2021/07/25 夕暮れ
noname
傾いた夕日が部屋を薄橙に染めている。
夜高ミツル
その熱を、寝息の穏やかなのを感じながら
夜高ミツル
一足先に目を覚ましたミツルは、寝る前の様々なことに思いを馳せていた。
夜高ミツル
反省をしていたのは事実だが、それはそれとしてあのようになったのもまた事実だった。
夜高ミツル
ただでさえ疲れているところに、負担をかけさせてしまった……。
真城朔
本人はそんなことないとかお互い様とか言い張るだろうが……
夜高ミツル
色々と気にさせてしまうのも申し訳ない。
真城朔
ふにゃ、と笑み崩れて頭がミツルの手に寄った。
夜高ミツル
寄せられた頭を、ゆるゆると撫でている。
真城朔
むにゃむにゃと不明瞭な眠たげな声を漏らしている。
真城朔
それからも結構長いことむにゃすようにゃうにゃやり……
夜高ミツル
それを起こさずに見守っているのはいつものこと。
夜高ミツル
抱きしめたり、頭を撫でたり髪を梳いたり……
真城朔
んん、と大して変わらない寝ぼけ声を漏らし。
真城朔
あまりものを考えられていなさそうな顔でミツルを見ている。
夜高ミツル
「……とりあえず、飯とか食う…………?」
真城朔
ミツがおなかすいてるとおもう……になってる。
真城朔
もぞもぞとミツルの胸にまた身を擦り寄せる。
真城朔
抱きしめられると心地が良くてまたうとうとになってくるが……
真城朔
とりあえず二人で起きて、スマホで調べて出前を頼み……
夜高ミツル
チーズが入ってるやつとシャリアピンソースのと……
真城朔
待っている間はなんか疲れてたからかなりぼんやりしていた……
真城朔
ちょっと迷ってシャリアピンの方を箸で割って取った。
真城朔
どちらがどちらとか決めずに食べたいようにの並べ方
夜高ミツル
なら、とチーズが入ってる方を一口分取る。
夜高ミツル
入っているのを頼んだので、入っている。
真城朔
小さめに割って、小さく盛ったご飯に乗せる。
夜高ミツル
ミツルも今度はそちらに箸を伸ばし、割る。
夜高ミツル
だな、と頷いて、玉ねぎのソースのかかったハンバーグを口へ。
真城朔
向かいでもくもくチーズの入ったハンバーグを食べています
真城朔
おいしいとは言いつつ普段よりぼんやり食べている。
夜高ミツル
ぼんやりしている様を、ちらちらと気にしている。
真城朔
それほどおかしいというわけでもないのだけれども……
夜高ミツル
話をするなら食べ終わってからの方がいいだろうと、
夜高ミツル
いつもどおり、真城が食べきれなかった分はミツルが平らげて
夜高ミツル
皿の上がきれいになくなったところで箸を置く。
真城朔
ぼやぼやしつつ食器を片付けようと立ち上がる。
夜高ミツル
出前の分は使い捨て容器で来たから、いつもより少なめ。
夜高ミツル
「なんか……ぼんやりしてる感じというか……」
真城朔
だいじょうぶとはおもうけど、とか、もごもごと曖昧に言っている。
夜高ミツル
「……まあ、今日明日はゆっくりしよう」
夜高ミツル
昨夜のことについて話をしようとは思っていたものの、そういう感じにできないままふにゃふにゃと真城に触れている。
真城朔
真城は真城でぼんやりとミツルに密着しており……
夜高ミツル
そういう心持ちでない時に無理に切り出したくはなく……。
夜高ミツル
結果として、お互い黙ってくっついている。
夜高ミツル
やっぱり……疲れさせてしまっただろうか……。
夜高ミツル
悲しんでいない様子なのはとりあえずよかったけど……。
夜高ミツル
魔女のせいだと、言い訳はしたくなかった。
夜高ミツル
真城は自分のせいだと言うだろうか。それも嫌だ。
夜高ミツル
自分のすることは自分の責任だと言ってきた以上は、そこから逃げたくない。
夜高ミツル
何より真城を傷つけるし、危険に晒す行いだった。
夜高ミツル
他の狩人の前で、行為をしていたことを晒されもした。
夜高ミツル
魔女のせいだった、どうしようもなかったでは気をつけられない。
夜高ミツル
意思の強さでは抵抗できない場面がないとは言わないが、それでも最初から諦めるのでは大違いだ。
真城朔
昨晩の件について考えているのか考えていないのか、よくわからないぼんやりとした表情。
夜高ミツル
何を思っているのかは分からないが、昨夜の件が影響していないはずはなく。
夜高ミツル
真城を守ると決めた。傷つけさせまいとしてきた。
夜高ミツル
もう、こんなことを繰り返してはいけない。
夜高ミツル
腕の中に真城のぬくもりを、輪郭を確かめながら。