2021/08/26 夜
真城朔
歌ってきたわけではなく、時間潰しにぼんやりしてた。
真城朔
隣の歌声がすごかったりしたけど、まあまあ個室なのでのんびりできた。
真城朔
のんびり時間を潰して、外を見回せばすっかり夜。
夜高ミツル
大きいとは思っていたが、近くから見ると更に迫力がある。
真城朔
他愛もない話をしながら、二人で観覧車乗り場へと向かう。
真城朔
なんか既に乗り場がライトで青くて光ってる……
夜高ミツル
スタッフの人の笑顔に見送られ、扉が閉まる。
夜高ミツル
片方に2人ずつの、計4人座れるようになっている。
真城朔
ゆらゆら揺られながら観覧車の高度が上がっていく。
夜高ミツル
ゴンドラの側面は床のすぐ上までガラス張りになっている。
真城朔
ガラスの窓に手を触れて、ぼんやりと札幌の夜景を眺めている。
真城朔
ごうんごうんと少しずつ高度が上がっていく……
真城朔
つい最近ロープウェイに乗ったばかりなので、比べてしまった。
夜高ミツル
こうして話している間にも、ごうんごうんと上に。
真城朔
札幌の街がまあまあ見渡せる感じになってきた。
真城朔
一望できる、とか、そういう形容をしてもいいと思うんだけど……
夜高ミツル
いるんだけど……という空気がやんわりと漂っている。
真城朔
ミツルの胸に少し身を寄せて、小さく頷いた。
真城朔
抱き合い身を寄せ合いながら、札幌の夜景を見下ろす。
真城朔
札幌の街中から見下ろせる、札幌の夜景を見ている。
夜高ミツル
山から見たよりもずっと近くに光がある。
夜高ミツル
夜景の奥、遠くに黒いシルエットが見える。
真城朔
二人でぺったりガラスにくっついて首をかしげている。
夜高ミツル
「500mとかあったんだもんなあ、高さ」
夜高ミツル
「横にすると大したことない距離なのにな……」
夜高ミツル
この距離だと、地上を歩く人々まで見える。
真城朔
見下ろす札幌の街が、どんどんいつもの高さへと近づいていく。
真城朔
それを惜しむように、ぺったりと窓に張りついて外を見る。
真城朔
札幌での暮らしも、同じく終わりを迎えつつある。
夜高ミツル
ちら、と目を向ければもう降り場が見えている。
真城朔
夜景を映していた瞳に、今は目の前、ごく近くのミツルを映している。
夜高ミツル
「時間が経つのって早いよなって思っただけ」
夜高ミツル
スタッフの人は大してこちらを気に留めた様子もなかった。
夜高ミツル
カップルなんていくらでも見ているのだろう……
夜高ミツル
きらびやかなゴンドラが回っていくのを見送って、
夜高ミツル
片手しか使えないとこういう時調べられない。
夜高ミツル
この後は地下で回転寿司をいただく予定。
真城朔
結構食事処はいっぱいあるんだけど、居酒屋系は入れないし……