2021/09/07 夕方
夜高ミツル
フライパンや鍋などはこの日に出してしまわないといけない。
夜高ミツル
ということで、今日がこの部屋でする最後の料理。
真城朔
二人でエプロンを着てキッチンに立っている。
夜高ミツル
ビーフストロガノフにしよう、ということになった。
夜高ミツル
まだ本格的に一緒に料理を始める前だった。
真城朔
やや危なっかしさを感じないでもない慎重さで薄切りしていく。
真城朔
ミツのやってた薄切りよりはどうしても厚い……
夜高ミツル
その隣で計量の必要なものを計ったりしている。
真城朔
前と同じビーフストロガノフのレシピで作ろうとしたんだけど……
真城朔
すぐ見つかるやつを使ったはずなんだけどな……
夜高ミツル
はずなのに見つからなかったので、今回は別のレシピを参考にしている。
夜高ミツル
カットトマトにケチャップ、ウスターソース。
真城朔
カットトマトの使用量が中途半端だったので、ちょっとアレンジしちゃおうという結論が出ている。
真城朔
小さめのざるにあげて、次はしめじにとりかかる。
夜高ミツル
ケチャップにソースに砂糖と、大さじで量って深めの小皿に入れていく。
夜高ミツル
水はレシピより減らすので、煮込みながら様子を見つつ入れていく感じで……
夜高ミツル
ちんまりとした欠片が銀紙に包まれている。
夜高ミツル
とりあえずこのままスケールに乗せてみる。
夜高ミツル
欲しい量は20グラムなので……まあ……
真城朔
みたいな顔で、なんとなく手を止めてミツルを見てしまっていたが……
夜高ミツル
入れ替わりに鍋を取り出して、コンロに置く。
真城朔
パックに置いた牛肉に、高いところから塩こしょうをしている。
真城朔
塩こしょうなんかはまだいいけど、ものによっては閉めすぎて後が大変になったりする。
夜高ミツル
バターを溶かして鍋底に広げ、そこに玉ねぎを入れる。
真城朔
万事ミツルがやる方が手際が良くてうまくやれてるように見える。
夜高ミツル
真城も上手になったし自分とそんなに差があるとは思わないとは、事ある毎に言ってはいるんだけど……
真城朔
まな板と包丁を洗い終わり、定位置に戻しました。
夜高ミツル
日用品を処分するとなると、いよいよここともお別れ……という感じがする。
夜高ミツル
明日からは作り置きをレンジで温めるくらいしか……
夜高ミツル
しょんぼりしている間に玉ねぎがしんなりしてきた。
真城朔
前はミツルがそうして炒めるのを対面から眺めていた。
夜高ミツル
眺められてるのもそれはそれで好きだったけど、一緒にできるのは楽しい。
夜高ミツル
真城に切ってもらった具材を炒めている。
夜高ミツル
肉ときのこと玉ねぎがバターで炒められたにおい。
真城朔
多分これくらい食べるだろう……というくらいの量も
夜高ミツル
紙パックだけどハサミを使わずに開けられるようになってる。
夜高ミツル
さっき量ったケチャップとかソースとかも入れる。
真城朔
真城1人分だと少ないので2人分1セットでやる。
夜高ミツル
煮込みながら、時々中身をかき混ぜている。
真城朔
くるんだものを片端から冷凍庫に入れている。
夜高ミツル
小皿を出してきて、おたまでその上にちまっとすくう。
夜高ミツル
「前はデミグラスソースも同じくらい入れたからな……」
夜高ミツル
小皿にまたちんまりと盛って、ふうふうと冷まし……
真城朔
何故製品を宣伝するレシピページで製品を気持ちよく使い切るレシピにしてくれないのか不思議だが……
真城朔
こういうときの味の調整には未だに全く自信がない。
真城朔
食卓の準備がだいたい終わったので、見守っている。
夜高ミツル
酸味の調整にはとりあえず砂糖……という気持ちがある。
夜高ミツル
さっきしまった砂糖をもう一度取り出す。
夜高ミツル
砂糖をすくって、さらさらと鍋に入れる。
真城朔
なんかそういう瞬間は特にすごい料理してる……って感じに見える。
夜高ミツル
「トマトが強い時は砂糖足していく感じで」
夜高ミツル
鍋の中にたっぷりとビーフストロガノフ。
夜高ミツル
「あとサラダとローストビーフ……は出すだけだから……」
真城朔
食卓にはビーフストロガノフ、ローストビーフ、サラダ、それとぶどうジュース。
夜高ミツル
ご飯とビーフストロガノフを一緒にスプーンですくう。
夜高ミツル
前回とはやっぱり味が違う感じがする……
夜高ミツル
ここしばらくはずっと、感覚じゃなくてレシピ頼りで作ってたから……
夜高ミツル
たまに感覚頼りで調整するとちょっと緊張する。
夜高ミツル
「もっと色々知ってると細かく調整もできるんだろうけどな……」
夜高ミツル
「酸味が強い時に砂糖を入れるといいみたいなのを、色々……」
夜高ミツル
ゲーム機でも買うか~というつもりで見に行ったのが……
夜高ミツル
でもゲームを買うより活用できたと思う。
真城朔
主にローストビーフを作るのに使っていたこれは、彩花が引き取ってくれる。
夜高ミツル
かなり捨てたくなかったので、大変に助かっている。
真城朔
売るのとかなかなかこの身分だと難しいから……
真城朔
思い入れを理解してくれる相手に譲れることになってよかった……
夜高ミツル
「これは低温調理器がすごかったな……」
夜高ミツル
「真城が作ってくれるのも、全部おいしいよ」
夜高ミツル
「俺が手使えない間、一人でできてたし」
夜高ミツル
「そういえば島なのにあんま魚のイメージないな……」
夜高ミツル
「行ったら結構あったりすんのかな……」
真城朔
真城は食べないけどミツルに食べさせたがるはっぱ。
夜高ミツル
なにかしらの野菜は毎日食べるようにしている。
真城朔
自分はあんまり食べないから申し訳ないけど……
夜高ミツル
別に野菜嫌いではないし、真城が喜ぶから食べる。
夜高ミツル
「ていうか果物は夏前に出るなら厳しいかな……」
夜高ミツル
あんまり広さを実感することはしなかったが……
真城朔
思い出したようにビーフストロガノフをすくい……
夜高ミツル
「北海道回ろうと思ったらそれだけで旅行レベルだからな……」
夜高ミツル
北海道を横断するのと東京大阪間が大体同じくらいの距離だったはず……
夜高ミツル
だけどここで暮らした思い出だけは、たくさん持っていける。
夜高ミツル
いつまでもどこまでも持っていけるものだと、信じている。