2021/08/24 昼過ぎ
夜高ミツル
それを聞きながら、やや所在なさげにソファに腰掛けている。
真城朔
真城があんまり食べないからもうちょっと残ってる。
夜高ミツル
触れようとしていた左手が少しの間躊躇いに固まって、
真城朔
強張った肩が抱き寄せられて、握られた拳にさらに力が入る。
真城朔
言葉にできないかすかな訴えに、喉が小さく鳴った。
真城朔
小さく息を漏らして、ミツルの手に頭を擦り寄せる。
夜高ミツル
右腕にはまだ包帯が厚く巻かれたままで、
夜高ミツル
手はやはり、柔らかく真城の頭に触れている。
夜高ミツル
繰り返して、手を背中に回して抱き寄せる。
真城朔
俯きながらも、ミツルの腕を振りほどかずにいる。
夜高ミツル
最中にも何度も繰り返した言葉を口にする。
真城朔
ややぎこちないというか、気まずそうというか、落ち込んだ様子ではありつづけるものの……
夜高ミツル
寝そうだな……と思いつつ手は止めない。
夜高ミツル
それに気づいてからも、やはりしばらくは手を止めずにいた。