2021/07/18 早朝
noname
締め切られたカーテンの隙間から朝の光が射し込む。
noname
夏の北海道は本日も大変に気温が高く、
noname
昨日も同じだったから、快適な暮らしのためにはエアコンが必要不可欠であり。
夜高ミツル
ミツルの目を覚まさせたのは、朝の光ではなくそちらの方だった。
noname
エアコンが冷風を吐き出す音が耳にうるさい。
真城朔
ミツルの腕の中には、くったりと眠っている真城の裸体。
夜高ミツル
散々に身体を重ねて、後始末もせずにそのままぱったりと寝てしまったのだ。
真城朔
蹴飛ばされた布団がベッドの足元でぐちゃあ。
真城朔
その中で真城は冷えた身体をミツルへと擦り寄せるが。
夜高ミツル
真城も寒かったかな、せめて布団くらいかけるべきだったな……。
真城朔
布団を被せられて、真城がまた小さく身じろぐ。
真城朔
真城の手は今のミツルには冷たく、ミツルの頬は今の真城には熱い。
夜高ミツル
抜け出されて、ぼふ、と腕がベッドに落ちる。
真城朔
裸のままぺたぺたと戸棚へと向かい、体温計を取って戻ってくる。
真城朔
エアコンのリモコンを取って設定温度を上げている。
真城朔
脱ぎ散らかされていた服を適当に取って羽織っている。
夜高ミツル
その様子をぼんやりと見ながら、熱を測り終わるのを待っている。
真城朔
とりあえずゴムやらなんやらを片端から拾ってゴミ箱に集めている。
真城朔
ミツルの寝間着やタオルバスタオルも集め……
夜高ミツル
「明日になっても下がらなかったら……」
真城朔
普段から常備されている。自分が使われる側だが。
夜高ミツル
真城に補助されながら、重たい体を持ち上げる。
真城朔
ミツルの身体を起こすとシートを引き出して、
真城朔
すーっとした感覚がけっこう心地よかったりするが、なんせ熱でだるい。
真城朔
いつも心地よくしてもらっているやつを今日はミツルに使っている。
真城朔
シャワー浴びれてないし、病人だから清潔にしたいし……
真城朔
背中もきれいにして、腰回りもちゃんと拭いて……
真城朔
上半身が終わったらベッドに横になってもらう。
夜高ミツル
汗でべとついた額が拭われて気持ちいい。
真城朔
顔が終わったら首周りとか関節とか汗の溜まりやすそうなとこをもう一度やりなおし……
真城朔
下着と寝間着と持ってちゃっちゃと戻ってくる。
真城朔
体温計を拭いて戸棚にしまうと、冷えピタを取って戻ってきた。
夜高ミツル
冷えた水を飲むと、体の内側が熱いのが分かる。
真城朔
冷えピタのフィルムを剥がすと、おでこの髪をよけて
真城朔
今度は水の入ったコップとヤカンを持って戻ってきた。
真城朔
ヤカンはテーブルに置いて、コップをミツルへと手渡す。
真城朔
ヤカンを置いたテーブルをよいしょとベッドの方へと近づけ……
夜高ミツル
受け取って、ゆっくり2杯目を飲んでいる。
真城朔
こういう作業をひょいっとできる。力があるため。
夜高ミツル
2杯目を飲み干して、テーブルにコップを置く。
夜高ミツル
隣に並んだ真城をやんわりと抱きしめる。
真城朔
ただでさえ平熱が低いので、ひんやりとすら感じそうだが、
夜高ミツル
真城が風邪とか引かないのをいいことに……。
真城朔
こちらはこちらで甘やかされている気分でいる。
夜高ミツル
真城がよくやるように、すり、と手に頭を擦り寄せて
夜高ミツル
熱の原因が原因だけに、なんとも間の抜けた話で……
夜高ミツル
さっき起きたばかりではあるけど、再びとろとろと眠りに落ちていく。
真城朔
そのままごく近くで、ミツルが寝入るさまを見守っていた。