2021/08/19 昼前
真城朔
リュックにはお弁当に飲み物に折りたたみの日傘に、それと熊鈴。
夜高ミツル
目の前には青々と生い茂る緑と、それを分けて伸びている山道。
真城朔
せっかくなので北海道の山に登ろう! となり……
真城朔
電車に乗り、バスに乗り継ぎ、てくてく歩いてだいたい15分ほどで登山口。
真城朔
既に青々とした緑になんとなく風の爽やかさを感じたりしている。
夜高ミツル
さすがに手を繋いで……とはいかない……
夜高ミツル
足音に合わせて、ちりちりと熊鈴が鳴る。
夜高ミツル
持ってもらいながら、中からパーカーを取り出す。
夜高ミツル
ジッパーを上げて前を閉め、今度は水筒を取り出す。
夜高ミツル
こぽぽ……と水筒のカップにお茶を注いで
夜高ミツル
きゅっと水筒を閉めて、リュックに戻す。
夜高ミツル
「街の方では聞かない感じの鳴き声がする……」
真城朔
だんだん傾斜が急になったりならなかったりしてくる……
夜高ミツル
道に木の根が張り出してるので、よいしょと乗り越える。
真城朔
木々で陽射しが遮られているので、だいぶ元気。
夜高ミツル
北海道、札幌とかの一部が開けているだけで……
真城朔
山の中で、森って感じで、細い道をてくてくと……
夜高ミツル
「遠足で行った山はもっと登山道が整備されてる感じだったから……」
夜高ミツル
登ってきた道がちょっと水平になったと思ったら、目の前に下りの階段。
夜高ミツル
なんだか釈然としない感じで、階段を下りる。
夜高ミツル
「確かに、これこけたら危ないだろうな……」
真城朔
てくてくというか ふみ……ふみ……みたいな足取り。
夜高ミツル
「もうちょいで階段終わりそうだし、そしたらちょっと休憩しよう」
夜高ミツル
木の葉の音とか……またよく分からない鳥の声とか……
夜高ミツル
そんな感じでほどほどに休憩して、山登りを再開する。
真城朔
初心者でも歩けるコースとは聞いていたんだけど……
夜高ミツル
「落ちたらどこまで行くんだろうな……」
夜高ミツル
多少疲労は見えてきたものの、実際足取りはまだ全然しっかりしている。
夜高ミツル
右向きの標識は山頂、左向きの標識は入り口、と書いてある。
夜高ミツル
「ここで他のルートと合流する感じかな……?」
夜高ミツル
「まあ急にめちゃくちゃヤバい道とかにならなければ、普通にいけそうだな……」
夜高ミツル
そんな感じで休憩して、残り半分を登り出す。
真城朔
それからも歩いてるとちょこちょこ観音様が。
夜高ミツル
目の前の道には大きめの石がごろごろと……
真城朔
急に凹凸のすごいことになった道を慎重に行く……
夜高ミツル
山道なのであんまり先は見えないけど……
真城朔
真城もかなり慎重な足取りになっているというか、
夜高ミツル
ミツルがそろそろ進んでいるので、必然的に後ろの真城もそうなる。
夜高ミツル
山頂からは夜景がきれいに見える、とのことなので
夜高ミツル
それを目当てにここに決めたところもある。
真城朔
ひとがんばりで済むか……? になっている。
夜高ミツル
もしかして山頂までずっとこうなのでは……
真城朔
山を降りてくる人とすれ違ったりもしつつ……
夜高ミツル
杖あるとかなり違うんだろうな……とか思ったりする。
真城朔
このコースは既に他のコースと合流してるから
真城朔
どっちにしろではあったかもしれないけど……
夜高ミツル
小休止のあと、また凸凹道を登り始める。
夜高ミツル
かなりペースは落ちたものの、残り半分を越えてから結構歩いてはいるので……
真城朔
ひどくなったり多少ましになったりしつつ、基本的にはずっと凹凸。
夜高ミツル
やっぱりこれが山頂まで続くんだろうな……になってる。
夜高ミツル
「あんな感じでずっと続いてたら楽だったんだけどな~……」
夜高ミツル
「せめて上着は持ってきててよかったな……」
夜高ミツル
「かなり涼しくなってきた感じもするし……」
夜高ミツル
そもそも涼しい日を選んで来たのもあり……
夜高ミツル
「もっと大変なとこに迂闊に登らなくてよかった……」
夜高ミツル
鍛えてるし体力づくりもしてるから……とか言って慢心しないで……
夜高ミツル
大変な道をえっちらおっちら登っている。
夜高ミツル
もうちょっと行ったら休憩するか~なんて話していたところ……
夜高ミツル
開けた場所の真ん中に大きめの建物がある。
真城朔
ベンチに座って周囲をきょろきょろと見回している。
夜高ミツル
「ずっと、すげー山って感じのところ歩いてたから……」
夜高ミツル
ケーブルカーで登ってきたらしき、軽装の人もちらほらと。
真城朔
展望台から360℃、広々とした札幌の街を見下ろしながら。
夜高ミツル
「見下ろしてみると改めて……って感じだな」
真城朔
建物がいーーーーーっぱい並んでいるのをぽかんと見ている。
夜高ミツル
「何キロくらいあるんだっけな、海まで……」
夜高ミツル
視界のスケールがすごいな……になっている
夜高ミツル
「1時間登っただけで、こんな遠くまで見えるんだな」
真城朔
流石に観光名所だけあってぽつぽつ人がいるけど……
夜高ミツル
この景色のどこかに、二人で一年近くを過ごしてきたマンションがある。
真城朔
ぼちぼちと人の姿のある展望台の中でも、そこは特に人が多くいる。
夜高ミツル
人がいるのが気になって、そちらに視線を向ける。
真城朔
お弁当箱の中身は前にお花見で作ったものとほぼ同じ。
真城朔
あとは卵焼きに、つけあわせ的ブロッコリーとかプチトマトとか……
真城朔
真城でも一口で食べられるように、小さめに切ってくれている。
夜高ミツル
その隣で、包みを開いておにぎりにかぶりつく。
真城朔
ちょこちょこおかずに作ってきたメニューなので、味は保証付き。
真城朔
ベンチに座ってお互いを見つめながら頷き合っている。
夜高ミツル
とはいえさすがにお腹も空いているので、またおにぎりを一口。
真城朔
真城はお腹がすかないのでのんびりしている。
夜高ミツル
二口目を飲み込むと、今度は箸を取って唐揚げをつまむ。
夜高ミツル
やっぱり唐揚げとはなんか違うもののような気がする。
真城朔
ミニハンバーグは普通に小さいハンバーグです。
真城朔
口を動かしながら、小さめのおにぎりを取って一口。
夜高ミツル
小さめのまると大きめのまるを並んで食べて……
真城朔
登ってきた人が通ったり、降りていく人が通ったり。
夜高ミツル
それに気づいたらこちらも下げ返したり。
夜高ミツル
山をなめてたなりに、マナーを一応調べてきた。
夜高ミツル
ここは木に囲まれて麓の景色は見えないけど……
夜高ミツル
それでもやっぱり家で食べるのとは違う。
真城朔
むしろ自然の中って感じはここの方がする……
真城朔
食べかけの塩にぎりを手にぼんやりと思い返している。
夜高ミツル
「危ないところを見守ってもらってんのかな……」
夜高ミツル
ついていけるようになりたいんだけどな……
夜高ミツル
晴れるようなら中に移ったほうがいいかな……
夜高ミツル
空になった弁当を片付け、ゴミはビニール袋にまとめて。
夜高ミツル
わかんないけど、他にお賽銭を入れるような場所もなさそうなので……
夜高ミツル
二人で無事に登頂できました……ありがとうございます……
夜高ミツル
もうすぐ満月だから……狩りも無事に終えられますように……
夜高ミツル
やがて、どちらからともなく目を開ける。
夜高ミツル
「そういえば初詣も行かなかったしな……」
夜高ミツル
北海道に着いてからは、家でのんびりまったりしていた記憶ばかり……
夜高ミツル
「してないこと、たくさんあるなあ……」
夜高ミツル
「北海道出る頃には夏休みも終わってるし」
真城朔
まあ別にいっぱいってほどじゃない。もともと。
夜高ミツル
いっぱいって程じゃなくても、人がいると割と避けがち。
夜高ミツル
避けがちだけど、今はまあいけるかな……という程度。
真城朔
なんか……ピンクと白のストライプの自販機がある。
夜高ミツル
でもなんかすげー縁起悪く見えてくるな……
真城朔
もともとこういうのするタイプではあんまり……
真城朔
錠前がいっぱい下がってる手すりの真ん中に鐘がある。
夜高ミツル
夜はライトアップされるらしいけど、今はふつうに鐘。
夜高ミツル
手すりからは遠いけど、ここだけちょっと高くなってるので麓が見える。
夜高ミツル
人が少ないとはいえあまり独占するのもなんなので、