしょ……
夜高ミツル
ぺりぺり……
真城朔
慎重にしている間は待ってます。
夜高ミツル
今回はなんとか割らずに、全て皿に盛り付ける。
真城朔
乗せていきます。
真城朔
バジルも乗せ終わった!
夜高ミツル
ピザが……9枚もある!
夜高ミツル
皿を一枚ずつ手にとって、二人でリビングに向かう。
真城朔
うきうきわくわく……
真城朔
小さなピザが9枚。
真城朔
普通のピザだと1枚どころかひと切れ食べるのも結構ハードル高いので……
夜高ミツル
生地が薄いし、チーズもそんなにどっさりじゃないので食べやすい。
真城朔
だいぶ贅沢な気分になっている。
真城朔
食卓に皿を並べる。
夜高ミツル
それから一回台所に戻って牛乳とコップを取ってきたり。
真城朔
おしぼりも持ってきたり。
真城朔
ピザなので、箸とかスプーンとかはいらない。
真城朔
ぱぱっとととのいました。
夜高ミツル
二人並んで、腰を下ろす。
夜高ミツル
つまみ食いはしちゃったけど、改めて手を合わせる。
真城朔
合わせます。
夜高ミツル
「いただきます」
真城朔
「いただきます」
真城朔
いつものように、二人で声を合わせた。